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2020年8月4日火曜日

【国家の流儀】「日米豪」対「中国」の対立構図が鮮明に! トランプ政権が描く「アフター・コロナ」の世界戦略 — 【私の論評】米大統領選は、トランプ若干優勢と見ておくのが妥当!(◎_◎;)

【国家の流儀】「日米豪」対「中国」の対立構図が鮮明に! トランプ政権が描く「アフター・コロナ」の世界戦略 

左寄り、トランプ米大統領、豪モリソン首相、安倍日本首相
 11月の大統領選挙を控え、国内対立が激化している米国だが、ドナルド・トランプ政権はそんな国内問題に足を引っ張られるどころか、コロナ危機の最中も「アフター・コロナ」の国際社会を見据えた大胆な手を次々と打っている。

 トランプ政権が描く「アフター・コロナ」の世界戦略、それは自由主義に基づく国際秩序を断固として守るために、米国を経済的軍事的に強くし、日本をはじめとする同盟国との関係を強化し、中国「共産党」政権の暴走を抑止する、ということだ。

 その世界戦略をまとめた報告書「中国に対する米国の戦略的アプローチ(United States Strategic Approach to the People’S Republic of China)」が5月下旬、発表された。

 日本のマスコミの扱いは小さいが、16ページからなるこの報告書は、経済、通商、安全保障、人権、環境など多岐にわたって中国の問題点を列記し、それらの課題への対抗策を列記している。

 その冒頭にはこう記されている。

 米国は1979年の中国との国交樹立以来、懸命に経済協力を行い、民主化を促してきたが、そうした対中関与政策は中国自身によって否定された。

 特に2001年に中国がWTO(世界貿易機関)に加盟した際、加盟国は、中国が経済改革の道を歩み、市場志向の経済・貿易体制へと変貌していくことを期待していたが、こうした期待は実現されなかった。

 それどころか13年、「資本主義は必ず滅び、社会主義は必ず勝利する」と述べた習近平総書記(国家主席)のもと中国は「一帯一路」を掲げてアジア太平洋諸国を影響下に置こうとする一方で、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海、南シナ海、台湾海峡、中印国境地域で挑発的で強圧的な軍事・準軍事活動を繰り広げている。

 よって「過去20年間の対中関与政策は『誤り(false)』」だったと、トランプ政権は総括している。

 その歴史的な総括を踏まえて、トランプ政権は、米国を含む自由主義陣営の体制を強化し、同盟国を中国から守るため、今後、「米国は、自由で開かれたルールに基づく国際秩序を弱める北京の行動には応じないし、応じるつもりもない」と明言しているのだ。

 こうしたトランプ政権の動向に対して、日本では「親中派が横行する日本は果たして米国と協調できるのか。このままだと米国に見捨てられるのではないか」という声が聞こえてくる。

 だが意外なことに、トランプ政権のこの報告書には、米国と連携して日本とオーストラリアが、中国の横暴に懸命に立ち向かっている姿が描かれている。

 日本はもっと旗幟(きし)を鮮明にしてほしいと思うが、その一方で少なくともトランプ政権は、「日米豪」対「中国」という構図で国際社会を見ていることは理解しておきたいものである。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障や、インテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞した。自著・共著に『危うい国・日本』(ワック)、『インテリジェンスと保守自由主義-新型コロナに見る日本の動向』(青林堂)など多数。

【私の論評】米大統領選は、トランプ若干優勢と見ておくのが妥当!(◎_◎;)

日本の報道では、何やらトランプが大統領戦で、再選されなければ良いような報道が多いですが、上の記事を見ていると、そうではないようです。

なぜなら、「米国は、自由で開かれたルールに基づく国際秩序を弱める北京の行動には応じないし、応じるつもりもない」と明言しているからです。

現在の米国は、中国に対抗することで、政府も議会も超党派でまとまっています。次の大統領選挙で有力視させているバイデン氏もその点では、変わりないように見えます。

しかしバイデン氏は、 大統領選への出馬を表明した直後の昨年5月2日、集会で次のように発言しました。

「中国に俺たちの昼飯を食べられてしまう(やっつけられてしまう)って? 冗談じゃない!」 トランプ大統領の対中強硬姿勢に対抗する意味で発言したものでしたが、逆にバイデン氏が中国に対して「弱腰」と批判されました。

 その対中姿勢に関連して、副大統領時代の2013年に中国を公式訪問した際、二男のハンター氏を同道させ中国側の要人に紹介したのですが、帰国後ハンター氏が経営する投資会社に中国銀行から15億ドル(約1500億円)が振り込まれたという話があり、トランプ陣営は選挙戦が本格化するとこの話でバイデン氏を攻撃することが目に見えています。

さらに、オバマ政権で対中政策の采配をふるっていたスーザン・ライスが要職に付くと見られています。

「副大統領候補の内、スーザン・ライスがバイデンと最も良い関係を築けるかもしれない」(ザ・ウィーク電子版5日)

 バイデン氏の副大統領にはアフリカ系女性が有望とされる中で、ライスの下馬評が高くなってきています。オバマ政権での安全保障問題担当補佐官としてバイデン副大統領とも通ずるところが多かったライスさんは、副大統領でなくとも国務長官として外交を仕切るのではないかと噂されていますが、これは日本とっては悪夢です。

ライスは2013年に補佐官就任直後の講演で「中国とは新たな大国関係を機能させようとしている」と言って注目されまし。習近平主席の太平洋を米中で2分割しようというG2論を容認したと受け取られたからです。

 また同じ講演会で記者から尖閣列島問題を訊かれると「米国は主権の問題には立ち入らない」と従来の米国政府の立場から後退した考えを示しました。 さらにライスは補佐官当時三回中国を単独訪問して習近平主席と会談しており「ライスにとって中国問題は最も重要な個人的課題になった」(ワシントン・ポスト紙)と言われました。

大統領選は3ヶ月先のことですが、政権が交代した場合の日本への影響と対策をも考えるべきです。

ただ、実際にはバイデンが圧倒的に有利とは言えないようです。米国調査会社トラファルガー・グループ(ジョージア州)は2016年の前回大統領選で激戦州ミシガンなどの結果を言い当て、トランプ氏勝利を予測した数少ない世論調査会社です。

同グループの、ロバート・カヘリー上級調査員は取材に対し「トランプ支持でも、そうとは言いにくい空気が4年前より強い」と指摘しています。

米国調査会社トラファルガー・グループのロバート・カヘリー上級調査員
カヘリー氏によると、電話など人対人の世論調査では、社会的に望ましいとみられる回答に反する場合、対象者がうそをつくことがあります。4年前、同社は「あなたはトランプ支持か」という質問に加え、「あなたの隣人の大半はトランプ支持か」を尋ねました。後者が本心を聞き出すための質問で、より実態を捉える効果があったといいます。

1日現在、各種調査の平均でバイデン氏の支持率はトランプ氏を7ポイント上回っていますが、同社の調査では、五分かトランプ氏やや有利の展開といいます。カヘリー氏は「人々がバイデン氏の楽勝を信じ、結果が異なれば、選挙の公正さを疑われかねない」と語り、精度向上の必要性を訴えています。

隠れトランプ支持者の存在をめぐっては論争があります。4年前、激戦州の直前世論調査の平均は、実際の選挙結果と最大7ポイント違っていました。米世論調査協会は半年後の17年5月、「なぜ間違ったのか」を検証する報告書を公表しました。

態度未定の有権者の多くが最終盤でトランプ氏に流れたことなどを理由に挙げましたが、「隠れ支持者」の存在は「証拠がない」として認めませんでした。

私は、このブログで先月バイデンが圧倒的有利とは米国メディアが作り出した幻想にすぎなく、 実態は五分五分と認識すべきだと主張しました。この考えは、今でも変わりありません。そのため、ロバート・カヘリー氏の主張は、まさに我が意味を得たりという思いがしました。

米国で連日のように行われているトランプ政権に対する抗議デモや暴動は実は、選挙にはほとんど関係がありません。なぜなら、黒人の若年層は投票権がないか、投票所に行かないからです。

若年層に投票権がないのには、二つの理由があります。一つは、無論18歳未満で、そもそも選挙権がないということです。もう一つは、選挙人名簿への登録を行っていない者が多いからです。

