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2016年3月19日土曜日

英国高速鉄道に日立製作所の新型車両「あずま」 ロンドンで公開、2018年に運行―【私の論評】鉄道発祥のイギリスが日本の車両を導入する一方インドネシアは中国の新幹線劣化コピーで頓挫(゚д゚)!


18日、ロンドンで公開された日立製作所製の英鉄道車両「ヴァージン アズマ(あずま)」
英鉄道会社ヴァージン・トレインズは18日、日立製作所から納入された「都市間高速鉄道計画(IEP)」の「ヴァージン・あずま」を、ロンドン市内のキングス・クロス駅で公開した。日立製作所が笠戸事業所(山口県)で製造して英国内で試験走行してきた高速鉄道車両「クラス800」で、2018年からロンドンと英北部スコットランドのインバネス間で運行を開始する。

ヴァージン・トレインズによると、イースト・コースト本線を走行することから日本語で東を意味する「あずま」と名付けられた。日立製作所が開発した新型車両で、コンパクトなデザインで最新の省エネ技術を取り入れた駆動システムを採用、運転速度は最高で時速125マイル(201キロ)。設計上時速140マイル(225キロ)まで出せる。

電化区間は架線から電力供給し、非電化区間は床下のエンジンと発電機ユニットから電力供給できる「バイモード技術」を採用、電化・非電化両区間の直通運転ができる。日立製作所は「軽量化など日本で培ってきた技術が生かされている」とアピールした。

ヴァージン・グループの創設者で会長のリチャード・ブランソン氏は、「『あずま』によってイースト・コースト本線は21世紀の英国で最も洗練された先進的な路線となる」と語った。

公開された車両は、昨年1月英国に搬送され、試験走行を実施。同社は、英運輸省からIEP向けに122編成(866両)を受注しており、このうち12編成分(76両)は笠戸事業所で製造、残る110編成分(790両)は英中部ダラム州ニュートン・エイクリフで今年初めから本格稼働を始めた車両製造工場で順次製造する。

その他同社では「クラス800」を2017年からグレート・ウエスタン本線で営業運転を開始する。

ヴァージン・グループの創設者で会長のリチャード・ブランソン氏は、「『あずま』によってイースト・コースト本線は21世紀の英国で最も洗練された先進的な路線となる」と語った。

リチャード・ブランソン氏
 公開された車両は、昨年1月英国に搬送され、試験走行を実施。同社は、英運輸省からIEP向けに122編成(866両)を受注しており、このうち12編成分(76両)は笠戸事業所で製造、残る110編成分(790両)は英中部ダラム州ニュートン・エイクリフで今年初めから本格稼働を始めた車両製造工場で順次製造する。

その他同社では「クラス800」を2017年からグレート・ウエスタン本線で営業運転を開始する。

【私の論評】鉄道発祥のイギリスが日本の車両を導入する一方インドネシアは中国の新幹線劣化コピーで頓挫(゚д゚)!

上の記事だけを読んでいると、イギリスの鉄道事情に詳しくない方だと、よくわからないと思いますので、以下にその概要を解説します。

イギリスは、国鉄が1社あるわけではなく、20社以上の会社がそれぞれ独立運営しています。

イギリスの国内線はすべて全席自由席です。本来、乗車券のみ(指定券不要)で乗車可能。たとえ満席でも立って乗車可能です。

必ず座りたい方は駅窓口で座席を予約して無料の指定券をもらうことも可能です。ただ、イギリスの鉄道は座席指定が最初からできない鉄道会社(8社(下記参照))も存在します。

以下に、イギリスの主な鉄道路線図を掲載しておきます。

London発着の主な路線図


ChilternRailwaysAbellioGreterAnglia
VirginTrainsSouthWestTrains
LondonMidlandsTrainsFirstGreatWestern
VirginEastCoastSouthern
GrandCentralSouthEasternTrains
FirstHullTrainsThameslink
GreatNorthern/Thameslink
マーク:事前予約可能

ブログ冒頭の記事に出てくる、ヴァージン・トレインズによると、イースト・コースト本線は、上のチャートでは、黄緑色の線です。たしか、インバネスまでは行っていないはずで。この路線の終着駅は、エジンバラで、そこからはスコットレイルに乗り換えて、インバネスまでいくはずだと思います。

