2015年8月6日木曜日

増税派に堕ちた自民党大物議員がアベノミクスを潰す!?―【私の論評】財政再建も安保法制も何でも、周りの空気に流されるな!地頭で考え抜け(゚д゚)!


連載10【不安の正体――アベノミクスの是非を問う】

▼増税派に堕ちた自民党大物議員 稲田朋美議員 
写真は、ブログ管理人挿入 以下同じ

 あなたもか! 稲田さん。

 これは6月12日、自民党の稲田朋美政調会長の「財政健全化を経済成長に頼るのは雨乞いのようなものだ」という発言を聞いたときの、率直な感想です。私は稲田氏に大きな期待を寄せていました。というのも、保守の代表格であり次期首相の有力候補、つまりアベノミクスの後継者と目されている大物議員です。期待するなというのが無理な話です。

 その稲田議員が、アベノミクスの考えとは真逆の「日本ダメ論」「日本成長しない論」を展開したのですから、期待は完全に裏切られてしまいました。本当に情けない限り。絶望するしかありません。

 自民党内の稲田氏のような大物議員が「増税派」に寝返ってしまうと、ほかの議員もそれに追従し、増税包囲網が完成しかねません。2013年10月に行われた8%への増税判断もそうでした。これまで強く増税に反対していた山本幸三、西田昌司両議員が突然増税を容認し、自民党内が増税一色に染まり8%増税を押し切られたのは記憶に新しいところです。



「あなたもか!」というは、あの忌まわしき記憶がフラッシュバックしたためです。再び10%の増税も押し切られてしまうのでしょうか……、それだけは絶対に避けねばなりません。

▼日本以外の国は経済成長している

 稲田政調会長の発言を要約すると、「日本の経済はもう成熟しきっており、構造的に成長できなくなっている。だから経済成長による自然増収に頼った財政健全化は無理」だと言いたいわけです。

 しかし、これは間違っています。日本は構造的に成長できなくなったのではなく、ただ単にこれまでの経済政策が誤っていたので経済成長できなかっただけにすぎません。

 図1のグラフは2003年から2013年までの先進各国の名目GDP成長率を比較したものですが、この間成長がマイナスとなっているのは日本だけです。それ以外の国は当たり前のように経済成長しています。

⇒【グラフ】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=905913


 もし仮に、「日本経済が成熟しきっているから成長できない」という主張が本当なのであれば、経済成長を続けている他国は、日本よりはるかに未成熟な国だということになります。はたして日本はもっとも経済的に成熟している国なのでしょうか? 普通に考えてそんなことはありません。

 しかし、「成長に期待するのは雨乞いと同じ」だと稲田政調会長はおっしゃっているので、他国は雨乞いを成功させたのでしょう。日本はお祈りが足りなかったのかもしれません。

▼人口減少は成長できない理由にならない

「日本はかつて高度成長を成し遂げられたのは、人口が増加していたからだ。人口減少に突入した現在ではこれ以上の成長は望めない」

 ほかにも、「日本ダメ論」を主張する者は、こういった人口減少を理由に挙げることが多いです。確かに人口の増減は経済成長に影響を与える要素の一つですが、経済成長のすべてが人口の増減によって決まるものではありません。要は、国民一人あたりの労働生産性を高めていけば、たとえ人口が減っていたとしても経済成長は可能です。

 例えば、ドイツは2003年→2013年の10年間で人口が2%以上も減りましたが、GDPは26%成長しています。対して日本は、人口減少時代に突入したとはいえ、まだ0.22%程度しか減っていません。しかし日本のGDP成長率は-3.25%です。

人口増加率  GDP成長率
日本    -0.22%   -3.25%
ドイツ   -2.14%   26.72%
(※2003年→2013年の変化率)

 日本よりも人口が減っているドイツは経済成長しています。日本が成長できない理由はどこにもありません。

 はっきり言ってGDPは政府が余程のヘマをしない限りは成長するものです。現に過去10年で経済成長していないのは日本だけ、「日本は経済成長しない論」は経済学的にも明らかにおかしく、政府による経済政策を完全に否定しています。政府は無力だと言っていることと同じです。政治家がそれを言ってしまってはオシマイでしょう。そして、その日本が犯したヘマこそが、稲田政調会長が必要だと主張している「緊縮増税」です。

▼増税こそが日本の成長を止め、財政を悪化させる

 ギリシャの緊縮増税の影響については前回の記事「『増税しないと日本もギリシャになる』は真っ赤な嘘」で説明しましたが、日本もギリシャほど過激ではないものの緊縮増税をずっと続けています。その代表的な例が1997年に実施された消費税率の3%から5%への引き上げです。この消費税の増税以降、日本の経済成長は完全に止まってしまいました(図2)。

⇒【グラフ】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=905914



 増税をする1997年までは日本も経済成長を続けていたのですが、増税後に一気にマイナス成長に突入しています。

 要するに1997年に増税をしなければ、日本は他国と同様に経済成長していた可能性が非常に高いのです。日本の経済低迷の原因は増税の失敗です。消費税の増税を止めるか、もしくは減税すれば確実に日本の経済は成長することでしょう。

 これのどこが「経済成長への期待は雨乞い」なのでしょうか。日本経済の息の根を確実に止める「増税」を行って、どうやって日本国民を豊かにすることができるのでしょうか、稲田さん!

▼経済成長による財政健全化の効果が現れ始めている

 実は稲田氏が「雨乞い」と批判するアベノミクスによる経済成長は、日本の財政を着実に改善させています。

 内閣府は経済財政諮問会議にて、2020年の基礎的財政収支が6.2兆円に縮小する見込みであるという中間報告をまとめました。赤字額は今年2月時点の試算の9.4兆円から3.2兆円縮小するとのことですが、この2020年の基礎的財政収支の縮小改訂は今回が初めてではありません。黒字化目標を掲げてから何度も改訂を続けています。

 2020年度基礎的財政収支の赤字額の試算推移は以下のとおり。

2014年1月 約12兆円
2014年7月 約11兆円
2015年2月 約9.4兆円
2015年7月 約6.2兆円

 すでに当初の試算よりも6兆円近く税収が上振れしています。この税収の上振れはアベノミクスによる経済成長により法人所得税が伸びたおかげでしょう。消費税1%の税収は約2兆円と言われていますので、すでに消費税3%分税収が増えているということになります。

 つまり、2017年には8%から10%への消費税の増税が予定されていますが、その増税分の税収はもうとっくに経済成長によって達成できてしまっているのです。しかも、この調子で経済成長、企業の業績改善が続けば赤字額は今後も縮小していくものと思われます。

 これのどこが雨乞いなのでしょうか? 確実に経済成長によって財政健全化が前進しているではないですか。

 また、消費税10%の税収はすでに確保できているのですから、増税する意味や大義名分はもはやありません。景気を悪化させ、国民の生活を苦しめるだけの10%への増税は速やかに凍結するべきです。

▼「雨乞い」発言は誰の入れ知恵か

 しかし稲田氏は法学部出身であり、経済財政は専門ではありません。よって、この「雨乞い」発言は誰かの入れ知恵であると思われます。この発言は誰が言わせたものなのか……これは恐らく、稲田氏の経済ブレーンである土居丈朗慶応大学教授で間違いないでしょう。土居氏は強硬な「増税派」の経済学者として有名で、氏の助言を普段から聞いていれば、稲田氏が緊縮増税に肯定的になっても不思議ではありません。


土居丈朗慶応大学教授

 ちなみに土居丈朗氏のトンデモ増税論の一部を紹介すると「増税しても景気は悪化しない」「2014年の景気の失速は野菜不足(供給側の問題)が原因である」などがありますが……、素人目で見てもこのようなことはありえないことは明白です。こんな妄言に騙されるなんて、稲田さん本当にどうしてしまったのでしょうか非常に残念でなりません。

 しかし、ここで諦めるわけにはいきません。次回は稲田政調会長を狂わせた土居氏のトンデモ増税理論に切り込んでいきたいと思います。

◆まとめ
・他国は当たり前のように経済成長している
・人口が減少しているドイツの成長率は日本よりも高い
・日本が成長できないのは構造的な問題ではなく、消費税増税などの経済政策のミス
・経済成長による財政健全化の効果はすでに出ている
→2020年の財政赤字試算額は縮小中
・稲田氏は土居教授のトンデモ増税論に毒されている

【私の論評】財政再建も安保法制も何でも、周りの空気に流されるな!地頭で考え抜け(゚д゚)!