米国には日本のような住民基本台帳が無いため、自動的に選挙人名簿に登録されることは無く、選挙人名簿(Voter registrationがこれにあたる)に自己申告で登録しなければ選挙人名簿には登録されず、投票資格が生じないのです。 なお選挙権が無いにも関わらず選挙人登録をすると刑法犯罪になります。

以上のようなことを考えると、バイデン優勢どころか、トランプがリードしている可能性すらあるのです。その理由を以下にあげます。
(1)一般的な世論調査ではバイデン候補がトランプ大統領を7ポイント程度リードしています。しかし「投票する」と答えた有権者への調査では、逆に3~5ポイント、トランプ優勢。 
(2)選挙資金の潤沢さ(トランプ2億5000万ドル、バイデン6000万ドル)。選挙戦では高額なTVスポット広告で、攻撃されたら直ちに反撃できます。この差は大きいです。 
(3)中国たたき。米国民の67%が習近平体制に反感を持ち、反中政策は人気。特に共和党びいきの93%がトランプ支持です。
トランプ政権の中国攻撃は、民主党をたたくことにつながります。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(2020年4月22日)によると、バイデンの息子が中国との間に持つ利権をトランプ陣営は調査中です。同時に、民主党幹部の中に、中国に利権を持つ人物が複数浮上しています。

バイデン氏(左)と息子
トランプ政権発足直後に、フリン大統領補佐官が辞任。その後、ロシア大使に接触したとして起訴されましたが、5月7日、司法省は起訴を取り下げました。

FBI(米連邦捜査局)がうそを強要したメモが見つかったとされ、トランプ大統領は「オバマゲート」と呼んでいます。トランプ政権にとって大勝利です。

5月12日、ワシントン連邦地裁は、起訴取り下げの承認を見送りました。今後、第三者の意見を参考に、事実関係を精査して結論を出す。2~3カ月かかるとみられていますが、トランプ側が有利な材料を手にしていることに変わりはないです。それに、もう8月です。今月にも結論が出されるかもしれません。

民主党指導部によるフリン起訴の仕掛けも、問題視されています。

2016年大統領選当時、ヒラリー・クリントン候補を勝たせるべく、国家権力を使ってトランプ陣営を妨害したとされます。しかし、トランプ当選で思惑は狂い、FBIを使ってフリン氏に罪を着せ、同時にトランプを陥れようとしたというのです。

司法省は「オバマ側がスパイ行為をしていた証拠を握っている」と発言。これも11月の大統領選の前に結論が出れば、トランプ側に有利になります。

オバマ氏
ただ、トランプ再選への大きな不安は、連邦最高裁に上がっているトランプの納税・銀行取引記録の開示問題です。

下院とニューヨーク市検察当局がトランプ取引銀行に開示を求め、大統領側は拒否しています。

米連邦最高裁は先月9日、トランプ大統領はニューヨーク州の検察当局が求めた納税申告書を含む財務記録の提出を拒否できないとの判断を示しました。一方で下院の調査委員会が求めていた開示は認めず、下級審に審理を差し戻しました。

いずれも最終決着までには時間がかかる見通しで、11月の米大統領選の前にトランプ氏の財務記録が公になる可能性は低くなりました。

以上のようなことを考えると、大統領選挙でトランプが不利で、バイデンが有利とは言えないと思います。いまだ五分五分どころか、トランプに若干有利かもしれません。

しかし、選挙は、水ものですから、蓋を開けてみるまでは、何とも言えないところがあります。そのため、バイデンが大統領、ライスが副大統領となった最悪の場合も想定しておくべきです。

そうして、それ以前に、米国は抜きにして、日本としては中国にどう対処するのか、戦略を立てておくべきです。そうすれば、大統領がトランプになろうが、バイデンになろうが、進むべき道ははっきりするはずです。

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2016年11月17日木曜日

トランプ氏に困惑の国内左派 TPP反対でも批判する矛盾 雇用政策でも国際常識が欠如―【私の論評】米大統領選で日米のリベラル・左派とメディアの左下ぶりも暴露された(゚д゚)!

トランプ氏に困惑の国内左派 TPP反対でも批判する矛盾 雇用政策でも国際常識が欠如

米ロサンゼルスのカリフォルニア大学ロサンゼルス校で、「愛は憎しみに勝つ」と書いた
プラカードを手に大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利に抗議する学生たち(2016年11月10日)
ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利し、米国内は反対デモで騒がしい。選挙というルールの結果なので受け入れざるを得ないのは理性でわかっても、感情が許さないといったところだろうか。

日本国内でも、いわゆる「左派」が困惑しているようだ。従来の左派の主張を見れば、トランプ氏の当選を喜んでいいはずなのに、否定的な姿勢を示している。もともと日本の左派はロジカルとはいえない面も多いとはいえ、筆者のような第三者には滑稽に映る。

その典型例が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の問題だ。国内左派はこれまで、「米国の言いなりでTPPに参加すれば食の安全が確保できない」と主張していたのに、TPPに反対しているトランプ氏が当選すると批判し始めた。

ある大学教授もTPPに反対していたはずだが、新聞への寄稿では「保護主義に傾くのはまずい」とトランプ氏を批判している。本来ならトランプ氏の当選を歓迎しなければいけないはずなのに、何でもケチをつける癖が出てしまったのだろうか。

日米安保についてもトランプ氏は、「在日米軍の撤退も辞さない」としており、これも国内左派は歓迎すべき見解だ。

もっとも、米軍撤退という事態は集団的自衛権の否定、さらには自主防衛、そして核保有といった流れになりかねない。実際にトランプ氏は、日本の核保有容認にまで言及したと報じられた。在日米軍が撤退し、日本は非武装化といった「お花畑論」はもちろん論外であるが、左派はトランプ氏の在日米軍撤退を現実問題としてとらえているだろうか。

いずれにせよ、集団的自衛権を認めないことの不条理が浮き彫りになってくる。在日米軍を前提として集団的自衛権を認めれば、安全保障のメリットがあるばかりか、日本側のコストも抑えられるという常識が、国内左派に欠如しているのが明らかになるだろう。

トランプ氏のマクロ経済政策はどうだろうか。財政政策では必ずしも緊縮ではない。これも、従来の共和党とまったく違う方向だ。歳入面では、所得税減税、一部富裕層増税、法人税引き下げ。歳出面ではオバマケア見直し(これは歳出増)、インフラ投資などが特徴だ。金融政策も緩和方向である。いわゆるアベノミクスの一体的な財政・金融政策と似ている。

トランプ氏は17日の安倍晋三首相との会談で「アベノミクスを教えてもらいたい」という趣旨の発言もしているようだ。国内左派が毛嫌いするアベノミクスに、米国大統領になる人物が興味を持っているのだ。

実際、アベノミクスでは雇用環境が劇的に改善しており、この効果は共和党の大統領であっても、興味津々だろう。

本コラムで何回も指摘しているが、雇用を改善する政策は、立場が右であれ左であれ、世界各国で評価されるのに、国内左派はそうした国際常識もないのがバレバレだ。ここでも左派が困惑する姿が浮かぶ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】米大統領選で日米のリベラル・左派とメディアの左下ぶりも暴露された(゚д゚)!

