2016年3月20日日曜日

経歴詐称ショーンK氏 「役者的才覚の持ち主だった」との評―【私の論評】自らの言説に、まともな検証能力もなく言論活動をする輩の言説を信じるな(゚д゚)!

経歴詐称ショーンK氏 「役者的才覚の持ち主だった」との評

ショーン・マクアードル川上氏

視聴者の多くがあっけにとられた展開だった。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が、ショーンK氏をめぐる騒動について分析した。

* * *

ショーン・マクアードル川上氏の経歴詐称が発覚し、メインキャスターをつとめるはずだった報道番組(フジ)の他、多数の番組を降板した。関係者はさぞ迷惑だったと思うが、世の中はこの騒動の話題でもちきり。「経歴詐称」という、これまでも度々あった珍しくもない詐欺的行為に、今回世間の視線が集中しているのはなぜなのか?

騒動を「劇場型ドラマ的出来事」としてとらえてみると、騒ぎの理由や背景が少し見えてくるのかもしれない。ショーン氏の特徴を5つ挙げてみると--。

【1】ルックス

バタ臭いイケメン顔。今や整形疑惑まで囁かれているが、もしこの人が日本人離れした彫りの深い顔立ち「でなかった」としたらどうだろう? こんなにあちこちの番組や広告等に抜擢されただろうか。こんな騒動になっただろうか。

【2】よそおい

スーツ姿がいかにもデキるビジネスパーソンを体現。イタリアン・コンチネンタル風の、適度にシェイプしたボディライン。さっそうと着こなすオシャレ度の高さ。日本のビジネスマンにはなかなかマネができないスマートさがあった。

3】身のこなし

ふとした手の動かし方、置き方。指先や手の表情、目線の置き所が人柄を物語ることをよく知っていた。プロフィール写真の視線や顔の向き、表情の作り方の巧さもプロの役者並み。

【4】声の質
深く響く低音、まったりとした美声。声も才能の一つ。その声を、しぐさや表情とからませる術も見事だった。

【5】話し方

速度、間合いの取り方には工夫の痕跡が。ゆったりと話すためには、敢えてそうしようという意図や自覚が必要だ。余裕と落ち着きが身に付いているかのような、いわば自己演出力を感じさせた。

--つまり、ニュースやワイドショーという「枠組」の中で、ふられた「役割」を上手に演じていた。その意味においては役者・ドラマ的才覚の持ち主だったと言えるだろう。

事務所社長も、彼の本名は「川上伸一郎」であり、テレビやラジオで名乗っていた「ショーンK」はビジネスネーム、いわば「芸名」だと認めている。そう、すべて「芸」なのだ。

ドラマには3つの構成要素がある。役者、演出、そして脚本。ショーン氏の場合は役者として、また自己演出家としてある種の才覚があった。しかし、脚本についてはどうだろうか。ちょっとお粗末だったと言わざるをえないのでは。

コメンテーターとしての解説を何度聞いても、どこかの新聞に書いてあるようなことが多く、ハッとさせられるような独自性や鋭い批評性は感じとれなかった。この人にしかない視点とか自身の哲学による切り口といったものは、残念ながら少なかったのではないか。

脚本・セリフは凡庸。それでも人気者になったのはなぜか?

人が情報を受け取る時、何を感じ取っているだろうか。言葉の「意味」はさして比重が大きくない、という指摘をしたのは心理学者アルバート・メラビアンだ。相手に与える影響のうち言葉の内容は7%、声や表情などによる印象の方が格段に大きいという。もちろん全てのケースにあてはまる法則ではないとしても、私たちの想像以上に声や表情が威力を発揮している、ということだろう。

つまり、「この人の話をちょっと聞いてみよう」と視聴者の関心をかきたてたこと自体が、ショーン氏の芸人としてのウリであり演技の力だったのだ。

そもそも新聞も、当初は文字を「読む」のではなく「耳から伝える」スタイルから始まっている。人々は耳から出来事を知り、事件を生々しく想像したり感じとったりしてきたのだ。新聞売りは鈴を鳴らして人々を集めて記事の要所を読み上げて売ったし、家庭内では字を読める者が家族に読んできかせていた(『明治メディア考』)。

活字を読むスタイルが一般化し新聞が浸透しても、テレビのワイドショーや報道番組は無くならなかった。なぜだろうか?

