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2017年4月27日木曜日

【共産党研究】民進党と明暗分けた森友問題、支持率わずか1・7%差に 選挙に結びつかない疑惑、スキャンダル追及―【私の論評】頭の悪い新聞と民進党はなぜ無間地獄に陥った?

【共産党研究】民進党と明暗分けた森友問題、支持率わずか1・7%差に 選挙に結びつかない疑惑、スキャンダル追及

学校法人「森友学園」の小学校建設用地。校舎を残して売却を検討中だ=大阪府豊中市
 産経新聞とFNNが15、16日に行った世論調査が興味深い。政党支持率の前月比で、民進党が1・8ポイント減の6・6%と、昨年3月の結党以来最低だったのに対し、共産党は1・1%増の4・9%になっている。両党の支持率の差は、わずか1・7%でしかない。

 この結果について、産経新聞は、これを従来の支持層であった無党派層が戻っておらず、一部は共産党に流れていると分析している。

写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 学校法人「森友学園」問題の追及で、共産党が大いに目立ったことは間違いない。本来、入手しがたい資料を次々と暴露した。鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)参院議員事務所の「陳情整理報告書」や、籠池(かごいけ)泰典・森友学園理事長(当時)が首相夫人付政府職員にあてた手紙などが、それである。

 イラだった麻生太郎副総理兼財務相が、共産党議員の追及に対し、「偉そうに人指さして…」と答弁して物議を醸したものである。他方、民進党はこうした資料をほとんど入手できなかった。

 ここに共産党と民進党の差がある。

 共産党の場合、こうした問題が発生すると、議員と秘書、「赤旗」記者などを集めてプロジェクトチームを結成し、チームで調査し、情報を一元化する。チームとして追及する材料、テーマなども決める。民進党が衆院厚労委員会で、介護保険改正案の審議中に森友問題を取り上げ、与党の採決を誘発したが、こんな愚かなことはやらない。

 ただはっきり言うが、こうした疑惑やスキャンダルの追及は、実は選挙には結びつかない。かつて「首相の犯罪」と言われ、田中角栄元首相が逮捕されたロッキード事件があった。当時、私は秘書として、この追及のためのプロジェクトチームに加わっていたが、訪米調査など間違いなく共産党の追及が群を抜いていた。

 だが、次の衆院選では惨敗を喫した。有権者は、ロッキード事件に高い関心を持っていたが、同時に自分の生活とは直結しない問題だったからだ。

 今回の世論調査で、安倍内閣の支持率は1・9%増えている。自民党の支持率は4・5%も増えている。共産党の支持率の増加は、民進党が減った分の一部だということに過ぎない。

 確かに、8億円もの値引きで国有地が売却されたことに、国民が憤ったことは間違いない。だが、その売却額で国が買い取ることに決まった。森友学園そのものも民事再生法を申請するまでになっている。国会での追及も、もはや収束の時期を迎えている。森友問題の追及が売り物だからといって、いつまでも拘泥していると足元をすくわれることになると警告したい。

■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ)1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』(イースト新書)など。

筆坂秀世氏

【私の論評】頭の悪い新聞と民進党はなぜ無間地獄に陥った?

森友問題の本質を整理すると、「①森友の前の豊中市への売却時にゴミ問題発覚した、②それを言わずに近畿財務局が森友と交渉、③その結果近畿財務局の値引き」というところです。

以下は、憶測ですが、②の時点で、ゴミが埋められていることを知った篭池氏は烈火のごとく怒って近畿財務局と交渉したことでしょう。これは完璧に近畿財務局の事務ミスであり、その後篭池氏に対しては頭の上がらない状態になったはずです。これで、篭池氏の一見不可解な行動は、大方説明がつきます。

ところが、朝日新聞は③近畿財務局の値引きと④昭恵夫人の関与というストーリーを報道するのみで、①と②はマスコミなら知っているはずなのに朝日新聞は報道しません。朝日はなぜ書かないのでしょうか。このことからも朝日新聞は、フェイクニュース機関です。

これは、調べれば誰でも理解できることであるはずです。このような情報を知っていれば、そもそも森友問題は昭恵夫人や政治家が関与したということもなく、単なる近畿財務局の事務ミスであり、これを追求しても他には何も出てこないことなどすぐに理解できたことでしょう。

上記①②③は明らかなため、大方のメディアはある時点から、森友学園の報道はやめました。それ変わって、現在は緊迫する北朝鮮状況の報道などが目立ちます。

これは当然といえば、当然です。民進党と共産党などの野党は、この問題の火付け役となりましたが、国会で問題にするくらいなら、上記に掲載した①、②、③くらいは予め良く調べてからにすべきだったでしょう。

そのため、全く決め手になるような内容は結局何も出てこず、まるで都市伝説のような展開になってしまいました。

当初は政府、複数官庁、大阪府、民間委員らがみんな森友学園のいいなりになっているかのような森友学園最強伝説のような話になり、その後は、第三者が忖度してるかどうかわかってしまう能力のある安倍首相エスパー伝説のような話になってしまいました。

