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2016年11月1日火曜日

米大統領選「隠れトランプ支持者」がカギ?―【私の論評】トランプ氏台頭の背景には、米保守派の憤懣の鬱積がある(゚д゚)!



    アメリカの大統領選挙で、共和党・トランプ候補の支持率が再び民主党・クリントン候補に迫っている。トランプ氏を支持すると公言できない「隠れトランプ支持」の人たちに注目した。接戦となっている州で勝敗を左右する可能性がある。

東部ペンシルベニア州に住むヘンリックさん。部屋の中にはトランプ氏の人形。そして庭仕事では、トランプ氏と同じ赤い帽子をかぶるというほどの熱烈な支持者だ。

--既存の政治家は大口献金を受けていて国民の利益のために働いていない。トランプ氏は、その堕落した状態を変えようとしている。

ペンシルベニア州では接戦が続いているため、戸別訪問にも参加しているが、訪問した先では、トランプ氏への支持を表だって言い出せないという人に出会うという。

--(戸別訪問先には)トランプ氏支持者も多いが、彼らは「リベラルな考え方の友達が多く、怖くてトランプ氏支持だと言い出せない」と言う。

また、各地で家の外に置かれたトランプ氏を支持する看板が盗まれたり、焼かれたりする被害が報告されている。

--(隠れたトランプ氏支持者は)安全のために、そして周りの目を気にして言わないのよ。

クリントン氏が優勢だとするアメリカメディアなどの世論調査は信じられないと主張するトランプ氏。世論調査に詳しい専門家は、隠れたトランプ支持者の声が世論調査に反映されていない可能性を指摘する。

カーリン・ボーマン氏「トランプ氏支持だと言わない人がいるかもしれない。(世論調査にあらわれない声が)選挙戦で重要になる可能性がある」

隠れたトランプ支持者が戦いの行方を左右するのか、運命の日は来週に迫っている。

【私の論評】トランプ氏台頭の背景には、米保守派の憤懣の鬱積がある(゚д゚)!

このブログには、以前からアメリカのメディアはかなり偏りがあって、リベラル・左派が9割方を占めている状況です。残りの1割が保守系メディアなので、保守系の声などはかき消されてしまいます。

とはいいながら、声がかき消されたにしても、現実には保守系は半分近くは米国に存在していて、特に軍関係などには存在していて、様々な研究を続けたりしています。これは、このブログで何度か掲載してきたことなので、ここでは詳細は述べません。

その上、アメリカではアカデミズムの世界でもリベラル・左派一色であり、ルーズベルトを礼賛しなければ、学問の世界では生き残っていけない程です。それに関しては、以下の動画をご覧いただければ、ご理解いただけるものと思います。


このようなことを掲載すると、米国ではもとより、日本でもほとんどの人がルーズベルトというと、ニューディール政策でアメリカの経済を建て直し、第二次世界大戦を勝利に導いた英雄ということになっているので、何のことやらわからないという人も多いと思います。そのため簡単に以下に説明します。