上の記事、データも含めて良くまとまってるので、全文引用させていただきました。

最近の政治の話というと、安保関連がほとんどで、財政再建や増税に関しては影をひそめたような形になっています。

そもそも、8%増税は完璧に失敗であったにもかかわらず、大増税キャンペーンをして、8%増税を成功させたにもかかわらず、昨年12月の安倍総理の解散総選挙による10%増税見直しの逆襲にあって、頓挫を余儀なくされた政治家も、官僚も、マスコミもそうして識者も、一息ついている状況にあります。

特に、マスコミが増税推進一色であったため、今更増税は大失敗であったと報道するわけにもいかず、事実を淡々と報道するのみで、どのマスコミも自身の見込み違いについて報道するわけでもく、官僚も識者も右に倣えで、大失敗に関しては、口をつぐんでいます。

なにやら、多くの国民も、喉元すぎれば熱さを忘れのような状況にあり、マスコミが沈黙しているので、増税の悪影響があったことをあまり重要に考えていないようです。

これは、最近見たいくつかの企業の決算書などみても明らかです。円安のことは書いてあっても、8%増税の悪影響については書かれているものは意外と少ないです。このような決算書を読んでいると、増税の悪影響などなきがごとしです。このような決算書を発表する企業の経営者は、ひよっとすると増税の悪影響を本当に軽視しているのかもしれません。

そのせいもあってか、増税派が息を吹替してきたような様子が見られます。

その中でも、稲田朋美議員の増税派への転向は目立った動きであると言えると思います。

デフレの悪影響から抜けきっていない状況で増税をしてしまっては、結局のところ財政再建もできなくなることははっきりしています。それについては、このブログでも以前とりあげたことがあるので、その記事のリンクを以下に掲載します。
【日本の解き方】経済成長なくして財政再建なし 歳出カットのみ主張なら財務省の術中―【私の論評】財務省・内閣府の嘘吐き官僚には、徹底した報復人事を行い、政治主導を達成せよ(゚д゚)!
過去においては日本だけが経済成長できず、財政赤字も増えた
 自民党の財政再建に関する特命委員会は、5月中にも財政再建計画をまとめる方針だ。基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2020年度に黒字化する政府目標について、「経済成長だけでめどがたたないことは明らか」として、社会保障など歳出削減を議論の中心に据えると報じられている。 
 財政試算は内閣府が行っているが、筆者が小泉純一郎政権にいた当時は、竹中平蔵氏が経済財政担当相を務めていたこともあり、財務省にかなり対抗することができた。だが、今の体制では、財務省に自由自在にやられているのだろう。 
 財政再建シミュレーションでは、税収の見積もりが重要になってくるが、そのカギになるのは、税収の弾性値(名目成長率の伸び率に対する税収の伸び率)と名目経済成長率である。 
 税収の弾性値は、中期財政試算では、1・1程度に設定されているのだろう。実際には、景気の回復局面では税収弾性値は3~4程度になって、景気が巡航速度に達するにつれて低下し、1・1程度に近くなる。このため、景気回復局面での税収の伸びの試算が現実値を下回ることがしばしばである。 
 また、日本の消費者物価指数(CPI)上昇率と、総合的な物価動向を示すGDPデフレーターには1%の差があるという前提も問題だ。このため、インフレ目標が2%でも、名目成長率は少しずつ上方修正されているが、政府目標では実質成長率2%、名目成長率3%になるというのが、中期財政試算の考え方だ。 
 1981年~2013年のデータがある先進国28カ国で、「CPI総合-デフレーター上昇率」をみると、平均で0・09ポイントである。日本で、CPIの方がデフレーターより大きくなるのは、デフレ時のデータのためだ。デフレ時にはCPIは下がりにくいが、企業物価は下がりやすいからである。 
 このような税収弾性値とGDPデフレーターの計算をまともにするだけで、2020年から23年度ぐらいには財政再建はできてしまう。これは決して楽観的な前提ではなく、普通の前提である。
この論評は、高橋洋一氏はあまりにも当たり前なので、無論のこと、経済成長して日本経済が加熱して、はっきとりとインフレにならない限り、増税はしないということを前提としています。物価目標を完璧に達成するまでは、金融緩和を継続することを条件としています。

そうすれば、経済成長して、他は何もしなくても、財政再建ができてしまうということです。

もし、これを無視して、物価目標が達成される以前に10%増税などしてしまえば、8%増税の大失敗でも実証されたように、また消費が落ち込み、経済成長が鈍化して、財政再建もままならない状況に追い込まれるということです。

これは、ブログ冒頭の記事の検証も示しているとおりですし、まともな経済学者などが指摘しているところです。そうして、これは何も突飛な内容でも何でもなく、標準的なマクロ経済の教科書に掲載されている方法です。

デフレと、デフレの悪影響から脱却するための標準的な処方箋です。

さて、稲田朋美議員の経済ブレーンである土居丈朗氏が過去にどのようなことを主張していたか、このブログにも掲載した内容をそのリンクとともに以下に掲載します。

【田中秀臣氏TW】財務省は「人殺し」の機関の別称だといって差し支えない―【私の論評】政治主導を実現するため、財務省殺人マシーンは分割して破壊せよ!日銀殺人マシーンの亡霊を蘇らせないために、日銀法を改正せよ(゚д゚)!
未来の殺人マシーン、ターミネーター。もっとも財務官僚はこんなに格好良くはないが・・・
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に土居丈朗氏の発言に関係する部分のみ引用します。
本田悦朗教授は財政再建や市場の信認のためには「消費増税よりも、名目国内総生産(GDP)を上げることが重要だ」と正論を述べた。税収が経済成長率の3、4倍で伸びる「弾性値」を重視したわけだが、土居丈朗・慶大教授が弾性値は1.1%程度という財務官僚の側に立って反論した。実際の弾性値は2007年当時の内閣府の試算でも4%以上という分析があるし、2013年度までの数年間の実績値も3〜4%と出ている。
この内容からもわかるように、土井氏は完璧に、財務官僚の立場にたった主張をしています。
「2%インフレ目標未達」の批判は誤解で的外れ―【私の論評】復興を税で賄おうとか、8%増税の失敗を認めたくない輩の多いこの国で、いつまともな経済論議ができるようになるのか?間違いを認める潔さのない人々のリストはこれだ(゚д゚)!
2月23日、黒田東彦日銀総裁は、衆議院予算委員会で、原油価格が緩やかに上昇するとの
前提に立てば下落の影響がはく落するに伴い、消費者物価は上昇していくとの見方を示した。


これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、高橋洋一氏の以下のようなTweetを掲載しました。
これは、いわゆる日本の主流派経済学者といわれる人々の、主張に関して、復興増税導入は課税平準化の観点から完璧に誤りであったこと、8%増税に関しては、経済成長に与える影響が軽微であるとの誤った主張をしていたことから、彼らの言うことは信用できないという主張です。全く、この通りだと思います。

そうして、高橋洋一氏は、日本の主流は経済学者のリストをあげていますが、その中には無論、土居丈朗慶応大学教授の名前も含まれています。

土居氏は、過去にアゴラに以下のような記事を掲載しています。
再増税慎重論・反対論に問われる説明責任
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下のこの記事の核心部分のみ掲載させていただきます。

再増税慎重論・反対論に問われる説明責任とは、少なくとも次のようなものである。 
 問われる説明責任は、基本的に、予定通りに引き上げるよりも引き上げない方が、現在および将来の国民にとって確実に望ましくなるといえるか、である。より細かく言えば、 
(1)消費税率を予定通りに引き上げないことによって景況の改善が確実に見込めるか 
(2)消費税率を予定通りに引き上げないことによって、今の高齢世代には、現行法に基づき社会保障給付を予定通り支給するものの、追加的に税負担を求めることができず、受益と負担の世代間格差は拡大するが、世代間格差是正の別の手立てを示せるか 
(3)消費税の増税分で実現しようとしていた社会保障給付の充実はご破算となるが、それを代替する対処方針を納得できる形で示せるか 
(4)消費税の増税分の一部(地方消費税)は地方自治体の税収となるが、これがなくなることで生じる地方財政の収支悪化に、国としてどう対処するか 
 少なくとも、これらを説明できなければならない責任を果たしたとは言えない。

本当に噴飯ものの記事です。デフレ・円高派の実力なんてこんなものかと、呆れるばかりです。


土居 丈朗の戯言には15分もあれば十分論破できます。以下に簡単に反論してみましょう。

(1)景況の改善が見込めるか

8%増税をやめれば可処分所得(実際に使えるお金)が増えるのですから、消費が増えます。以上で終了。

増税で見込んでいた皮算用=負担で13.5兆円と仮定し、 平均消費性向が0.7だとしたら、13.5兆円の70%で9.45兆円も消費が増えます。単純計算で実質経済成長率を1.89%押し上げるでしょう。乗数効果を加味すればそのより多く増えることも十分可能性があります。