情報とは、「情」を「報」じるものだから。活字を一人で黙読するだけではなく他人の口からもう一度、出来事について聞いてみたい、耳から情報を吟味したい。そんな「情」への欲求も、私たちは密かに持っているのでは。

ショーン氏の経歴詐称は許されることではないけれど、彼のコメント内容がどこかの新聞記事の焼き直しだったとしても、「耳から情報を伝える」という新聞当初の役割だけは演じ切れたのかもしれない。そう思わないと、やりきれない。

【私の論評】自らの言説に、まともな検証能力もなく言論活動をする輩の言説を信じるな(゚д゚)!

ショーンKについては、世の中で大騒ぎになっているようなので、私自身は、彼についてほとんど何も知らないといって良い程知らなですが、いろいろ思うところがあり、掲載することにしました。

時間を我がものにするライフスタイル | 東洋経済オンライン 現在は削除されています。以下同じ。
それと、上の記事では、ショーンKが役者などとして優れていることをあげていますが、私自身は、感性が全く違うのか、ショーンKが格好が良いなどと思ったことは一度もありません。むしろ、どことなく胡散臭く、蔭があり、最初からあまり良い印象を持つことはできませんでした。イケメンなどという人もいますが、私の印象ではどことなく、バランスが崩れていて、とてもイケメンとは見えませんでした。

それと、私はショーンKの詐称した学歴に近い人も知っていますが、中には学歴が高いだけで、相当胡散臭い人もいましたし、そのすべての人が高学歴だからといって、大成功しているとは限りません。やはり、学歴だけではなんとも言えない部分があります。だから、私自身は、ショーンKはそういう高学歴の胡散臭い系の人間なのかとも思っていました。

様々な人が、ショーンKについて、分析していましたが、上の記事が結構後に出されたものであるせいか、まとまっているので、掲載することにしました。

ショーン・マクアードル川上氏に関しては、私自身は、この人が出演している番組をまともに見たことは一度もないですし、テレビをつけてみると、たまたま彼が発言しているのを何度か見かけたことがあるだけです。しかし、その発言をしっかり聴いたことはありません。

番組で話をしていても、聞き流すことがほとんどでした。やはり、上の記事でもあるように"コメンテーターとしての解説を何度聞いても、どこかの新聞に書いてあるようなことが多く、ハッとさせられるような独自性や鋭い批評性は感じとれなかった。この人にしかない視点とか自身の哲学による切り口といったものは、残念ながら少なかったのではないか"ということだと思います。

このような感覚は、実は池上彰氏に関してもそのように感じます。無論池上彰氏は、経歴詐称などの事実はありませんが、どうもまともに聴くきがせず、この方の番組を最初から最後まできちんと聴いたということは一度もありません。いつも、聞き流しているか、テレビのチャンネルを変えてしまいます。

このようなこともあったせいでしょうか、ショーンKに関しては、このブログでは一度も掲載したことがありません。池上氏に関しては、二度ほど掲載したことがあります。

一つは、池上氏の見解について、反論するものです。その記事のリンクを以下に掲載します。
浜田宏一内閣官房参与 4月の消費税率引き上げ判断「極めて慎重に―【私の論評】当たり前のど真ん中が通じない、池上彰のような愚かな人がまだ存在する、金融緩和の効果は十分でている、やめたり増税すればまた元に戻るだけ、元に戻したい人は日本の敵!!
池上彰氏