上の動画でも、「ヴェノナ文書」という言葉が出ていましたが、この文書のことを知ると、ルーズベルトがどのような人物であったのかわかります。これについては、以前このブログにも掲載したことがありますので、その記事のリンクを以下に掲載します。
アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア戦略―【私の論評】他の陰謀論など吹き飛ぶ! これこそ陰謀中の陰謀だ! 世界は、日本は、あなたはとうに滅亡したソビエトにまだ欺かれ続けるのか? 
詳細は、この記事を読んでいただくものとして、以下にこのきじのさわりの部分のみ掲載しておきます。
ヴェノナ文書とは、第二次世界大戦前後の時期にアメリカ内のソ連のスパイたちがモスクワの諜報本部とやり取りした秘密通信を、アメリカ陸軍情報部が秘密裡に傍受し解読した記録である。1995年、アメリカ国家安全保障局(NSA)が公開した。 
これら機密文書が次々と公開され、その研究が進んできた結果、ルーズヴェルト大統領の側近であったアルジャー・ヒス(1)[以下、主要人物に通し番号を附し、共産党員または協力者と思われる人物は傍線を引く]を始めとする200人以上のスパイ(あるいは協力者)が政府官僚として働いていたことが立証されつつあるのだ(中西輝政監修『ヴェノナ』PHP研究所)。 
ルーズヴェルト政権内部にソ連のスパイたちがいるという疑念は、60年以上前からあった。1948年、下院非米活動委員会において『タイム・マガジン』記者のH・チェンバースが、アルジャー・ヒス(1)を「ソ連のスパイだ」と告発した。1950年には、ジョセフ・マッカーシー上院議員が「国務省に潜む共産党員の名簿を入手した」と発言し、容共政策を進めた国務省や陸軍の幹部たち、特にジョージ・マーシャル国務長官(2)や、蒋介石政権の顧問を務めたオーエン・ラティモア(3)らの責任を激しく追及した。「マーシャル国務長官(2)やラティモア(3)らはソ連に通じており、ひそかに中国共産党政権の樹立を支援した」というのだ。 
確かに彼らはソ連や中国共産党に好意的な発言をしていたが、ソ連のスパイだと断定する証拠も当時は見つからなかった。しかも、ソ連のスパイだと名指しされた人物が次々と自殺をしたため、リベラル派のマスコミは、「マッカーシー上院議員らが根拠なく言論弾圧を行った結果、自殺に追い込まれた。これは現代版の魔女狩りで許されることではない」などと、保守派批判を繰り広げたのである。
マッカーシー上院議員 彼の考えは結局正しかったことになる。 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
以後、ソ連や中国共産党に好意的な言動を理由に批判することはタブーとなってしまった。アメリカでも戦後、ソ連や中国に親近感をもつリベラル派にマスコミは支配され、保守派は肩身が狭かったのだ(リー・エドワーズ著『アメリカ保守主義運動小史』明成社)。 
それだけに、ヴェノナ文書がアメリカの知識人たちに与えた衝撃は大変なものだった。「国連創設にまで関与したアルジャー・ヒス(1)らがソ連のスパイであるはずがない」と断言していたリベラル派の学者やマスコミは沈黙を余儀なくされた。
この文書は衝撃的な内容であるのですが、アメリカの保守派はこの事実を前々から知っていたようですが、その情報を公開できないこともあって、なかなかその事実を認めてもらうことはできなかったのです。しかし、このヴェノナ文書の公開によって、真実が明るみに出たのです。

この文書によれば、いわゆる赤狩り、魔女狩りをした悪い奴という定説がつけられてしまった生粋の保守派マッカーシーは正しかったということになります。しかし、ご存知のようにマッカーシー氏は誰にも自分の主張を認められず、結局失意の内に生涯を閉じました。

このルーズベルトはもちろん、民主党です。ルーズベルトは、ソ連のスパイに自らの政府に浸透され国策を誤り、対日強硬論に染まり、ソ連と対峙していた日本と戦争するという愚かな選択のみでなく、ソ連と手を組むという愚かなことをした大統領なのです。

そのころは、日本も近衛内閣もルーズベルトの政府と同じように、尾崎秀実などソ連のスパイに浸透されており、対米強硬論に傾いていきました。はっきりいえば、日米双方が戦争するようにソ連に仕向けられたということです。

経済面でも、ルーズベルトは、ニューディール政策でアメリカを救ったとされていますが、これも誤りで、世界で一番はやく世界恐慌から抜けだしたのは、日本でした。日本は、高橋是清による今日でいえば、リフレ政策とよばれる政策を実行したため、昭和恐慌(世界恐慌の日本での呼称)からいち早くぬけ出すことができたのです。

アメリカが恐慌から抜けだしたのは、第二次世界大戦の半ば過ぎのことでした。それも、ルーズベルトの政策によるものではなく、長引く戦争が、兵器製造などの長期の需要を生み出したせいです。この需要が長期にわたって続いたので、アメリカは日本よりは恐慌からぬけ出すのがはるかにおそかったのですが、日本以外の国よりよりは一番先にぬけ出すことができました。

ヴェノナ文書によって旧ソ連の陰謀は白日の下に晒された

こんなことから、ルーズベルトはアメリカを不幸に導いた元凶とも言える人物です。そうして、アメリカにとってさらに不幸だったのは、ルーズベルトの次に大統領になったトルーマン氏が、小市民の代表のような人物であって、到底スターリンの敵ではなかったことです。そうして、それはベノナ文書から導かれる結論であり、十分なエビデンスに基づいた結論です。