VirginEastCoastが延長して、インバネスまで行くようになったのでしょうか。しかし、それも変です。この路線図は最新のもののはずです。このあたり、ご存知の方がいらっしゃったら是非教えて下さい。

London発着以外の主な路線図


ScotrailLondonMidlandsTrains
CrossCountryEastMidlandsTrains
FirstTrainsPennineExpressFirstGreatWestern
ArrivaTrainWalesNorthernRail
VirginTrains
マーク:事前予約可能








それにしても、鉄道の先進国どころか、生みの親であるイギリスに鉄道後進国の日本の日立の車両が用いられるというのですから、これは素晴らしいことです。

確か、商用鉄道としては、 1825年イギリスのストックトン・ダーリントン間を結ぶ鉄道が世界初だったはずです。

このようなイギリスの鉄道会社で日立の車両が用いられるというのですから、本当に日本の技術水準は高いのだと思います。

日立といえば、日本の新幹線の車両も製造しています。やはり、イギリスのような島国の場合、日本の新幹線のような高速鉄道が適しているのだと思います。

フランスには最高時速500kmもだせる、TGVがあります。しかし、フランスなどヨーロツパ大陸は山岳地帯のスイスなどを除いては、平地が多く鉄道路線も直線部分が多いし、高低差もあまりありません。だからこそ、500kmも出せるのです。ただし、これは、後に述べるように試験車では、それだけ出そうと思えば出せるということです。

日本の新幹線は、TGVのように高速は出せませんが、それは日本の国土の特殊事情によるところが大きいです。日本は、狭い国土で、平地も少なく、線路もどうしても曲がりが多く、高低差が激しいです。このようなところでは、時速500Kmも出すのは非常に危険です。

だからこそ、現状の最高速度は320Kmに制限してあるのです。そうして、実際の営業時の最高速度は、時速300kmです。そもそも、駅間が相当広くないとメリットがあまりないので、この位の速度にとどめてあるのです。

なお、試験車では、700系の先行試験車である300Xが営業線での高速走行試験で443.0Km/h、フランスのTGV-Atrantiqueが、やはり試験車両で建設中に515.3km/hを達成しており、これが国内外の最高速度記録です。フランスの記録はき電電圧のアップ、下り勾配の利用等特別な条件での結果であり、営業運転で採用できる方法ではありません。

営業運転で一番最高速度が高いのは、300km/h運転の500系新幹線電車です、営業運転ではTGVも同じく300km/hです。これ以上速度を増すとすれば、やはりもう、現状の方式で無理で、リニアモーターカーということになるでしょう。

細かい説明は、しませんが、輸送効率ということになると、やはり日本の新幹線が世界でトップということになります。

それに、安全性も実証済みです。日本の新幹線は、阪神淡路大震災でも、東日本大震災においても、大事故になるということはありませんでした。さらに、事故率は世界で一番少ないです。

新幹線の人身事故といえば、三島駅乗客転落事故と、これは記憶に新しい、昨年6月東海道新幹線の車内で焼身自殺を図った男のせいで、女性の乗客が1名亡くなられた他、十数名の重軽傷者が出るなどしたとても痛ましい事件くらいなものです。

この事件があったときの、ツイートを以下に掲載します。
しかし、これは新幹線の安全性の問題ではなく、あくまで人為的なものです。新幹線の安全性や、信頼性は、これらの事件で揺らぐことはありませんでした。

だからこそ、イギリスのヴァージン・トレインズも日本の日立の車両に決めたのは、もっともなことだと納得できます。

鉄道発祥のイギリスの鉄道会社が新幹線の技術を持つ日本から車両を導入するというのに、あのインドネシアはどうしてしまったのでしょう。

今日もインドネシアの高速鉄道に関して以下のようなニュースが入ってきました。
中国ようやく5キロ区間だけ建設許可 受注のインドネシア高速鉄道 残る区間なお買収めど立たず 
 インドネシア運輸省は19日までに、ジャワ島の高速鉄道計画(全長142キロ)を担う合弁会社「インドネシア中国高速鉄道」に対し、設計図が提出された5キロの区間の建設認可を出した。残る137キロの区間については必要資料が提出され次第、順次審査するという。 
 同社は認可を得た区間の工事を近く始める予定で、2019年初旬に完工、同年5月に開業するとしている。だが、残る区間の認可がいつ出るのかがはっきりしない上、用地買収のめども立っておらず、計画の先行きにはなお不透明感が漂う。 
 同計画では今年1月に着工式典が行われたが、運輸省の許可が下りず、工事は始まっていなかった。
なんと、たった5キロ区間ですよ、50キロでなくて、5キロです。これって、高速鉄道で走ったら、どのくらいで走り抜けてしまうのでしょうか。ほんの一瞬ですね。