(2)世代間格差是正の別の手立て

消費税は社会全体の消費を減らすので、そのしわ寄せが来るのは、これから就職や転職する若年層です。高齢者層は雇用不安など無関係だから景気悪化しても痛くも痒くもありません。したがって、むしろ消費税増税で、世代間格差は拡大します。その証拠が1990年以降の失われた20年です。そして、消費税の税率引上げをしても税収が増えないことは1997年の消費税率引き上げで実証済みなので、消費税率引き上げは国民全体の負担を増やすだけの愚策です。アジア通貨危機も日本がやった1997年の数々の失政が原因でした。

(3)社会保障給付の充実の対処方針

むしろ消費税率引き上げでご破算になる可能性が大です。もし、社会保障給付を安定させたいのなら、目標インフレ率を引き上げて日銀法改正をすれば良いです。所得税や法人税から得られる税収が増えます。


(4)地方財政の収支悪化にどう対処するか

むしろ消費税率引き上げによる景気悪化(デフレ化)が防げるので、地方財政の収支改善に資する。

以上のように簡単に反論ができます。残念ながら、今は増税した後ですが、増税前でもこのくらいのことは簡単に言えたと思います。

それにしても、そもそも、増税したいと言い出したのは、増税派ですから、説明責任(立証責任)は増税派にあります。まず、以下の説明責任を果たしてもらいましょうか。


(1)消費税率を引き上げることによる景況の悪化はいつ止まるのか。失われた20年が始まったキッカケの一つが1997年の消費税導入です。それ以降、日本はまともな回復していません。それ以降、実質経済成長率も低いままです。日本人はいつ景気回復を実感できるようになるのでしょうか。

(2)消費税率を引き上げるたびごとに景気が悪化し、税収が増える見込みもなく、雇用も不安定になり、若年層の生涯収入が減り続けているのに、今の高齢世代に社会保障給付を予定通り支給し、受益と負担の世代間格差は拡大していますが、まともな世代間格差是正の手立てをいつ示すのですか。

(3)消費税の増税分を上回る税収減が明らかなのだから、それを代替する対処方針を納得できる形で示してください

(4)消費税の増税分を上回る税収減で地方自治体の税収が減りますが、これがなくなることで生じる地方財政の収支悪化に、国としてどう対処するか


土居丈朗氏には一生説明できないでしょう。他に増税賛成派の方々でこれらの問に答えられる人がいたらぜひチャレンジしてください。

長々と説明してしまいましたが、稲田朋美自民党政調会長はこのような人物を経済ブレーンとしているというということです。

これは、非常にまずいでしょう。過去の主張が完璧に間違っていた、人物を経済ブレーンにするのはいかがなものでしょうか。

それにしても、経済成長なしに財政再建はなしということはもうすでにはっきりしているのに、稲田氏は、「財政健全化を経済成長に頼るのは雨乞いのようなものだ」という発言をしています。

真実は逆です。「財政健全化を増税に頼るのは雨乞いのようなものだ」です。

韓国式雨乞いの儀式 財政再建を増税に頼るのは結局これと同じ

それにしても、安保法制では憲法学者が「違憲」と述べてみたり、増税キャンペーンでは経済学者が「増税」すべきと述べてみたりで、何やら、似たような図式ではありませんか。

日本では、なぜか学者やマスコミが正論を退け、誤った道に大衆を導く空気のようなものが醸成され、それが醸成されてしまうと正論が通らなくなってしまようです。これは、昔から変わらない日本の病気です。大東亜戦争も、戦争の空気が醸成されてしまうと、正論が通らなくなり、戦争が拡大されていき、誰も止めようがなくなりました。

稲田朋美議員のように、結果として空気という得体のしれないものを判断材料にすべきではありません。特に政治家は、国の大きな、そうして重要な事柄に関して、空気に流されるべきではありません。あくまで、自分の目で、自分の頭で確かめるべきです。

それは、政治家だけではなく、私達もそうです。大勢の人が言っているから、権威者がそういうからなどの次元で物事を考えていたら、いつまでも他人に支配されるだけで、自分自らの行動はできくなくなってしまいます。私たちは、いつも自分自身の主人公になるべぎあって、他人に支配されるべきではありません。それが民主主義の基本です。

安保法制だろうが、財政再建だろうが、他のことでも、周りの空気に流されことなく、自分の情報を集め、地頭で考え抜いた上で結論を出すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

結局のところ、日本の政治は官僚が主導しているところがまだまだ大きいです。官僚が政治に関与することは一概に悪いことではありませんが、意思決定はその時々の空気に流されることなく政治家、政府が地頭を使って行うべきものです。それすらも、官僚に譲ってしまえば、民主主義は成り立ちません。それを実感していただける産冊の書籍を以下にチョイスさせていただきこました。


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2015年8月5日水曜日

習政権に大打撃 IMFが「人民元の国際化」決定時期を延期―【私の論評】弱り目に祟り目の中国、今や何一つ良いことのない中国に明日はない(゚д゚)!


国際金融市場混乱の火種になるとIMFが懸念する人民元

 習近平政権の野望が封じ込められた。国際通貨基金(IMF)は、中国の人民元をドルや円などと並ぶ主要通貨に採用し「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に加えるかどうかの決定時期を当初の年内から来年9月末以降に延期する方向となった。国際金融機関とかけ離れた実態のアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立や強権的な株価維持策など、習政権の政策が裏目に出た。

 IMFのスタッフが4日に公表した報告書では、年内にSDR採用を決めると2016年初の金融市場で、取引が混乱する懸念があると指摘、採用を延期すべきだとした。

 人民元が国際決済に占めるシェアで5位となるなど活発に利用されていると認める一方で、「自由に使用可能」という要件をクリアしているかどうかは、理事会が今後判断するとした。

 ロイター通信によると、ドイツと英国など欧州各国は人民元を年内にSDRに採用することに前向きだが、米国と日本は慎重だという。

 中国は人民元のSDR採用へ積極的な外交活動を展開。AIIBを設立して存在感をアピールする狙いだった。ただ、AIIBの中身は、中国が拒否権を握るなど国際金融機関とはほど遠い。

 景気が減速するなかで、6月中旬以降の株価暴落を受けて強引な株価維持策を実施したこともあり、国際金融市場では中国や人民元への不信感が高まっていた。

【私の論評】弱り目に祟り目の中国、今や何一つ良いことのない中国に明日はない(゚д゚)!

元が主要通貨になり、SDRの構成通過になることは、おそらく今後永遠にないと思われます。というより、IMFに限らずまともな、金融の専門家からすれば、到底無理というのが、正直なところでしょう。

ちなみにIMFがなんと言おうと米国などが反対すれば終わりです。IMFそのものには決定権など無く、クオータ(各国の投票権等の基礎となる出資額)改革には70%の賛同が必要 米国単独18%弱 で日米で約24%の状況です。

人民元 変動幅を認めた通貨バスケット制(自国の通貨を複数の外貨に連動したレートにする固定相場制のこと)で、ドル比率が高いので、事実上のドル連動になっています。ですから、SDRに組み込んだところでドルの影響比率が高くなるだけで無意味です。 中国が元を国際通貨にしたいというのなら、まずは変動相場制に移行し、単独通貨として自立するのが先です。

日本円は、無論SDRの構成通貨ですが、元は全く無理です。中国の金融に関しては、見えない部分があまりにも多すぎます。

まずは、このブログでも指摘したように、現中国では金融が空洞化しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
中国の経済は縮小している

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に中国の金融の空洞化具合を示した部分のみ掲載します。
 中国から不正に海外へ流れたカネは3兆7900億ドル  外貨準備高より多いカネが不正に海外へでた勘定になるのだが。。。。。
****************************************
グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ(GFI,ワシントンの国際金融監視シンクタンク)の調査に拠れば、中国から不正に海外へ持ち出された金額が精密に報告され、驚くべき巨額の事実が浮かび上がって。 
 つい最近まで筆者は1兆800億ドルと、このGFIの数字を援用してきた(これは2002年か2011年の統計とされた)。 
 ところが新しい報告では2000年から2011年までの統計で、実に3兆7900億ドルが不正に海外へ流れた(Illicit flow)。2005年から2011年の統計で2兆8300億ドルとなる新しい数字に上方修正された。 
どの期間の統計かによって、数字が異なるのは当然といえ、もし2000年から2011年統計で、中国からの海外逃避資金のトータルが3兆7900億ドルとなると、史上空前の新記録。邦貨換算で417兆円弱。日本のGDPの80%にあたる。 
これは中国の金融が空洞化していることを示して余りある。 
以下に掲げる「ワースト・ランキング」はGFIが集計した2002年から2011年の合算統計である。 
1)中国      3兆7900億ドル
2)ロシア      8809億ドル
3)メキシコ     4618
4)マレーシア    3704
5)インド       3431 
桁違いの汚職天国、ロシアのそれも凄いが中国に比べたら何ほどのこともない。
417兆円もの金が過去10年ほどで海外に不正に流れているというのが、中国の実体です。 このような国の通貨が国際主要通貨にできないことは明らかです。

