2017年4月18日火曜日

日銀審議委員候補に「リフレ派」片岡氏-三菱UFJ銀の鈴木氏も―【私の論評】片岡氏登場で日本がデフレに舞い戻る確率はかなり減ったが(゚д゚)!

日銀審議委員候補に「リフレ派」片岡氏-三菱UFJ銀の鈴木氏も

片岡剛司氏 写真はブログ管理人が挿入 以下同じ
  政府は18日、日本銀行の審議委員に三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部上席主任研究員の片岡剛士氏、三菱東京UFJ銀行取締役常勤監査等委員の鈴木人司氏を充てる人事案を国会に提示した。

  任期は5年間。参院が記者団に資料を配布した。

  ブルームバーグが入手した政府の国会提出資料によると、片岡氏は44歳。経済政策の調査に約20年間携わっており、理論やデータに基づく「分析手法は高い評価を得ている」という。「アベノミクスのゆくえ-現在・過去・未来の視点から考える」(光文社新書)などの著書がある。慶応大学大学院商学研究科修士課程修了。

  昨年4月、自民党の有志議員の勉強会「アベノミクスを成功させる会」(会長・山本幸三地方創生担当相)に講師として出席し、消費増税の凍結を提唱した。代替の社会保障財源として相続税や資産課税の強化を挙げていた。

  昨年11月4日付の片岡氏のリポートでは、「2%のインフレ目標に向けたモメンタムが維持されているとは全く思えない」とした上で、「早期の追加緩和という具体的なアクションを行うことが定石であり、かつ必要である」との見解を示していた。

  鈴木氏は63歳。1977年に慶応大学経済学部を卒業後、当時の三菱銀行に入行した。東京三菱インターナショナル・ロンドン副社長を経て、三菱東京UFJ銀行の市場企画部長や副頭取などを歴任し、2016年6月から現職。金融市場の実務に精通していることや国内外の幅広い人脈が評価された。
量にこだわり

  片岡氏は木内登英氏、鈴木氏は佐藤健裕氏の後任で、木内、佐藤両氏の任期は7月23日まで。日銀審議委員人事は国会の同意が必要だが、自民、公明の与党が過半数を占めるため、6月18日までの今国会中に衆参両院で承認される見通し。承認が得られれば、片岡氏と鈴木氏は9月20、21両日の金融政策決定会合から参加する。

  岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミストは、片岡氏について、金融緩和に積極的な「リフレ派の中心的な人物」と評価。ただ金融政策の実務では「あまり極端な主張に走らず、事務方と調整してバランスの取れた投票行動を取るのではないか」とみる。鈴木氏についても、銀行の経営に携わっていることから、金融緩和の「出口戦略の議論において貢献できるのではないか」と述べた。

  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは片岡氏について「リフレ派であることは間違いない」とした上で、岩田規久男副総裁、原田泰審議委員の路線に近く、金融緩和の「量にこだわりのある人が選ばれた」と指摘する。鈴木氏については「出口政策に向けて必要な、知見のある方が選ばれてよかった」と評価。2人の加入で「金融政策の方向性が変わることはないだろう」と分析している。

【私の論評】片岡氏登場で日本がデフレに舞い戻る確率はかなり減ったが(゚д゚)!

片岡剛司氏については、ぶれないリフレ派としてかねてから有名でした。私自身はそのことを前から知っていて、ツイッターで以前から片岡氏をフォローしていました。それに、書籍も2冊くらいは購入したことがあります。

片岡氏は、少し前からツイッターをやめていたようです。以前もあまりにくだらないコメントがあったりしたのか、一度やめたことがあり、今度もそのためかなとも思っていたのですが、今回は日銀の審議員になるということもあってやめたのかもしれません。

ツイッターではかなり今回の件で、片岡氏のことがツイートされているようですが、あまり知らない人もいるものと思いますので以下に略歴など掲載します。
愛知県常滑市出身。1991年3月、愛知県立半田高等学校、1996年3月 慶應義塾大学商学部卒業後、同年4月、三和総合研究所に入社(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)。2001年3月、慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了(計量経済学専攻)。 
2010年6月から2ヶ月の間、東北大学大学院法学研究科客員教授を担当。2012年4月、早稲田大学政治経済学術院非常勤講師。 
また、公職として、2015年10月から参議院第二特別調査室客員調査員と会計検査院特別調査職を担当し、客員調査員は2016年6月迄担当。