この記事は、2013年7月19日金曜日のもので、未だ8%増税が決まっておらず、それに関する議論が行われていた時期のものです。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、池上彰氏がアベノミクスに関して、全く見当違いの批判をしていることを批判しました。以下に、池上氏の検討違いのアベノミクス批判の部分のみコピペします。
 アベノミクスというのは、安倍政権が打ち出した景気回復のための経済政策です。この政策には、3本の矢と呼ばれる3つの分野があります。「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」そして「民間の投資を引き出す成長戦略」です。前の2つは要するに「ミニバブルを起こす」「バラマキ」といったショック療法で、最後の1つは「日本経済の体質改善」といえるでしょう。
そもそも、こんな見当違いを語るのですから、私自身池上氏には、この時点でうんざりして、彼の他のコメントも聴きたくなくなりました。

デフレの時期に、政府が金融緩和策と積極財政を行うというのは、あまりにまともな政策であり、政府が実行する政策としては、はっきりいってこれが王道であって、古今東西で当たり前のど真ん中の政策です。私は、当面日本は、成長戦略などという得体の知れないものよりも、金融緩和、積極財政を強力に推し進めるのが筋というのは、当たり前のど真ん中過ぎて、本来ならばこのようなことは議論の余地がないと思います。

本来、この日本でしなければならな議論は、金融緩和、積極財政を実行するというのは、当たり前のど真ん中で、誰も否定しようもなく、議論するとすれば、金融緩和策や、積極財政とはいっても、様々なやり方があることと、タイミングの問題もありますから、それらを議論すべきであって、金融緩和や積極財政がどうのこうのというの、愚の骨頂だと主もいます。

しかし、池上氏は、それを真っ向から否定するというのですから、話にも何にもなりません。ただし、池上氏のこの論評は、自身の判断によるものではなく、他の識者や、新聞、テレビなどの請売りにの過ぎないようです。請売りであっても、請け売るべき人の選択を完璧に間違えています。だから、自分では、あまり意識していないのでしょうが、非常に害があります。

その他、池上氏について掲載したのは以下の記事です。
池上彰氏コラム掲載拒否 30人超の朝日記者がツイッターで異議-【私の論評】人は自分のために生きていけるほど強くはない。大義を知らない朝日新聞の記者のように、多くの国民が国家に対する大義を忘れてしまえば、日本国家はいずれ崩壊することになる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくもとして、この記事では、池上氏のコラムを朝日新聞が掲載拒否したということで、その事実関係をこの記事には、掲載しましたが、池上氏論評などはほとんど掲載していません。この記事の主題は、朝日新聞の批判することでした。

以上のように、池上氏に関しては、このブログでは、まともに彼の論評を掲載したことはありません。私は、池上氏の話は、なせがどうしてもまともに聴けないので、以前からどうしてかとと思っていたのですが、その謎が解けたFBでのコメントがありました。