さらに、上の記事でも指摘していたように、6月中旬以降の株価暴落を受けて強引な株価維持策を実施も本当に問題です。

中国は現在、日本のPKO(プライス・キーピング・オペレーション)をはるかに上回る規模で、株式市場への介入を準備しています。氏はこれが原因でほぼ確実に、中国共産党にも日本と同じように、後でつけが回ってくることになるでしょう。

PKOは日本では1992年に始められたもので、バブル崩壊による株価の下落を食い止めるため、公的資金による株式投資を行ったものです。この時の日本のPKOは不況を長引かせる一因ともなり、日本は長い不況の時期に入いりました。

中国の株価PKOは効果がない・・・・


これを中国はとてつもない規模で行ったり、挙句の果ては、上場会社の株式の取引を停止するなどのとんでもないことをしました。

中国当局が相次いで打ち出したこのような異例の株価支援策。これがうまく行くと考えるのは、愚か者だけでしょう。

今の中国株に関して選択の余地があるなら、正しい態度は傍観者として様子を見守ることです。なぜなら、株式市場の急落に直面した中国当局は、一連の強力な対策で売り手を威圧しようとしていて、それらは株価にとっては支援材料ですが、現実と株価のかい離をもたらすことになるからです。

6月12日以降に上海総合指数が約30%下落したのを受け、中国当局は今月4日から立て続けに株価の下支え策を発表。中国の大手証券21社は、相場を下支えするため総額1200億元を株式投資に充てると発表。中国人民銀行(中央銀行)は、これら証券各社への信用取引向け融資を手掛ける国営の中国証券金融に対し、流動性支援を提供する方針だといいます。

さらに中国株式市場への上場を計画していた28社が4日、株式新規公開(IPO)を中止すると明らかにしました。

これらの対策が打ち出される直前には利下げも行われていましたが、どちらも株式市場の下落を食い止めるには至っていません。

中国当局はまた、株式市場の空売り筋にも怒りの矛先を向けており、「相場操縦」の可能性を調査すると表明しました。

彼らは明らかに、自らを自国資本市場での最後の買い手と位置付けようとしています。株価支援資金の多くは、当局の意向に依存し、当局の期待に応えることが求められている機関に流れ込んでいます。

このような状況では、中国版PKOは到底うまくいくとは考えられません。

さらに、中国のGDPなどの統計値はほとんど出鱈目ということも良く知られていますが、これを車に例えると、真っ暗やみの中で車のメーターがすべて出鱈目という状況に等しいことになります。このような車に乗っているのを想像してみてください。



メーターがあてにならないし、夜で視界が狭いし、スピードが出ているのか、遅いのかもわからず、いつどこで、どんな目にあうかもわかりません。

そのような国の通貨を世界の主要通貨として、「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に加えることなどとてもてきるものではありません。IMFの判断は正しいです。

最近は、中国と国境を接している国々で、元を決済通貨として用いることが行われていました。これをもって、元が国際通貨になることを懸念する人たちもいましたが、その懸念は幸いにも外れたようです。

経済も当面ダメ、元の国際主要通貨化も頓挫、AIIBもアジア開発銀行にはどうあがいても勝つこともできず、そうして一昨日このブログに掲載したように、アメリカでの製造コストが中国と同レベルに減少してしまいました。

今回の、「人民元の国際化」の実質的な失敗は、まさに弱り目に祟り目ということで、何一つ良いことはありません。

すでに黄昏時を迎えた中国

もう中国は、はやくも黄昏時を迎えたようです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年8月4日火曜日

朝日、改革どころか“先祖返り” 藤岡信勝氏「海外の援軍で自信を回復」―【私の論評】全く反省しない"流行通信"朝日新聞の本性は過去を見れば良くわかる(゚д゚)!

朝日、改革どころか“先祖返り” 藤岡信勝氏「海外の援軍で自信を回復」

大誤報を認めてから丸1年。朝日新聞の
報道姿勢は変わったのか =東京都中央区

 朝日新聞が慰安婦問題をめぐる大誤報を認めてから、5日で丸1年を迎える。朝日はこの間、自社の慰安婦報道を検証する第三者委員会を設置するなどして「再生をめざす道筋」(木村伊量前社長)を模索してきたが、果たして、社の体質や報道姿勢は変わったのか。識者らに聞いた。

「朝日は一時、改革へと向かうかに見えた時期もあったが、今では完全に先祖返りしている」

こう断じるのは、「慰安婦の真実」を徹底追及してきた拓殖大学の藤岡信勝客員教授だ。


朝日は昨年8月5日付朝刊で自社の誤報を認め、朝鮮半島で女性を強制連行したと証言した吉田清治氏の記事を取り消した。

さらに同年12月、第三者委から「報道によって国際社会、特に韓国の批判を過激化させるなどの影響があった」との報告書の提出を受け、「批判や議論を招いたことを謙虚に受け止める」「多角的に歴史を掘り下げる報道を目指す」などとする「朝日新聞社の見解と取り組み」を公表した。

藤岡氏が続ける。

「朝日は日本国内での論争では敗れたが、海外の“援軍”によって自信を回復させ、その力を借りることで態勢を立て直そうとしているようだ。欧米の日本研究者ら187人が今年5月、慰安婦問題に関する(『偏見なき清算を残そう』などとする)声明を出した際、これを大きく取り上げて報道したのが典型例だ。日本を貶めようとしているように思えた。そうした姿勢は全く変わっていない」

海外での、慰安婦に関する間違った情報の拡散も、依然として深刻だ。

主婦による正しい歴史を次世代につなぐネットワーク「なでしこアクション」の山本優美子代表は「朝日の報道に端を発した、(慰安婦=性奴隷など)誤った情報は、海外では依然として事実だと受け止められています。過去の報道の誤りを認めたのなら、国外に向けても、きちんと情報を発信し、国際社会に広まった誤解を解く努力を重ねるべきです」と話す。



朝日は現在、安全保障関連法案に対する批判的な報道に力を割いているが、前出の藤岡氏は「朝日の論調は、かつての戦争の原因を日本にだけ求め、日本人の罪の意識を煽るものに感じる。居丈高に安倍晋三政権を攻撃し、どうにかして法案を廃案にさせようという多くの報道は、慰安婦報道と同じ構図ではないか」と語っている。

【私の論評】全く反省しない"流行通信"朝日新聞の本性は過去を見れば良くわかる(゚д゚)!

朝日新聞はまだまだ反省していません。それは、上の記事でもわかりますが、昨日は以下のようなこともありました。
朝日記者、かぎ十字写真を「首相支持派」と紹介
徳永格のTweet
 朝日新聞社の冨永格(ただし)・特別編集委員が今月2日、同社の公認を受けたツイッターで、ナチスの紋章「かぎ十字」が描かれた旗を持つ人たちの写真を紹介し、「東京で行われた日本人の国家主義的デモ。彼らが安倍首相を支持している」と英語で書き込んでいたことがわかった。 
 冨永氏はその後、ツイッターから写真と文章を削除した。 
 同社広報部などによると、冨永氏はインターネット上にあったデモの写真をツイッターに掲載。ネット上では、安倍首相に対する悪意ある書き込みだとして批判が集まった。同社は、冨永氏から書き込みについて報告を受けたことから、厳しく注意し、おわびの掲載を指示したという。 
 冨永氏は削除の際、日本語と英語、フランス語で「嫌韓デモに参加する人たちには安倍首相の支持者が多いという趣旨でしたが、『一般的に』の言葉が抜けていたので、彼らがこぞって首相を支持しているかの印象を与えるツイートになってしまいました」などと書き込んだ。
この富永氏のTweetは、朝日新聞のサイトにもリンクが貼られています。これは、明らかに印象操作であり、安倍総理をナチスか、ヒトラーのような人物であるかのようにみせかけようとするものです。

しかし、この印象捜査は完璧に間違いです。安倍総理の政策は、欧米あたりでは完璧にリベラルといもいえる政策です。特に金融緩和政策に関しては、欧米では雇用を改善するものとして、労働組合などの左翼が賛成する政策です。

日本の左翼は思想が劣化しているので、そのような認識はないようですが、劣化した思想で安倍総理批判などしてもらっても、何ら参考するに値するものもなく、全く妥当なものではありません。

さて、朝日新聞が反省していない証拠まだあります。数日前には、全く反省のなさがにじみ出ている新聞記事が掲載されていました。その記事のリンクを以下に掲載します。
(天声人語)玉音放送の4分半 
2015年8月2日05時00分 
 終戦の日に玉音放送を聞いた外国人がいる。戦時中、各国の大使館員らが軽井沢に移住させられた。その一人に名高いフランス人記者ロベール・ギランがいた。自宅監視の状態だったが正午に村人といっしょにラジオの前に立った。
隣組長の玄関前に集まった村人は身を固くして頭を垂れた。うやうやしく尊崇の念を払う対象が粗末な椅子の上のラジオだったので、その態度は異様に映ったそうだ。

