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2018年2月5日月曜日

【名護市長選】安倍政権支援の渡具知氏が初当選 「名護を変えての思い」―【私の論評】負けて当然だった「オール沖縄」と地元メディア、次は沖縄知事選で瓦解(゚д゚)!

【名護市長選】安倍政権支援の渡具知氏が初当選 「名護を変えての思い」

当選し喜ぶ渡具知武豊氏(手前中央)=4日午後、沖縄県名護市
 米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾(ぎのわん)市=の同県名護市辺野古移設問題が最大の争点となった名護市長選は4日、投開票され、無所属新人で元市議の渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏(56)=自民、公明、維新推薦=が、3期目を目指した無所属現職の稲嶺進氏(72)=民進、共産、自由、社民、沖縄社大推薦、立民支持=を破り、初当選を決めた。投票率は76・92%で、前回(76・71%)を0・21ポイント上回った。

 安倍晋三政権が全面支援した渡具知氏の勝利で、辺野古移設を加速させる環境が整い、移設の早期実現へ大きく前進しそうだ。

 初当選を決めた渡具知氏は「当選は『名護を変えて、もっと発展させてくれ』というみなさんの思いだと思う。これからが大事だ」と強調。普天間飛行場の名護市辺野古への移設については「国と県が係争中なので注視していく」と述べた。

 名護市長選は、辺野古移設を着実に進めたい安倍政権と、反基地を貫く「オール沖縄」勢力の象徴、翁長雄志(おなが・たけし)知事による「代理戦争」の構図だった。今秋に控える知事選の前哨戦にも位置づけられ、両陣営は国政選挙並みの総力戦を展開した。

 移設阻止を訴えてきた稲嶺氏が敗北したことで、翁長氏がこれまで移設反対の大義としてきた「民意」が崩れた格好。安倍政権にとっては、秋の県政奪還に向けて大きな弾みとなった。

 渡具知氏は自民党の推薦に加え、前回の市長選で自主投票とした公明党の推薦を受けた。市議時代には辺野古移設推進の立場をとってきたが、同党内の移設への慎重論に配慮し、市民生活の向上や経済振興などを争点として強調。政府との協調路線を打ち出し、稲嶺市政時代に停止されていた米軍再編交付金も活用した新たな名護市づくりに取り込むと訴えた。

 稲嶺氏は共産党はじめ革新勢力の組織的な支援を背に、告示前には渡具知氏に先行していた。選挙戦でも「辺野古に基地は造らせない」と移設反対を前面に掲げていたが、展望なき移設阻止に偏り過ぎた「空白の2期8年間」に対する不満が市民に徐々に浸透。国と対立し、市民の暮らしや地元振興などが置き去りにされた現状の打開を望む「民意」に退場を突きつけられた。市民の間に「辺野古移設は止められない」というムードが広がっていることも敗因となったとみられる。

 稲嶺氏の敗北により「オール沖縄」勢力の瓦解の流れも強まりそうだ。稲嶺氏と二人三脚で辺野古阻止を主導してきた翁長氏は、次期知事選への態度を明言していないが、再選出馬への戦略の見直しが迫られる。

 政府は昨年4月、辺野古沿岸部の護岸埋め立て工事に着手した。県は工事差し止めを求めて提訴したが、政府は工事を進めている。

【私の論評】負けて当然だった「オール沖縄」と地元新聞、次は沖縄知事選で瓦解(゚д゚)!