2012年時点で、円高が問題であると主張していました。 
消費税の8%への増税に批判的であり、2014年4月1日には、財務省の広報戦略の中で「ご説明」の際に渡される資料の数々の写真を公開しつつ、批評を行っていました。
民間シンクタンクという実践的な場でリサーチャーとして活躍する一方で、日本のデフレーション脱却を果たすために、インフレターゲットの設定を主張していました。
片岡氏のような民間のエコノミストなどに関しては、私はほとんど信用していないのですが、片岡氏は例外です。 例外どころか、他のエコノミストなどとは異なり、まともな経済感覚と過去の研究をもとに、まさにその時々で日本経済に対する適切で妥当な提言を行ってきました。

だからこそ、私は片岡氏のことを信頼しているのです。他のエコノミストに関しては、ほとんど信用していません。なにせ、彼らは、為替でも何でも、目の前の数ヶ月間のことをもとにしか、予測などできないようですし、実際そうなのだと思います。

そうして、なぜか経済に関する一般常識はもとより、日本や世界の経済史的なことも知らずに、日々頓珍漢な発言や、素っ頓狂な予言を出してほとんど当たった試しもありません。しかし、片岡氏は、過去には妥当な発言をし、予測はほとんど当たっています。

そうして、何よりもも片岡剛司氏は、あの悪手中の悪手であるデフレから回復しきっていない時期の8%増税に対して反対の意見を主張していたことです。これについては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

【お金は知っている】消費増税の災厄もたらす御用学者と無責任議員 自身の「誤り」にダンマリ ―【私の論評】増税推進派の似非論評に騙されない方法(゚д゚)!
衆院第1委員室に到着し、質問者の民主・野田佳彦前首相(左)とあいさつ
しながら着席する安倍晋三首相=国会内で2016年2月19日午後0時58分
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から以下に、2013年当時政府の指揮者会議で2014年4月からの8%増税に関して、賛成・反対の意見をまとめたリストを掲載します。


さて、このリストの一番右の「☓反対」の欄の上から二番目に片岡剛司氏の名前が掲載されています。この有識者会議には、民間のエコノミスト・アナリストも参加していますが、その中で増税に反対したのは片岡剛司氏ただ一人です。

民間エコノミスト・アナリストの中で私が信用するのは、片岡剛司氏と村上尚樹氏くらいなものです。他にも、信用できる人はいるのかもしれませんが、本当の実数は少ないです。

それについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
NHK日曜討論「徹底分析 日本経済のゆくえは」―【私の論評】いつも予想を外す酷すぎる分析をするエコノミストの提言は、完全無視せよ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、NHK日曜討論で昨年の2月のNHK日曜討論という低劣な番組で、大学教授と民間のエコノミストらがとんでもない経済の分析と提言を行っていたことを中心に掲載しました。

以下に、一部分を掲載します。
本日のNHK日曜討論の内容は、本当に酷いものでした。特にひどかったのは、昨年の10-12月期のGDPのマイナス成長に関して、討論参加者の誰からも、8%増税の悪影響をあげた人はいなかったということです。 
もうこの時点で、この討論は奇妙奇天烈、摩訶不思議で、まともに聴いている価値はないと判断しましたが、それでも我慢して聴いていると、マイナス金利についてもなにやら筋違いの話ばかりしていました。 
この討論を聴いていると、本当に脱力感を感じてしまいました。この人たちは全員見当違い、筋違いの話をしているとしか思えませんでした。 
ここで討論している人たちは、経済分析や予想を大外ししている人たちばかりです。それに、8%増税の日本経済に与える影響は軽微と予測していました。こんな人たちが、偉そうに日本の実体経済を語る資格はないです。ツイッターのつぶやきをみていると、こう思うのは私だけではないことが良くわかります。以下にいくつかあげておきます。
私自身は、このような経験がこの番組だけではなく、過去にも何度も重なったため、民間のエコノミスト・アナリストという人たちは、結局自社の商品を売るために、出鱈目の話をして売り込みをする人たちなのではないかと思っています。

しかし、このブログには片岡剛士氏の記事そのものを元記事として掲載したこともあります、その記事のリンクを以下に掲載します。
GDPマイナス成長は暖冬のせいではない―【私の論評】増税派はどこまでも、8%増税が大失敗だったことを認めたくない(゚д゚)!