結局都市伝説を立証しようとして、野党は国会で無駄な時間を延々と続けたということです。その中で、共産党は入手し難い資料などを提出しある程度アビールはできたものの、民進党はそのようなことはなく、都市伝説をもとに質問したり、糾弾するばかりで、何のアピールにもなっていませんでした。

そのような中で、民進党の蓮舫代表は定例記者会見で自民・二階俊博幹事長の今村雅弘前復興相の辞任に関する恨み節発言を批判していました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【復興相辞任】民進・蓮舫代表「メディアが忖度すると思っているなら大きな間違い」 自民・二階俊博幹事長の恨み節を批判
記者会見する民進党の蓮舫代表=27日午後、東京・永田町の民進党本部
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用させていただきます。
 「昨日、自民党の二階幹事長が、お辞めになられた今村大臣よりも報道するメディアに非があるというような、ちょっと驚く発言をされていた。またあわせて経済産業相主導で経産省がマスコミ規制を強めているという事例、実態もあるので、こうした政府・与党の姿勢そのものが報道の自由度ランキングにも影響が出ているのではないかと危惧をしているし懸念をしている」 
 --二階氏の発言に対する受け止めは。また、党として二階氏に対し何らかの対応をするか 
 「発言そのものはある意味、メディアが報道していることが大臣のクビにもつながったというお怒りもお持ちだったかもしれないけれども、いずれにしても今村大臣が、なぜ国民が怒りを持っているのか、被災地の方たちが本当につらいお気持ちで静かな怒りを感じておられるのかを理解されていないのは、大きな大きな巨大与党の幹事長として私は非常に残念な思いで見ていた。あるいは大きな巨大与党の幹事長であれば、そうした言葉をすればメディアが忖度するとでも思っておられるとしたら、それは大きな間違いであると思っている」
この発言を見ていると、蓮舫代表は本当に目の前のこと、せいぜい数ヶ月のことでしか発言していないことが良くわかります。代表がこの有様なのですから、他の議員はどうなのかは推して図るべきです。

今村雅弘前復興相の辞任に関しては、昨日このブログでもとりあげました。その記事のリンクを掲載します。
【復興相辞任】「#東北でよかった」 失言逆手…自慢ハッシュタグに共感広がる―【私の論評】今村が「身の丈知らず」の愚か者に成り果てた理由(゚д゚)!
今村雅弘
詳細は、この記事をご覧いただくもとして、私自身は今村雅弘氏自身については憤りを感じましたし、これをかばう二階氏の発言もいかがなものかと思いました。以下に一部を引用します。
そもそも、造反議員を復党させたのは、選挙対策でした。そうして、今村が造反議員であるにもかかわらず、大臣になれたのは、今村に能力があったとか、功績があったなどということではなく、派閥の力学によるところです。 
このようなことで、大臣になった人間はやはり、「身の丈」知らずの驕り高ぶりが生まれるのだと思います。まともな人が彼の立場であったら、日々感謝の気持ちを忘れることなく、とくかく自分に与えられた職責に日々邁進し、余計なことはしゃべらないと思います。
今村雅弘議員は、小泉首相が郵政民営化を推進していたときに、これに造反した議員でした。造反後は無所属の議員となったのですが、それが後に復党しています。

蓮舫代表が、二階氏の恨み節や、今村氏を批判するというのであれば、今村氏が過去に造反議員であったことをあげるべきです。そうして、造反議員を選挙対策で復党させたどころか、派閥の力学で大臣にまでさせたという事実を追求すべきであったと思います。

これを追求すれば、民進党内にも造反が出ている今日、それに対する牽制にもなったと思います。しかし、蓮舫代表はそのようなことは全くお構いなく感情の赴くままに話しているような内容です。そうして「忖度」などの最近のいわゆる流行り言葉のようなものは出てくるものの、このような日本の政治史にも残るような重要な話は一切でてきません。

郵政民営化の頃というと、蓮舫代表は議員になりたての頃だったと思います。さらに、当時の造反議員が復党したのは、もっと後のことであり、蓮舫代表はリアルタイムで経験しているはずのものです。

この発言内容や過去の発言などみていると、蓮舫代表は日本の政治史や、数十年後の将来の日本のことに関するようなことはほとんど考えておらず、目の前の出来事に反射的に反応しているとしか思えません。

これは、新聞などのメディアにも共通するところがあります。日本の大手新聞も、過去の歴史や日本の将来などについての考えなど全くないようで、ほんとうにここ数ヶ月の内容だけで、報道をしています。

民進党や、日本新聞などのメデイアは、リベラル・左派といって良いと思います。このリベラル・左派については以前かなり問題があることを掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
ついに東京新聞が私のコラムを「ボツ」にした―【私の論評】日本のリベラル左派は、彼らの使命を「政権や権力と戦う事」と考え無間地獄に陥り堕落している(゚д゚)!
長谷川幸洋氏 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から結論部分のみを以下に引用します。
私は、現在の日本のいわゆるリベラル左派は、自分たちは日本という国や社会をどうしたいのかという理想も持たずに、単に「政権や権力と戦うのが自分たちの使命」であると思い込み続けてきたため、まともにものが考えられなくなり、「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になってしまい、無限地獄に陥って堕落しているのだと思います。