ご存知のように、今回の米国大統領線においては、日本でも予測をほとんど知識人が予測を誤りました。アメリカの世論調査やテレビ報道を受けて、クリントン候補が勝つと言いふらしていた有名人があちこちにいました。

何人かは明確に「ヒラリーが大統領になる」とまでは断言していまさせんでしたが、「やっぱりヒラリーじゃないのか」と臭わせていたのですから、ヒラリー当選すると断言したもおなじでしょう。

例えば、NHKや朝日新聞、フジテレビが重宝する慶應義塾大学の中山俊宏(なかやま・としひろ)教授は、ヒラリー優勢と考えていたので、9日に出演したフジテレビの報道番組ではしょんぼりしていました。

まさかトランプが勝つとは思っていなかったのでしょう。彼の政治思想は左巻きで、その分析や考察が曇っていたのでしょう。おそらく、自分の頭で深く考えず、米国の大勢を占めるリベラル・左派メディアを信用したのでしょう。

左: 中山俊宏 / 岡本行夫 / 手嶋龍一 / 右: 三浦瑠璃
8日のBSフジの報道番組は、大統領選挙直前ということもあって、米国政治に詳しい知識人を招いていましたが、その面々は以下のようなものでした。

元外務官僚の岡本行夫氏、元NHKワシントン特派員の手嶋龍一氏、国際政治学者の三浦瑠璃(みうら・るり)の三人でした。これでは、完璧なミスキャストです。アメリカの政治を解説してもらうのに、このような人たちしか思いつかないとは、番組制作者の素養がどの程度のものか、容易に想像できてしまいます。

いかにもアメリカ通らしい岡本氏は、明言は避けつつも「クリントンが大統領になる」と言いふらしていたましたから、今頃さぞバツが悪いことでしょう。おそらく、都合の良い「言い訳」を考えて、自分の見立て違いを隠蔽しようとすることでしょう。

手嶋龍一氏は、NHKにポイ棄てされた中古品なのに、民放に呼ばれているところをみると、左翼仲間が仕事を与えているのかも知れない。たぶん、制作者は左翼本しか読んでいないから、「アメリカ政治なら手嶋氏だ」と閃いたのだろう。意図的な極左路線も考えられるが、案外、手嶋氏程度の人物しか思い浮かばなかった、というのが真相なのかも知れません。

左: ヘルムート・ノーポース 氏/ 右: アラン・リクトマン氏
私は今年になってから、大統領選に関するヘルムート・ノーポース教授やアラン・リクトマン(Allan Lichtman)教授の意見なども参照していました。ただし、このブログでは、和訳するのも時間がかかり面倒なので、彼らの見解について直接掲載することはありませんでした。

リクトマン教授も選挙前からトランプ勝利を確信していて、フォックス・テレビの番組に出演し、トランプが大統領になると予言していました。彼の見解は単なる占いではなく、彼は過去30年の大統領選挙を分析した結果ですから、決していい加減な放言ではありません。以下に彼の選挙戦の予想の記事のリンクを掲載しておきます。
Peter W. Stevenson, Professor who's predicted 30 years of presidential elections correctly is doubling down on a Trump win, The Washington Post, October 28, 2016
この他にも、日本国内のチャンネル・クララについては、米大統領選挙について参照していました。特に、江崎道朗氏の動画については、選挙戦よりはるか以前から視聴していたので、アメリカの状況が良くわかりました。

特に、江崎市の解説により、米国のメディアは、90%がリベラル・左派によってのっとられており、保守系のメディアは10%程度に過ぎず、本当は半分くらいは存在する保守系の声などかき消されているため、私たち日本人の多くは実はアメリカの半分しか見ていないという現状を知ることができました。

このことを知ってからは、アメリカのメディアでは唯一と言っても良いくらいのFOXTVなども視聴するようになったため、 ヘルムート・ノーポース 氏 や アラン・リクトマン氏らと、その主張を知ることができました。

さらに、大統領選が近づいてからもチャンネル・クララで特に江崎氏の登場する動画はすべて視聴しました。そのためでしょうか、私自身は日本のテレビしか見ない人たちが、ことさらトランプ氏を色物、際物扱いをしていたのですが、このブログではそのような扱いをしたことはありません。

むしろ、私には、クリントン氏のほうがはるかに色物・際物と写ったので、このブログでは、クリントン氏を色物・際物扱いをした記事を掲載しました。

保守系からは蛇蝎のごとく嫌われ、特に軍人からは色物・際物視されているクリントン氏
このブログではおかげ様でクリントンが圧倒的に有利と掲載したことは一度もありません。ただし、トランプ氏が勝つだろうとは掲載はしませんでした。なぜなら、薄々トランプ氏が勝つだろうとは思ってはいたのですが、それにしても、選挙は蓋を開けてみなければ何が起きるかなどわからないからです。しかし、日本のメディアが、いくらクリントン有利、トランプは不利と報道しても、一度もそのようなことは掲載しませんでした。

しかし、我が国のジャーナリストや御用学者はほとんどは、「トランプは暴言王だ」とか、「あんな奴、下層白人に支持されているだけだ」と馬鹿にしていましたが、大統領選の投票結果を目にして、「しまった ! どうしよう」と今頃困っているはずです。

おそらく、過去の発言を誰も覚えていないことを願い、ほとぼりが冷めるまで報道番組には出ないかもしれません。

左: 木村太郎 / 中央: 安藤優子/ 右: 市川沙耶
唯一、トランプ勝利を前々から断言していた木村太郎氏だけは、「それ見ろ! オレが言った通りじゃないか !」と自慢できるはずです。現にフジテレビでは、ニコニコ顔でした。

左翼的思考が抜けきれない安藤優子は苦笑いしていました。現地報告をしていた安藤氏は、素早く優勢となったトランプの会場に潜り込み、クリントンの会場には足を向けませんでした。

自分は調子の良いトランプ会場から現場中継を行い、格下の市川沙耶にクリントン会場の中継を任せていましたから、ズルいといえばズルいのかもしれません。嫌な取材を押しつけられた市川沙耶さんが気の毒でした。

それにしても、我が国の「アメリカ専門家」「自称アメリカ通」という人たちは、一体どんな研究をしているのでしょうか? 偉そうに解説していた知識人は、まずは、テレビ・カメラに向かって日本国民に謝るべきです。

それと、私たちは、今一度日本のマスコミの酷さを認識すべきです。以下はチャンネル・クララの動画ですが、日本のマスコミのとんでもない状況が語られています。


この動画では、「かしわもち」といわれるおそらくはマスコミ関係の方と思しきかたが、自らの選挙の趨勢を見誤ったその理由と、日本の民放メディア驚きの海外支局事情●池上彰さんの特番で起きたこと●レディー・ガガプラカード誤訳の理由●情報バラエティで政治ネタばかりなのは・・●改善策などについて語っています。その他、江崎道朗・小野義典両氏が出ています。

この動画をご覧いただければ、お分かりになるの詳細は記しませんが、日本の民間テレビ局のアメリカの駐在員の人数は二人程度です。そうして、テレビ局では報道部門は不採算文もであるので、予算が削られこのような状況になっているそうです。

そうして、また報道部門はテレビ局の中でも、あまり予算が割り当てられず、出世などできない部署であり、まともな情勢分析などできる状況ではないことを語っています。これは、あるテレビ局の社長がこのようにしたのが、現状では他のテレビ局も右に倣えということで、そうなってしまったそうです。

こんな状況ではまともな報道などできません。NHKだけは、唯一人員も予算も多く割り当てれているので、「かしわもち」氏は、民法の報道は全部まともではないと断じています。まともな、リサーチャーもアナリストも存在しないとしています。「かしわもち」氏は、民法は、もともとまとに報道できる予算も人材もいないということで、左というだけでなく「左下」であると断じています。

このテレビ局やそうして新聞の「左下」ぶりについては、私は、財務省や日銀の発表を何の吟味もすることなく、そのまま報道し、まるで財務省や日銀のスポークスマンのようになっていることからも、気づいていました。

「かしわもち」氏は、解決策として、民法には報道は一切やめさせ、NHKを徹底的に監視することにして、NHKにまともな報道させることとしています。確かに、NHKには中国中央電視台が入っているなどの非常に怪しげなところがありますが、これを改めれば、NHKだけが今ではまともな報道ができるかもしれません。

確かに現在でも、NHKのBSニュース報道は意外とまともです。それを感じたのは、IS関連の報道でした。民法が頓珍漢な報道しているときに、NHKのBSニュースはまともな報道をしていて、中東関係の専門知識を持つ人材が背後にいることを感じさせました。

今回の大統領選挙でも暴かれたように、民間のテレビ報道など信頼に値しないことがはっきりしました。かといって、現状ではNHKも信用できません。

やはり、日本ではまともなニュースは、「虎ノ門ニュース」や「チャンネル・クララ」「チャンネルAJER」など見るしかないのかもしれません。また、できるなら、フォックスニュースなどの英語のサイトも見る必要があるかもしれません。

とにかく、今回の米大統領選の報道により、日米の左翼・メディアの左下ぶりも暴露されたのは確かなことです。

そうして、このようになってしまった根本の原因は、日本が長年デフレ・スパイラルに陥ったため、テレビ局では報道局の予算が削られたことです。テレビ局の人間を責めても仕方ない部分があります。それにしても、テレビ局の人も増税に賛成したり、賛成する知識人をテレビにだしたりしてで、まるで自分で自分の首をしめているようです。

やはり、デフレを脱却して、一日もはやく緩やかなインフレに持って行き、経済を回復させ、民法の報道局にもっと潤沢な予算がつくようにしたり、あるいは、ネットメディアの新興勢力ができあがるのを待つしかないのかもしれません。それまでは、テレビ局の報道などあまり信用できないと認識すべきです。

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2016年11月1日火曜日

米大統領選「隠れトランプ支持者」がカギ?―【私の論評】トランプ氏台頭の背景には、米保守派の憤懣の鬱積がある(゚д゚)!