この選挙の結果は十分予想がつきました。昨年7月9日の那覇市議選で知事派後退し、過半数割れしました。私は一昨年の宜野湾市長選が分水嶺になり、そこから後の沖縄の選挙ではいわゆる「オール沖縄」が敗北する方向に向いていることを指摘しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
翁長氏打撃 那覇市議選で知事派後退、過半数割れ 県内3市長選全敗に続きお膝元でも―【私の論評】翁長知事の終わりの始まり。宜野湾市長選が分水嶺に(゚д゚)!
翁長雄志沖縄県知事
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部引用します。
任期満了に伴う那覇市議選(定数40)が9日(注:昨年7月)投開票され、10日未明にかけて開票の結果、翁長雄志沖縄県知事を支持する勢力が改選前(欠員5、総数35)の20人から18人に後退し、過半数を割った。
翁長氏は、今年実施された宮古島、浦添、うるまの県内3市長選で新人を支援して自民党が推す現職・前職に挑み、全敗を喫していた。 
さて、以下には宜野湾市長選について引用します。
"
それともう一つの大きな敗因(那覇市議選)は、昨年(注:2016年)の宜野湾市長選の敗北から情勢が大きく変化したものと考えられます。

宜野湾市長選に出馬を表明する元沖縄県幹部の志村恵一郎氏。
右は翁長雄志知事=2015年10月23日、沖縄県宜野湾市
宜野湾市には、辺野古移設問題の原点である海兵隊の普天間飛行場があります。人口はおよそ10万人。その市長選で、志村恵一郎候補は、自民・公明が推す佐喜真淳候補に、得票率で10ポイント以上、票数で6千票近い差をつけられました。事前の「接戦」予測を大きく裏切る惨敗でした。

翁長知事と「オール沖縄」陣営が、宜野湾市民にここまで拒否された理由は決して複雑なものではありません。それは「戦うべきではない選挙で、戦えない候補を持ち出し、戦えない戦略で戦った」からに過ぎません。

翁長知事サイドが宜野湾市長選で候補者を立てようとした動機は、辺野古予定地での着工手続きをめぐって裁判で戦っている安倍政権に、反辺野古の結束の強さを見せつけることでした。

来るべき6月の県議選、夏の参院選(あるいは同日選)に向けて、選挙の年といわれる2016年を勝ち抜くキックオフにしたかったのです。沖縄県、辺野古の地元・名護市、普天間飛行場のある宜野湾市。この基地問題のトライアングルを固め、日本政府の訴訟攻勢への反証にしたい思惑があり、勝利の後は、翁長知事、名護市長、宜野湾市長の三者で訪米するというプランも立てていたとされています。

世論の流れを読むことに長けていた翁長知事は、もともと自身の選挙も他人を応援する選挙もともに強く、「無敗の翁長」の伝説もあるほどでした。加えて、自身の知事選を含めて、反辺野古を掲げた2014年の選挙では連戦連勝。自分が乗り出せば勝てる、という計算があったはずです。

しかし、宜野湾市は、普通に考えれば楽に勝てる場所ではありませんでした。長年の革新市政の下、市内の経済開発は大きく停滞。4年前の選挙で革新候補を破った現職の佐喜真氏は就任から積極的に経済開発にも取り組み、宜野湾市は明るさを取り戻しつつありました。市民の間には当然革新市政への拒否感が残っており、共産党も加わるオール沖縄はその点でも不利でした。

加えて、擁立した候補の志村氏は、父親が元県議会議長という血筋はありますが、政治家の経験は浅く、「あいさつでも原稿をつかえながら読み上げる姿にがっかりした」と宜野湾の人々は口々に語っていました。要は、タマが今ひとつだったのです。一方、佐喜真陣営はこまめに若者や女性の活動や集会に顔を出し、実際はディズニー系のホテルに過ぎない「ディズニーリゾート誘致」をできるだけ大きく宣伝して人々の経済的関心を引きつけていきました。

オール沖縄は保守から革新まで異なる背景の人々が集まったグループなので、勢いがあるときはいいのですが、守りに入ると弱いです。その欠点が出た選挙でした。

「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手を
つなぐ参加者=2015年12月14日夜、沖縄県宜野湾市
宜野湾という地の利、候補者の人の利でともに不利であるところに加えて、この選挙でオール沖縄陣営は、普天間基地の移設に賛成しながら、辺野古移設に反対する「矛盾」への回答を明確に説明しきれなかった感がありました。この矛盾はどう考えても、合理的に説明して、有権者を納得させることは難しいものでした。

