2014年7月14日月曜日

若い世代「幸福度」低め 女性より男性さらに低く ―【私の論評】ちょっ待ってくれ、若い世代が「幸福度」低めなのはあたり前ではないかい?日本は、過去15年以上もデフレのど真ん中でありそれが不幸の最大の原因だから(゚д゚)!

若い世代「幸福度」低め 女性より男性さらに低く 

デフレ下では若者の幸福度が低いのはあたり前ではないか?

高齢者に比べて若い世代の「幸福度」は低め――。厚生労働省が20~80代の男女を対象にした健康意識に関する調査で、こんな傾向が明らかになった。仕事や職場の人付き合いに悩みがある人の方が幸せを感じておらず、厚労省は「仕事上のストレスが現役世代の幸福度を押し下げている」と分析している。

今年2月、全国の20~80代の男女5千人からインターネットで回答を得た。調査結果は8月ごろの閣議に報告する2014年版の厚生労働白書に盛り込まれる。

自分がどの程度幸せかを10点満点で尋ねたところ、平均は6.38点。世代別では、65歳以上は6.92点だったが、40~64歳は6.25点、20~39歳は6.03点と若い世代ほど低かった。性別でも差があり、女性全体の6.62点に対し、男性全体は6.12点だった。

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【私の論評】ちょっ待ってくれ、若い世代が「幸福度」低めなのはあたり前ではないかい?日本は、過去15年以上もデフレのど真ん中でありそれが不幸の最大の原因だから(゚д゚)!

上の記事、重要な視点をすっかり忘れています。それは、この日本は長年デフレが続いているということです。もう15年以上もデフレが続いています。確かに、アベノミクスの包括的金融緩和によって、景気は回復しつつあります。

ただし、今年の増税により、33年一回というくらいの水準で5月にはかなり消費が落ち込みました。日本は、まだまだデフレからは脱却できていません。

デフレという状況は、現在はともかく過去においては諸外国では珍しい状況でした。だから、多くの人々はデフレの状況を知りません。欧米における長期デフレといえば、金融恐慌のときです。あの金融恐慌の原因は、様々に憶測されていましたが、1990年台の研究により、今ではデフレということがはっきり解明されています。

だから、直接経験した人はもうほとんど生存しておらず、たとえかろうじて生存していたとしても物心のついていない時の話であり、多くの人達にとって伝承によるものでしかありません。

しかし、その伝承においても様々な艱難辛苦に悩まされたという事実が継承されています。世界恐慌は、深刻なデフレであり、このような過去の話からもデフレにおいては、多くの人々が幸せを感じるなどということはないということが理解できます。

ちなみに、NHKで過去に放映された「大草原の小さな家」は、大恐慌すなわち、深刻なデフレの時に、父親が投資に失敗して、生きるために田舎暮らしをはじめたインガルス一家の、一人の女の子を主人公とした物語です。

「大草原の我が家」のインガルス一家
あの物語は、単なる開拓者精神の物語のようにも受け取られていますが、現実はそうではありません。深刻なデフレによって、都会暮らしができなくなった一家が田舎暮らしを余儀なくされ、それでも健気に生きていくという、大恐慌にもめげず、創意と工夫で生きたあの時代のモニュメント的な作品なのです。

あの番組がアメリカでも評判になっていたのは、深刻のデフレ時代の先人の苦労が各々の家庭にも伝承されており、それが共感を読んだためでもあります。

日本は、その頃は貧乏ではありましたが、それにしても、世界恐慌により甚大な影響を受けていたのはほんの短い期間であり、第二次世界大戦前には、高橋是清のりフレ政策によって、完璧にデフレから脱していました。アメリカが本格的にデフレから脱客したのは、第二次世界大戦突入からしばらくしてからでした。

このような事情を知らない多くの日本人は、「大草原の小さな家」を単なる開拓者精神や、のどかな田舎の牧歌的な生活の物語と思っているようです。

欧米でも、デフレのときは、何をやってもうまくはいきませんでした。雇用が悪化、賃金が下がり、特に若者にとっては将来に夢や希望を持てない時代でした。何かを是正すると他の何かが駄目になるという状況で閉塞感にさいなまされました。

デフレにおいては、物の値段が下がり、賃金が下がり、雇用が悪化します。しかし、デフレにおいては、急激に物価が下がったりせず、じわじわと下がっていきます。それは、最大でも年率では2%くらいです。インフレでもハイパーインフレだと、年間で者の値段が2倍とか、10倍、場合によっては100倍にもなって、誰の目にも明らかに理解できます。

ハイパーインフレに見舞われたジンバブエ、少しの買い物をするにも、こんなにお金の
持ちあせがないとできなくなった。デフレはじわじわ進むため、多くの人が認識できない。