「あちこちで啜(すす)り泣きが起(おこ)り、隊列が乱れた。途方もなく大きな何ものかが壊れたのだ」「彼らは逃げ、自分たちの木造の家で泣くために身を隠した。村は、絶対的な沈黙に支配されたのである」。著書『日本人と戦争』に詳しく記している。

あの日、どこで何を思ったか。万の人に万の記憶があることだろう。それから70年、鎮魂の8月に玉音放送の原盤の音声が公開された。これまでテレビなどで聞いてきた占領軍の複製より鮮明な印象を受ける。未曽有の戦争を終わらせた昭和天皇の「4分半」である。

戦争を続けていれば落命したであろう人々は生き残り、驚異の復興を成し遂げた。とはいえ310万人の日本人戦没者のうち200万人近くは最後の1年の死者だったことを、前に書いたことがある。

特攻、空襲、沖縄、原爆――多くの悲劇がその間に起きた。時計の針を逆回しして玉音放送を早めていけば、死なずにすむ人は日々増える。戦場になったアジア諸国でもそれは同じだった。8月15日は、遅すぎた終戦の日でもある。
さて、この記事もっともらしいことが書かれていますが、歴史的事実などと照らし合わせてみると、朝日新聞が全く反省してないところが良くわかります。

この記事には、「玉音放送を早めれば死なずに済んだ人は増えた、戦場になったアジア各国でもそれは同じ、8月15日は遅すぎた終戦の日でもある」と掲載しています。しかし、私達は、朝日がポツダム宣言の受諾に反対し徹底抗戦を煽ったという事実がありす。

朝日新聞こ、まずはこのことに反省とお詫びが必要なのは、言うまでもありません。

朝日新聞に関しては、ポツダム宣言に関してもこのような対応でしたが、戦時中は戦意高揚で、戦争を煽っていました。

戦時中の朝日新聞紙面
朝日新聞の本性は、戦争中は国民の多くが戦争に賛成していたので、戦争を煽り、終戦になり、左翼的な考えが先進的ともてはやされ主流になると、今度は左翼的になりで、その報道に芯というものがありません。朝日新聞の形容詞としては、「流行通信」というのがもっとも良いかもしれません。

しかし、芯がないだけならまだしも、虚偽、間違い報道をするのですから、全くまともではありません。

朝日新聞は、あの訂正記事から一年しかたっていないというのに、この有様です。元々、反省などしていなし、これからも反省するつもりがないのです。

本気で反省する気がないというのなら、廃刊にしてもらいたいものです。

私達としては、「朝日新聞、読むな、読ませるな、広告出すな」というスローガンを掲げて廃刊に追い込むこと以外には、対処のしようがないかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年8月3日月曜日

アメリカでの製造コストが中国と同レベルに減少、その理由とアメリカが持つ「強み」とは?―【私の論評】中国もう終わりました!中国幻想はきっぱり捨て去ろう(゚д゚)!

アメリカでの製造コストが中国と同レベルに減少、その理由とアメリカが持つ「強み」とは?


By nikzane

安くて豊富な労働力を活かして「世界の工場」として世界中の工業品の生産を一手に請け負ってきた感のある中国ですが、ここ数年は物価の高騰や賃金レベルの上昇からその競争力を失ってきたと言われてきました。これに対するようにアメリカでは製品の製造コストが減少し、中国と同水準に下落するという現象が起こっており、さらに今後はアメリカが中国を下回ることになると考えられています。

U.S. Manufacturing costs are almost as low as China’s - Fortune
http://fortune.com/2015/06/26/fracking-manufacturing-costs/

世界的なコンサルティング企業であるボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の調査によると、アメリカ国内で製品製造コストは減少を続けていることが明らかになっています。以下のグラフのように、アメリカを100とした場合の製造コストは中国が95とほぼ変わりなく、さらに主なEU各国と比較するとすでに10%から20%程度も低い状態であることがわかったとのこと。さらにBCGの予測では、2018年ごろにはアメリカの製造コストは中国よりも2%~3%も低くなるだろうとみられています。

これにはいくつかの要因が考えられており、中国国内での人件費の高騰やアメリカでの生産効率が向上していることなどが考えられていますが、BCGによると最も大きく関与しているのが新たに開発されたシェールガスによるエネルギーコストの減少とのこと。BCGの試算によると、アメリカ国内での産業用電力価格は他国に比べて30%から50%も低いとみられており、特に鉄やアルミニウム、製紙や石油化学製品など多くのエネルギーや石油を必要とする産業分野への影響が大きく現れているといいます。

先述のグラフを見ても、アメリカでは水色で示されたエネルギーコストが他国を大きく下回っていることがわかります。


BCGのDavid Gee氏は「中国からの出荷の遅れや港湾のストライキによる閉鎖、また外資系企業に求められる中国企業との合弁化などのリスクや要因を考慮すると、わずか5%のコスト差は取るに足らないものといえます」とその実態について語っています。

中国の国旗デザインのビキニ この写真はブログ管理人挿入

安いエネルギーが手に入ることで、アメリカでは天然ガスを使った車両による貨物輸送手段の発達が期待されており、従来のように他国にエネルギーを依存する状態から自国で全てを賄える状態へとシフトすることが予想されています。また、天然ガスからは水素を取り出すことが可能なので、トヨタが2015年夏にもカリフォルニア州で受注を開始する「ミライ(Mirai)」のような水素で走る燃料電池車にも使うことが可能。

エネルギーコストが下がったことで、アメリカ国内に対する新たな投資の機会にもつながっています。2015年春には、オイルメジャー企業の一つであるサソルがルイジアナ州・レイクチャールズに81億ドル(約1兆円)という巨額の投資を行ってエタン精製工場を建設。また、天然ガス輸出のシェニエール・エナジー社はメキシコ湾にLNG(液化天然ガス)の輸出ターミナルを建設し、日本を含めた外国へのLNG輸出に意欲を見せるなどの大きな動きが生まれつつあります。ちなみに、シェニエール・エナジーのチャリフ・ソウキCEOは2013年にはアメリカで最も高い報酬を受け取ったことで知られており、その額は1年で1億4200万ドル(約145億円)とのこと。

アメリカの国旗デザインのビキニ この写真はブログ管理人挿入

このように、アメリカではシェール革命とも呼ばれるエネルギー生産の革命により、エネルギーコストの構造が大きく変化していることが明らかになっています。多くのエネルギーを蓄えると考えられている「シェール層」はアメリカの国土をほぼ覆うほどの広さに分布しているとみられ、その埋蔵量は100年分ともいわれていることから、近い将来にはアメリカは世界最大のエネルギー輸入国から一転して資源大国になるとも考えられています。

同時に、シェールガスの生産には問題を含んでいるということも一方では事実。地中に高圧の海水や砂、化学物質を注入するという工法により地下の状態が影響を受け、水源が汚染されるという事態が起こっており、石油企業が住民への補償を強いられるという事態にもつながっています。また、地中に海水を注入することで地層が滑りやすくなり、巨大地震を誘発しているという研究者も。さらに、フランスでは環境汚染を懸念したシェールガスの生産そのものを禁止する法案が採決されています。


By Department of Energy and Climate Change

さまざまな問題を抱えてはいるシェールガスの生産ですが、それによる安いエネルギーコストは魅力的なものであり、アメリカがこの分野を世界的にリードしている状況には変わりがありません。ハーバード・ビジネススクールのMichael Porter氏は(PDFファイル)BCGと共同で発表した報告書の中で、アメリカのシェールガス生産技術は他国の15年先を行っていること、そして生産拠点となる油井はアメリカ国内で10万1117か所あり、これはカナダの1万6990か所、中国の258か所などと比べて段違いに大きな規模となっていることを挙げています。

これまで中東やロシアに依存してきた世界のエネルギー事情はいま大きく変化しており、産業にも大きな影響を与え始めているところに注目しておく必要があるようです。

【私の論評】中国もう終わりました!中国幻想はきっぱり捨て去ろう(゚д゚)!