政治は有権者を説得するゲームです。利益誘導やしがらみが地方選挙では目立つと言われていますが、有権者は見るべき点はちゃんと見ているものです。「理屈」が通らない話をされても、判断能力のある市民にごまかしは効かなかったのです。

沖縄県全体の選挙であれば、あるいは、何とかなったのかも知れません。しかし、普天間基地を抱える宜野湾の人々は、代替基地を辺野古に造れない場合、普天間返還そのものが雲散霧消しかねないリスクがあるという冷たい現実を十分に意識していました。その点を明確にせず、普天間移設と辺野古拒否の両方をセットで宜野湾の人々に納得させるなどは、本当はかなり難しいことだったのです。

この宜野湾市長選挙は沖縄政治の分水嶺になった可能性もあります。その後今年に入ってからの選挙は、上にも掲載したように、これで、宮古島、浦添、うるまの県内3市長選で敗北、那覇市議選でも敗北です。明らかに流れは変わったようです。まさに、翁長知事の終わりの始まりだと考えられます。
"
この流れは、余程のことがない限り、止めることはできないでしょう。今回の名護市長選の敗北は「翁長時代の終わり」を告げる序曲になりそうです。

「オール沖縄」の運命は、翁長知事が、敗北を受け止め、翁長知事を含めてオール沖縄陣営に油断や慢心がなかったかを真摯に振り返り、翁長知事が辺野古反対だけではない政治家であると県民に改めて信じさせられるかにかかっています。

その翁長知事は、4日の名護市長選で新基地建設反対を訴えた現職の稲嶺進氏が敗れたことに関し「私が(新基地建設阻止の)公約を掲げ、支えて頂いた県民の民意は生きている」と述べ、県民は新基地建設反対の意思を持っているとの認識を示しています。埋め立て承認を撤回する考えに変わりはないことも明言しました。

これではもうこの大きな流れは止めることができないでしょう。

それと、忘れてはならないのは、名護市長選の「オール沖縄」の敗北は沖縄地元メディアの敗北でもあるということです。

本日は沖縄タイムスに以下のような記事が掲載されていました。
【記者の視点】名護市長選 敗者は日本の民主主義 | 沖縄タイムス+プラス 
「N5」護岸建設予定地で海側へ投下される石材=2017年11月6日、
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ(小型無人機から)
この記事、沖縄タイムスの記事にしても、あまりに酷い内容なので、以下に全文引用します。
 名護市長選の陰の勝者は、安倍政権だった。そして陰の敗者は、この国の民主主義だった。

 直前の世論調査でも、市民の3分の2が辺野古新基地建設に反対している。それでも稲嶺進氏が落選したのは、工事がじりじりと進んだことが大きい。市民は実際に止められるという希望が持てなかった。

 稲嶺氏自身は公約を守り、民意を体現して阻止に動いてきた。日本が民主主義国家であるなら、工事は当然止まるはずだった。

 安倍政権は、既成事実を積み重ねて市民の正当な要求を葬った。民主主義の理想から最も遠い「あきらめ」というキーワードを市民の間に拡散させた。

 稲嶺氏の2期目が始まった2014年に辺野古の工事に着手。抗議行動を鎮圧するため本土から機動隊を導入し、16年の東村高江では自衛隊まで使った。

 力を誇示する一方、辺野古周辺の久辺3区に極めて異例の直接補助金を投入した。今回の選挙直前には、渡具知武豊氏が当選すれば新基地容認を明言しなくても再編交付金を出すと言いだした。何でもありなら、財源を巡る政策論争は成り立たない。

 安倍政権は名護の選挙の構図自体を4年かけて変え、市民から選択の余地を奪った。大多数の国民がそれを黙認してきた。

 渡具知氏も「辺野古の『へ』の字も言わない」という戦略で、暮らしの向上と経済振興を語った。市民は反対しても工事が進むならせめて、と渡具知氏に希望を託した。基地問題からは、いったん降りることにした。それを責める資格が誰にあるだろう。