なんということでしょう。 今からこの有様では、これから一体どのくらいかかるのか、想像もつきません。

やはり、中国は海外で事業を展開するのは、無理なのだと思います。中国のアフリカ投資は、のきなみ失敗しています。それは、おそらく、海外での事業の展開も、国内でやるように、地元民のことなど何も考えず、自分たちの都合で、ただ箱物を作るという具合にすすめるからです。

しかも官僚の鶴の一声でやってきたので、何でも自分勝手にすすめることができのですが、他国ではそうはいかないということだと思います。本来まともな国なら、地元の人々の意見も聴きながら、地元に役立つようにしようとするのですが、中国の場合はそんなことは一切考慮せず、自分たちの都合だけで、実施したきたので、相手のニーズを汲み取るなどということが一切できないし、相手と一緒に作りあげるという観念がないのだと思います。

それに、イギリスのヴァージン・グループの創設者で会長のリチャード・ブランソン氏は、中国の高速鉄道など、日本の新幹線の劣化コピーに過ぎないことを当然知っているのだと思います。

そんなところから、導入すれば、安全性は極度に低いですし、たとえ安く導入できたとしても、安全性の面からいえば、やはり安物買いの銭失いということになりかねません。

インドネシアのジョコ大統領は、まさに安物買いの銭失いをしたと思います。


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2014年7月9日水曜日

豪首相「日本は法の下で行動してきた」 歴史問題で批判を繰り返す中国を強く意識―【私の論評】中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動している(゚д゚)!

豪首相「日本は法の下で行動してきた」 歴史問題で批判を繰り返す中国を強く意識

EPA(経済連携協定)で大筋合意したオーストラリアの
トニー・アボット首相(左)と安倍晋三(しんぞう)首相

安倍晋三首相にとって7日のニュージーランドのキー首相、8日のオーストラリアのアボット首相との首脳会談は、集団的自衛権の行使を限定容認する憲法解釈変更について、1日の閣議決定後に初めて外遊先で説明する場となった。特にアジア太平洋地域の大国であるオーストラリアの支持が得られるかがポイントだったが、アボット首相は安倍首相が直接、全閣僚に説明をする場を設けるなど歓迎姿勢を示した。

「こうした会合に外国の首脳を招いたのは英国のブレア元首相以来だ」

8日の日豪首脳会談後、連邦議会内で開かれた安倍首相とアボット政権の全閣僚との会合で、アボット首相はそう語った。各閣僚は一様に「今日の議会での演説は素晴らしかった」などと安倍首相を持ち上げた。

首脳会談を受けて発表された共同声明には、日豪関係を「特別な戦略的パートナーシップ」と明記。友好国とは「戦略的パートナーシップ」とする表現が一般的だが、「日豪は通常より一段上の関係」(政府高官)との理由で“準同盟国”扱いすることになった。

アボット首相は首脳会談後の記者会見で、歴史問題で執拗(しつよう)に日本批判を繰り返す中国を念頭に「日本は1945年から一歩一歩、法の支配の下で行動してきた。日本を公平に見てほしい」と訴えた。海洋安全保障の強化を目指し、日本とハワイ、オーストラリア、インドをひし形に結ぶ「安全保障のダイヤモンド構想」を提唱する安倍首相は自信を一層深めたようだ。

【私の論評】中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動している(゚д゚)!