この状況じゃ、中国幻想は完璧に終止符が打たれた見て間違いないです。この記事では、アメリカの強みがシェール・ガスなどのエネルギーなどに集約されていますが、労働コストつについても3%と低い水準にあることも凄いです。

十数年前までは、10%程度といわれ、そのときでさえ、製造業に占める人件費の割合が少なくなろったため、人件費の低い国での製造はあまり意味をもたなくなってきたといわれていましたが、それが今では3%です。これでは、中国はとても太刀打ちできません。

デフレになる前の日本も、人件費の割合が減ってきたため、海外の工場を日本に戻す動きがありましたが、その後デフレ・円高に転じたため、海外への工場の移転が進み、国内産業の空洞化ということがいわれました。もし、デフレでさえなければ、かなり状況は変わっていたと思います。


過去には、いずれ中国がアメリカのGDPを追い越す時代がやってくるといわれたが・・・・・


さらに、アメリカ優位、中国劣勢という状況で忘れてはならないことがあります。米国は輸出がGDPに占める割合ほんの11%、中国は40%台と雲泥の差ですが、これは中国が他国の影響をもろに受けるということを意味します。米国は、巨大な内需に支えられ、外国の影響をあまり受けないことを意味しています。

これは、日本も似たところがあり、日本では輸出がGDPに占める割合は、10%程度にすぎません。20年前は、これが8%程度でした。しかし、過去20年近くにも及ぶデフレ・円高政策で、国内消費は減少し国内の内需が減少してしまいました。

それでも、10%程度で、これより少ない国は先進国では他にありません。かつては、アメリカのほうが輸出が圧倒的に少なかったのですが、最近では日本のほうが少なくなりました。これは、やはり、デフレから脱却したことにより、内需が拡大したということです。これからも、どんどん是正されることになります。

念のため、ここに掲載しておきますが、GDPの大きな国で内需が大きいということは、良いことです。輸出などがかなり大きな比重を占めるような国は、常に不安定です。それは、グローバル化を推進して、失敗した韓国をみても良く理解できます。韓国は、政府ぐるみでグローバル化を推進しましたが、内需を疎かにしたため、今はとんでもないことになっています。

いずれにしても、日米両国が中国の製造業などあてにしなくても、十分にやっていける時代が目前に迫っています。

そのせいもあってか、最近の中国、輸出入とも激減しています。この状況では、中国のGDPが米国なみになるなどとても考えられません。個人あたりのGDPでも、とても米国に比べられるような水準ではありません。

中国幻想はもう本格的に捨てるべきです。

なぜなら、アメリカの製造業の優位性もさることながら、中国自体にはもう何も優位性が存在しないどころか、劣位性ばかりが目につくからです。

過去の中国は、海外の資金を集め、国内のインフラ整備にあてることで経済成長を可能にしてきました。実際、インフラを整備すれば、需要が喚起され、経済も上向きましたが、もうこの手も通用しなくなりました。

今の中国は、完璧に不動産バブルが崩壊して、全国各地に人の住まない、巨大な高層住宅が林立しています。これを中国では鬼城と呼んでいます。

中国各地いたるところに林立する鬼城

住宅以外のインフラである、道路や、港湾、空港、その他のインフラを整備したとしても、もうそれで経済が飛躍的に伸びるということはありません。国内では、すでにインフラ整備で需要を喚起するのは不可能になりました。

そこで、中国は、国内の脅威の経済成長を今度は海外でということで、AIIBを設立して、海外投資を活発化させ、それで経済成長をしようと目論みましたが、中国にはインフラを建設するノウハウがあっても、それ以上のノウハウはありません。海外投資は、そんなに簡単ではありません。

実際、中国はアフリカ投資では、ほとんど大失敗です。実際不安定な商品価格や政情不安、失敗した投資の数々に懲り、中国の投資家らは大手国有企業が多額の資金を使って同国の海外進出の動きを推し進めた15年前ほど精力的ではありません。AIIBには日本とアメリカが参加しないため、資金を調達するにしても、金利が高くなってしまい、とても日米アジア開発銀行にはかないそうもありません。

中国のアフリカ投資はほとんどが失敗

そうなると、AIIBの海外投資もとてもうまくいくとは考えられません。

しかし、中国も本当は、過去の欧米や日本のようにさらに経済発展ができる見込みがあるにはあるのですが、中国は自らその道を塞いでいます。

どういうことかといえば、結局中国にはそのつもりは全くなく、過去の成功事例にしがみつく以外に能がないからです。もともと欧米は、数百年かけて経済的中間層を増やし、その中間層が経済・社会活動を活発にすることにより、世界の他の国にさきがけて経済発展しました。

日本は、高度経済成長時に、経済的中間層を増やし「1億総中流」などとも言われ、中間層が活発に経済・社会活動ができるようになったため、脅威の経済成長が可能になりました。日本はこれを数十年で実現しました。

鄧小平氏

しかし、中国では30年ほど前に、鄧小平氏が改革路線を打ち出し、「富めるものから富め」というキャッチフレーズのもと、先にも述べたように、海外の資金を大量に流入させて、対規模なインフラ投資を行い、それで急成長しました。そのため、中国では中間層は育たず、貧富の差が極端に広まりました。

しかし、この急成長も先に述べたように、不可能になりしました。次の手としては、やはり本来は、中国でも貧富の差を是正し、中間層を増やし、これらが経済・社会活動を活発にできるように、仕向けて、それをもって過去に欧米や、日本が成し遂げたような経済成長を目指すべきです。

しかし、中国の共産党政府にはそのような気はさらさらないようです。なぜなら、これを成就するためには、ある程度は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を実行しなければならないからです。

しかし、最近でも、このブログに掲載したように、中国では人権派弁護士が当局に拘束されたばかりです。その後も弁護士の拘束は続き、今で数百人レベルになったとさえいわれています。こんな状況では、中間層を増やすなどということはできません。

このブログには以前、"中国寄りの専門家さえついに唱えだした「中国大崩壊」の論拠"に関する記事を掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
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デービッド・ジャンボー教授
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国寄りの専門家である、デービッド・ジャンポー教授が、中国の大崩壊を唱えだしていることを掲載しました。

この記事の内容と本日の上記の分析からみると、このままでは本当にもう中国に未来はありません。

このような分析をすればするほど、現代の中国には何も良いことがないことが理解できます。専門家でなくとも、こうして事実を掘り返してみると、本当にこれからの中国は、よほどのことがない限り、崩壊に向かって真っ逆さまと捉えるべきことが良く理解できます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

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2015年8月2日日曜日

中国人“爆買いリターン”で狙われる「日本のセール」 各地に転売業者も ―【関連記事】貿易赤字を「悪」、中国人爆買いが日本経済を支えるなどと報道するマスコミには将来はない(゚д゚)!

中国人“爆買いリターン”で狙われる「日本のセール」 各地に転売業者も 

飽くなき購買欲。セールの主役は中国人になりつつある
上海市場の乱高下なんてなんのその。中国人観光客による常識外れの買い物「爆買い」が再び猛威を振るい始めた。円安、消費税免税に加え、日本での小売業界でのセールの季節が重なるためだ。早くも売り場の一部から商品がごっそりなくなった百貨店もあるという。純粋な個人利用での買い物もあるが、彼らのしたたかな商魂も透けてみえる。 (ジャーナリスト・奥窪優木)

全国の百貨店で開催されている夏のセールに出かけた方で、今年、ある異変に気付いた人はいないだろうか。セール開催中にもかかわらず、売り場ではセール品が不足していたのだ。

東京・新宿にある某百貨店の男性アパレル販売員はこう明かす。

「うちは毎年約2週間の予定でセールを開催するんですが、今年は2週目に入る前にセール品がほとんどなくなってしまいました。この現象はうちだけでなく、同じフロアに入る他の複数のブランドも同じことが起きていたようです」

その原因はずばり、隣国からの爆買い客だ。

「セール序盤から、去年の倍くらいの中国人が連日押し寄せていました。割引率の高いものから次々に手を取り、試着はほとんどせずにどんどん購入していくのが彼らの買い物の特徴。うちの価格帯は、セール除外の新作ジャケットでも5万円前後ですが、1人で数十万円分購入していく中国人も珍しくありませんでした。支払いはもちろん銀聯カードで一括支払いです」(同販売員)

上海市在住の知人の話によると、中国の旅行会社は最近『セール時期の日本で買い物しよう』といううたい文句のツアーを盛んに売り出しているという。急速に進んだ円安人民元高に外国人旅行者に対する消費税免税、そしてセールの割引分という相乗効果により、中国人にとっては「買えば買うほど得」といっても過言ではないという。

千葉県内のアウトレットモールに勤務する女性販売員によると、日本各地のセール会場には中国からの転売業者も紛れ込んでいるようだ。

「最近、セールのたびに同じ商品の全サイズとか、全色を購入されていく中国系のお客さんがよくいるんです。特に有名スポーツブランドの商品が、彼らのターゲットとなることが多い。買い方からして転売目的の業者でしょうね。そのせいで、一般のお客さんが買えなくなるのは不本意なのですが、だからといって断ることもできませんから…」

半期に一度の風物詩ともいえるセールだが、そのあり方は再考を迫られているのかもしれない。

【私の論評】貿易赤字を「悪」、中国人爆買いが日本経済を支えるなどと報道するマスコミには将来はない(゚д゚)!
中国人爆買に関しては、上の記事だけでは、情報として不十分です。これを補うため、以下の動画をご覧下さい(゚д゚)!