 民意を背負えば、小さな自治体でも強大な権力に対して異議申し立てができる。沖縄に辛うじて息づいていたこの国の民主主義と地方自治は、ついにへし折られた。(北部報道部・阿部岳)

記事を書いた阿部岳記者は以前、沖縄に講演に来た百田尚樹氏とバトルになったことで注目されたそうだが、テレビのインタビューに対し、「中間中立で報道しているという気はない」「沖縄の立場に偏っている」などと公然と語っていました。
朝日放送「キャスト」より
選挙結果よりも自社の世論調査の結果を重要視し、その通りにならないと民主主義国家ではないとこのような恨み節を吐くというのではどうにもなりません。

そもそも、「民主主義の敗北」とは、クーデターや、選挙結果を無視した権力奪取のことです。 正しい手続きによる選挙の結果を認められない態度こそ、民主主義の否定です。名この記者は、名護市長選挙そのものや、投票した人の選挙権は無視するというのでしょうか。本当にとんでもない記事です。


上の写真は、今回の選挙の出口予想の「世代別投票先」を示すグラフです。若い世代と高齢者世代とで、ここまでくっきり分かれるのかと驚きました。これは、ある意味で「ネット世代」と「オールドメディア世代」の差でもあると考えられます。

RBC出口調査では、以下の写真のような結果になっています。


若い世代のこのような投票行動を「あきらめ」と呼べるものでしょうか。どう考えても無理があります。

今回の選挙では、沖縄の地元メデイアも負けたということだと思います。上記のような、ハチャメチャな記事を書くようでは、地元新聞ももう焼きが回ったとしか思えません。次の知事選では、翁長氏が敗北し、いずれ沖縄の地元新聞も崩壊するのではないでしょうか。特に、若い世代は地元新聞など今でも、そうして将来にわたっても購読することはないでしょう。

「オール沖縄」も沖縄の地元新聞も、もう世の中の流れが変わっていることを読めないようです。それは、国政レベルでの野党や、大メディアも同じです。これから先、老人は長生きしないし、今はその多くがあまり重要な地位についていない若者たちが、新しい国、新しい社会、新しい地域、新しい企業・組織を築いていくという事実を忘れているのだと思います。

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2016年6月19日日曜日

沖縄県民大会 革新にのみこまれた翁長氏 ついに「海兵隊撤退」言及―【私の論評】オール沖縄は、すでに骨抜き状態(゚д゚)!


沖縄で米軍属が逮捕された女性暴行殺害事件に抗議し、被害女性を追悼する「県民大会」で、
「怒りは限界を超えた」と書かれた紙を掲げる参加者たち=19日午後、那覇市の奥武山公園
那覇市で開かれた県民大会のメーン会場となった奥武山公園の陸上競技場は那覇空港からモノレールで約10分で着く。開会の30分前、最寄り駅の改札は会場に向かう人たちで長蛇の列ができていた。

平成7年に米兵少女暴行事件に抗議し、主催者発表で約8万5千人(県警発表は約5万8千人)を集めた県民大会の会場は宜野湾海浜公園だった。空港から車で30分以上かかる。

今回の大会に出席を見送った市長の一人は「県外からの動員を期待して会場を決めたはずだ」と指摘する。

声を張り上げて演説する翁長雄志・沖縄県知事=19日
午後3時10分、沖縄県那覇市の奥武山陸上競技場

■参加のハードル

「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾」

大会名にはこんなスローガンが掲げられ、採択した決議には「海兵隊の撤退」が盛り込まれた。これは翁長雄志知事が参加する上で高いハードルだった。翁長氏の公約は米軍普天間飛行場(宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)の名護市辺野古移設阻止で、革新勢力が訴える海兵隊の撤退までは求めていないからだ。