    アメリカの大統領選挙で、共和党・トランプ候補の支持率が再び民主党・クリントン候補に迫っている。トランプ氏を支持すると公言できない「隠れトランプ支持」の人たちに注目した。接戦となっている州で勝敗を左右する可能性がある。

東部ペンシルベニア州に住むヘンリックさん。部屋の中にはトランプ氏の人形。そして庭仕事では、トランプ氏と同じ赤い帽子をかぶるというほどの熱烈な支持者だ。

--既存の政治家は大口献金を受けていて国民の利益のために働いていない。トランプ氏は、その堕落した状態を変えようとしている。

ペンシルベニア州では接戦が続いているため、戸別訪問にも参加しているが、訪問した先では、トランプ氏への支持を表だって言い出せないという人に出会うという。

--(戸別訪問先には)トランプ氏支持者も多いが、彼らは「リベラルな考え方の友達が多く、怖くてトランプ氏支持だと言い出せない」と言う。

また、各地で家の外に置かれたトランプ氏を支持する看板が盗まれたり、焼かれたりする被害が報告されている。

--(隠れたトランプ氏支持者は)安全のために、そして周りの目を気にして言わないのよ。

クリントン氏が優勢だとするアメリカメディアなどの世論調査は信じられないと主張するトランプ氏。世論調査に詳しい専門家は、隠れたトランプ支持者の声が世論調査に反映されていない可能性を指摘する。

カーリン・ボーマン氏「トランプ氏支持だと言わない人がいるかもしれない。(世論調査にあらわれない声が)選挙戦で重要になる可能性がある」

隠れたトランプ支持者が戦いの行方を左右するのか、運命の日は来週に迫っている。

【私の論評】トランプ氏台頭の背景には、米保守派の憤懣の鬱積がある(゚д゚)!

このブログには、以前からアメリカのメディアはかなり偏りがあって、リベラル・左派が9割方を占めている状況です。残りの1割が保守系メディアなので、保守系の声などはかき消されてしまいます。

とはいいながら、声がかき消されたにしても、現実には保守系は半分近くは米国に存在していて、特に軍関係などには存在していて、様々な研究を続けたりしています。これは、このブログで何度か掲載してきたことなので、ここでは詳細は述べません。

その上、アメリカではアカデミズムの世界でもリベラル・左派一色であり、ルーズベルトを礼賛しなければ、学問の世界では生き残っていけない程です。それに関しては、以下の動画をご覧いただければ、ご理解いただけるものと思います。


このようなことを掲載すると、米国ではもとより、日本でもほとんどの人がルーズベルトというと、ニューディール政策でアメリカの経済を建て直し、第二次世界大戦を勝利に導いた英雄ということになっているので、何のことやらわからないという人も多いと思います。そのため簡単に以下に説明します。

上の動画でも、「ヴェノナ文書」という言葉が出ていましたが、この文書のことを知ると、ルーズベルトがどのような人物であったのかわかります。これについては、以前このブログにも掲載したことがありますので、その記事のリンクを以下に掲載します。
アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア戦略―【私の論評】他の陰謀論など吹き飛ぶ! これこそ陰謀中の陰謀だ! 世界は、日本は、あなたはとうに滅亡したソビエトにまだ欺かれ続けるのか? 
詳細は、この記事を読んでいただくものとして、以下にこのきじのさわりの部分のみ掲載しておきます。
ヴェノナ文書とは、第二次世界大戦前後の時期にアメリカ内のソ連のスパイたちがモスクワの諜報本部とやり取りした秘密通信を、アメリカ陸軍情報部が秘密裡に傍受し解読した記録である。1995年、アメリカ国家安全保障局(NSA)が公開した。 
これら機密文書が次々と公開され、その研究が進んできた結果、ルーズヴェルト大統領の側近であったアルジャー・ヒス(1)[以下、主要人物に通し番号を附し、共産党員または協力者と思われる人物は傍線を引く]を始めとする200人以上のスパイ(あるいは協力者)が政府官僚として働いていたことが立証されつつあるのだ(中西輝政監修『ヴェノナ』PHP研究所)。 
ルーズヴェルト政権内部にソ連のスパイたちがいるという疑念は、60年以上前からあった。1948年、下院非米活動委員会において『タイム・マガジン』記者のH・チェンバースが、アルジャー・ヒス(1)を「ソ連のスパイだ」と告発した。1950年には、ジョセフ・マッカーシー上院議員が「国務省に潜む共産党員の名簿を入手した」と発言し、容共政策を進めた国務省や陸軍の幹部たち、特にジョージ・マーシャル国務長官(2)や、蒋介石政権の顧問を務めたオーエン・ラティモア(3)らの責任を激しく追及した。「マーシャル国務長官(2)やラティモア(3)らはソ連に通じており、ひそかに中国共産党政権の樹立を支援した」というのだ。 
確かに彼らはソ連や中国共産党に好意的な発言をしていたが、ソ連のスパイだと断定する証拠も当時は見つからなかった。しかも、ソ連のスパイだと名指しされた人物が次々と自殺をしたため、リベラル派のマスコミは、「マッカーシー上院議員らが根拠なく言論弾圧を行った結果、自殺に追い込まれた。これは現代版の魔女狩りで許されることではない」などと、保守派批判を繰り広げたのである。
マッカーシー上院議員 彼の考えは結局正しかったことになる。 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
以後、ソ連や中国共産党に好意的な言動を理由に批判することはタブーとなってしまった。アメリカでも戦後、ソ連や中国に親近感をもつリベラル派にマスコミは支配され、保守派は肩身が狭かったのだ(リー・エドワーズ著『アメリカ保守主義運動小史』明成社)。 
それだけに、ヴェノナ文書がアメリカの知識人たちに与えた衝撃は大変なものだった。「国連創設にまで関与したアルジャー・ヒス(1)らがソ連のスパイであるはずがない」と断言していたリベラル派の学者やマスコミは沈黙を余儀なくされた。
この文書は衝撃的な内容であるのですが、アメリカの保守派はこの事実を前々から知っていたようですが、その情報を公開できないこともあって、なかなかその事実を認めてもらうことはできなかったのです。しかし、このヴェノナ文書の公開によって、真実が明るみに出たのです。

この文書によれば、いわゆる赤狩り、魔女狩りをした悪い奴という定説がつけられてしまった生粋の保守派マッカーシーは正しかったということになります。しかし、ご存知のようにマッカーシー氏は誰にも自分の主張を認められず、結局失意の内に生涯を閉じました。

このルーズベルトはもちろん、民主党です。ルーズベルトは、ソ連のスパイに自らの政府に浸透され国策を誤り、対日強硬論に染まり、ソ連と対峙していた日本と戦争するという愚かな選択のみでなく、ソ連と手を組むという愚かなことをした大統領なのです。

そのころは、日本も近衛内閣もルーズベルトの政府と同じように、尾崎秀実などソ連のスパイに浸透されており、対米強硬論に傾いていきました。はっきりいえば、日米双方が戦争するようにソ連に仕向けられたということです。

経済面でも、ルーズベルトは、ニューディール政策でアメリカを救ったとされていますが、これも誤りで、世界で一番はやく世界恐慌から抜けだしたのは、日本でした。日本は、高橋是清による今日でいえば、リフレ政策とよばれる政策を実行したため、昭和恐慌(世界恐慌の日本での呼称)からいち早くぬけ出すことができたのです。

アメリカが恐慌から抜けだしたのは、第二次世界大戦の半ば過ぎのことでした。それも、ルーズベルトの政策によるものではなく、長引く戦争が、兵器製造などの長期の需要を生み出したせいです。この需要が長期にわたって続いたので、アメリカは日本よりは恐慌からぬけ出すのがはるかにおそかったのですが、日本以外の国よりよりは一番先にぬけ出すことができました。

