学校法人「森友学園」の小学校建設用地。校舎を残して売却を検討中だ=大阪府豊中市 |
産経新聞とFNNが15、16日に行った世論調査が興味深い。政党支持率の前月比で、民進党が1・8ポイント減の6・6%と、昨年3月の結党以来最低だったのに対し、共産党は1・1%増の4・9%になっている。両党の支持率の差は、わずか1・7%でしかない。
この結果について、産経新聞は、これを従来の支持層であった無党派層が戻っておらず、一部は共産党に流れていると分析している。
写真はブログ管理人挿入 以下同じ |
学校法人「森友学園」問題の追及で、共産党が大いに目立ったことは間違いない。本来、入手しがたい資料を次々と暴露した。鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)参院議員事務所の「陳情整理報告書」や、籠池(かごいけ)泰典・森友学園理事長(当時)が首相夫人付政府職員にあてた手紙などが、それである。
イラだった麻生太郎副総理兼財務相が、共産党議員の追及に対し、「偉そうに人指さして…」と答弁して物議を醸したものである。他方、民進党はこうした資料をほとんど入手できなかった。
ここに共産党と民進党の差がある。
共産党の場合、こうした問題が発生すると、議員と秘書、「赤旗」記者などを集めてプロジェクトチームを結成し、チームで調査し、情報を一元化する。チームとして追及する材料、テーマなども決める。民進党が衆院厚労委員会で、介護保険改正案の審議中に森友問題を取り上げ、与党の採決を誘発したが、こんな愚かなことはやらない。
ただはっきり言うが、こうした疑惑やスキャンダルの追及は、実は選挙には結びつかない。かつて「首相の犯罪」と言われ、田中角栄元首相が逮捕されたロッキード事件があった。当時、私は秘書として、この追及のためのプロジェクトチームに加わっていたが、訪米調査など間違いなく共産党の追及が群を抜いていた。
だが、次の衆院選では惨敗を喫した。有権者は、ロッキード事件に高い関心を持っていたが、同時に自分の生活とは直結しない問題だったからだ。
今回の世論調査で、安倍内閣の支持率は1・9%増えている。自民党の支持率は4・5%も増えている。共産党の支持率の増加は、民進党が減った分の一部だということに過ぎない。
確かに、8億円もの値引きで国有地が売却されたことに、国民が憤ったことは間違いない。だが、その売却額で国が買い取ることに決まった。森友学園そのものも民事再生法を申請するまでになっている。国会での追及も、もはや収束の時期を迎えている。森友問題の追及が売り物だからといって、いつまでも拘泥していると足元をすくわれることになると警告したい。
■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ)1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』(イースト新書)など。
筆坂秀世氏 |
【私の論評】頭の悪い新聞と民進党はなぜ無間地獄に陥った?
以下は、憶測ですが、②の時点で、ゴミが埋められていることを知った篭池氏は烈火のごとく怒って近畿財務局と交渉したことでしょう。これは完璧に近畿財務局の事務ミスであり、その後篭池氏に対しては頭の上がらない状態になったはずです。これで、篭池氏の一見不可解な行動は、大方説明がつきます。
ところが、朝日新聞は③近畿財務局の値引きと④昭恵夫人の関与というストーリーを報道するのみで、①と②はマスコミなら知っているはずなのに朝日新聞は報道しません。朝日はなぜ書かないのでしょうか。このことからも朝日新聞は、フェイクニュース機関です。
これは、調べれば誰でも理解できることであるはずです。このような情報を知っていれば、そもそも森友問題は昭恵夫人や政治家が関与したということもなく、単なる近畿財務局の事務ミスであり、これを追求しても他には何も出てこないことなどすぐに理解できたことでしょう。
上記①②③は明らかなため、大方のメディアはある時点から、森友学園の報道はやめました。それ変わって、現在は緊迫する北朝鮮状況の報道などが目立ちます。
これは当然といえば、当然です。民進党と共産党などの野党は、この問題の火付け役となりましたが、国会で問題にするくらいなら、上記に掲載した①、②、③くらいは予め良く調べてからにすべきだったでしょう。
そのため、全く決め手になるような内容は結局何も出てこず、まるで都市伝説のような展開になってしまいました。
当初は政府、複数官庁、大阪府、民間委員らがみんな森友学園のいいなりになっているかのような森友学園最強伝説のような話になり、その後は、第三者が忖度してるかどうかわかってしまう能力のある安倍首相エスパー伝説のような話になってしまいました。
結局都市伝説を立証しようとして、野党は国会で無駄な時間を延々と続けたということです。その中で、共産党は入手し難い資料などを提出しある程度アビールはできたものの、民進党はそのようなことはなく、都市伝説をもとに質問したり、糾弾するばかりで、何のアピールにもなっていませんでした。
そのような中で、民進党の蓮舫代表は定例記者会見で自民・二階俊博幹事長の今村雅弘前復興相の辞任に関する恨み節発言を批判していました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【復興相辞任】民進・蓮舫代表「メディアが忖度すると思っているなら大きな間違い」 自民・二階俊博幹事長の恨み節を批判
記者会見する民進党の蓮舫代表=27日午後、東京・永田町の民進党本部 |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用させていただきます。
「昨日、自民党の二階幹事長が、お辞めになられた今村大臣よりも報道するメディアに非があるというような、ちょっと驚く発言をされていた。またあわせて経済産業相主導で経産省がマスコミ規制を強めているという事例、実態もあるので、こうした政府・与党の姿勢そのものが報道の自由度ランキングにも影響が出ているのではないかと危惧をしているし懸念をしている」
--二階氏の発言に対する受け止めは。また、党として二階氏に対し何らかの対応をするか
「発言そのものはある意味、メディアが報道していることが大臣のクビにもつながったというお怒りもお持ちだったかもしれないけれども、いずれにしても今村大臣が、なぜ国民が怒りを持っているのか、被災地の方たちが本当につらいお気持ちで静かな怒りを感じておられるのかを理解されていないのは、大きな大きな巨大与党の幹事長として私は非常に残念な思いで見ていた。あるいは大きな巨大与党の幹事長であれば、そうした言葉をすればメディアが忖度するとでも思っておられるとしたら、それは大きな間違いであると思っている」この発言を見ていると、蓮舫代表は本当に目の前のこと、せいぜい数ヶ月のことでしか発言していないことが良くわかります。代表がこの有様なのですから、他の議員はどうなのかは推して図るべきです。
今村雅弘前復興相の辞任に関しては、昨日このブログでもとりあげました。その記事のリンクを掲載します。
【復興相辞任】「#東北でよかった」 失言逆手…自慢ハッシュタグに共感広がる―【私の論評】今村が「身の丈知らず」の愚か者に成り果てた理由(゚д゚)!