翁長氏は苦肉の策で、辺野古移設阻止や、自民党が主張する基地の整理・縮小も「海兵隊撤退という言葉の中に含まれる」との方便を持ち出し、大会参加に踏み切った。政府高官は「海兵隊の撤退要求は日米安保体制を否定するもので、(翁長氏が)保守政治家として日米安保に理解を示すというのであれば明確に一線を画すべきだ」と批判する。

ただ、オール沖縄会議の支援を受ける翁長氏にとって大会に不参加という選択肢もなかった。今月5日の県議選で議席を増やし、発言力を高める革新政党に決議内容を固められた末に大会に引きずり出され、海兵隊撤退要求にも言及せざるを得ず、保守政治家を自称する根拠はさらに乏しくなったといえる。

会場に集まった人たち=19日午後1時半、沖縄県那覇市の奥武山陸上競技場
 ■砂上の楼閣は
翁長氏を支持する勢力のうち唯一の保守系議員の集まりである那覇市議会会派「新風会」の2人は県議選で共倒れし、会派も分裂。翁長氏は日米安保や米軍基地を指して「砂上の楼閣」という言葉を好んで使うが、「(翁長氏は)革新にのみこまれ、保革融合のオール沖縄こそ砂上の楼閣」(県幹部)と指摘される。

革新政党の主張が前面に掲げられた大会に自民、公明両党が参加できるはずもなく、翁長氏が望んだ超党派での開催も実現しなかった。超党派開催だった7年の大会が普天間飛行場の返還合意へと日米両政府を突き動かしたのに対し、今回の「政治集会」の訴求力は格段に弱い。

【私の論評】オール沖縄は、すでに骨抜き状態(゚д゚)!

この県民大会は共産、社民両党や労働組合などでつくる「オール沖縄会議」が主催し、参加者は5万人を目指し、市町村長にも参加を求めていました。決議文には海兵隊撤退のほか、普天間飛行場の県内移設断念の要求も盛り込みました。

自民党沖縄県連は14日、米軍属女性暴行殺人事件に抗議する19日の県民大会について、党派を超えた実行委員会が組織されていないことや、米軍普天間飛行場の県内移設断念などを盛り込む見込みの大会決議内容が一方的だなどとして「今の状況では参加することができない」との見解を発表していました。

会見で県連の照屋守之副会長は、大会を主催するオール沖縄会議から正式な協力依頼がないとして「開催や大会決議を決める前の段階で、超党派の取り組みを模索すべきだった」と批判。「県民大会を選挙の最中に行うことにも一つの疑問を感じる」などと超党派での取り組みを求めました。

これに先立つ14日午前、島尻安伊子沖縄担当相は閣議後会見で県民大会について「自民党県連としては出席しない」と述べ、参加しない考えを明らかにしていました。

島尻安伊子沖縄・北方領土担当相

公明党沖縄県本部は、11日に現状では参加できないとの意向を主催者側に伝えていました。
おおさか維新の会沖縄県総支部は17日に記者会見し、 政党間の協議も行われないまま超党派でない集会の開催が決定したとした上で、

「自民党や公明党の参加もなく本物の県民大会にしようとした努力がみられなかった」

として集会への不参加を表明していました。

県民大会と位置づけるには首長の参加も不可欠ですが、翁長知事は参加したものの、県内11市長のうち9市長は参加しませんでした。市長の一人は「偏った主張の決議文に賛同しろという姿勢は納得できず、何をもって県民大会と強弁しているのか」と批判し、参院選後に経済界も含めた実行委員会形式で県民大会を開く構えだそうです。

19日には、会場となる陸上競技場と同じ公園内にある沖縄セルラースタジアム那覇では全国高校野球選手権沖縄大会の試合が行われる予定でしたが、県高校野球連盟は県民大会開催を受け、選手や応援の生徒の安全に万全を期す必要があると判断し、別の球場に変更しました。同スタジアムはプロ野球公式戦にも使われ、球児の聖地とされるだけに、県民大会が試合の機会を奪ったことへの批判も強いです。