しかし、今日のアメリカでは、未だにリベラル・左派の考えが、マスコミでは9割方、アカデミズム世界は100%とも言って良いくらい圧倒的な多数を占めているため、ルーズベルト悪人論はなかなか表に出てこないどころか、アメリカの歴史学の世界はルーズベルトを礼賛しないと生き残れない状況なのです。

唯一の救いは、軍部のほとんどが保守派であるということと、民主党の中にもまともなリベラル派がいて、この歴史上の真実を受け入れているか、受け入れつつあるということです。このような状況ですから、アメリカで歴史などまともな研究をしたいと思えば、大学に残ったとしても不可能です。選択できる道は、軍の研究機関などに入るしかないのです。

今回のトランプ現象は、以上のようなアメリカの実体を知らないとなかなかみえてきません。

70年以上もの間、アメリカの世論は本当は、リベラル・左派と保守に真っ二つに割れていたにもかかわらず、メディアの世界ではリベラル・左派の考えが幅を効かせあたかも、半分の保守の意見などなきがごとくに無視され続けています。

その実体を示す、TEDの動画を見つけました。以下にその動画を掲載します。これは、TEDの動画を"conservative"というキーワードで検索して発見した動画です。

TEDxNYEDで、元”少年共和党員”だったラリー・レッシグは、民主党支持者が相対する党である共和党からコピーライトについて何を学ぶことができるかを語ります。リミックス・カルチャーへの驚くべき視点です。

ラリー・レッシング
以下に、このTEDの動画から、彼の発言内容の一部を以下に抜粋します。詳細は、この動画をご覧になって下さい。会話の前の数字は、動画が始まってからの分数を掲載しています。

0:12
今日は保守的な人達からー 何を学べるのかをお話しします 私も過去を懐かしむ年齢ですから みなさんに白状します 実は子供の頃は 保守主義者で 10代の少年共和党員の リーダーでした 各地の代表団の中でも 最年少でした ロナルド・レーガンが 共和党大統領候補の時です
0:43
ええ 知っています (笑) ”インターネットを探しても―” ”ウィキペディアにも書いていない” まあ これは一例なんです いかに大量の情報のゴミが ネットを流れているかのね ウィキペティアには ペンシルバニアの元下院議員が 最年少リーダーと 書かれていますが それは間違いです (笑) イヤなので修正しましょう (笑) (拍手) これでよし うん完璧 完璧だね (笑) ローレンス・レッシグが 発表と 正しくなりますよ もう少しで終わりです さあ ”…最年少共和党員” っと これを保存して さあ どうだ これで修正されました これは これくらいにします
16:38
私の話に戻りましょう 愚かな右派だった子供の頃 現在はどうか やや左寄りです まちがいなく左利きですよ では左派の人々が 自由な使用権の環境を 築くでしょうか この世界には 自由な使用に反対する 巨大な勢力があり このような左派の有名人が 法律を押し付けて 政府の調査の開示要求を 効果的に禁じてしまうのです 大統領が支持しているのは ミレニアム著作権法という おかしな法律で国民を 規制することです この適用で私達は アウトも同然なのですが 他の国でも適用が進んでいます まだ一つの改正例も 出されていないのです この社会体制では 近いうちには 変化はない
17:51
だから寛容さというものを 私達は学ぶべきなのです 別の価値観に 耳を傾けるのです 話し合いが必要です 自由利用権という価値は 規制を制限し クリエイターを尊重します 右派からの影響で こうした価値を学ぶか 自ら具体化すれば 少しは改善されます 左派から学ぶ価値観は 保健医療の実施や 温暖化規制法ですか

私は、ラリー(ローレンス)・ミッシング氏は、アメリカ合衆国の法学者です。専門は憲法学及びサイバー法学です。その先見性を私は、高く評価し、尊敬もしています。だから、この動画における発言も特に問題があるというわけではありません。むしろ、この発言の最後のところで、「寛容さというものを私達は学ぶべきなのです」などと発言し、保守からも左派からも学ぶ価値観があるということを主張しているということで、大いに学ぶべきところがあります。

そんなことより、ラリー・ミッシング氏が主張の背景には、アメリカの価値観が真っ二つに分かれていることを前提にして話をしていて、そうして私達(アメリカ人)は、双方の価値に対して寛容になり学ぶべきところは学ぶべきことを主張していることに注目すべきです。