そもそも、自分たち国や社会をどうしたいのかという理想がなければ、目的も定まらず、したがって目標も定められず、目標に沿った行動もできずに、ただただ日々を無為に過ごしているだけということに彼らは気づいていないのです。
まさに、日本のリベラル・左派は、 「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になってしまい、無間地獄にはまり、さらには物事を考える期間がせいぜい数ヶ月か、長くて1年くらいの間隔だけなので、頭が悪くなり、無間地獄にさらに深く嵌ってしまっているというのが現実なのだと思います。

この無間地獄、どこかで断ち切らなければ、日本のリベラル・左派は日本の政治において完璧に勢力を失うことになります。

無論、自民党もリベラル・左派のように今村雅弘議員を例にあげるまでも、頭の悪い議員が大勢いますが、少なくとも安倍総理とそのブレーンや側近らは、長期的に物事を考えています。それに無論与党なので、「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になることもありません。

そうして、元々民主党(民進党の前進)は自民党をコピーしたような政党であり、コピーした分だけ劣化しています。

以上のようなことが、明らかになり、多くの国民も認識するようになってきたことが、世論調査にでてくるようになったのだと思います。このままだと、次の選挙では、民進党はとんでもないことになるかもしれません。

そうして、私は決してそれを望んでいるわけではありません。本当は、民進党のような野党がまともな政策論争をして、与党のまともな対抗馬となり、切磋琢磨しつつ結果として日本の政治が良くなることが一番だと思っています。しかし、今の民進党であれば、消えてなくなったほうが良いです。どのような形でも良いので、新たなまともな勢力が出て来ることを願うのみです。

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2017年3月9日木曜日

森友学園問題では資産売却に不熱心な財務省を追及すべきだ―【私の論評】森友学園は行き過ぎた左派リベラルへの反発から生まれた(゚д゚)!

森友学園問題では資産売却に不熱心な財務省を追及すべきだ

高橋洋一:嘉悦大学教授

森友学園問題で国会は持ちきりだ。マスコミも、連日テレビのワイドショーでこの問題を取り上げている。森友学園の理事長のキャラが立っているので視聴率が取れるのだろう。国会の野党質問もテレビのワイドショーの流れに乗っている。


 弱みを握られることはしない 首相の「政治関与」の公算は薄い

「政治常識」で冷静に考えれば、首相の政治的関与は可能性が低い
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 そのパターンは、(1)安倍首相夫人が問題の小学校の名誉校長であった。(2)森友学園は右傾化している教育をしている。(3)近畿財務局(財務省の地方機関)は安価で国有地を売却した。これらを同時に見せることで、安倍首相の関与があったかのようにイメージ操作している。

この問題については、(1)政治関与、(2)森友学園の教育方針、(3)国有地の低価での売却、の三つに分けて整理する必要がある。

(1)政治関与については、まず、朝日新聞が、国有地を近隣地より安く売却しているがその相手先の名誉校長には安倍首相夫人がなっており、安倍首相の関与の疑惑があるというトーンで報じた。一部のマスコミは確たる証拠のないまま、安倍首相の政治関与で突っ走った。

ところが、安倍首相は政治関与を否定し、もしあれば「首相を辞める」とまで明言した。ちょっと考えてみれば、安倍首相が政治関与してまで財務省に弱みを握られるはずがないとわかりそうなものである。財務省は消費増税をしない安倍政権を内心よく思っていない。もし安倍首相が財務省に頼んでいたら、今頃は財務省からリークされて、安倍政権が崩壊していたはずだ。記者にはこうした政治常識はないらしい。

今のところ鴻池祥肇・元防災担当相の地元秘書らが用地取得交渉に関わっており、いわば「鴻池案件」である。頻繁に財務局と接触があったようで、これほど頻繁になると、国会議員レベルで他の人が関与している可能性は低いと考えるのが妥当だ。となると、昭恵夫人が森友学園の名誉校長になっていたのは脇が甘かったが、安倍首相が公言しているようにこの問題に首相が関与していない公算はほぼ確実といえよう。

ここの「政治関与」のところで、めぼしいネタが出てこないと、森友学園問題はメディアが伝えているほどのことにはならず、かなりシャビーになる。今のテレビの盛り上がりはそのうち消えていくだろう。

(2)教育方針については、基本的に趣味の問題であり、イヤなら親が入学させなければいい。教育基本法違反などにでもなれば問題だが、現状ではそこまでの違法行為は出ていない。ただし、大阪府教育委員会への小学校認可申請の段階では、虚偽記載もあるようなので、小学校認可は行われないだろう。ただし、これは教育方針の問題ではなく、手続きのミスである。

 文書の保存は民主党時代に変更 用地は競争入札すべきだった

(3)国有地の低価売却では、売買経緯で保存記録なしを含め財務省(財務局)の事務ミスが大きい。森友学園に随意契約で売却しているが、本来であれば入札すべき案件である。地中ゴミについて減額しているが、これも入札または第三者の鑑定評価に委ねるべきだった。かなりずさんな事務ミスであるので、会計検査院が調べるのは当然である。