ほかにも公園内では高校生の柔道大会や中学生の軟式野球大会が予定されており、影響が懸念されていました。

この会議「オール沖縄会議」が主催といいながら、保守系の政党は参加せず、沖縄の12ある市のうち、9つもの市の市長が参加しなかったということです。
オール沖縄は、既に骨抜き状態と言っても良いです。
この兆候はすでにみられていました。それについては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「オール沖縄」崩壊の兆し 那覇市議会議長の不信任案可決 唯一の保守系に亀裂―【私の論評】中国の傍若無人と弱体化とともに下火になる沖縄左翼運動(゚д゚)!
沖縄県那覇市議会
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より一部を転載します。
沖縄県那覇市議会の金城徹議長に対する不信任決議案が17日、自民、公明両党などの賛成多数で可決された。金城氏は翁長(おなが)雄志(たけし)知事の側近で、翁長氏を支える勢力のうち、県内の市町村議会で唯一となる保守系議員会派「新風会」に所属していた。 
翁長氏は自身の支持勢力について保革融合の「オール沖縄」と喧伝してきたが、唯一の保守系議員会派に亀裂が入り、県政界では「オール沖縄崩壊の兆し」との声が上がっている。 
6月5日の県議選には新風会系として市議2人が出馬したが、ともに落選。しこりが残ったとされ、知念氏は6日に新風会を離脱して無所属となった。金城氏も議長のため現在は無所属。
さらに、翁長知事は、最近の度重なる尖閣諸島などの接続水域に中国海軍の艦船が侵入してきたことについても、未だに何の声明も出していません。

それに、沖縄県民集会と銘打っておきながら、この集会では中国海軍の侵入に関しては何の声明も発表していません。それをすれば、沖縄の基地の正当化につながることを懸念しているのかもしれませんが、沖縄県にはこれに脅威を感じている県民も多数存在しているはずです。まったく無視とはいかがものでしょうか。

今後、翁長知事や「オール沖縄」が何の声明も懸念も表明しないということであれば、これではとても全沖縄を代表しているとはいえません。

この状況が改善されなければ、沖縄県の保守も中国に脅威を抱く県民も、「オール沖縄」の呼びかけには応じないです。

「オール沖縄」はもともと沖縄県民全員を代表するものではないという声がありましたが、今回の出来事で、それがさらに明確になりました。

今回のことで「オール沖縄」は骨抜きになりました。そうして、今後「オール沖縄」は完璧に有名無実となることでしょう。

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【編集日誌】中国軍艦侵入にもだんまり…翁長沖縄県知事、発言なしですか―【私の論評】何か語れば保守派に利用されることを極度に恐れている翁長知事(゚д゚)!


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2016年6月17日金曜日

「オール沖縄」崩壊の兆し 那覇市議会議長の不信任案可決 唯一の保守系に亀裂―【私の論評】中国の傍若無人と弱体化とともに下火になる沖縄左翼運動(゚д゚)!


沖縄県那覇市議会
沖縄県那覇市議会の金城徹議長に対する不信任決議案が17日、自民、公明両党などの賛成多数で可決された。金城氏は翁長(おなが)雄志(たけし)知事の側近で、翁長氏を支える勢力のうち、県内の市町村議会で唯一となる保守系議員会派「新風会」に所属していた。

不信任決議案は、「公平・公正な議会運営と議会改革が期待できない」として提出された。新風会会長を務めていた知念博議員も賛成に回った。

那覇市議会議員名簿より

翁長氏は自身の支持勢力について保革融合の「オール沖縄」と喧伝してきたが、唯一の保守系議員会派に亀裂が入り、県政界では「オール沖縄崩壊の兆し」との声が上がっている。

6月5日の県議選には新風会系として市議2人が出馬したが、ともに落選。しこりが残ったとされ、知念氏は6日に新風会を離脱して無所属となった。金城氏も議長のため現在は無所属。

【私の論評】中国の傍若無人と弱体化とともに下火になる沖縄左翼運動(゚д゚)!