ヴェノナ文書によって旧ソ連の陰謀は白日の下に晒された

こんなことから、ルーズベルトはアメリカを不幸に導いた元凶とも言える人物です。そうして、アメリカにとってさらに不幸だったのは、ルーズベルトの次に大統領になったトルーマン氏が、小市民の代表のような人物であって、到底スターリンの敵ではなかったことです。そうして、それはベノナ文書から導かれる結論であり、十分なエビデンスに基づいた結論です。

しかし、今日のアメリカでは、未だにリベラル・左派の考えが、マスコミでは9割方、アカデミズム世界は100%とも言って良いくらい圧倒的な多数を占めているため、ルーズベルト悪人論はなかなか表に出てこないどころか、アメリカの歴史学の世界はルーズベルトを礼賛しないと生き残れない状況なのです。

唯一の救いは、軍部のほとんどが保守派であるということと、民主党の中にもまともなリベラル派がいて、この歴史上の真実を受け入れているか、受け入れつつあるということです。このような状況ですから、アメリカで歴史などまともな研究をしたいと思えば、大学に残ったとしても不可能です。選択できる道は、軍の研究機関などに入るしかないのです。

今回のトランプ現象は、以上のようなアメリカの実体を知らないとなかなかみえてきません。

70年以上もの間、アメリカの世論は本当は、リベラル・左派と保守に真っ二つに割れていたにもかかわらず、メディアの世界ではリベラル・左派の考えが幅を効かせあたかも、半分の保守の意見などなきがごとくに無視され続けています。

その実体を示す、TEDの動画を見つけました。以下にその動画を掲載します。これは、TEDの動画を"conservative"というキーワードで検索して発見した動画です。

TEDxNYEDで、元”少年共和党員”だったラリー・レッシグは、民主党支持者が相対する党である共和党からコピーライトについて何を学ぶことができるかを語ります。リミックス・カルチャーへの驚くべき視点です。

ラリー・レッシング
以下に、このTEDの動画から、彼の発言内容の一部を以下に抜粋します。詳細は、この動画をご覧になって下さい。会話の前の数字は、動画が始まってからの分数を掲載しています。

0:12
今日は保守的な人達からー 何を学べるのかをお話しします 私も過去を懐かしむ年齢ですから みなさんに白状します 実は子供の頃は 保守主義者で 10代の少年共和党員の リーダーでした 各地の代表団の中でも 最年少でした ロナルド・レーガンが 共和党大統領候補の時です
0:43
ええ 知っています (笑) ”インターネットを探しても―” ”ウィキペディアにも書いていない” まあ これは一例なんです いかに大量の情報のゴミが ネットを流れているかのね ウィキペティアには ペンシルバニアの元下院議員が 最年少リーダーと 書かれていますが それは間違いです (笑) イヤなので修正しましょう (笑) (拍手) これでよし うん完璧 完璧だね (笑) ローレンス・レッシグが 発表と 正しくなりますよ もう少しで終わりです さあ ”…最年少共和党員” っと これを保存して さあ どうだ これで修正されました これは これくらいにします
16:38
私の話に戻りましょう 愚かな右派だった子供の頃 現在はどうか やや左寄りです まちがいなく左利きですよ では左派の人々が 自由な使用権の環境を 築くでしょうか この世界には 自由な使用に反対する 巨大な勢力があり このような左派の有名人が 法律を押し付けて 政府の調査の開示要求を 効果的に禁じてしまうのです 大統領が支持しているのは ミレニアム著作権法という おかしな法律で国民を 規制することです この適用で私達は アウトも同然なのですが 他の国でも適用が進んでいます まだ一つの改正例も 出されていないのです この社会体制では 近いうちには 変化はない
17:51
だから寛容さというものを 私達は学ぶべきなのです 別の価値観に 耳を傾けるのです 話し合いが必要です 自由利用権という価値は 規制を制限し クリエイターを尊重します 右派からの影響で こうした価値を学ぶか 自ら具体化すれば 少しは改善されます 左派から学ぶ価値観は 保健医療の実施や 温暖化規制法ですか

私は、ラリー(ローレンス)・ミッシング氏は、アメリカ合衆国の法学者です。専門は憲法学及びサイバー法学です。その先見性を私は、高く評価し、尊敬もしています。だから、この動画における発言も特に問題があるというわけではありません。むしろ、この発言の最後のところで、「寛容さというものを私達は学ぶべきなのです」などと発言し、保守からも左派からも学ぶ価値観があるということを主張しているということで、大いに学ぶべきところがあります。

そんなことより、ラリー・ミッシング氏が主張の背景には、アメリカの価値観が真っ二つに分かれていることを前提にして話をしていて、そうして私達(アメリカ人)は、双方の価値に対して寛容になり学ぶべきところは学ぶべきことを主張していることに注目すべきです。

現実のアメリカは、本当にリベラル・左派と保守派に真っ二つに割れていて、おそらく比率は半々くらいなのでしょうが、マスコミ・学界などが、完璧にリベラル・保守に握られており、これによって形成される世論は、リベリラル・左派的な価値観が大勢を占めているということです。

ラリー・ミッシング氏は上の話の序盤で「実は子供の頃は 保守主義者で 10代の少年共和党員の リーダーでした」と語っていますが、アメリカでは、有名人などがこのような告白をすることは良くあることです。特に、メデイア関係者や、映画、テレビ関係者などはそのようなことをすることがあります。これらのコミュニティーでは保守派であることは、周りにネガティブに受け止められるだけなのでしょう。

誰でも、保守派の家に生まれば、最初は当然「保守的」な考えを持つのでしょうが、学校に入ったり、もっと上の学校に行けば、そこはリベラル・左派が大勢を占めています。さらに、社会人になれば、職場でも表向きはリベラル・左派な考えが大勢を占めています。場合によっては、リベラル・左派的な考えを否定すれば、職場で周りと馴染めないどころか、場合によって追い出されてしまいかねません。

しかし、ヴェノナ文書や、ソ連解体後のロシアによる文書公開などで、自分が子どもの頃に親から受け継いだ価値観は、決して間違いではなかったということが理解できます。そうして、周りとのギャップに気づくに違いありません。アメリカでは、自分は保守派であることを公にすることは、自らが低学歴であるとか、時代遅れの人物とか、下手をするとKKKの片割れと見られかねません。

白人至上主義を主張するクー・クラックス・クラン
だがこそ、アメリカにはこのブログの冒頭の記事のように、「隠れトランプ支持者」も大勢いるのでしょう。

このようなことが長い間続くとどのようなことがおこるでしょうか。テレビを見ても、新聞を読んでも、保守派の考えはマイナーな扱いです。保守的な考えを持つ人々には、当然のことながら憤懣が鬱積していきます。その憤懣をぶつける場所は残念ながら従来のアメリカにはありませんでした。

ところが、その憤懣を受け止める、トランプ氏という大統領候補が出てきたのです、そうして、この大統領候補はうわべを飾ることなく、ずけずけとものを言いますし、兵役経験者ならわかるように、何かを語って説得する場合でも決して丁寧な言葉など使いません。どちらかというと、汚いくらいの言葉を使って、話相手にショツクを与えて、これからおこらことは相手が予測もしないことであることを悟らせるというような方式をとります。

実は、アメリカは変わりつつあるのです。その先駆けとなったのが、当初泡沫候補であるといわれたトランプ氏がここまでしぶとく大統領選を闘いぬいているという事実なのです。

そうして、もしトランプ氏が大統領になることがあれば、この流れは確実に定着することでしょう。もし、ヒラリー氏が大統領になったとしても、この流れはとどまることはないでしょう。なぜなら、ヒラリー氏は、一昨日のこのブログにも掲載した河添恵子先生の言葉によれば、"ヒラリー候補は「紅いアメリカの政治家の筆頭」" だからです。

クリントン氏が大統領になれば、保守派の憤りは、憤りを超えて、危機感にまで高まるものと思います。70年ほど前には、ルーズベルト大統領はソ連に操られることを許してしまい、おかけで米国はとんでもない犠牲を払いました。多くの若者が戦死ししまた。にもかかわらず、アメリカは第二次世界大戦が終了した後も、ほんど戦争に勝ったことによる利益を得ることはできませんでした。結局第二次世界大戦で一番得をしたのは、ソ連でした。英国に至っては何も得られないどころか、失うばかりでした。

しかし、「紅いアメリカの政治家の筆頭」であるクリントン氏が大統領になれば、またお同じことが繰り返されかねません。口では、対中国強硬論を唱えておきながら、それとは裏腹に政府が中国に浸透され、ルーズベルトのような愚かなことをしかねません。

アメリカの保守派は、クリントン氏の動向をつぶさに観察するようになるでしょう。保守派の軍関係の研究者などは、事あるごとにクリントン氏の誤りについて指摘するようになるでしょう。その果てに、クリントン氏に、今日の朴槿恵大統領のような将来が待っているかもしれません。

いずれにせよ、この流れはもう止められません。

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アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア戦略―【私の論評】他の陰謀論など吹き飛ぶ! これこそ陰謀中の陰謀だ! 世界は、日本は、あなたはとうに滅亡したソビエトにまだ欺かれ続けるのか? 