国有地の売却に限らず、国の売買や賃貸などの契約では、原則競争入札になっている(会計法第二十九条の三)。これは価格の妥当性や透明性を確保するためである。 

今回採用された随意契約は、「緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合」に限定されている(会計法第二十九条の三第四項)。ここで、「緊急の必要」というのは人命に係わる場合、国の外交問題に関連する場合などの国の事情であり、相手側の事情は二の次である。その他、会計法より下位の法律でなく政令に基づくものもある。

随意契約にした理由について、財務省の佐川理財局長は「府、市からの要望がないなか、森友学園から要望があり、適正に随意契約を始めた」と答弁し、会計法より下位の政令に依存したようであるが、会計法で認めている随意契約の理由は、上に書いたように「緊急性」がポイントである。この答弁は、会計法の観点から適切でなく、結果として問題になつたので、法律論の観点から、どこまで政令に妥当性があるのかを含めて、さらに立法府である国会での追及が必要である。

挙手する財務省の佐川理財局長
 なお、アメリカの大統領令では、今話題になっているが、司法からのチェックを受けるもので、決まっているからといって絶対的なものでない。

また、国会審議の中で、財務省が交渉記録を廃棄したと答弁した。今の文書管理規定上はそれでもいいのだろうが、OBとして、入省した当時の旧大蔵省の情報管理は霞ヶ関随一であったことを知る筆者としては釈然としない。

かつての財務省はどのように情報を集めて管理し、どのように利用していたのか。現在はどうなっているのか。筆者の個人的なことから始めよう。筆者は大学までノートをほとんどとったことがなかったので、入省して一番困ったのは紙(メモ)がうまく書けないことだった。会議に出席して会議内容を口頭で報告できるが、その後ですべて紙に書かねばならず、はじめはそれができなかったので酷く叱られたものだ。どのような些細な話でも紙に書き上司に報告することがシステム化されていたのだ。

各部署で作られた情報メモがその重要度に応じて幹部・関係先に配布されていた。配布先を決めるのは書いた人ではなく各局の企画担当だ。重要度に応じて「取扱注意」、「秘」、「極秘」のハンコが押されている。入省したばかりの若手は、その情報メモを持って、各局の企画担当に届けていた。メモを持って廊下を駆けるので、「廊下トンビ」と呼ばれた。情報内容は廊下を走っている内に読んで頭に入れておけと指導を受けた。その情報管理システムでは、旧大蔵省から他省庁に出向した人からも情報が入っていた。某政治家は、霞ヶ関に張り巡らされた旧大蔵省の情報網を知り、驚愕し絶句していた。

今はどうなっているのか、正直なところ知らない。筆者が役人を辞めた直後、2008年6月に国家公務員改革基本法が成立した。その後、2009年7月に公文書管理法も成立。2009年9月に民主党政権に交代後、2010年12月に公文書管理法施行令により具体的な文書保存期間が決められた。

森友学園の件では、売買記録が1年で廃棄されたが、法令上の問題はないという。本来ならこれは法令がおかしいとすぐに気がつく話だが、野党民進党の追及は甘い。その法令は民主党政権の時に作られたので、政府を追及しても自らの責任を逆に問われるブーメランになってしまうからだろう。

いまの法令では、記録・保存義務のあるものはかつて旧大蔵省で行われていたものの一部でしかないようだ。しかし、その程度の記録・保存しか行われていないとすれば、行政の継続性など今の仕事の質は間違いなく落ちているのだろう。公務員にきちんと仕事をさせるために、現行の文書の記録・保存規定は見直すべきだろう。

このカードを切れば、民進党に、民主党政権の運営がいかにダメだったのかというダメージを与えられる。安倍政権はこのカードを持っているために、国会では余裕をもって答弁しているように見える。

いずれにしても、結果としては、(1)の首相の「政治関与」の可能性が今の段階ではかなり低いので、マスコミ報道はミスリーディングだった。政治関与がなければ単なる財務省の出先機関である近畿財務局での事務ミスに終わる。その解明は、文書保存の指摘もできないような国会より、会計検査院のほうが適切である。だが別の見方をすれば森友学園問題は、国有財産売却についての財務省の姿勢を問う好機でもある。

 資産売却に不熱心な財務省 増税ありきは許されない

国会で改めて、財務省の国有財産売却体制を再検討するというのは、野党側の政府追及のネタとしてどうだろうか。

2月21日の衆議院予算委員会公聴会で、筆者が公述人として意見陳述したことは、前回の本コラムでも書いた(「日本の財政再建は「統合政府」で見ればもう達成されている」 http://diamond.jp/articles/-/119006 )。そこで述べたのは、財務省が国債残高など、政府バランスシート右側の負債額の大きさばかりを強調する異常さである。資産は売却できないというが、天下り先への資金提供なので売却したくないという官僚心理が働いていることも指摘した。その延長線で、天下りに関係のない国有財産までも売却に熱心でなかったように、役所にいた当時から筆者には思えた。