この動画をご覧いただければ、中国人が日本で爆買いしたからといって、日本や日本の企業がそう儲かるわけでもないことがよくお分かりになったと思います。免税店で外国人にだけ免税して販売するということも、これは逆差別であるといえます。

このようなカラクリ確かに、日本の報道機関はほとんど報道しません。爆買いによって、日本経済が発展するかのような馬鹿な報道を繰り返しています。何やら、日本のマスコミは未だに中国幻想に酔っているようです。

この現象に関しては、まともでない経済アナリスト等の方々は、あたかも日本経済の救世主のような扱いです、しかし、どちらかというとまともな経済学者の方々はあまり関心がないようですが、確かに経済的には微々たるものに過ぎないかもしれません。

中国人の多くは転売目的や役人への賄賂目的で爆買いをしていますが、それがどの程度かといえば、日本のGDPのうちどの程度を占めるかといえば、おそらく1%にも程遠いものだと思います。これに関しては、統計資料などないですから、なんともいえませんが、そもそも統計資料がないということ自体が無視しうるほどに小さいことの証であると思わます。

そもそも、今でも結構多くの人が勘違いしている日本の貿易立国などという幻想があります。これは、日本は資源が無い国なので、資源を輸入して、加工して輸出して儲けて国が成り立っているというものです。

こういう人たちは、日本おいてGDPに占める、輸出の割合を過大に評価しているようです。GDPのかなりの部分が輸出によるものであると勘違いしていて、輸出がダメになると日本は経済は落ち込むと考える人も多くいるようで、そういう人たちは、貿易赤字と聴くとすぐに、「大変だ」などと思ってしまいます。

しかし、現実には、日本においては輸出がGDPに占める割合は15%程度に過ぎません。20年くらい前までは、これかわずか8%程度でした。この割合、ドイツや中国だと、40%大でした。

GDPに占める輸出の割合が、15%ですから、それが中国向けということになるとどの程度かといえば、2%くらいなものです。輸出全体でこの程度ですから、爆買いがどの程度かといえば、ほんのほずかであり、おそらく、これらがあってもなくても、誤差未満というところだと思います。

しかし、日本の報道機関など、中国人の爆買いが日本の経済を上向かせる原動力にでもなるかのような報道ぶりでした。私からいわせると、あのような報道ぶりは馬鹿丸出しにみえました。

百歩譲って、小さな変化が大きな将来の大きな変化に繋がることがあります。これについては、このブログでも紹介したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

又吉直樹さんが芥川賞を受賞 「火花」で―【私の論評】又吉さんのように「小さな変化に気づく人」になることがあらゆる分野での成功への近道だ(゚д゚)!

又吉直樹さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に小さな変化について関連する部分のみコピペします。
ドラッカーは、「未来を予測することなど誰にもできない。できるとすれば、すでに起こった未来(まだ、少数であるが、将来主流派になるような事象)をつかむか、未来を自分でつくる(長期計画で変化をおこす計画をたてて、そのとおり実施すること)である」としています。 
さて、ドラッカーのこの至言を実行するためには、時流をつかめなければ不可能だと思います。時流とは、直近の世相や、人々の変化と捉えるべきです。時流は過去と分断して、突然起こるものではありません。過去を知らなければ、時流を知ることはできません。時流を知ることができなれば、すでに起こった未来をみいだすことも、未来をつくりだすこともできません。
さて、中国人の爆買いは、日本経済にとっては、今のところ誤差の範囲内と言っても良いくらいの小さなものですが、ではこの「小さな変化」は、「すでに起こった未来」になり得るのかどうかを考えてみると、とてもじゃないですが、なり得ないです。

そもそも、これから中国の経済は停滞します。それは、このブログでも何度も掲載してきました。それに、中国では輸入が激減しています。それについても、このブログで掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。

中国:1月の貿易黒字は過去最高-内需の弱さ浮き彫りに―【私の論評】安倍政権批判のためには何でもする日本の敵マスコミ諸氏! 中国は貿易黒字で大躍進ではないのですか! 嘘つき日本マスコミの実体が良く理解できる記事(゚д゚)!
中国経済が、過去最大の貿易黒字であるにもかかわらず大変なことになっているとは驚き!

この記事は、今年1月のものです。この記事も詳細は元記事をご覧いただくものとして、中国の輸入がこの時点でどのようになっていたか、その部分のみ以下にピックアップして、以下にコピペします。
税関総署が8日発表した1月の輸入は前年同月比19.9%減少し、約5年ぶりの大幅減。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリストの予想は3.2%減だった。輸出は3.3%減少(予想中央値5.9%増加)し、貿易黒字は600億ドルに達した。
中国では、輸入ががた減りだったため、輸出も減ってはいるのですが、減り方が相対的に少ないため、貿易黒字は過去最高になっていました。

この記事、日本のマスコミは日本が貿易赤字になると、なにやら鬼の首をとったように大喜びで報道する傾向があるので、その誤りを指摘するためにも当時掲載したものです。

貿易黒字とか、貿易赤字など、日本国の経済や、損得を決めるものではありません。赤字だから悪い、黒字だから良いということもありません。実際、このときの中国の状況は、輸入が激減したので、貿易黒字が過去最大になったということで、これは中国の経済が停滞して消費が鈍っているためであり、中国経済は窮地に陥っているということです。

この傾向は、基本的に今もかわりありません。いますぐではないにしても、数年後には、中国人が日本で爆買いして、中国にもって帰っても、転売先がなくなることが十分予測できます。

だから、現状は、日本経済全体から見ると、誤差の範囲内の中国人爆買いですが、それが将来大きな変化になって、日本経済を良くするなどということはほとんど考えられません。

そもそも、爆買いツアーによって、日本経済が好転するなどのことがあれば、中国内の輸入企業がそれを黙ってみているわけもありません。中国の輸入企業が、輸入枠をもっと増やすようにすると思います。

しかし、さすがに、輸入企業の場合は、事業としてそれを実施しているため、爆買いツアー客のように無計画な購買をするわけにもいきません。爆買いツアー客なら、電気炊飯器を、いくつも買って、それが転売できなかったにしても、自分の家で使えば良いし、余ったものも、家に在庫しておけば、現在使っているものが壊れて修理しても使えなくなった場合に使うことができます。

こんなことから、中国の人の「爆買い」は、どう考えてみてもドラッカーのいうような、「すでに起こった未来」にはなり得ないことが良く理解できます。

貿易赤字を「悪」、中国人爆買いが日本経済を支えるなどと報道するマスコミは、いかに「小さな変化」を分析することに疎いのか良く理解できます。

マスコミがこのように「小さな変化」を正しく分析できないということは、すなわち、このままでは将来はないということです。要するに、将来は潰れるということです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年8月1日土曜日

年金情報流出に中国軍が関与していた…日米タッグで大逆襲へ 文春報道―【私の論評】中国サイバー攻撃への日米協力は、我が国の集団的自衛権の行使に他ならない(゚д゚)!


週刊文春の最新号の表紙と、緊急特集の内容を伝えるサイトのバナー

日本年金機構の個人情報流出事件をめぐり、衝撃的な報道が飛び出した。警視庁公安部が、犯行グループが中国人民解放軍の事実上の傘下組織であることを突き止めた-とするリポートを、30日発売の「週刊文春」が掲載したのだ。米国では最近、中国政府傘下のハッカーらが関与したとみられる個人情報の流出が相次いでいる。安全保障関連法案の国会審議が進むなか、国民を守るためにも、日米両国のタッグを堅固にすることが急務ではないのか。

「人民解放軍が関係する組織が、日本の省庁にサイバー攻撃を仕掛けてくることは十分考えられる。日本と同盟関係を結んでいる米国が、中国と『サイバー戦争』状態にあるからだ」

アジア情勢に詳しい元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は、こう警鐘を鳴らす。

習近平

菅沼氏の解説は後述するとして、文春が「衝撃スクープ」と銘打った、「『年金情報』流出犯は中国サイバー部隊!」という記事の概要は以下の通りだ。

警察は、不審なメールや通信について年金機構から相談を受けた今年5月当初、生活安全関係の部門が水面下で捜査に当たった。ところが、通信やメールの解析を進めるうち、中国のハッカーグループが浮上した。

捜査はスパイやテロリストを取り締まる警視庁公安部へと引き継がれ、外国情報機関からの情報も勘案した結果、グループの所在地が中国の上海など複数の都市であることを突き止めた。グループを実質的に運営しているのが、中国人民解放軍のサイバー攻撃部隊の「別動隊」だということも判明した-。

今回の事件に、中国系組織が関与している可能性は、以前から指摘されていた。日経新聞(電子版)も6月末、「一連のサイバー攻撃に新証拠 中国系組織が関与した」との記事を掲載している。

