気にしていないよ - リチャード・ギア |
【画像】渋い!リチャード・ギア写真ギャラリー
熱心なチベット仏教徒かつ人道主義者であるリチャードは、1993年のアカデミー賞授賞式でプレゼンターを務めた際、台本を無視し、中国によるチベット抑圧は「恐ろしく人権が侵害された状態」だと非難。激怒したプロデューサーにオスカー出禁にされるも、2008年には北京オリンピックのボイコットを訴え、2012年にもインドで行われた仏教イベントで中国について「世界で最も偽善的な国」を語るなど、臆することなく発言を続けてきた。
仕事への影響を実感したのは『北京のふたり』(1997)でのことで、突然、スタジオからプロモーション活動をしないでくれと言われたという。「そのとき、MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)は中国と契約を結びたかったんだ。だからこの映画を捨てることにしたんだよ」。そしてリチャードは、ここ10年は大手スタジオの作品に出演していない。事実上のハリウッド追放状態について「中国が『彼が出ているならダメだ』と言うだろうからということで、僕が出演できなかった映画はもちろん何本もある。最近も、僕が出ていたら中国を怒らせるだろうから、出資はできないという話を聞いたばかりだ」と淡々と明かした。
また、近年はインディペンデント映画界に活躍の場を移したが、中国での公開を見込んでいない小規模な作品においても圧力をかけられたことがあるとのこと。「中国の監督と仕事をすることに決まっていたのだが、撮影2週間前に彼から『申し訳ない。できなくなってしまった』と電話があった。安全な回線で話したのだが、もし僕と仕事をすれば、彼と彼の家族は二度と中国を出られない、二度と仕事ができない、ということだった」。
しかし、リチャード自身はオスカー出禁や大作に出演できないことについては気にしていないようで、「もうタキシードを着る必要がないのはいいことだよ」「大作でしわくちゃのジェダイを演じることに興味はない。ここ30年で成功して、今は小さな作品ができているから」と語っている。
【私の論評】TPP11を発効させることが、リチャード・ギアの窮地を救うかも(゚д゚)!
最近は確かにリチャード・ギアはあまり大作映画にでていませんし、日本でCMに出演するなどのことがありました。裏にそのような事情があったことはなんとなくは察していました。
こうした妨害にも屈せず、ギア氏は堂々と中国の人権問題を指摘し続けてきました。2012年インドのメディアには「誰も偽善で生きたいとは思っていません。中国は世界最大の偽善者」と語りました。2016年の米下院の人権委員会に出席し、チベット問題で証言。ここでは獄中死した、チベット高僧の写真を掲げ、「信教の自由が侵害され、厳しい人権状況と不正に耐えているチベットの悲劇」と述べました。
以下にリチャード・ギアの出演したフランスのオランジーナのCMの動画を掲載します。
こうした妨害にも屈せず、ギア氏は堂々と中国の人権問題を指摘し続けてきました。2012年インドのメディアには「誰も偽善で生きたいとは思っていません。中国は世界最大の偽善者」と語りました。2016年の米下院の人権委員会に出席し、チベット問題で証言。ここでは獄中死した、チベット高僧の写真を掲げ、「信教の自由が侵害され、厳しい人権状況と不正に耐えているチベットの悲劇」と述べました。
日本だと、反中的な発言をしても、中国の異質ぶりが多くの国民に認識されているため、特にCMに出ても影響はないのだと思います。日本にも知名度のあるリチャード・ギアは、飲料のCMにも十分効果が見込まれたのだと思います。
このブログで前から掲載してきたように、米国のメディアの90%はリベラル・左派に湿られています。そうして、米国の娯楽産業は完璧にリベラル・左派に握られています。ハリウッドなどほぼ全部がリベラル・左派に占められていると見て良いでしょう。
これについては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【痛快!テキサス親父】トランプ旋風には理由があるんだぜ 日本では伝えられない米国の危機的事情―【私の論評】たった1割しか保守系メディアが存在しない米国で国民は保守を見直し、覚醒しつつある(゚д゚)!