この記事は、昨年2月の季節外れの気温の高さがGDPが伸びない原因であるなどと、8%増税賛成派が、屁理屈を主張したことに対して片岡氏が反論したものです。

以下に一部を引用します。
 今回公表されたGDP統計では、家計消費の推移が自動車や家電製品といった耐久財、衣料品などの半耐久財、食品などの非耐久財、輸送・通信・介護・教育などを含むサービスといった4つの品目群(GDP統計では形態と言う)別にまとめられている。2015年7-9月期と比較しても、1年前の2014年10-12月期と比較しても、家計消費の落ち込みに最も大きく影響しているのは耐久財消費の落ち込みである。石原大臣の述べるとおり、家計消費の落ち込みの主因が冬物衣料品などが大きく落ち込んだことにあるのならば、その影響は半耐久財消費の大幅減という形で現れるはずだが、統計データを参照する限り、そうはなっていない。 
 思い起こせば、天候不順が消費低迷の主因であるという指摘は、2014年4月の消費税増税以降繰り返されてきた。確かに天候不順が消費を落ち込ませる可能性はゼロではない。しかし消費意欲が旺盛であれば、多少の天候不順でも、消費の落ち込みがこれほど長くかつ深刻な形で続くことはないだろう。GDP速報値の結果からは、2015年10-12月期の民間最終消費支出の値は304.5兆円だが、これは、消費税増税直後に大幅な落ち込みとなった2014年4-6月期の305.8兆円をも下回っているのである。これほどの大きな変動が天候不順で生じると考えられるのだろうか? 
 やや長い目で民間最終消費支出の推移をみれば、2002年から2012年までの10年間の民間最終消費支出は前期比0.2%程度のペースで緩やかに増加していたことがわかる。2013年に入るとこのペースがやや拡大したが、2014年4-6月期以降になると、民間最終消費は落ち込みが続き、2015年10-12月期の民間最終消費支出は、統計的に見て、前期比0.2%増のトレンドから有意に下ぶれしたと結論できる。つまり、統計的に「消費の底割れ」が生じたというのが今回の結果だということだ。
いたって、まともな分析です。私も、当然のことながら、当時GDPがマイナスだったのは、天候のせいであるとはとても思えませんでした。

それにしても、8%増税をしても日本経済に与える影響は軽微であるとか、実際に8%増税して、GDPがマイナスになると、今度は天候のせいにするような人たちを雇っている企業は、このことを何とも思わないのかと疑問に感じてしまいます。

その中にあって、片岡剛司氏や村上尚樹氏などは例外で、まともな経済感覚を持ち、まともな提言を行っています。

片岡剛士に関して8%増税に反対したことをあげましたが、当然のことながら、日銀の金融緩和政策に関してもまともな判断力を持っておられます。それについてもこのブログでとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
アベノミクスの破綻を煽る「金融岩石理論」は簡単に論破できる―【私の論評】常識を働かせば金融岩石論にははまらない(゚д゚)!
晴れ着姿の女性が見守る中でスタートした東京株式市場
この記事は、今年の1月17日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、いわゆる「金融岩石理論」が、理論的にも実証的にも成立しがたいことを、丁寧に解説した『アベノミクスは進化する』(中央経済社)を原田泰・片岡剛士・吉松崇編著で出版したことを掲載しました。

ちなみに、「金融岩石理論」とは坂に岩石があり、びくともしません。しかしこれをいったん動かすと、猛烈な勢いで坂を転がりだしてしまう。これと同じで、日銀がマネーをどんどん増やしても物価はまったくあがらない。しかしいったん上がりだすと、どんどん物価は上昇してハイパーインフレ(猛烈なインフレ)になってしまう、という理論です。

片岡剛士氏は、この書籍の中でも、明確に金融岩石理論が成り立たないことを示しています。

このまともな経済感覚を持ち、まともな分析をする数少ない民間のエコノミストの一人である、片岡剛士氏が今回日銀の審議員になったことはまことに喜ばしいことです。

片岡氏が日銀新議員になったことで、また日銀の誤った金融政策で、日本がデフレに舞い戻る確率はかなり減ったと思います。
これからも、片岡氏のような民間エコノミストが大勢出てきて、まともな予測や提言を行い、日銀の審議員や、政府の中でも大勢活躍するようになってほしいです。そうなれば、デフレの最中に増税したり、金融引締めをしたりするようなバカマネをするようなことはなくなると思います。

しかし、これはまだ政府が人事案を国会に提出したという段階です。これに対して、野党はどう反応するのでしょうか。よもや、また反対というということになってしまったら、本格的に堪忍袋の尾が切れると思います。そうなれば、私だけではなく他の多くの人々もそうなるでしょうから、次の選挙では大惨敗して、雲散霧消するでしょう。

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