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2020年2月5日水曜日

新型コロナウイルスで北朝鮮崩壊の兆し―【私の論評】今年は新型肺炎で、文・習・金の運命が大きく変わる【2】(゚д゚)!


外相交代などの人事から垣間見える金正恩体制の窮状

1月1日、北朝鮮の金正恩委員長が米国に対する警告と新型兵器について語るのをテレビで見るソウル市民

本稿は、中国で発生し、感染が拡大している新型コロナウイルスが、北朝鮮情勢に及ぼす影響について分析するものである。

 今回の中国発のコロナウィルス感染症の拡大が北朝鮮に及ぼす影響は、比喩的に申し上げれば、「弱り目に祟り目」と言ったところだろう。これが嵩じると「失明」に至る危険がある。

■ カミュの「ペスト」: 不条理が集団(都市)を襲った物語

 筆者は、新型コロナウイルスの感染拡大の様を見ていると、アルベール・カミュが書いた小説『ペスト』を思い出す。奇しくも出版は筆者の誕生の年の1947年だ。

 カミュは、中世ヨーロッパで人口の3割以上が死亡したペストを、不条理が人間を襲う代表例と考え「ペスト」で、不条理が集団(都市)を襲う様子を描いた。

 物語(当然フィクション)は、フランスの植民地であるアルジェリアのオラン市をペストが襲うという設定だ。

 ペストが蔓延する中、人々が何もコントロールできない無慈悲な運命を非情な語り口で描いている。

 新型コロナウイルスが発生し、感染が拡大している武漢市あるいは中国全土は「ペスト」の舞台となったのオラン市(面積は64平方キロで2006年時点の人口は68万3000人)とは面積・人口とも比べ物にならないが、相似性はある。

■ 新型コロナウイルスの感染拡大が継続

 2月2日現在、感染拡大が継続している。中国本土での患者は1万4300人を超え、死者は304人に達した。

 なお、香港大の研究チームは、武漢市の感染者が最大7万5800人に上っている可能性があるとの推計値を1月31日付の英医学誌ランセットに発表した。

 余談になるが、北朝鮮の金正恩氏はこの事態に臨み、習近平国家主席にお見舞いの書簡を送り「苦痛分かち合い、助けたい」と述べたという。

 それを見た習近平氏は金正恩氏が置かれた苦境を察知し、苦笑しているに違いない。

■ 北朝鮮に見られる異変

 北朝鮮の“宗主国”である中国が未曽有の危機に見舞われるのと相前後して、昨年末来、北朝鮮にも次のような異変がみられる。

 これらの異変が、なぜ起こったのか定かではないが、金正恩氏の健康問題や体制の揺らぎなども否定できず、今後注視する必要があろう。

 ●「人工衛星」状態だった金平一の帰国(昨年末)

 金正恩氏の叔父で駐チェコ大使だった金平一氏(65)が昨年末に、北朝鮮に帰国したと報じられた。

 金平一氏は、金正日氏の異母弟で金正恩氏の叔父だが、金正日氏との後継者争いに敗れ、まるで人工衛星のように30年間以上も海外を転々としてきた。

北朝鮮の駐チェコ大使を務めた金平一氏(2015年1月、プラハ)

 その風貌が金日成主席と似ていて軍内にも支持者が多く、一時は後継者に目されていた。

 2017年2月に金正恩氏の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害される事件の前には、欧州の脱北者団体が金平一氏を亡命政府の首班に担ぎ上げようとする動きがあったが、金平一氏は一貫して正恩氏に恭順の意を示してきたとされる。

 金平一氏がこの時期に帰国した真意については不明だが、筆者は金正恩氏が死亡するなどの不測の事態に備え、反体制派から次期首班などに担ぎ上げられるのを未然に防止するというシナリオを憶測している。

 ●6年ぶりに金正日氏の妹の健在を確認

 労働新聞によると、1月25日、金正日の実妹・金慶喜氏(正恩氏の叔母で、その夫の張成沢氏は正恩に粛清された)が旧正月を祝う記念公演の観覧に正恩氏と同席したという。

 慶喜氏の公開活動は約6年ぶりで、病持ちの老女が健在を示した形だ。

 金平一の帰国と相俟って、慶喜氏の登場は儒教国家の北朝鮮で寛容政策をPRし、何らかの事態に備えて内部結束や体制安定を図る狙いがあるのかもしれない。

 儒教文化の中で、若造の正恩氏がリーダーシップを握るのは苦労が多いものと見られ、伯父・叔母までも動員せざる得ない状況(体制不安)に追い込まれたのかもしれない。

 ●年末の党中央委総会は尻切れトンボ

 朝鮮中央通信によると、金正恩氏は党中央委の活動状況と国家建設、経済発展、武力建設に関する総合的な報告を行ったうえで、「革命の最後の勝利のため、偉大なわが人民が豊かに暮らすため、党は再び困難で苦しい長久な闘いを決心した」と述べ、報告を終えたと報じた。

 総会は開催以前から「重大問題や新たな闘争方向と方法などを討議する」と鳴り物入りで開かれ、異例の長期間(4日間)行われたものの、何ら新しいビジョンを打ち出すことができず、尻切れトンボ状態で終わった感がある。