それは、イスラム問題の日本での第一人者ともいえる、池内 恵氏のFBでのコメントでした。そのコメントを池内氏のFBからコピペさせていただきます。

池内恵(さとし)氏
ある程度の年代の人にしかわからない話です。
‪#‎父が食卓で語ってくれた深イイ話‬ 
「世間の人は、鈴木健二ってすごい物知りですねー何でも知っててすごいですね、なんて言うんだ。そんなわけないだろう。全部他人が研究したものを誰かが下調べして、それをさも自分が知っているかのように暗記して喋っているだけだ。」
こんなことは別に私の父だけでなく学者なら誰でも言っていたことだろうが、「池上彰」について、絶対に思い出さないといけないはずの「鈴木健二」にほとんど誰も言及しないことに気づくと、父の慨嘆を思い起こす。
鈴木健二は『気くばりのすすめ』が大ベストセラーになったが、その理由は彼が「クイズ面白ゼミナール」の司会者だったからだ。いつの時代にも「クイズ面白ゼミナール」は求められていて、あの時代は鈴木健二が、今は池上彰が担っている。NHKの誰かからそれを求めるというのが、日本人の国民性と言うことなのか。
しかしこういう流用に流用を重ねる番組に自説が断片的に取り上げられると、こちらが書いた本の方があたかも「鈴木健二=池上彰」から取ってきたかのように言い出す人が世間には出てくる。
まあ、世間の賞賛とは「あんなに暗記できるなんてすごい」とかいう程度だったりするのだろう。相手にはしていられないが、池上彰=鈴木健二だ、ということぐらいは年配の方は認識して欲しい。池上彰=鈴木健二個人には対象とするテーマに関するいかなる検証能力もないことを理解した上で、その上で消費するなら一向に構わない。 
クイズ面白ゼミナール - Wikipedia『クイズ面白ゼミナール』(クイズおもしろゼミナール)は、1981年4月9日から1988年4月3日までNHK総合テレビで放送されていた教養クイズ番組である。
JA.WIKIPEDIA.ORG
https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi/posts/10202699819735677

鈴木健二氏
クイズ面白ゼミナールは昔、見た覚えがありますが、さりとて彼がどのようなことを言っていたのか、忘却の彼方です。その当時、テレビにでて語ったいた他の人や、無論、他の人で、書籍などを読んでその人の言っていることを覚えている人は大勢いるのですが、鈴木健二氏というと、本当に何も覚えていません。きれいさっぱり頭のなかから消えました。

そういわれてみれば、私は鈴木健二氏が全盛の頃、丁度ドラッカーの書籍を読み始めたのですが、ドラッカーの書籍に書いている事柄は今でも、鮮明に覚えていることが多数あります。

やはり、請売りばかりして対象とするテーマに関するいかなる検証能力もない人の話は時が経つとともに忘れてしまうのだと思います。

池上彰氏や、鈴木健二氏に対する私の評価はこのようなものですが、ショーンKとなると、さらに、新聞や、テレビの請売りをうまく話しているだけという印象です。

このショーンKに対する擁護論などもありますが、私自身は、この擁護論には絶対に与しません。



ショーンKに幻惑された人は、自分の考え方などに偏りがないかもう一度ご自分を再点検されたほうが良いと思います。

ただし、私自身は、ショーンKに対して、いわわる言論人としてのあり方について批判していますし、擁護論には全く与することはできませんが、ショーンKの役者としての能力や、芸人としての能力に対しては、そうは思いません。あれだけ、多くの人を幻惑できたのですから、その能力を活かす場所は他にあったと思います。

それに、学歴だけがすべてではないと思います。学歴がなくても、言論活動をしている人もいます。たとえば、YouTuberとして活躍しているKazuya氏などその典型です。

彼は、学歴を詐称することもなく、自分は高卒であることをはっきり自身の動画で述べています。その上で、言論活動をしており、著書なども出しています。

そのKazuya氏が、ショーンKについて解説している動画を以下に掲載します。


Kazuya氏も言論人として活躍しているのですから、ショーンKもそのような道はあったのだと思います。

一方Kazuya氏は、日々動画作成などで、研鑽を積んでいます。今のところ、言論活動は、YouTubeやニコ動、書籍などに限られていますが、最近では新聞にも寄稿しています。いずれ、テレビでの言論活動もできるようになるかもしれません。

しかし、ショーンKも、池上彰氏なども言論人としての資格はないと思います。少なくとも、言論人としては、自分が言論する内容に関する、検証能力が求められるはずです。自分の行う言論に関して、それが正しいと信じる理由を自分なりに調べたり、思考した結果を人々にわかりやすく語ることができない人間など、そもそも最初から言論人面をすべきではありません。

池上彰氏や、鈴木健二のような人も、言論人のような行動をするから批判するのであって、アナウンサーとか、芸人や役者としてテレビのバラエティー番組で司会をするというのなら、別に何の問題もないと思います。