現実のアメリカは、本当にリベラル・左派と保守派に真っ二つに割れていて、おそらく比率は半々くらいなのでしょうが、マスコミ・学界などが、完璧にリベラル・保守に握られており、これによって形成される世論は、リベリラル・左派的な価値観が大勢を占めているということです。

ラリー・ミッシング氏は上の話の序盤で「実は子供の頃は 保守主義者で 10代の少年共和党員の リーダーでした」と語っていますが、アメリカでは、有名人などがこのような告白をすることは良くあることです。特に、メデイア関係者や、映画、テレビ関係者などはそのようなことをすることがあります。これらのコミュニティーでは保守派であることは、周りにネガティブに受け止められるだけなのでしょう。

誰でも、保守派の家に生まれば、最初は当然「保守的」な考えを持つのでしょうが、学校に入ったり、もっと上の学校に行けば、そこはリベラル・左派が大勢を占めています。さらに、社会人になれば、職場でも表向きはリベラル・左派な考えが大勢を占めています。場合によっては、リベラル・左派的な考えを否定すれば、職場で周りと馴染めないどころか、場合によって追い出されてしまいかねません。

しかし、ヴェノナ文書や、ソ連解体後のロシアによる文書公開などで、自分が子どもの頃に親から受け継いだ価値観は、決して間違いではなかったということが理解できます。そうして、周りとのギャップに気づくに違いありません。アメリカでは、自分は保守派であることを公にすることは、自らが低学歴であるとか、時代遅れの人物とか、下手をするとKKKの片割れと見られかねません。

白人至上主義を主張するクー・クラックス・クラン
だがこそ、アメリカにはこのブログの冒頭の記事のように、「隠れトランプ支持者」も大勢いるのでしょう。

このようなことが長い間続くとどのようなことがおこるでしょうか。テレビを見ても、新聞を読んでも、保守派の考えはマイナーな扱いです。保守的な考えを持つ人々には、当然のことながら憤懣が鬱積していきます。その憤懣をぶつける場所は残念ながら従来のアメリカにはありませんでした。

ところが、その憤懣を受け止める、トランプ氏という大統領候補が出てきたのです、そうして、この大統領候補はうわべを飾ることなく、ずけずけとものを言いますし、兵役経験者ならわかるように、何かを語って説得する場合でも決して丁寧な言葉など使いません。どちらかというと、汚いくらいの言葉を使って、話相手にショツクを与えて、これからおこらことは相手が予測もしないことであることを悟らせるというような方式をとります。

実は、アメリカは変わりつつあるのです。その先駆けとなったのが、当初泡沫候補であるといわれたトランプ氏がここまでしぶとく大統領選を闘いぬいているという事実なのです。

そうして、もしトランプ氏が大統領になることがあれば、この流れは確実に定着することでしょう。もし、ヒラリー氏が大統領になったとしても、この流れはとどまることはないでしょう。なぜなら、ヒラリー氏は、一昨日のこのブログにも掲載した河添恵子先生の言葉によれば、"ヒラリー候補は「紅いアメリカの政治家の筆頭」" だからです。

クリントン氏が大統領になれば、保守派の憤りは、憤りを超えて、危機感にまで高まるものと思います。70年ほど前には、ルーズベルト大統領はソ連に操られることを許してしまい、おかけで米国はとんでもない犠牲を払いました。多くの若者が戦死ししまた。にもかかわらず、アメリカは第二次世界大戦が終了した後も、ほんど戦争に勝ったことによる利益を得ることはできませんでした。結局第二次世界大戦で一番得をしたのは、ソ連でした。英国に至っては何も得られないどころか、失うばかりでした。

しかし、「紅いアメリカの政治家の筆頭」であるクリントン氏が大統領になれば、またお同じことが繰り返されかねません。口では、対中国強硬論を唱えておきながら、それとは裏腹に政府が中国に浸透され、ルーズベルトのような愚かなことをしかねません。

アメリカの保守派は、クリントン氏の動向をつぶさに観察するようになるでしょう。保守派の軍関係の研究者などは、事あるごとにクリントン氏の誤りについて指摘するようになるでしょう。その果てに、クリントン氏に、今日の朴槿恵大統領のような将来が待っているかもしれません。

いずれにせよ、この流れはもう止められません。

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