さて、以下ではまずオール沖縄についてまとめておきます。

「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手を
つなぐ参加者=2015年12月14日夜、沖縄県宜野湾市
オール沖縄(オールおきなわ)は、沖縄県のアメリカ軍普天間基地の辺野古移設反対派による政治的統一戦線・選挙運動です。また、その選挙運動を支える組織として結成された「普天間基地移設を目的とするオール沖縄会議」の略称です。

2014年沖縄県知事選挙において、辺野古移設反対派の翁長雄志を支援する枠組みとして誕生しました。

それまで沖縄では革新勢力による革新統一は頻繁に行われていたましたが、2014年の県知事選では戦後初めて革新勢力に加え辺野古移設反対派の保守勢力(翁長は元自民党である)も参加した統一戦線が結成されました。この統一戦線には、「辺野古移設に反対する圧倒的な県民世論の元で保守と革新の壁を乗り越え、沖縄が一致団結する」という意味をこめてオール沖縄の名称がつけられました。結成以後は、沖縄県内のあらゆる選挙において選挙協力・候補者調整・統一候補擁立を行っています。

沖縄県翁長知事
社会民主党・日本共産党・生活の党と山本太郎となかまたち・沖縄社会大衆党・民進党沖縄県連・那覇市議会新風会・沖縄県議会県民ネットなどの政党・会派が参加しています。

また沖縄県知事・那覇市長・名護市長といった首長も参加し、2016年5月現在は沖縄県議会および那覇市議会において過半数を確保しました。

ただし辺野古移設反対派でも、翁長県政に是々非々の立場を取る公明党沖縄県本部およびおきなわ維新の会(政党そうぞう)は参加していません。

保守、革新・リベラルの枠を超え、沖縄県民がこぞって辺野古移設に反対―というのが「オール沖縄」の建前です。地元メディアが意図的に定着させ、2014年の知事選、衆院選で辺野古移設に反対する候補が圧勝する原動力となった言葉です。

沖縄の海岸
しかし両選挙を地域別に見ると、たとえば八重山の場合、辺野古移設容認の候補の得票が多かったのです。要するに辺野古移設問題に対しては県内でも温度差があり、十把一からげに「オール沖縄」という言葉が使われるのには、県民として違和感がある人も多いようです。

そうして、上の記事では、この「オール沖縄」の崩壊の兆しを掲載しています。さて、このオール沖縄の崩壊の兆しは他にもありました。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【編集日誌】中国軍艦侵入にもだんまり…翁長沖縄県知事、発言なしですか―【私の論評】何か語れば保守派に利用されることを極度に恐れている翁長知事(゚д゚)!
尖閣諸島
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、「オール沖縄」崩壊の兆しの部分を以下に引用します。
中国海軍の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に初めて侵入したことに、沖縄県石垣市の中山義隆市長は「非常に強い危機感を持っている」と述べました。尖閣を行政区域に抱える市政トップとして当然の反応でしょう。対照的に何もコメントしなかったのが翁長雄志知事でした。

翁長氏は昨年5月の外国特派員協会での会見で「私も尖閣は日本固有の領土だと思っている」と明言しました。ならば即座にメッセージを発してもよかったはずです。共産党の志位和夫委員長も「軍艦侵入は軍事的緊張を高めるだけ」と批判したのですから。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴える翁長氏として、中国の脅威を強調すると米軍基地の重要性を認めざるを得ないと懸念したのでしょうか。それとも翁長氏には危機感がないのでしょうか。
・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・ 
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を訴える翁長知事としては、尖閣問題を強調すると中国の脅威や米軍基地の重要性を認めざるを得なくなり、移設反対の論拠が弱まりかねないです。このため、知事や反基地派は尖閣問題を無視するか、「尖閣有事でも、米軍が出動することはない」「普天間飛行場の米海兵隊は抑止力にならない」などと反論していました。