国有財産の売却の実務担当者である地方財務局の管財部長は財務省キャリアのポストでない。財務省本省で国有財産を担当するのは理財局の局長はキャリアだが、担当課長になるとそうでないこともある。キャリアであっても主流ではなく、端パイ扱いだ。

要するに、国有財産売却について財務省として力が入っていないのだ。

それは財務省が、政府バランスシートの右の負債だけを強調し、左の資産を無視することにもつながっている。それにもかかわらず、財務省は増税の必要性をことさら強調するが、その一方で税外収入として重要な国有財産売却で事務ミスをして、結果として税外収入を少なくしているのはあまりにちぐはぐである。

こうした観点から、政府が保有する天下り先への出資金、貸付金を含めた資産の売却を政府として真剣に検討すべきである。また、その検討を増税する前に行うべきである。あれだけ増税に熱心な財務省が、増税と同じ効果があるはずの国有地売却で事務ミスをするというのは、あまりにちぐはぐだし、「売却できないから増税」では国民が許さない。

なお、本稿を書き編集部に提出したあと、3月8日にテレビ朝日のワイドスクランブルに出演し、財務省の事務ミスの話をした。番組放送後、財務省からテレビ局に抗議があったという。

筆者は、会計法の原則を説明し、例外に照らして財務省の国会答弁には疑問があったから、国会でさらに議論をすべきだと言ったまでだ。それに抗議とは情けない。財務省は国会の議論までも封殺したいのか、それとも、あまりにも図星の指摘だったからなのか。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)

【私の論評】森友学園は行き過ぎた左派リベラルへの反発から生まれた(゚д゚)!

森友学園がらみは、マスコミで連日ながされていますが、上の高橋洋一の記事にもあるように、いわゆる「政治関与」は常識的にほとんどないと考えられることから、あまり重要な問題であるとは考えられず、このブログでは過去に一度だけとりあげました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【阿比留瑠比の極言御免】民進党が旧民主党時代から投げ続けてやまない「ブーメラン現象」の研究―【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!
参院予算委員会で民進党の小川敏夫氏(右)の質問に答弁する安倍晋三首相
=2月28日午後、参院第1委員会質
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に森友学園がらみの部分のみを引用します。
2月27日の衆院予算委員会では大西健介氏が、28日の参院予算委では小川敏夫氏がそれぞれ、独特な保守色が注目されている学校法人「森友学園」をめぐり、安倍晋三政権との密接な関係を印象付けようと追及した。ところが、ともに民主党(現民進党)時代にも同様の関わりがあったことを指摘されて自爆した。
この記事では、さらに私の論評として以下のようなことも掲載しました。
大阪府が私学設置基準を緩和したときは、安倍政権の時ではなく、民主党の野田政権のときです。だから、民進党は、本当に基本的な事実の確認もできないで、とりあえず安倍政権を批判したいのです。
さて、上の写真はある方のブログから転用したものです。おそらく、最近の新聞のものだと思われますが、この記事には"しかし、12年4月、松井知事は突然「借り入れありの幼稚園」にも小学校参入の目とを開く・・・・"という下りがあります。

12年4月というと、確かに民主党野田政権時です。このまま追求を続けていくと、民進党は当時総理だった野田幹事長を追求しなければならなくなるかもしれません。まさに、大ブーメランです。

最初からこのようなことは分かつていますから、だから森友学園問題は、民進党議員が問題にしても、マスコミが問題にしても、いっこうにつまらなく、聞いていると、脱力感を感じるだけです。
そうして、ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事によれば、「森友学園の件では、売買記録が1年で廃棄されたが、法令上の問題はないという。本来ならこれは法令がおかしいとすぐに気がつく話だが、野党民進党の追及は甘い。その法令は民主党政権の時に作られたので、政府を追及しても自らの責任を逆に問われるブーメランになってしまうからだろう」ということでてあり、この法令も民主党政権時代につくられたものという始末です。

以上のようなことから、民進党は森友学園がらみで、安倍総理を攻撃しようと思っても、できなくなるでしょう。あまり酷くつつきまくれば、安倍総理にこれらのことを逆につつかれ自沈するだけです。

それにしても、この問題でのマスコミの対応も酷いものです。特に朝日新聞は酷いものでした。

北朝鮮が、在日米軍基地攻撃を想定した弾道ミサイル4発を発射した翌日の7日付朝日新聞の社説には、異常そのものでした。2本の社説のうち、ミサイル関連は下の第2社説とし、より重視していることを示す上側の第1社説では、安倍晋三首相の昭恵夫人は公人か私人かの論争を取り上げていました。


社説は、昭恵氏が学校法人「森友学園」で講演した際に政府職員が同行していた点を問題視し、「国民が納得できる説明をする責任がある」と結んでいました。

何をどう書こうとその社の自由ではあるとはおもいますが、米国による北朝鮮への先制攻撃が現実味を増し、精度を高めた北のミサイルに日本のミサイル防衛(MD)システムの再構築が迫られるような局面にもかかわらず、このような報道をしているのです。