米大統領選 選挙最終盤に衝撃 クリントン氏、捜査再開―【私の論評】実はトランプ氏よりはるかに色物、際物であるクリントン氏落選はまだ五分五分(゚д゚)!




2016年10月30日日曜日

米大統領選 選挙最終盤に衝撃 クリントン氏、捜査再開―【私の論評】実はトランプ氏よりはるかに色物、際物であるクリントン氏落選はまだ五分五分(゚д゚)!


メール問題を巡るFBIの捜査再開を受けて、遊説先で緊急の記者会見を行う
ヒラリー・クリントン氏=米中西部アイオワ州デモインで2016年10月28日
米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は28日、民主党大統領候補のヒラリー・クリントン前国務長官(69)が在任時に私用メールアドレスで公務を行っていた問題で、新たな関連メールが見つかったため捜査を再開したと明らかにした。クリントン氏は訴追はないと主張するが、共和党のドナルド・トランプ候補(70)は批判を強化。投開票日を11日後に控えた最終盤で、クリントン氏が優勢だった流れが変わる可能性もある。【ワシントン西田進一郎、ロサンゼルス長野宏美】

「7月の(訴追見送りとの)結論を変えるものではないと確信している」

クリントン氏は28日夜、遊説先の中西部アイオワ州で緊急記者会見を開き、潔白を主張した。「我々の生涯で最も重要な選挙の11日前で、(期日前)投票も既に進行中だ」とも語り、FBIに捜査に関する情報を国民に公表するよう求めて数分間で打ち切った。

クリントン氏にとり、メール問題は信頼性を疑われ支持率が下がる契機になった深刻な問題だ。コミー氏は今年7月、訴追に相当しないと司法省に勧告し、捜査は一度は終結していた。捜査再開に選対責任者のポデスタ氏は「大統領選直前に異常な動きだ」と不快感を示した。

コミー氏の議会宛て書簡によると、再開の理由となったメールは、メール問題とは別件の捜査で見つかった。焦点は機密情報の有無だが現時点では「不明」で、訴追につながるかも分からない。

米メディアによると、別件とは、クリントン氏の側近フーマ・アベディン氏の夫が、未成年者にわいせつなメッセージを送ったなどとするもの。夫婦の共有端末から問題のメールが見つかったという。

大統領選の情勢は9月下旬以降、クリントン氏に少し傾きかけている。各種世論調査の平均支持率では、トランプ氏を5ポイント以上リード。当選に必要な選挙人の獲得見通しでも、複数の主要報道機関が「クリントン氏優勢」を予想する。

劣勢のトランプ氏にとり、捜査再開は久々に得た「攻撃材料」だ。書簡送付が報じられた直後に東部ニューハンプシャー州で演説して捜査の再開を歓迎した。会場では「彼女(クリントン氏)を逮捕しろ」の大合唱の中、「ついに正義が行われる。(ニクソン大統領を辞任に追い込んだ)ウォーターゲート事件より重大だ」などと主張した。

【私の論評】実はトランプ氏よりはるかに色物、際物であるクリントン氏落選はまだ五分五分(゚д゚)!

クリントン氏に関しては、上記のような問題の他に、重大な問題があります。それは、このブログでも以前掲載したように、クリントン財団がチャイナマネーの献金を受けているという事実があることです。

当該記事のリンクを以下に掲載します。
米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?―【私の論評】日本にとって自腹で動くトランプが大統領になるより、中華マネーで動くヒラリーのほうがはるかに危険(゚д゚)!
クリントン財団が、中国から献金を受けいたのは公然の事実であり、それはアメリカでは、広く知られている事実です。ただし、クリントン氏はこの事実があっても、居直っているだけです。その主張は、結局献金をもらっていても、自分の政治姿勢には何も変化はないということです。

さて、この記事のクリントン献金問題について暴露した書籍『クリントン・キャッシュ』に関する部分のみを以下に引用します。

クリントン・キャッシュ
著者のピーター・シュバイツァー氏はこれまでにも議員の不正行為などを果敢に暴いてきました。彼が今回、目を向けたのは、クリントン一家が運営している「クリントン財団」をめぐるお金の動きです。 
著者は財団の財務情報や、各国での報道などを調べ上げ、同財団に海外政府や企業などが多額の献金を行ってきた事実を丹念に描き出しています。しかも彼らは、クリントン一家がアメリカ政府を動かし、自分たちに便宜を図ってくれることを期待して、お金を振り込んでいた可能性があるというのです。 
こうしたスキャンダルにまみれたヒラリーは、ついに国民の過半数から「嘘つき」「信用できない」と思われるまでになってしまい、選挙戦でも痛手を被ったのです。こうした裏事情を知らなければ、大統領選の真相は見えてきません。ヒラリーの疑惑に斬り込んだ本書は、まさに大統領選を語る上で必読の書と言えます。 
この書籍で、もう一つの重要な点は、「チャイナ・マネー」です。南シナ海に人工島を建設するなど、中国による周辺国への脅威は日を追って増すばかりです。日本にとっても、同盟国アメリカと連携して、いかに危険な行動を抑止していくべきかが問われています。アメリカ大統領選は、外交政策を担っていくのかという問題でもあります。
『クリントン・キャッシュ』を通じて浮き彫りになってくるのは、「ヒラリー大統領」は日本の安全にとってはマイナスであるという点です。外国からの献金をやすやすと受け取ってしまう一家に、アメリカの外交を任せられるのでしょうか。 
実際に、夫のビル・クリントン氏が大統領だった時代には、米民主党が中国からの多額の献金を受けて問題になったこともあります。この書籍から、「チャイナ・マネー」に弱い米大統領が誕生することの危うさを読み取っていただければ、幸いです。
クリントンの献金問題に関しては、河添恵子先生が解説した以下の動画をご覧いただくと、さらに理解が深まるものと思います。


この動画では、河添恵子先生は、ヒラリー・クリントン候補に関して、かなり多くの「中国マネー」が流れており、ヒラリー候補は「紅いアメリカの政治家の筆頭」と指摘しています。

また、お金が流れるルートとしては現地(アメリカ)の関連するペーパーカンパニーや実業家と称する者から献金があるようです。詳細は、この動画をご覧になって下さい。

この献金の事実は、中国側からも明らかにされています。中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の常務委員会は東北部・遼寧省の代表45人が、金銭などを使って違法に選出されていたとして、資格を無効にする異例の決定を行っています。そのなかに、米大統領選の民主党候補に決まっているヒラリー・クリントン氏が夫のビル・クリントン氏とともに運営するクリントン財団に200万ドルもの巨額の献金をしていた中国人実業家が含まれていることが判明したのです。


この多額の献金がヒラリー氏の大統領選の費用に流用された疑いも取りざたされていたのですが、渦中の中国人実業家が全人代委員の資格を無効にされたことで、汚職に関わっていた疑いが濃厚になりました。

全人代常務委は2013年1月に選出された遼寧省の代表102人のうち45人が金銭やそのほかの賄賂を使っていたとして、その資格を無効にする決定を行ないました。この背景には、汚職や腐敗の摘発を強める習近平指導部の意向があるのは確実です。

その45人のなかでも、遼寧省丹東市に本社を置くゼネコンを主体とする遼寧日林実業グループの王文良会長は腐敗問題で良からぬうわさが飛び交っていました。

王文良氏
王については、ジャーナリストの相馬勝氏が『SAPIO』2016年8月号の連載企画「ラストエンペラー習近平の難局」で、そのうさん臭さをすでに報じていました。