また、言論人でなくても、言論をする事自体は、自由であるべきです。しかし、公の電波を使った、公共放送などでは、すべきではありません。

しかし、今回の事件は、様々な社会の歪みを私達の前に白日の元に晒したと思います。

そもそも、政治家や、マスコミや、官僚、大学教授などでも、自分の語っている対象に関して、まともな検証能力もなく言論活動をする人は多いです。

このブログにもよく掲載する8%増税などに対して積極的に後押ししたり、賛同したりした人達などその典型です。これは、具体的な氏名もこのブログに掲載したことが何度かあります。

この中で、言論活動を活発にしない人はまだ良いのですが、テレビなどで積極的に言論活動をしている人たちは、ショーンkのように学歴詐称はしていないものの、ショーンKなどと同じく言論人面などすべきではありません。

害悪を撒き散らすだけです。それに、何年かすれば、鈴木健二のように忘れ去られてしまう存在に過ぎないです。全く時間と、エネルギーの浪費です。

今後私たちは、テレビ、新聞、雑誌、その他のメディアでも、言論活動をする人たちの言うことを鵜呑みにするのではなく、そもそも、こういう人たちが、言論人として自らの言論の正しさを検証できるうる人物なのが、品定めして話を聴くべきものと思います。

特に、メディアは、言論人の言論を掲載するというのなら、その言論人が言論人としてまともな人間なのかしっかりと検証してから用いるべきでしょう。

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2016年3月19日土曜日

英国高速鉄道に日立製作所の新型車両「あずま」 ロンドンで公開、2018年に運行―【私の論評】鉄道発祥のイギリスが日本の車両を導入する一方インドネシアは中国の新幹線劣化コピーで頓挫(゚д゚)!


18日、ロンドンで公開された日立製作所製の英鉄道車両「ヴァージン アズマ(あずま)」
英鉄道会社ヴァージン・トレインズは18日、日立製作所から納入された「都市間高速鉄道計画(IEP)」の「ヴァージン・あずま」を、ロンドン市内のキングス・クロス駅で公開した。日立製作所が笠戸事業所(山口県)で製造して英国内で試験走行してきた高速鉄道車両「クラス800」で、2018年からロンドンと英北部スコットランドのインバネス間で運行を開始する。

ヴァージン・トレインズによると、イースト・コースト本線を走行することから日本語で東を意味する「あずま」と名付けられた。日立製作所が開発した新型車両で、コンパクトなデザインで最新の省エネ技術を取り入れた駆動システムを採用、運転速度は最高で時速125マイル(201キロ)。設計上時速140マイル(225キロ)まで出せる。

電化区間は架線から電力供給し、非電化区間は床下のエンジンと発電機ユニットから電力供給できる「バイモード技術」を採用、電化・非電化両区間の直通運転ができる。日立製作所は「軽量化など日本で培ってきた技術が生かされている」とアピールした。

ヴァージン・グループの創設者で会長のリチャード・ブランソン氏は、「『あずま』によってイースト・コースト本線は21世紀の英国で最も洗練された先進的な路線となる」と語った。

公開された車両は、昨年1月英国に搬送され、試験走行を実施。同社は、英運輸省からIEP向けに122編成(866両)を受注しており、このうち12編成分(76両)は笠戸事業所で製造、残る110編成分(790両)は英中部ダラム州ニュートン・エイクリフで今年初めから本格稼働を始めた車両製造工場で順次製造する。

その他同社では「クラス800」を2017年からグレート・ウエスタン本線で営業運転を開始する。

ヴァージン・グループの創設者で会長のリチャード・ブランソン氏は、「『あずま』によってイースト・コースト本線は21世紀の英国で最も洗練された先進的な路線となる」と語った。

リチャード・ブランソン氏
 公開された車両は、昨年1月英国に搬送され、試験走行を実施。同社は、英運輸省からIEP向けに122編成(866両)を受注しており、このうち12編成分(76両)は笠戸事業所で製造、残る110編成分(790両)は英中部ダラム州ニュートン・エイクリフで今年初めから本格稼働を始めた車両製造工場で順次製造する。

その他同社では「クラス800」を2017年からグレート・ウエスタン本線で営業運転を開始する。

【私の論評】鉄道発祥のイギリスが日本の車両を導入する一方インドネシアは中国の新幹線劣化コピーで頓挫(゚д゚)!