しかし、尖閣に日米安保が適用されることはオバマ米大統領が明言しています。米軍が抑止力であることを否定する主張は日米安保の否定にもつながり、保守派の共感を得にくいです(注:太文字はブログ管理人によるものです)。現在、翁長知事を含めた辺野古移設反対派にとって「尖閣」は極力触れたくないキーワードになっています。

さらに、翁長知事は、自らの発言が安倍総理に利用されることを懸念している可能性もあります。 
青山繁晴さんが翁長知事が、安倍総理の術中にはまったと暴露しています。伊勢志摩サミットの直前に安倍総理に会った翁長知事がオバマ大統領に面談したことなどを利用して、オバマ大統領との交渉を有利にもっていったことを暴露しています。 
これについては、以下の動画をご覧になってください。

翁長知事は、こういうこともあったので、中国海軍の艦艇が接続水域に入ったことに関しては何か発言すれば、また保守派等にその発言を利用されてしまうかもしれないと懸念している可能性が大きいです。
政府は16日、中国海軍の情報収集艦が沖縄県・北大東島の接続水域を一時航行したことについて「看過できない」(政府筋)と反発が強めています。9日の沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域航行から始まり、15日の鹿児島県・口永良部島の領海侵入に続く行動です。政府内には「われわれの懸念などを顧みない行為で、度が過ぎている」との声が上がっていました。

短期間に三度も、中国海軍の艦艇は接続水域を航行しましたが、今のところ翁長知事はこれらについて何のコメントもしていません。さすがに、これは異常です。

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴える翁長氏として、中国の脅威を強調すると米軍基地の重要性を認めざるを得ないと懸念して発言をしないというなら、本当に無責任です。もし、これでも危機感がないというのなら、とても沖縄県知事などつとまりません。いずれにしても、翁長知事にとっても、「オール沖縄」にとっても、これは逆風です。

そうして、沖縄県那覇市議会の金城徹議長に対する不信任決議案が本日、自民、公明両党などの賛成多数で可決されたのです。

中国海軍の軍艦は、これからも接続水域に頻繁に出没することが考えられます。それにだんまりを通していては、さらに逆風が強くなります。しかし、中国の軍艦の侵入について、危機感を表明すれば、これも逆風になります。

いずれにしても、逆風からは逃れられないことになります。そうなると確かに「オール沖縄」崩壊の兆しになることが十分に考えられます。



そうして、これは後からみると大きなターニングポイントになっているかもしれません。

沖縄左翼には、地元企業や共産党や中国が資金を提供していることは、今日ではすでに多くの筋から明らかになっています。

しかし、これらが、いくら沖縄県民などに金を費やしたとしても、その対価を得られないようであれば、そんなことは無駄なので止めます。

成田闘争など、今さらいくら反対運動してみたところで、何の効果も期待できません。だからこそ、誰も支援をしないので、左翼もこれに対していまさらそのようなことはしないのです。

沖縄も同じです。翁長知事がいくら基地移転反対といいはったにしても、偏った沖縄二紙などいくら操作誘導しても、何も変わらなければ、左翼や中国もいずれ手を引きます。日本中から暇な老人をいくら動員しても、何も変わらなければ、いずれ資金提供をする組織も国もなくなります。

沖縄県民も、我が国の国民も馬鹿でも愚かでもありません。馬鹿で愚かなのは、翁長知事などのごく一部に過ぎません。そのことに多くの人が気づけば、いずれオール沖縄は有名無実となり、さらに沖縄の左翼運動もかなり下火になることでしょう。

成田闘争1971年7月 今ではこれが存在したことすら知らない人も多い
沖縄と日本を破壊する愚かな人々に、さよならする時期が近づきつつあります。時期的に早いか遅いかの話だけです。20年もたてば、成田闘争のように跡形もなく完璧に消えています。歴史は繰り返します。そうして、その頃中国は崩壊しているか、存在していたとしても、中進国のわなにはまり、図体が大きいだけの凡庸はアジアの一独裁国になっています。

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