王は日林建設や丹東港の開発を手掛ける丹東港集団、さらに米国などとの穀物輸入や食用油の製造販売、このほか造船会社などを手広く経営。同グループは2013年の中国企業トップ500に選出され、営業利益は246億元(約4000億円)と415位にランクインされています。

王はかつて丹東市政府で働いていたコネクションから、市上層部に食い込みを図りました。そこで知り合った当時の市長だった陳鉄新に言葉巧みに取り入り、食用油の製造工場の建設を持ち掛け許可を得ました。2004年夏には陳を米国の企業関係者らに紹介するために米国に招待するなど密接な関係を構築。陳が工場建設を承諾した謝礼として、3万ドルを渡したとされます。

さらに、王は陳の口利きを受け、当時の遼寧省トップの聞世震・同省党委書記との面識を得て、陳の米国視察のあと、聞も米国に招待し良好な関係を築きました。その後、聞は王に同港の再開発プロジェクトを任せることでゴーサインを出しました。市長と省トップを抱き込んだことで、王は巨利を得ることになりました。米政府が運営する報道機関「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」によると、2人に巨額の賄賂が渡ったといいます。

王が米国内で名前を知られることになったのが、いわゆる「マコーリフ事件」です。

「クリント夫妻に最も近い知人」といわれるバージニア州のマコーリフ知事が王から違法な選挙資金の提供を受けた疑いで米連邦調査局(FBI)と米司法省によって調べられていることが分かったからです。

2014年12月8日午前、京畿道庁状況室で行われた「京畿道-バージニア政策
協議会設置合意書」の署名式で、ナム・ギョンピル知事がテリー・マコーリフ
米バージニア州知事と握手をしている。写真はブログ管理人挿入。
しかも、王は知事を介して、クリントン財団にも200万ドル(約2億4000万円)も寄付しており、外国人からの選挙資金の提供禁止という米国の法律に違反している可能性も浮上していました。ただし、これに関しては確たる証拠がないため、起訴はされていませんが、それでもこの疑惑が晴れたわけではありません。

ヒラリー・クリントンに関しては、このようなトンデモ疑惑があり、それこそトランプよりはるかに色物、際物政治家であることがいえると思います。

トランプ氏には少なくとも、ヒラリーのように中国から多額の献金を受けているという事実ありません。上記のメール問題や、献金問題はアメリカでは広く知られており、だかこそクリントン氏は意外なほど苦戦しているのです。

さて、このような事実はアメリカでは広く知られている事実です。そのせいもあるのでしょうか、今月の21日には、トランプ氏の支持率上昇、クリントン氏に4ポイント差まで迫る状況になっていました。これについては、このブログにも掲載しましたので、その記事のリンクを以下に掲載します。
トランプ氏の支持率上昇、クリントン氏に4ポイント差まで迫る―【私の論評】驚天動地の急上昇の背景には何があるのか、日本はどう対処すべきか(゚д゚)!
10月21日、ロイター/イプソスが発表した米大統領選に向けた支持率調査によると、共和党候補の
ドナルド・トランプ氏の支持率が上昇した。写真は同日、ノースカロライナ州で演説するトランプ氏
この記事では、この驚天動地の急上昇の背景には何があるかを解説しました。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下その背景2つについて簡単に掲載します。
1.ヒラリー候補が大統領になった場合、おそらく現オバマ大統領の政策が継承され、あまり変わりがないことが予想される。
オバマ大統領は最悪の大統領とも評されています。クリントン候補が大統領になった現オバマ大統領の政策がそのまま継承されるようなことは、多くのアメリカ国民は望まないでしょう。
2.アメリカのメディアは非常に偏っていて、そのほとんど9割がリベラル・左派勢力に握られており、保守派は1割に過ぎないという実体があるということです。そのため、日本でも報道されるアメリカは、アメリカのメディアによるものがほとんどで、多くの日本人はアメリカの半分しか知らないというのが実情です。
この状況ですから、どうしてもアメリカはリベラルな民主党のクリントン候補を贔屓目に報道しますし、アクの強いトランプ氏は、それこそ色物、際物的に報道しがちです。

 しかし、どちらがより色物・際物的かといえば、どう考えてもクリントン氏です。日本のマスコミはアメリカのマスコミの論調をそのまま垂れ流すところが多いので、当然日本でも、トランプ氏は色物・際物扱いです。

しかし、そのような見方をしていては、大統領選の趨勢を見誤ります。現状でも、五分五分といえると思います。

本来民主党優勢のハイオ州は、かねてから接戦州となっていましたが、26日段階では、隣のペンシルバニアが民主優勢州から接戦州になりました。トランプのこの驚異的な粘りはどこから出てくるでしょうか。無論多くの有権者はクリントン氏に嫌気がさしているということもあります。

しかし、それだけではなさそうです。不正選挙が行われる可能性をトランプ氏は指摘しています。これが、トランプ氏の奥の手になる可能性もあります。

選挙に負けた場合法的措置をとる可能性を示唆したトランプ氏
トランプ氏は20日、19日の米大統領選の第3回テレビ討論会から一夜明け、 激戦州オハイオ州で集会を開きました。落選した際に選挙結果を受け入れるかどうかは「そのときに考える」と討論会で述べたことについて、 トランプ氏は「もちろん選挙結果が明らかなら受け入れるが、疑わしい結果に備えて異議申し立てや法的措置の権利を留保する」と説明しました。

トランプ氏は「偉大で歴史的な選挙結果を完全に受け入れることを有権者、支持者、全国民に約束したい。もし私が勝てばの話だが」と語りました。
副大統領候補のインディアナ州知事、マイク・ペンス氏(57)も西部ネバダ州の集会で、トランプ氏と同じく法的措置の可能性について言及しました。

トランプ陣営の選対責任者、ケリーアン・コンウェー氏は20日のテレビ番組で「(トランプ氏は)民主主義の原則を尊重する」と釈明に追われた。 ただ「完全に公正な民主主義が機能しているわけではない」と、不正選挙を懸念するトランプ氏の訴えを繰り返しました。 

アメリカでは大統領選挙の不正が行われているのは、前々から周知の事実です。それも、民主党・共和党双方とも不正選挙をしています。その手口は、不法移民などを有権者に仕立てて、投票させるという手口です。

ただし、民主党の方が共和党よりもはるかに大量に不正選挙に手を染めているようです。そうなると、トランプ氏は大統領選に当選すれば、そのようなことはしないでしょうが、もし落選した場合、異議申し立てや法的措置をとることも考えられます。そうして、当然のことながら、トランプ氏側は、不正選挙の証拠となるものを現状でも相当収拾しており、これからも収拾するものと思います。

トランプ氏が、法的手段に訴え、クリントン氏側が負けた場合、選挙のやりなおしということにもなるかもしれません。そうなると、クリントン氏側は圧倒的不利となります。それはわかりきっていることなので、そうなればクリントン氏は再選挙には出馬しないかもしれません。

日本では、まるでもう大統領選挙の趨勢はもう決まりきっていて、トランプは落選、クリントン氏が大統領と決まっているようというな感覚でいる人が多いですが。

それは明らかに間違いです。トランプ氏よりはるかに色物、際物であるクリントン氏が大統領選に落選する可能性は、今でも五分五分とみるべきです。

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2016年3月2日水曜日

【米大統領選】トランプ氏、中国に敵意むき出し クリントン氏も「中国は大量の政府情報盗んでる」―【私の論評】トランプが大統領になる日、日本はどうなる(゚д゚)!




米大統領選のスーパーチューズデーで大勝し、指名獲得に近付いた共和党のトランプ氏と民主党のクリントン氏。いずれも環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対しているほか、対中強硬姿勢を鮮明にしており、両氏が大統領になった場合の対中、対日政策が注目されている。

「貿易でも軍事でも(他国に)勝利する」「日本や中国から雇用を取り戻す」

1日、オハイオ州の空港に専用機で現れたトランプ氏は、お決まりのフレーズで支持者に呼びかけた。夜にはフロリダ州の自身が所有する社交クラブで勝利宣言を行い、「建機大手のキャタピラーは、コマツと競争するのが円安で難しくなっている」などと発言し日本にクギを刺した。

「強い米国」の復活を掲げるトランプ氏は米中貿易改革も公約の一つで「中国の輸入関税を45%にする」と極論を展開。「中国は米国民が飢え死にすることを望んでいる」と発言するなど敵意をむき出しにする。

これに対し、クリントン氏も昨年7月、中国の南シナ海の軍事拠点化を「同盟国の脅威」と指摘し、サイバー攻撃では「中国は大量の政府情報を盗んでいる」と言い切った。9月には、中国の習近平国家主席が女性の権利向上に関する会合を国連で開いたことにツイッターで「恥知らず」と批判し、話題を集めた。

また今年2月、米紙への寄稿で改めてTPP反対を表明し、中国や日本が輸出拡大のために為替操作を行っていると批判。大統領に就任した場合は対抗措置を取るとしている。

競い合うように対中強硬姿勢を打ち出す両氏だが、トランプ氏の政策は実現困難との見方が多い。クリントン氏も自由貿易政策を支持してきた経緯があり、実際の政策運営がどうなるかは未知数だ。

【私の論評】トランプが大統領になる日、日本はどうなる(゚д゚)!