今村雅弘 |
そもそも、造反議員を復党させたのは、選挙対策でした。そうして、今村が造反議員であるにもかかわらず、大臣になれたのは、今村に能力があったとか、功績があったなどということではなく、派閥の力学によるところです。
このようなことで、大臣になった人間はやはり、「身の丈」知らずの驕り高ぶりが生まれるのだと思います。まともな人が彼の立場であったら、日々感謝の気持ちを忘れることなく、とくかく自分に与えられた職責に日々邁進し、余計なことはしゃべらないと思います。今村雅弘議員は、小泉首相が郵政民営化を推進していたときに、これに造反した議員でした。造反後は無所属の議員となったのですが、それが後に復党しています。
蓮舫代表が、二階氏の恨み節や、今村氏を批判するというのであれば、今村氏が過去に造反議員であったことをあげるべきです。そうして、造反議員を選挙対策で復党させたどころか、派閥の力学で大臣にまでさせたという事実を追求すべきであったと思います。
これを追求すれば、民進党内にも造反が出ている今日、それに対する牽制にもなったと思います。しかし、蓮舫代表はそのようなことは全くお構いなく感情の赴くままに話しているような内容です。そうして「忖度」などの最近のいわゆる流行り言葉のようなものは出てくるものの、このような日本の政治史にも残るような重要な話は一切でてきません。
郵政民営化の頃というと、蓮舫代表は議員になりたての頃だったと思います。さらに、当時の造反議員が復党したのは、もっと後のことであり、蓮舫代表はリアルタイムで経験しているはずのものです。
この発言内容や過去の発言などみていると、蓮舫代表は日本の政治史や、数十年後の将来の日本のことに関するようなことはほとんど考えておらず、目の前の出来事に反射的に反応しているとしか思えません。
これは、新聞などのメディアにも共通するところがあります。日本の大手新聞も、過去の歴史や日本の将来などについての考えなど全くないようで、ほんとうにここ数ヶ月の内容だけで、報道をしています。
民進党や、日本新聞などのメデイアは、リベラル・左派といって良いと思います。このリベラル・左派については以前かなり問題があることを掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
ついに東京新聞が私のコラムを「ボツ」にした―【私の論評】日本のリベラル左派は、彼らの使命を「政権や権力と戦う事」と考え無間地獄に陥り堕落している(゚д゚)!
長谷川幸洋氏 |
私は、現在の日本のいわゆるリベラル左派は、自分たちは日本という国や社会をどうしたいのかという理想も持たずに、単に「政権や権力と戦うのが自分たちの使命」であると思い込み続けてきたため、まともにものが考えられなくなり、「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になってしまい、無限地獄に陥って堕落しているのだと思います。まさに、日本のリベラル・左派は、 「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になってしまい、無間地獄にはまり、さらには物事を考える期間がせいぜい数ヶ月か、長くて1年くらいの間隔だけなので、頭が悪くなり、無間地獄にさらに深く嵌ってしまっているというのが現実なのだと思います。
そもそも、自分たち国や社会をどうしたいのかという理想がなければ、目的も定まらず、したがって目標も定められず、目標に沿った行動もできずに、ただただ日々を無為に過ごしているだけということに彼らは気づいていないのです。
この無間地獄、どこかで断ち切らなければ、日本のリベラル・左派は日本の政治において完璧に勢力を失うことになります。
無論、自民党もリベラル・左派のように今村雅弘議員を例にあげるまでも、頭の悪い議員が大勢いますが、少なくとも安倍総理とそのブレーンや側近らは、長期的に物事を考えています。それに無論与党なので、「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になることもありません。
そうして、元々民主党(民進党の前進)は自民党をコピーしたような政党であり、コピーした分だけ劣化しています。
以上のようなことが、明らかになり、多くの国民も認識するようになってきたことが、世論調査にでてくるようになったのだと思います。このままだと、次の選挙では、民進党はとんでもないことになるかもしれません。
そうして、私は決してそれを望んでいるわけではありません。本当は、民進党のような野党がまともな政策論争をして、与党のまともな対抗馬となり、切磋琢磨しつつ結果として日本の政治が良くなることが一番だと思っています。しかし、今の民進党であれば、消えてなくなったほうが良いです。どのような形でも良いので、新たなまともな勢力が出て来ることを願うのみです。
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