事の軽重、優先順位を無視してでも、森友学園問題を絶好の機会として、とにかく安倍政権の足を引っ張りたいという本心がミエミエです。国民の生命・財産に直結する事態よりも、不毛な公人・私人論争の方を重要であるという価値感が透いて見えます。

このようなことよりも、民進党やマスコミは、財務省の不手際についてもっと追求すべきです。これに関しては、与党も追求すべきだと思います。

高橋洋一氏が指摘するように、今回の森友学園問題は、はじめから入札にしておけば問題はなかったはずです。入札なら価格の妥当性も問題なく、価格公表も入札時に終わります。随意契約からスタートしているから、次々と問題が出てくるのです。

財務省は随意契約にしたのも「法令に即して適切に処理」といいます。しかし、これも、国会で作った法律ではなく官僚が作った「政令」によるものです。競争入札の例外になるものが幅広く列挙されていまする。これでは、競争入札原則が危うくなってしまいます。

財務省が自分たちが作った「政令」によるので適切に処理していると、立法府の国会で正々堂々と答弁し、それについて、野党から、そこまで官僚に裁量を与えていない、法律の範囲で事務をすべきという議論が出ていません。

 あくまで、財務省は自分たちが決めたことは正しいというスタンスなのです。この際、「政令」により広範な権限を持っている財務省を、国会でしっかりチェックすべきです。財務省をチェックするために、国会が国権最高機関としての役割を今こそ果たすべきです。

さらに、ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事では、「教育方針については、基本的に趣味の問題であり、イヤなら親が入学させなければいい」とありますが、森友学園が誕生したにはそれなりの背景があります。

今回の舞台となっている大阪・豊中の小学校では15年ほど前、豊中市教職員組合など現場が主導となった「やりすぎ平等主義」問題が発生していました。

《豊中では長年、教員らの「評価は差別につながる」「低い評価の子供がかわいそう」などの主張で通知表や学習指導要録の評価が形がい化》(産経新聞2001年8月23日)しており、市教育委員会が通知表を3段階にするようにと指導をしても、市内の半数以上の小学校で2段階を頑なに「死守」したのです。

ほかにも、《テストに点数を付けない教員が多数いる▽運動会で徒競走などに順位を付けない状況が二十年以上続いてきた》(同上)など、SMAPの「世界のひとつだけの花」を彷彿とさせる教育がおこなわれました。また、市内の一部小学校では、「あいさつは強制するものではありません」(産経新聞2001年9月28日)という教育理念のもと、登校時に教師が校門に立つものの、「おはよう」などと声をかけることもなく、子どもたちも無言で通り過ぎるという光景が繰り広げられました。
2000/11/22 産経新聞朝刊 
【豊中の教育】(5)元校長の嘆き 市教委自らが組合と妥協

平成七年春。大阪府豊中市のある小学校で、入学式での「国旗・国歌」の実施をめぐって校長と組合員が激しく交渉している最中、組合員がどこかに電話をかけた。数分後、当時部長職だった現在の市教委最高幹部から電話が入り、校長に「前校長なみで」と注意した。「前校長なみ」とは、教員の妨害の中で国旗を揚げる“努力”をし、実際には揚がっていないのに「掲揚した」と市教委に報告することだった。 
 この校長は「実際にあったこと」と認めたうえで、「組合員に話した言葉がそのまま市教委に伝わっていた」と話す。 
 教職員組合の「学校の民主化」運動で、校長権限が形がい化されてきた豊中の市立学校。「組合の力が強いという理由だけでは、校長権限が骨抜きにされることはないでしょう」と元校長の一人は言う。 
 「市教委の指示事項を実施しようとして、組合員の反対にあう。それでもやろうとすると、市教委が『そこまでしなくても』。校長からすれば『はしごを外された』状態だ」 
 今年二月、別の小学校で国旗を降ろした男性教員が停職一カ月、栗原有史・教育長ら市教委幹部が「問題解決を遅らせた」として処分を受けた。 
 この教員は、平成十年春の卒業式と入学式当日、校庭に掲揚されていた国旗を無断で降ろしたうえ、校長印のない通知表を担任学級の児童らに配布した。このため、校長が全児童宅を回って印鑑を押す事態になった。 
 市教委は校長ら学校側の報告をもとに教員を事情聴取しようとしたが、教員が加盟する大阪教育合同労働組合の組合員ら数十人が押しかけたため、当時の市教委幹部は組合側と「本日の聴取はペンディングにする」などとする覚書を交わし、市教委はその後、調査を打ち切った。 
 ちょうど同校の新年度PTA役員を決める時期で、学校側はこの教員を「書記」とすることを決めたが、府教委の調べなどによると、教員は、国旗問題以外にも平成九年から十年にかけ、男児のしりをかんだり、児童に再三体罰を加えたりしており、不信感を募らせていた保護者側は教員の役員就任を再三、拒否。にもかかわらず、翌十一年三月、教員は「学校代表」という肩書で学校と保護者の窓口になった。 
 学校関係者は「迅速に処分してくれたら男性教員がPTAの役職につくことはなかった。覚書は知らなかったが、校長はこの教員を抑えることができなかったようだ」と話している。
さらに、以下のような常軌を逸した事件もありました。