ただ、文春報道のように、犯行グループが単なる犯罪集団ではなく、人民解放軍系の組織だということになれば、事態は一気に深刻さの度合いを増す。前出の菅沼氏が続ける。

「中国が、米国へのサイバー攻撃の一環として、同盟関係にある日本に矛先を向けるのは、ある意味、自然なことだ。その場合、真の攻撃の対象は官邸や警察、防衛省などの省庁であり、日本年金機構を狙ったのは“予行演習”だと推測できる。日本のコンピューターシステムの脆弱(ぜいじゃく)なポイントを探ろうとしているのではないか」

実際、中国が絡むとみられる対米ハッカー攻撃は近年、激しさを増している。

6月には、米連邦政府の人事管理局のコンピューターシステムに何者かが不正に侵入し、約400万人分の政府職員や元職員の個人情報が流出した可能性があることが発覚した。今月9日には、他にも2150万人分の情報が盗まれていたとする同局の調査結果が発表され、サイバー攻撃の被害では「米国史上最大」(AP通信)となった。

米人口の実に約7%にあたる個人の情報が盗まれるという異常事態であり、人事管理局のアーチュレタ局長の引責辞任にまで発展した。

中国側は、自国の関与について否定しているが、ワシントン・ポスト紙(電子版)は、複数の米政府当局者の話として「中国政府傘下のハッカーたちによる侵入」と伝えている。前出の文春の報道によると、日本年金機構を狙った解放軍系組織は、米人事管理局の流出事件でも「第1容疑者の中に含まれると断定された」という。

サイバー問題は「米中間の最も深刻な懸案の1つ」(米国務省高官)と位置づけられており、両国の対立は深まるばかりだ。オバマ政権は、一連のサイバー攻撃を中国によるスパイ活動の一環とみており、ワシントンで6月に開かれた閣僚級の「米中戦略・経済対話」でも、両国はサイバー問題について主張をぶつけ合った。

こうした事態を踏まえ、米国は日本との協力態勢の整備を急いでいる。今月9日には、日本政府との間でサイバー空間をめぐる課題を討議する対話を近く開くことを明らかにした。

日米両政府は2013年から「日米サイバー対話」を定期的に開催しており今回で3回目。これまでも、サイバー攻撃は安全保障上の脅威だとの認識を共有し、防護策を議論してきたが、今回は新たに日本年金機構の事件も議題となりそうだ。

菅沼氏は「サイバー攻撃は、まさに『現代の戦争』だ。日米が協力し、情報共有などを進めていかなければならない。協力関係をアピールすることは、中国に対する牽制にもなる」と語っている。


【私の論評】中国サイバー攻撃への日米協力は、我が国の集団的自衛権の行使に他ならない(゚д゚)!

中国がサイバー軍に力を入れていることは前々から知られていることです。中国がサイバー攻撃などの予行演習をしているのは既成事実と言って良いでしょう。

これについては、このブログでも随分前から警鐘を鳴らしてきました。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
中国発のサイバー攻撃は「重大なターニングポイント」--マカフィー幹部が言及-情報統制をする中国共産党に未来はない?!


この記事は2010年1月のものです。上の動画もその当時この記事に掲載したものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この動画などご覧いただいただけでも、中国が結構前から、サイバー戦に力を入れていることはご理解いただけるものと思います。

この動画をご覧いただければ、この当時から日本も中国により、ネットの情報統制が行われていることは、明らかでした。

そうして、今後は情報統制だけではなく、サイバー攻撃を仕掛けていることは明白になりました。今後もっと大規模な攻撃を仕掛け来ることになるでしょう。

なぜ、中国がサイバー戦に力を入れるかといえば、軍事技術が圧倒的に劣っているからです。どうしようもないほど劣勢です。これについても、以前このブログに掲載したことがあります。その代表的なもので最新の記事のリンクを以下に掲載します。
【世界を斬る】中国に米国と戦争する能力はまったくない 空でも海でも餌食になるだけ ―【私の論評】人民解放軍は日本の自衛隊にも勝てないレベル、それどころか軍拡によりソ連崩壊の二の舞いになる可能性も(゚д゚)!
中国の最新鋭戦闘機「殲31」。ステルス機といわれているが、ステルス性も低く、
実質上第三世代に属するものとアメリカの軍事筋がレポートしている
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の軍事力ならびに軍事技術力はあまりにも劣勢であるため、アメリカと戦争をした場合、地域戦争や総力戦など戦争にもいろいろ種類がありますが、いかなる戦争をしたとしても、中国に全く勝ち目はありません。もし、戦争をすれば中国は惨敗することでしょう。

中国の今の実力では、小国ロシア(日本のGDPの1/5、今やインド以下)にも勝てる見込みはありません。そうして、結論からいうと、条件付きで今の中国実力では日本の自衛隊と戦争しても勝てる見込みは全くありません。

その条件とは、核兵器は使わない、日本が中国本土に侵攻しないというものです。また、日本は、法律の縛りなどなく、中国を相手に何でもできるという条件のもとです。

中国が海軍力を増強しつつあるとはいっても、空母遼寧は単なるボロ船に過ぎません。他の艦艇も、潜水艦も、中国では新造船かもしれませんが、日本や米国では数十年前の技術のものであり、とても現代の海戦には使えるものではありません。

軍事力では、アメリカの足元にも及ばず、総力戦以外の局地戦では日本にも惨敗してしまう状況です。なぜ、こんなことになるかといえば、あまりにもすべてにおいて、日米に軍事技術を含めたすべての技術力に劣るからです。そのため、膨大な軍事費を費やしても、ボロ船、ボロ航空機、ボロ戦車、ボロ軍隊、ボロレーダーしか持つことができないからです。

なぜこのようなことになるかといえば、たとえ軍事技術を日米からサイバー戦などで盗んできたとしても、それですぐに日米と同程度の兵器を作れるようになったり、軍事技術と同等になれるかというと、そんなことはないからです。

日米の軍事技術など、何十年もかけて培ってきたものであり、軍事技術を支える他の技術や、ノウハウなどを持ってい泣けば、容易に追いついたり真似したりできないからです。

実際、中国やロシアも、日米などが第二次世界大戦前から持っていた空母から航空機を飛ばす蒸気カタパルトを製造することができません。その他、軍事的に転用がきく民間産業の技術力もかなり劣っています。

中国そうして過去のソ連は、軍事技術力では日米に到底及ばず、そのため能力的に遥かにおとる兵器を生産しても、日米においつくことができず、それが国力を弱める原因ともなっていました。

しかし、サイバーは違います。比較的新しい分野ですから、中国もこれから追い上げることができます。今のところは、あまり技術水準が高いとはいえないですが、中国には日米より有利な部分があります。それは、特に中国国内では、中国共産党の意のままに、情報統制や、サイバー攻撃ができるからです。これは、実戦経験として多いに役立つし利用できるものと考えられます。

ただし、日米の場合は、ハッカーなどの裾野がかなり広いし、深いですから、この戦いは通常の兵器などによるものと違い、互角の戦いになる可能性が高いです。

国家間のサイバー攻撃を可視化「Norse IPViking Live」の画面

こんなときに、集団的自衛権が違憲などということを言っていては、日本は遅れをとります。まさに、中国に何をされるかわかったものでありません。

最近、憲法解釈の変更による限定的集団的自衛権の行使を含む、安保法制は衆院を通過したものの、これを強行採決とか、違憲とかはなはだしいのになると、「戦争法案」などとするむきもあります。

昨年時点では、集団的自衛権など賛成派がほとんどだったのですが、最近は憲法学者なども違憲などという摩訶不思議な理屈で、騒ぎ立てるものですから、多く人が幻惑されています。

実際、昨年時点でのアンケートなどみると現状とは、全く違います。これは、昨年このブログに掲載した記事をご覧いただければ、ご理解いただけるものと思います。以下のその記事のリンクを掲載します。これは、昨年5月の記事です。
集団的自衛権、71%が容認 読売調査―【私の論評】集団的自衛権は世界の常識、今までが非常識であったと認識すべき(゚д゚)!
集団的自衛権に関する「政府の基本的方向性」を表明した安倍総理大臣
この時点では、賛成派が71%もあったのに、現状は酷いものです。やはり、憲法学者が違憲と騒いだのが効いていると思います。

しかし、「違憲の疑いがある」などの判断ならまだ理解できますが、このブログで過去に掲載してきたように、はっきり「違憲」と言ってみたり、ましてや「戦争法案」などとするのは、全く根拠薄弱なとんでもない大嘘です。

昨日のこのブログに掲載したように、私はいずれこれらに対して安倍総理による壮大なちゃぶ台返しが始まると思います。

そうでなければ、日米合同による中国サイバー攻撃による対処が困難になってしまいます。これができなければ、かなりの脅威です。これに限らず、集団的自衛権を違憲とすることは、日米の軍事協力は全部違憲ということになります。無論、日本に米軍基地を置くことも、違憲です。そんなバカな話は、憲法上も全く根拠が薄弱です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますかか?

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