上の記事だけを読んでいると、イギリスの鉄道事情に詳しくない方だと、よくわからないと思いますので、以下にその概要を解説します。

イギリスは、国鉄が1社あるわけではなく、20社以上の会社がそれぞれ独立運営しています。

イギリスの国内線はすべて全席自由席です。本来、乗車券のみ(指定券不要)で乗車可能。たとえ満席でも立って乗車可能です。

必ず座りたい方は駅窓口で座席を予約して無料の指定券をもらうことも可能です。ただ、イギリスの鉄道は座席指定が最初からできない鉄道会社(8社(下記参照))も存在します。

以下に、イギリスの主な鉄道路線図を掲載しておきます。

London発着の主な路線図


ChilternRailwaysAbellioGreterAnglia
VirginTrainsSouthWestTrains
LondonMidlandsTrainsFirstGreatWestern
VirginEastCoastSouthern
GrandCentralSouthEasternTrains
FirstHullTrainsThameslink
GreatNorthern/Thameslink
マーク:事前予約可能

ブログ冒頭の記事に出てくる、ヴァージン・トレインズによると、イースト・コースト本線は、上のチャートでは、黄緑色の線です。たしか、インバネスまでは行っていないはずで。この路線の終着駅は、エジンバラで、そこからはスコットレイルに乗り換えて、インバネスまでいくはずだと思います。

VirginEastCoastが延長して、インバネスまで行くようになったのでしょうか。しかし、それも変です。この路線図は最新のもののはずです。このあたり、ご存知の方がいらっしゃったら是非教えて下さい。

London発着以外の主な路線図


ScotrailLondonMidlandsTrains
CrossCountryEastMidlandsTrains
FirstTrainsPennineExpressFirstGreatWestern
ArrivaTrainWalesNorthernRail
VirginTrains
マーク:事前予約可能








それにしても、鉄道の先進国どころか、生みの親であるイギリスに鉄道後進国の日本の日立の車両が用いられるというのですから、これは素晴らしいことです。

確か、商用鉄道としては、 1825年イギリスのストックトン・ダーリントン間を結ぶ鉄道が世界初だったはずです。

このようなイギリスの鉄道会社で日立の車両が用いられるというのですから、本当に日本の技術水準は高いのだと思います。

日立といえば、日本の新幹線の車両も製造しています。やはり、イギリスのような島国の場合、日本の新幹線のような高速鉄道が適しているのだと思います。

フランスには最高時速500kmもだせる、TGVがあります。しかし、フランスなどヨーロツパ大陸は山岳地帯のスイスなどを除いては、平地が多く鉄道路線も直線部分が多いし、高低差もあまりありません。だからこそ、500kmも出せるのです。ただし、これは、後に述べるように試験車では、それだけ出そうと思えば出せるということです。

日本の新幹線は、TGVのように高速は出せませんが、それは日本の国土の特殊事情によるところが大きいです。日本は、狭い国土で、平地も少なく、線路もどうしても曲がりが多く、高低差が激しいです。このようなところでは、時速500Kmも出すのは非常に危険です。

だからこそ、現状の最高速度は320Kmに制限してあるのです。そうして、実際の営業時の最高速度は、時速300kmです。そもそも、駅間が相当広くないとメリットがあまりないので、この位の速度にとどめてあるのです。

なお、試験車では、700系の先行試験車である300Xが営業線での高速走行試験で443.0Km/h、フランスのTGV-Atrantiqueが、やはり試験車両で建設中に515.3km/hを達成しており、これが国内外の最高速度記録です。フランスの記録はき電電圧のアップ、下り勾配の利用等特別な条件での結果であり、営業運転で採用できる方法ではありません。