また、安部総理の外交の大勝利です。中国は、地団駄踏んで悔しがっていることでしょう。

オーストラリアは、アングロサクソン系で英語を母国語とする国でありながら、中国の海洋進出の表舞台となっている南シナ海からかなり近いです。

南シナ海から近いオーストラリア
当然のことながら、中国の海洋進出は人事ではなく、自らのこととして真摯に受け止めているものと思います。

このオーストラリア日本の南氷洋の捕鯨を国際裁判所に提訴し、日本は負けてしまったということが、ありました。しかし、この提訴は前の政権によるものであり、現政権は捕鯨問題に関しては、なるべく事を荒立てなくないという姿勢であり、前々からその配慮をうかがい知ることができました。

また、現状では、オーストラリアは中国経済に大きな影響を受ける構造になってしまっています。

これに関しては、下の資料をご覧いだければ、良くご理解できると思います。
中国要因に振り回されるオーストラリア経済
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、オーストラリアがいかに中国に依存しているか、以下のグラフを見ると明らかです。


しかし、最近では中国経済の落ち込みは明らかです、そうなるとオーストラリアは甚大な影響を受けてしまうわけです。これは、日本国内にも大勢存在する中国幻想によった人々のようであり、まさに、中国のポンジ・スキーム(投資詐欺)に載せられて多大な投資をしてしまった愚かな人々のようでもあります。

中国経済は、現実には2008年に崩壊しています。しかし、その事実を隠しポンジ・スキームで何とか切り抜け、自転車操業をしてきたというのが現実です。

しかし、もうそれも続けることはできず、経済崩壊が近づいています。そうなると、オーストラリアの鉄鋼・石炭などの鉱業関係の輸出は激減し、大打撃を受けてしまいます。

だからこそ、オーストラリアは対中国の鉱業関連輸出に依存する経済から抜けだそうと必死に模索しているわけです。

また、中国の最近の海外進出はオーストラリアにとっても脅威です。

この二つの背景を知れば、当然オーストラリアは日本との関係を深めるであろことが、予測できます。

オーストラリアは、対中国の鉱業関係の輸出に変わる輸出物、輸出先を模索しており、その対象として日本は中国を除けば最大のマーケットでもあります。オーストラリアからは、農産物などの輸出もできますし、それだけではなく、他の工業関係の部品などの輸出もできる可能性も高いです。

そうして、こうした予測のもとに、安部総理はオーストラリアを訪問し、上記のような大成果をあげることが出来たのです。

そうして、オーストラリアは良い選択をしたと思います。

こうしたオーストラリアの行動とは対象的に、ドイツ・イギリスは今の時点で中国に擦り寄っています。

これに関しては、以前もこのブログで紹介しましたので、その記事のURLを掲載します。
【脱中国元年】英、独の中国擦り寄りと反日暴動の深い意味 複雑怪奇な世界情勢―【私の論評】 対中国政策が示す日が沈むEU、日が昇る日本。すでに不退転の決意を示している日本国民!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、宮崎正弘氏の以下の論評を紹介しました。
 世界情勢は「複雑怪奇」に激変の最中である。日本人はとかく「西側同盟」と「日米同盟」が堅い絆で結ばれていると勘違いしている。国際政治の舞台裏では「昨日の敵は今日の友」「今日の友は明日の敵」である。 
 NATO(北大西洋条約機構)で団結していたはずの欧米同盟とて、中国と対立する米国に意外な方向から敵対者が出現した。何と、英国とドイツが米国に敵対 的態度を示すようになったのである。英、独は中国に異常接近し、特に、英国は金融市場で、ドイツは製造分野でこれまで以上の中国重視政策にかじ取りを変え た。 
この記事は、昨年の2月19日のものです。そうして、最近の李克強のイギリス訪問にもみられるように、イギリスの中国擦り寄りは、今も継続しているようです。ドイツも変わらずというところです。

ドイツのメルケル首相
イギリス、ドイツは、日本と中国との関係やオーストラリアの事例も知っているはずです。さらに、中国経済が破綻の淵にあることも知っているはずです。少なくとも、両国とも優秀なインテリジェンスがありますから、私が個人で知り得るよりもはるかに詳細に報告を受けているはずです。

しかし、同じ情報を受け取っても、人も国も各々の行動は異なってきます。

さて、日本との関係をより深めようというオーストラリアと、泥船中国との関係をより深めようというイギリス・ドイツ、将来的にどちらが吉とでるのでしょうか。

私は、現在の中国の状況を考えると、オーストラリアのほうが吉と出ると思います。

中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動しているのだと思います。直接艦艇や航空機などの危機さらされる国と、そうではない国とでは、やはり緊迫感が違うと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

これについては、その後も追跡して、新たな動きがあれば再度掲載します。

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