2014年7月9日水曜日

豪首相「日本は法の下で行動してきた」 歴史問題で批判を繰り返す中国を強く意識―【私の論評】中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動している(゚д゚)!

豪首相「日本は法の下で行動してきた」 歴史問題で批判を繰り返す中国を強く意識

EPA(経済連携協定)で大筋合意したオーストラリアの
トニー・アボット首相(左)と安倍晋三(しんぞう)首相

安倍晋三首相にとって7日のニュージーランドのキー首相、8日のオーストラリアのアボット首相との首脳会談は、集団的自衛権の行使を限定容認する憲法解釈変更について、1日の閣議決定後に初めて外遊先で説明する場となった。特にアジア太平洋地域の大国であるオーストラリアの支持が得られるかがポイントだったが、アボット首相は安倍首相が直接、全閣僚に説明をする場を設けるなど歓迎姿勢を示した。

「こうした会合に外国の首脳を招いたのは英国のブレア元首相以来だ」

8日の日豪首脳会談後、連邦議会内で開かれた安倍首相とアボット政権の全閣僚との会合で、アボット首相はそう語った。各閣僚は一様に「今日の議会での演説は素晴らしかった」などと安倍首相を持ち上げた。

首脳会談を受けて発表された共同声明には、日豪関係を「特別な戦略的パートナーシップ」と明記。友好国とは「戦略的パートナーシップ」とする表現が一般的だが、「日豪は通常より一段上の関係」(政府高官)との理由で“準同盟国”扱いすることになった。

アボット首相は首脳会談後の記者会見で、歴史問題で執拗(しつよう)に日本批判を繰り返す中国を念頭に「日本は1945年から一歩一歩、法の支配の下で行動してきた。日本を公平に見てほしい」と訴えた。海洋安全保障の強化を目指し、日本とハワイ、オーストラリア、インドをひし形に結ぶ「安全保障のダイヤモンド構想」を提唱する安倍首相は自信を一層深めたようだ。

【私の論評】中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動している(゚д゚)!

また、安部総理の外交の大勝利です。中国は、地団駄踏んで悔しがっていることでしょう。

オーストラリアは、アングロサクソン系で英語を母国語とする国でありながら、中国の海洋進出の表舞台となっている南シナ海からかなり近いです。

南シナ海から近いオーストラリア
当然のことながら、中国の海洋進出は人事ではなく、自らのこととして真摯に受け止めているものと思います。

このオーストラリア日本の南氷洋の捕鯨を国際裁判所に提訴し、日本は負けてしまったということが、ありました。しかし、この提訴は前の政権によるものであり、現政権は捕鯨問題に関しては、なるべく事を荒立てなくないという姿勢であり、前々からその配慮をうかがい知ることができました。

また、現状では、オーストラリアは中国経済に大きな影響を受ける構造になってしまっています。

これに関しては、下の資料をご覧いだければ、良くご理解できると思います。
中国要因に振り回されるオーストラリア経済
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、オーストラリアがいかに中国に依存しているか、以下のグラフを見ると明らかです。


しかし、最近では中国経済の落ち込みは明らかです、そうなるとオーストラリアは甚大な影響を受けてしまうわけです。これは、日本国内にも大勢存在する中国幻想によった人々のようであり、まさに、中国のポンジ・スキーム(投資詐欺)に載せられて多大な投資をしてしまった愚かな人々のようでもあります。

中国経済は、現実には2008年に崩壊しています。しかし、その事実を隠しポンジ・スキームで何とか切り抜け、自転車操業をしてきたというのが現実です。

しかし、もうそれも続けることはできず、経済崩壊が近づいています。そうなると、オーストラリアの鉄鋼・石炭などの鉱業関係の輸出は激減し、大打撃を受けてしまいます。

だからこそ、オーストラリアは対中国の鉱業関連輸出に依存する経済から抜けだそうと必死に模索しているわけです。

また、中国の最近の海外進出はオーストラリアにとっても脅威です。

この二つの背景を知れば、当然オーストラリアは日本との関係を深めるであろことが、予測できます。

オーストラリアは、対中国の鉱業関係の輸出に変わる輸出物、輸出先を模索しており、その対象として日本は中国を除けば最大のマーケットでもあります。オーストラリアからは、農産物などの輸出もできますし、それだけではなく、他の工業関係の部品などの輸出もできる可能性も高いです。

そうして、こうした予測のもとに、安部総理はオーストラリアを訪問し、上記のような大成果をあげることが出来たのです。

そうして、オーストラリアは良い選択をしたと思います。

こうしたオーストラリアの行動とは対象的に、ドイツ・イギリスは今の時点で中国に擦り寄っています。

これに関しては、以前もこのブログで紹介しましたので、その記事のURLを掲載します。
【脱中国元年】英、独の中国擦り寄りと反日暴動の深い意味 複雑怪奇な世界情勢―【私の論評】 対中国政策が示す日が沈むEU、日が昇る日本。すでに不退転の決意を示している日本国民!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、宮崎正弘氏の以下の論評を紹介しました。
 世界情勢は「複雑怪奇」に激変の最中である。日本人はとかく「西側同盟」と「日米同盟」が堅い絆で結ばれていると勘違いしている。国際政治の舞台裏では「昨日の敵は今日の友」「今日の友は明日の敵」である。 
 NATO(北大西洋条約機構)で団結していたはずの欧米同盟とて、中国と対立する米国に意外な方向から敵対者が出現した。何と、英国とドイツが米国に敵対 的態度を示すようになったのである。英、独は中国に異常接近し、特に、英国は金融市場で、ドイツは製造分野でこれまで以上の中国重視政策にかじ取りを変え た。 
この記事は、昨年の2月19日のものです。そうして、最近の李克強のイギリス訪問にもみられるように、イギリスの中国擦り寄りは、今も継続しているようです。ドイツも変わらずというところです。

ドイツのメルケル首相
イギリス、ドイツは、日本と中国との関係やオーストラリアの事例も知っているはずです。さらに、中国経済が破綻の淵にあることも知っているはずです。少なくとも、両国とも優秀なインテリジェンスがありますから、私が個人で知り得るよりもはるかに詳細に報告を受けているはずです。

しかし、同じ情報を受け取っても、人も国も各々の行動は異なってきます。

さて、日本との関係をより深めようというオーストラリアと、泥船中国との関係をより深めようというイギリス・ドイツ、将来的にどちらが吉とでるのでしょうか。

私は、現在の中国の状況を考えると、オーストラリアのほうが吉と出ると思います。

中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動しているのだと思います。直接艦艇や航空機などの危機さらされる国と、そうではない国とでは、やはり緊迫感が違うと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

これについては、その後も追跡して、新たな動きがあれば再度掲載します。

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