しかし、デフレは、じわりじわりとやってきますので、多くの人々が認識できないうちに、だんだと悪くなっていきます。実際、そういうこともあって世界恐慌の真の原因がデフレであったこともなかなかそれが解明されず、はっきり解明されたのは、1990年台のことです。これが、解明される前には、それこそ、ユダヤ陰謀説とか、アメリカ陰謀説その他、妙ちくりんな様々な説が流布されていました。

今の日本も似たような状況になっています。日本は、世界恐慌のとき(日本では昭和恐慌)に、高橋是清のりフレ政策によって、素早くデフレ状況から脱却しました。しかし、この当時はケインズの理論(金融政策ならびに財政政策)も世にでておらず、高橋是清の良識によって、事が進められました。だから、今でも、日本では高橋是清の経済対策の本質や、世界でもっともデフレから脱却したという事実があまり継承されていません。

高橋是清

今となっては、このようなことよりも、日本が日米戦争に巻き込まれ、原爆を投下され、歴史上初めて他国に屈服したという記憶のほうがかなり生々しくインパクトがあり、忘れされらているのだと思います。

だからこそ、私たちの日本は、やすやすとデフレの罠にはまり、長期間抜け出すことができなくなったのだと思います。

だからこそ、私たちは、今一度欧米の金融恐慌の時代を振り返り、デフレ下においては特に若い世代の幸福度が低いことは当然であり、これを解消するには、まずは何をさておいても、デフレ脱却であるとの認識を深める必要があります。

デフレ下においては、物価が下がり、賃金が下がり、そうして雇用情勢が悪化するのは当然です。しかし、それだけではありません。日本の経済が悪化し、様々な方面に悪影響を及ぼしていきます。

若い世代の幸福度を低くする真の原因はデフレですが、この真の原因によって、様々な問題が発生します。

賃金の問題、雇用の問題、これらによる先行き不安、企業の投資意欲の減退によって、もたらされる、雇用減以外の職場環境の問題などもあります。税収が減って、社会福祉に回す原資が少なくなります。また、日本だけがデフレで、他国はそうでなければ、円高傾向になり、これらが悪影響を及ぼします。こんなことから、多くの人々が将来に絶望します。

ダイエットに成功した人の写真デフレの害はダイエットの害などと次元が異なる(゚д゚)!


こうしたもろもろの問題が、10個程あったとして、デフレから脱却すれば、少なくとも5個から6個位は自動的に解消します。他の5個から4個の問題に関しては、デフレが解消したからといって、すぐには解消しないかもしれません。

しかし、解消の糸口くらいはつかめるようになります。しかし、デフレから解消できなければ、この10個の問題すべてが解消の糸口さえつかめなくなります。

こんなときに、デフレという大きな問題にとりくまず、個人の問題や企業の問題はては、企業の中の部署や個人の問題に帰したり、政府の問題に帰したり、地方自治体のせいにして、これらのいずれを是正したとしても、また何かが駄目になるだけです。

まずは、デフレを解消しなければ何も始まりません。

そうして、実際に日本は、昨年から日銀が異次元の包括的金融緩和を行いました。その後、皆さんもご存知のように、経済指標などが良くなりつつありました。

しかし、今年5月には、消費が低迷し、その低迷ぶりは、33年に一度の悪さでした。やはり、増税は景気に深刻な影響を与えそうです。これに関しては、このブログでも掲載しましたので、その記事のURLを掲載します。
過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか―【私の論評】総白痴化した支配層にはこんな自明の理も理解できなくなっている!中華や財務省・マスコミの陰謀があったにしても酷すぎ・・・!しかし、希望はある(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとし、やはり増税後の5月の経済指標はかなり悪いです。前2回の増税後の落ち込みよりもかなり落ち込んでおり、これは、33年に一度あるかないかの水準です。
若い世代の幸福度をあげるのはデフレ解消が最優先
やはり、デフレ下の増税はデフレ脱却を遠のかせるものであり、禁じ手と言っても良いくらいの愚策だと思います。

若い世代の幸福度をあげるためにも、特に来年の10%増税は、絶対にさせるべきではありません。デフレ脱却ための、金融緩和政策は、十分行なわれています。しかし、デフレ脱却のための、財政政策は行なわれるどころか、増税という緊縮財政をやってしまったという体たらくです。

来年からの10%増税は絶対に阻止して、公共工事の供給制約のある現在は、積極財政としして減税、給付を大々的に行うべきです。

そうして、一刻もはやくデフレから脱却し、若い世代の幸福度をあげるべきです。若い世代の幸福度があがれば、この国は将来性のある国に生まれ変わり、他の世代にとっても良いことです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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