営業運転で一番最高速度が高いのは、300km/h運転の500系新幹線電車です、営業運転ではTGVも同じく300km/hです。これ以上速度を増すとすれば、やはりもう、現状の方式で無理で、リニアモーターカーということになるでしょう。

細かい説明は、しませんが、輸送効率ということになると、やはり日本の新幹線が世界でトップということになります。

それに、安全性も実証済みです。日本の新幹線は、阪神淡路大震災でも、東日本大震災においても、大事故になるということはありませんでした。さらに、事故率は世界で一番少ないです。

新幹線の人身事故といえば、三島駅乗客転落事故と、これは記憶に新しい、昨年6月東海道新幹線の車内で焼身自殺を図った男のせいで、女性の乗客が1名亡くなられた他、十数名の重軽傷者が出るなどしたとても痛ましい事件くらいなものです。

この事件があったときの、ツイートを以下に掲載します。
しかし、これは新幹線の安全性の問題ではなく、あくまで人為的なものです。新幹線の安全性や、信頼性は、これらの事件で揺らぐことはありませんでした。

だからこそ、イギリスのヴァージン・トレインズも日本の日立の車両に決めたのは、もっともなことだと納得できます。

鉄道発祥のイギリスの鉄道会社が新幹線の技術を持つ日本から車両を導入するというのに、あのインドネシアはどうしてしまったのでしょう。

今日もインドネシアの高速鉄道に関して以下のようなニュースが入ってきました。
中国ようやく5キロ区間だけ建設許可 受注のインドネシア高速鉄道 残る区間なお買収めど立たず 
 インドネシア運輸省は19日までに、ジャワ島の高速鉄道計画(全長142キロ)を担う合弁会社「インドネシア中国高速鉄道」に対し、設計図が提出された5キロの区間の建設認可を出した。残る137キロの区間については必要資料が提出され次第、順次審査するという。 
 同社は認可を得た区間の工事を近く始める予定で、2019年初旬に完工、同年5月に開業するとしている。だが、残る区間の認可がいつ出るのかがはっきりしない上、用地買収のめども立っておらず、計画の先行きにはなお不透明感が漂う。 
 同計画では今年1月に着工式典が行われたが、運輸省の許可が下りず、工事は始まっていなかった。
なんと、たった5キロ区間ですよ、50キロでなくて、5キロです。これって、高速鉄道で走ったら、どのくらいで走り抜けてしまうのでしょうか。ほんの一瞬ですね。

なんということでしょう。 今からこの有様では、これから一体どのくらいかかるのか、想像もつきません。

やはり、中国は海外で事業を展開するのは、無理なのだと思います。中国のアフリカ投資は、のきなみ失敗しています。それは、おそらく、海外での事業の展開も、国内でやるように、地元民のことなど何も考えず、自分たちの都合で、ただ箱物を作るという具合にすすめるからです。

しかも官僚の鶴の一声でやってきたので、何でも自分勝手にすすめることができのですが、他国ではそうはいかないということだと思います。本来まともな国なら、地元の人々の意見も聴きながら、地元に役立つようにしようとするのですが、中国の場合はそんなことは一切考慮せず、自分たちの都合だけで、実施したきたので、相手のニーズを汲み取るなどということが一切できないし、相手と一緒に作りあげるという観念がないのだと思います。

それに、イギリスのヴァージン・グループの創設者で会長のリチャード・ブランソン氏は、中国の高速鉄道など、日本の新幹線の劣化コピーに過ぎないことを当然知っているのだと思います。

そんなところから、導入すれば、安全性は極度に低いですし、たとえ安く導入できたとしても、安全性の面からいえば、やはり安物買いの銭失いということになりかねません。

インドネシアのジョコ大統領は、まさに安物買いの銭失いをしたと思います。


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