昭和五十九年に起きた小学二年生に、「君が代」ではなく北朝鮮の民衆歌「白頭山」を歌わせていた事件があり、「豊中市 君が代 白頭山」で検索するとすでにリンク切れではあるが痕跡が残っていました。これは、無論のこと朝鮮の歌です。

その痕跡は、『基調報告』と題するタイトルで以下のようなものです。

”1984年の豊中市立庄内西小学校で、自主プリントを使用し「白頭山」の歌を教えた教育実践に対して攻撃が加えられました。この攻撃は、校区、市議会から、「北朝鮮偏向教育」として中央の週刊誌にも取り上げられるところとなり”とあります。


これらの酷い「やりすぎ平等教育」はその後の、橋本氏による大阪教育改革につながっていったのです。

こうした日教組的価値観を全否定しているのが、森友学園の教育方針です。森友学園が運営し、園児に教育勅語を暗唱させることで知られる「塚本幼稚園」も2003年ごろは、ちびっこ相撲をやったり、幼児ラグビーをやったりというユニークな情操教育で、「朝日新聞」にも取り上げられる普通の幼稚園でした。それが第一次安倍内閣の06年ごろから変わっていきました。

この時期に「在特会」が設立されたことからもわかるように、日教組や労組、そして「朝日新聞」に代表される左派リベラルに対する不信感が社会に広まり始めたタイミングで、「森友学園」が誕生したのは偶然ではないのです。森友学園は、行き過ぎた左派リベラルへの反発から生まれた存在という見方もできます。

豊中のように、公然と「行き過ぎた平等教育」が公立の学校行われれば、そのような学校には自分の子供を通わせたくない父兄の中には、森友学園の教育方針に賛同する人々も多く存在したし、いまでも存在すると思います。

森友学園の問題を追求するなら、日教組が公立の学校で行ってきた「左翼教育」にもスポットライトが当てなければ、バランスをかくだけではなく、本質的な問題が置き去りにされてしまうことになります。

高橋洋一氏の主張するように、あまりにも資産売却に不熱心な財務省の姿勢を国会で追求すべきであるということも重要ですが、以上のようになぜ現在の森友学園が誕生したのか、その背景も忘れるべきではないです。

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2016年9月30日金曜日

『アゴラ』が蓮舫氏に公開質問状 “二重国籍問題”を追及「証拠示し説明を」―【私の論評】蓮舫氏が蓮舫氏自身を追求し追い詰めることに(゚д゚)!


今臨時国会で、安倍総理を舌鋒鋭く批判し、質問した蓮舫氏
 民進党の蓮舫代表の「二重国籍」問題で、インターネットの言論プラットフォーム「アゴラ」が29日、蓮舫氏あてに公開質問状を提出した。国民にウソをついていた国籍問題について、野党第一党の党首として口頭ではなく、公文書などの証拠を示して説明を求めるものだ。蓮舫氏は「ごまかし」なく、国民に真実を提示できるのか。

注目の質問状は、アゴラ編集部が29日夕、蓮舫氏のツイッターに送付するとともに、ネット上で公開した。夕刊フジでも同問題を徹底追及した、徳島文理大学の八幡和郎教授が問題提起を続けてきたサイトだ。

国会議員の法令順守が問われる蓮舫氏の「二重国籍」問題を明らかにするため、アゴラは(1)(1985年に日本国籍を取得しているが)日本国籍を選択した日付の戸籍関係書類(2)9月6日に東京の台北駐日経済文化代表処に出した台湾旅券を含むすべての書類(3)9月23日に台湾の当局から受け取った国籍喪失証明書-の開示を求めている。

質問状を出した理由として、「現状では、国籍選択をされたのか、本当に『二重国籍』状態は解消されたのか、蓮舫氏の一方的な説明に過ぎない」「もし、蓮舫氏が疑惑を追及する立場だったら、舌鋒鋭く『なぜ、証拠書類を出さない』と迫っていたはず」と記している。

この問題については、日本維新の会が、国会議員や国家公務員の「二重国籍」を禁止する法案(いわゆる『蓮舫法案』)を、今回の臨時国会に提出している。民進党の同法案への対応が注目されるなか、この質問状への回答も関心を集めそうだ。

【私の論評】蓮舫氏が蓮舫氏自身を追求し追い詰めることに(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にも掲載されている徳島文理大学の八幡和郎教授のサイトのリンクを以下に掲載しておきます。
蓮舫氏の二重国籍解消で判明した点と未解決問題の整理【暫定版】
徳島文理大学の八幡和郎教授
八幡先生が語っておられるように、確かに本当に現在でも、二重国籍から台湾籍わ除籍して、日本籍のみになっているのかどうか、誰もわかりません。それを確認できるのは、今のところ本人だけです。

民主党内ですから、物的証拠を見たという人はいません。自身の二重国籍問題で発言が二転三転し、見苦しい言い訳をしてきた蓮舫氏です。やはり、この公開質問状にははっきりと、まともに応えてもらわないと信用が全くできません。言葉ではなく、物的証拠を提示すべきです。