トランプ氏は、従来から中国に対しては厳しい発言をしてきました。ただし、日本に対しても、厳しい発言をしていました。

クリントン氏も、習近平に対して「恥知らず」と批判したことは、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
ヒラリー氏が習主席に「恥知らず」抗議女性拘束の中国が人権会合のホスト?―【私の論評】次期米大統領は、口先オバマのようには御せないことを思い知った習近平(゚д゚)!
ヒラリー・クリントン
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は昨年の9月28日のものです。以下に、元記事から以下に一部を引用します。

"
ヒラリー・クリントン前国務長官は27日、中国の習近平国家主席がニューヨークの国連本部で同日、女性の権利向上に関する会合を国連と共催したことに関し、自身のツイッター上で「恥知らず」とののしった。
ヒラリー・クリントン氏のツイッターから
ロイター通信によれば、中国当局は今春、公共交通機関内でのセクハラ行為に抗議しようとした女性5人を拘束。釈放したのは約1カ月後だった。これについてパワー米国連大使は「女性の権利向上を実現したいのなら、信条や考えを問題視して投獄などするな」と中国を非難していた。

習氏がホスト役を務めた会合は、女性の権利保障をうたった「北京宣言」(1995年)から20年になるのを記念する特別行事。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長や各国首脳らも出席した。
"
そろって、対中強硬論を打ち出すトランプ、クリントン両氏のいずれもが大統領になってもおかしくはない状況になりつつあります。実際にいずれかが、大統領になったとして、どの程度対中強硬路線を打ち出すのか、未だ未知数ではありますが、結局中国を増長させてしまったオバマ大統領のようなわけにはいかないと、習近平も覚悟を決めていることでしょう。

さて、クリントン氏が大統領になれば、日本としてはオバマ大統領が民主党であったこともあり、オバマが大統領であとったときとアメリカの政策はあまり変わらないものの、クリントン氏は及び腰だったオバマよりは、はるかに中国に対して強硬派であることから、かなり御しやすいことでしょう。

しかし、まかり間違って、トランプ氏が大統領になったとしたら、日本も習近平なみに覚悟を決める必要があることでしょう。

演説するトランプ氏

ご存知のように、トランプ氏の発言は超過激です。例えば、不法入国した1100万人のメキシコ人を全員強制送還し、国境に「万里の長城」を作り、その費用はメキシコに払わせると宣言しました。

これは、非現実的ではありますが、最近の米国は及び腰のオバマのせいで、世界中で中国、ロシア、中東諸国に譲歩を重ねてきた反動なのか、米国人は今、トランプのような強い指導力に飢えています。

オバマ氏は、米国は世界の警察官をやめると公言し、中国やロシアを増長させ、移民問題も含めて、外交政策には大失敗しました。この外交音痴ぶりについては、日本におけるあの鳩山氏よりも、米国内では評判が悪いです。

また、オバマが在任中に、財政赤字も膨らむ一方でした。一方、連邦議会も膠着状態に陥っています。政治家が公約を守らないことに、国民はあきれ果てています。不満が鬱積した米国民は少しくらい独裁的で下品でも、真実を語り、やるべきことをやる強いリーダーを求めています。


ドナルド・トランプ氏とエクイタブル生命保険が共同所有するトランプタワー
他の共和党候補は、トランプ氏のなりふり構わぬ戦い方に圧倒されています。政治経験全くなく、4度の破産経験があるトランプ氏が大統領になったら米国は一体どうなるのか、世界がどうなるのか、まったく読めません。良くなるかもしれないですが、悪くなる可能性も十分にあります。

特に、トランプ氏は、日本に対しては、集団的自衛権の片務性に関して、強く非難しています。

日本は、自国を攻撃されれば米国に防衛してもらうのに、米国が攻撃されても何もしないというのでは不公正だ、と声高々に批判しました。

昨年の8月21日、アラバ州モービル市の巨大なフットボールスタジアムに集まった3万人の聴衆に向かい、トランプ氏はこの発言を行いました。聴衆の間からは「ノー」という声がいっせいにわきあがりました。

昨年8月21日のアラバマ州モービル市の集会では、トランプ氏は赤いキャップを被っていた
トランプ氏は、「集団的自衛権」などという一般に馴染みのない用語は使っていません。日本や日米関係にも詳しくない平均的な米国民にとって理解しやすい表現で、米国からみて日本の集団的自衛権問題がいかに特殊であるのかをはっきりと描写しました。大衆アピールや扇動の巧みなトランプ流の演説だといえます。しかし、このような形で日米同盟の年来の片務性が米国一般に問題として提示されることは、日本側にとって好ましいはずはありません。

トランプ氏の演説には、この片務性は、本来米国による日本の弱体化の一環であるという歴史的背景を示す言葉が一切ありません。これでは、親日派や、知日派の人々は別にして、一般の人々には日本が卑怯であるとしか映りません。

そうして何よりも衝撃的だったのは、このトランプ氏の発言が行われたときに、ほかならぬ日本では、国会で集団的自衛権の行使を含む安保法案の審議が行われていたにもかかわらず、この発言に関してほとんど顧みられることなく、野党の「戦争法案」というレッテル貼りによる、審議拒否により、怒号と混乱の中で、安保法案が成立したことです。

及び腰の、オバマ氏の任期中、世界がどれほど揺れ動いたかを考えると、日本の安全保障を、いつまでも米国に依存するのは危険です。安全保障法制にまだ抗議している野党議員は、国家観や世界観など頭の片隅にもありません。日本は早く自立した国家になり、平和を愛する他の国々と協力して、リーダーシップを発揮すべきです。

特に中国に対しては、アジア一極支配や、海洋進出の野望を打ち砕きアジアの平和と安定を実現し、引き続きアジアの繁栄を確かなものにしていくべきです。

そのためには、私たち日本人も覚悟を決める必要があります。マスコミや、いわゆる識者の間では、トランプ氏は絶対に大統領になるべきではない人物との定評ですが、トランプ氏が大統領になることは、悪いことばかりではないと思います。

そもそも、アメリカは二大政党制の国で、大統領が民主党のオバマから共和党のトランプに変わったからといって、政治が驚天動地の変化をするということはありません。60%〜70%はどちらの政党がなったにしても、内容は変わりません。残りの、40%〜30%で前政権との違いを出します。

さらに、現状は、大統領は民主党ですが、議会は共和党が多数派です。それに、アメリカ大統領は、平時においては世界でもっとも権限が少ない国家元首ともいわれています。アメリカにも三権分立がありますが、平時には大統領の権限がかなり弱く、司法が最も強いともいわれています。

アメリカの政治は大統領独りで自由に変えられるものではない

そんな中で、トランプ氏がいくら強行発言をしたからといって、まともな手続きを経てでないと何もできませんから、トランプ氏が大統領になったからといって、実際にどの程度のことができるのか疑問です。

ただし、アメリカの法律は不思議なもので、平時は権限の少ない大統領なのですが、一旦戦争することを議会が承認したとなると、突然大統領の権限が増大し、オールマイティーになってしまうという国柄です。

トランプ氏は自らの強硬な発言を実現しようとすれば、議会を説得して、正式に戦争に突入するという道しかないです。

ただし、今年に入ってから、世界の各地でいつどこで戦争になってもおかしくはない状況にあります。もしアメリカがいずれの国であれ、正式に戦争ということになれば、トランプ氏が大統領なら、かなりのことができるようになります。

そんなことになっても私たちは、うろたえることなく、日本の正しい道を選択できるように今から準備をしておくべきです。

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