トニー・マラーノ氏 |
米国は「移民の国」だ。俺の先祖もイタリアから移住してきた。米国の「建国の理念」に賛同する移民たちが、わが国に活力を与え、発展させてきた。ただ、それは合法でなければならない。トランプ氏が「不法移民を強制送還させる」と主張していることは、ある意味当然といえる。
社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。
彼らが、トランプ氏を政治的に貶めようとすればするほど、それが逆効果になっている。米国民の多くは「抗議団=米国を3等国に転落させたい連中」とみている。最近、テロリストを支持する集会が開催されたことが、トランプ氏への得票につながったことも、米国民は知っている。このテキサス親父の発言にもみられるように、米国のリベラル・左派は、ハリウッドをはじめとする映画界などの娯楽を乗っ取っているのです。だから、映画界などでは、リベラル・左派的な発言が幅を効かせ、リチャード・ギア氏のような中国に対する批判的発言や、トランプ氏支持のような発言はもともと、攻撃を受けやすいのです。
昨年の11月あたりに、ロサンゼルスのサンセット通り沿いに高く掲げられたある看板には、往年の映画「ゴッドファーザー」のポスターを思い出させるような、マリオネット使いの手の絵が描かれていました。ひもの先で操られているのはハリウッドでした。この看板が問いかけたのは、米国映画業界は中国共産党の操り人形なのかというものです。以下にその看板の写真を掲載します。
ちなみに、以下がゴットファザーのタイトルを含む、スチル画像です。
この看板を制作したのは、「共産党による米国映画業界の乗っ取り」に反対を訴えるロビイストのリチャード・バーマン氏。この看板のターゲットは、全米2位の大手映画館チェーン、AMCエンターテインメントと、映画「ハングオーバー」シリーズなどを手がけた映画制作会社レジェンダリー・エンターテインメントを傘下に収める大連万達集団(ワンダ・グループ)です。ワンダの創業者である大富豪の王健林氏は10月中旬、米国の映画業界の中心地であるロサンゼルスでイベントを主催しました。
王健林氏 |
娯楽業界はワンダなど中国企業の進出を歓迎するかもしれないですが、バーマン氏はリスクを指摘します。中国マネーが力を増し、中国政府が喜ぶような映画が作られるようになる可能性があるからです。「全てがこの方向で進めば、映画に中国人の悪役は登場しなくなるだろう」と同氏は言います。広告会社バーマン・アンド・カンパニーを経営する同氏は、食品、アルコール、たばこ、エネルギー業界の利益のために辣腕(らつわん)を振るってきたことで知られ、労働組合に対抗するロビー活動で「ドクター・イーブル」(映画「オースティン・パワーズ」の悪役)の異名を取ります。
米国の映画制作会社にとっては、資金面だけでなく、外国映画の規制が厳しい中国で作品を配給するためにも、中国企業との協力が必要です。そのため業界では自主規制が働いています。サウスカロライナ大学で中国と米国経済界の関係を研究するスタンリー・ローゼン教授は「映画を制作するときには必ず親中的な要素が盛り込まれる。もちろん反中的な要素は入れない。親会社がどこかは関係ない」と指摘しました。
中国では、国家新聞出版広電総局の映画部門によって公開用の全ての作品が厳しく検閲されるため、制作会社は同国向けに映画の別バージョンを作ることもあります。ワーナー・ブラザーズの映画「クラウド・アトラス」は、13年に公開した中国版で性交渉シーンを削除。同年公開のウォルト・ディズニーの「アイアンマン3」の中国版は、中国人俳優が登場しボーナスカットが追加された特別版でした。
『オデッセイ』(2015年) |
『オデッセイ』(2015年)は、火星に一人取り残された米国人宇宙飛行士のサバイバルを描くSF作。NASAの救出作戦が困難に直面すると中国航天局が協力を申し出て、国家機密のブースター(発射台)を提供、固唾を飲んで救出劇を見守る米中両国の国民が交互に映し出されます。
映画評論家の秋本鉄次さんは、『オデッセイ』は「『70億人が彼の還りを待っている』というキャッチコピーなのに、米国以外は中国ばかり。まるで米中共同救出作戦のようで、違和感を覚えた」と語っていました。
中国では初日だけで興行収入約11億円を達成。しかし、中国航天局スタッフ役として登場する2人の中国人俳優の出演は合計約3分ほどで、同国内では「存在感ゼロ」「チョイ役の歴史に新たに名前を加えただけ」などと笑いの的といいます。
娯楽業界への中国マネーの進出がもたらす安全保障リスクに対し、政府の監視強化を訴えるバーマン氏のキャンペーンは、米国議会でも一定の関心を集めています。そして、巨大な中国市場へのアクセスを熱望し、次第に中国企業の支援に対する依存を強めている業界内でも話題を呼び、危機感を生んでいます。
市場調査会社パシフィック・ブリッジ・ピクチャーズのコンサルタントでパートナーのロバート・カイン氏は「ウォール街は例外として、中国はハリウッドが目にした最大の外部投資家だ」と述べています。同氏は、中国が米国の文化や経済への影響力という「ソフトパワー」を握ることを、ある程度警戒する必要があると指摘。「個人的に中国企業の投資の恩恵を受けてきたし、中国人投資家と満足のいく仕事をしてきた」としつつ、中国人の狙いは金もうけをすることだけだと考えるのは「極めて世間知らずで危険な態度」だと述べました。