蓮舫氏を追及させたら蓮舫氏が一番というパロディー動画が、動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」で話題になっています。その動画を以下に掲載します。


この動画は「もしも蓮舫議員の二重国籍問題を蓮舫議員が追及したとしたら(笑)-ブーメランの女王はガソリーヌでなく私よ!」と題した14分57秒の作品です。テレビの複数のニュース番組を編集し、蓮舫氏を蓮舫氏が追及するという仕立てです。

動画の冒頭でテレビ司会者の辛坊氏が「週刊誌やネット等の噂で、二重国籍で台湾籍を持ちながらなのか?という噂があります」と質問すると、画面が切り替わり、蓮舫氏は「いま、そのような噂が流布されることがホント正直悲しいんです」と回答します。

すると次の瞬間、再び画面が切り替わり、国会で質問に立つ蓮舫氏が現れて、「週刊誌の報道内容は事実か確認されましたか?」と語気鋭く質問。さらに「確認はされましたか?」と重ねて詰め寄ります。

強い語調でただす蓮舫氏がそっくりそのまま自分自身を容赦なく攻め立てるように見える編集で、動画のタイトルも「ブーメランの女王」と名付けられた。9月24日の公開後、再生回数12万回以上の人気動画となっています。

この動画がこのように人気になるのも、当然のことです。蓮舫氏の、二重国籍問題に関して、一般人と同じような感覚で、あまり問題がないとか、差別であるかのように、問題を矮小化する人もいますが、国会議員や野党第一党の代表は公人であり、利益が相反する国の国籍を有したまま、国会議員や代表になるのは非常に問題です。

台湾と日本に関しては、このブログに以前掲載したように、はっきりと大きな利益相反があります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!
民進党代表決定の名前を呼ばれる直前にハンカチで目頭を押さえる 蓮舫新代表=9月15日
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、台湾は現政権になってからも、尖閣は台湾領であるという主張を取り下げていません。また、南京虐殺に関しても、大陸中国と同様の主張をしています。

この記事にも掲載したのですが、台湾人とは決して一つの民族というわけではありません。まずは、本省人と内省人という区別があります。

本省人とは戦前から台湾に移住して住んでいる人達の事です。本省人には2種類あり、福建系(ほとんど)と客家系(少数)にわかれます。本省人(福建)は台湾語を話し、本省人(客家)は客家語を話します。

台湾は日本などとは異なり、多民族国家です。本省人の他に、外省人とは戦後に中国大陸からやってきて台湾に移住した人達のことです。

当時中国大陸で国民党と共産党の内戦があり、国民党は負けたので台湾に逃れました。元々は大陸に戻るつもりでしたが、大陸の中国共産党政府が強大になったため、その機会はなくなり、今でもその子孫も含めて台湾に残っています。彼らは、中国語を話し、台湾語は話せません。本省人と外省人の他に、元々台湾に住んでいた現地人もいます。

そもそも、蓮舫氏は上記の区分のどれに属するのかもはっきりしません。またたとえ区分がはっきりしたとしても、蓮舫氏が大陸中国に対して親和性があるかもしれないという疑念をはっきり拭うことはできません。それを知っているのは蓮舫氏自身です。もしそうだとすれば、大陸中国と日本との利益相反は、台湾と日本どころの話ではありません。ことごとく、利益が相反します。

日本で人気の台湾の唐揚げを揚げる女子の動画

そのような人が、民進党の代表であるのは無論のこと、国会議員ですらふさわしくはありません。なぜか、蓮舫氏自身も、そうして民進党の幹部なども、この問題を軽く考えているようです。

これは、あまりメデイアがこの問題をとりあげないからでしょうか。普通であれば、この問題連日連夜メディアで取り上げられても良い位の問題だと思いますが、なぜかあまりとりあげません。

だから、蓮舫氏自身も、民進党も時が過ぎれば何とかなるくらいに思っているのでしょうか。だとしたら、考えがかなり甘いです。

今回は、文春砲なども炸裂していません。しかし、アゴラやYouTubeが大爆発しています。これからも、大爆発がおこることでしょう。

この問題をこのまま放置しておけば、蓮舫氏も、民進党も茨の道を歩むことになるのは、必定です。

やはり、蓮舫氏は二重国籍問題を複雑化した責を負って、代表は辞任、できれば国会議員も辞任してけじめをつけるべきでしょう。そのままだとしたら、最近噂されている、年末・年始の衆院解散、選挙にでもなれば、民進党はとてつもない打撃を受けることになります。たとえ、年末・年始の選挙でなくても、大敗するのは間違いないです。

まさに、上の動画のように、このままだと蓮舫氏が、蓮舫氏自身を追求するのと同じことになるかもしれません。代表すら辞任しないで、選挙に臨めば、大敗するのは目に見えているし、選挙で多くの候補者が蓮舫氏の二重国籍問題を連呼するでしょう。選挙が終われば、当然のことながら、完膚なきまでに打ち負かされ、蓮舫執行部はほとんどが辞任ということになるでしょう。その結果、旧社会党と同じような運命をたどることになります。まさに、蓮舫氏自身の振る舞いが、自身を追い詰めることになります。

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