一方、バーマン氏の主張を、恐怖をあおっているだけだとして否定する者もいます。映画「ラリー・フリント」などを手がけたプロデューサーのジャネット・ヤン氏は「われわれが作っているのは練り上げられた繊細なストーリーだ。プロパガンダのにおいがするような作品を、観客は容赦しないだろう」と述べました。米映画業界への中国マネーの浸透は、ワンダがAMCを買収した2012年から本格化しました。「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」や「ターミネーター:新起動/ジェニシス」など、最近のいくつかのヒット作品には中国企業が出資しています。
AMCは声明で、「AMCシアターズは、米国人の経営陣が全てを取り仕切る米国の映画館チェーンだ。当社は本社のあるカンザスシティー近郊の町で、創業当初から100年近くの歴史を作ってきた」と指摘。「ワンダがAMCの日常業務に参画することはなく、AMCシアターズで上映するタイトルを決めることもない。ワンダはAMCの素晴らしい株主として、AMCが米国内の映画館を刷新するのに必要な資本面の支援をしている」と説明しました。
市場調査会社パシフィック・ブリッジ・ピクチャーズのコンサルタントでパートナーのロバート・カイン氏は「ウォール街は例外として、中国はハリウッドが目にした最大の外部投資家だ」と述べています。同氏は、中国が米国の文化や経済への影響力という「ソフトパワー」を握ることを、ある程度警戒する必要があると指摘。「個人的に中国企業の投資の恩恵を受けてきたし、中国人投資家と満足のいく仕事をしてきた」としつつ、中国人の狙いは金もうけをすることだけだと考えるのは「極めて世間知らずで危険な態度」だと述べました。
一方、バーマン氏の主張を、恐怖をあおっているだけだとして否定する者もいます。映画「ラリー・フリント」などを手がけたプロデューサーのジャネット・ヤン氏は「われわれが作っているのは練り上げられた繊細なストーリーだ。プロパガンダのにおいがするような作品を、観客は容赦しないだろう」と述べました。米映画業界への中国マネーの浸透は、ワンダがAMCを買収した2012年から本格化しました。「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」や「ターミネーター:新起動/ジェニシス」など、最近のいくつかのヒット作品には中国企業が出資しています。
AMCは声明で、「AMCシアターズは、米国人の経営陣が全てを取り仕切る米国の映画館チェーンだ。当社は本社のあるカンザスシティー近郊の町で、創業当初から100年近くの歴史を作ってきた」と指摘。「ワンダがAMCの日常業務に参画することはなく、AMCシアターズで上映するタイトルを決めることもない。ワンダはAMCの素晴らしい株主として、AMCが米国内の映画館を刷新するのに必要な資本面の支援をしている」と説明しました。
AMCシアターズの日本1号店が出店したキャナルシティ博多 |
このようなことを知ると、やはりTPPのような自由貿易の枠組みの重要性を痛感します。TPPとサービス産業に関しては、日本ではTPP芸人らがとんでもないデマを流していましたが、それはデマに過ぎず、これについても自由貿易をするという立場から、様々なまともな合意がなされることになっていました。
当然のことながら、検閲についても、あるいは知的財産権の見地からも、一定の枠組みの中でのサービス産業の輸出入がなされることになります。TPP11でこの枠組みを作成して、映画産業の検定や、知的財産権の保護をTPP参加国でまともに行う体制を整えれば、米国もこれに興味を示すことになるでしょう。
そもそも、映画も含む知的財産権とは以下のように多岐にわたります。
特許権
- 新規な発明を創作した者に与えられる独占権。出願の日から20年間保護される。
商標権
- 商品に使用するマーク(文字、図形、記号など)を設定登録の日から10年間保護される。なお、この権利は更新可能。
実用新案権
- 物品の形状、構造、組み合せに関する考案(小発明)に対して出願の日から10年間保護される。
意匠権
- 工業的なデザイン、つまり、車やコンピュータの外観のようなものに関して設定登録の日から20年間保護される。
著作権
- 独創性のある文芸、芸術、音楽など、精神的作品を創作のときから作者の死後50年間(映画は公表後70年)保護される。
育成者権
- 栽培される全植物(種子植物、しだ植物、蘚苔類、多細胞の藻類)の新品種について登録の日から25年間(果樹、林木、観賞樹等の木本性植物については30年)保護される。
中国には、このような事柄を権利として認めることはあまりありません。そんな中国が、ハリウッドに進出しようというのが大間違いなのです。これらが守られてはじめて、各国映画界などのサービス産業はまともに競争ができるのです。まさに、知的財産保護後進国中国は、顔を洗って出直してこいということになると思います。
TPPに参加するためには、米国の映画産業はさしたる変更も求められないでしょうが、中国の映画産業は、様々な構造変革が求められるようになります。それを実行しない限り中国は永遠にTPPに参加できません。
やはり、昨日も掲載したように、映画などの娯楽産業についても、TPP11により、参加国間で、自由貿易の模範となるような規範づくりをすることが、重要です。
ひょっとすると、TPP11が発効して、それに米国が関心を示すようになり、米国がTPPに参加するようになれば、リチャード・ギア氏のように中国に批判的な発言をしたり、トランプ氏を擁護したりするハリウッド関係者にを救うことになるかもしれません。
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