 このことは、北朝鮮が米国のドナルド・トランプ大統領による「戦略的な遅滞作戦(制裁解除を匂わせながら合意・解決を先延ばしする作戦)」に翻弄される結果となり、金正恩氏が人民に「長期戦」呼びかけるだけで、その打開に行き詰っていることを物語るものであろう。

 金正恩氏が生き残りを懸けたはずの対米交渉カードは、核ミサイルの開発であるが、トランプ氏の「戦略的な遅滞作戦」により、それは北朝鮮自身の身を削る「壮大な浪費」になるだけである。

 金正恩氏の下では「明日」が見えず、人民は金王朝3代にわたる窮乏生活を強いられているが、それももはや限界に近づきつつあるのではないか。いよいよ追い込まれた感が否めない。

 ●ミサイルも発射せず:「クリスマスプレゼント」は反故に

 昨年末、金正恩氏は米国に「経済制裁の緩和をしてほしい。12月末がその限度だ」と一方的に期限を示し、その結果次第では米国に「クリスマスプレゼント」を贈ると予告していた。

 「クリスマスプレゼント」は弾道ミサイル発射である可能性が取り沙汰されていた。

 一方のトランプ氏は「ミサイルではなく花瓶かもしれない」と冗談を飛ばす余裕を見せた。メディアなどは、「この年末がまずは一つの大きな山場」と報じていた。

 結果は、金正恩氏は何もできなかった。

 やはり米国が怖いのだ。米国との貿易戦争を「休戦」したい中国から「余計なことをするな」とたしなめられた可能性もある。

 金正恩氏の狂ったような核ミサイル開発の加速は、米国の関心を惹き、安全保障をより確実なものにする意味では正しいだろうが、それによる「壮大な浪費」は、確実に人民を飢えさせ、「人民からの反感」を募らせる効果を持つことを無視している感がある。

 ●金正恩氏の「新年の辞」なし

 金正恩氏は2013年に政権が発足して以来、毎年発表してきた新年の辞を今年はやめた。これは異例である。

 その理由として昨年末の党中央委総会で7時間にも及ぶ長広舌がそれに代わるからだと言われている。本当にそうだろうか。金正恩氏の健康悪化や体制の不安定化などの疑惑も浮上する。

 いずれにせよ、前項でも指摘したように、北朝鮮は米国の制裁などで追い込まれ、新年の辞で新たなビジョンを打ち出すことができないのは事実であろう。

 金正恩氏が「新年の辞」をやめた事実は、彼の「元首」として指導が破綻したことを疑わせるものである。

 ●金正恩の健康を蝕むストレス

 昨年末、挑発を繰り返す北朝鮮に対して、在韓米軍は韓国軍と共同で特殊部隊により北朝鮮首脳部を攻撃し幹部を捕獲するといういわゆる「斬首作戦」の訓練映像を初めて公開した。

 また、1月3日には、イラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官がイラク・バグダッドで米軍のドローンから発射されたミサイルによって暗殺された。

 これは、型破りのトランプ氏が破天荒な決断をするという印象を改めて金正恩氏に示したことになる。

 本件は、トランプ氏の破天荒な決断のみならず、米国・米軍の情報能力がターゲットとなる要人をピンポイントで時々刻々フォローできることを内外に見せつけた。

 これに対して金正恩氏は、「新年の公式活動」と称して平安南道にある肥料工場建設現場を訪問・指導する様子を1月7日付の朝鮮中央通信で報道させた。

 金正恩氏は「強がり」を示したかったのだろう。だが、現実には自分が常に米軍に付け狙われていることを強く再認識し、恐怖感を募らせたであろう。

 金正恩氏は、夢の中で厳寒の平壌を、枕を抱えてドローンの追跡から逃げ惑う夢を見ているのかもしれない。

 独裁者の金正恩氏は、それでなくともストレスが多いのに、暗殺の恐怖はそれを倍加させることになろう。

 体重が130キロの金正恩氏は、肥満や糖尿病などの生活習慣病があると見られ、ストレスの増加は病状を確実に悪化させよう。

 ●人事の刷新:軍出身の李善権氏の外相就任

 朝鮮中央通信は1月24日、外務省が開催した旧暦の新年の宴会で、軍出身の李善権新外相が演説したと報じ、外相交代を確認した。


 李氏は核問題や米国との交渉に携わった経験がないため、李氏の外相任命は北朝鮮事情に詳しい専門家には意外感を持って受け止められた。

 米国務省のスティルウェル次官補(東アジア・太平洋担当)は李氏の外相就任について「変化があった。このこと自体が何かが起きたことを物語っている」と述べた。

 また、人民武力相(国防相に相当)に金正寛陸軍大将が任命されたことが1月22日に確認された。金正寛大将は、人民武力省副相兼中将からの格上げである。

 これら軍と外交のトップの交代(更迭)がいかなる意味があるのかは不明であるが、北朝鮮内部で何らかの異変が起こっているのかもしれない。

 ちなみに、李氏は対韓国政策分野の実力者の一人で、南北軍事実務会談の代表も務めた。

 2018年、南北首脳会談に合わせて平壌を訪れた韓国企業のトップらに「よく冷麺がのどを通るなあ」ときつい皮肉を言ったことが明らかになり、物議を醸した。

■ 新型コロナウイルスが及ぼす影響

 北朝鮮で上記のような異変がみられる中、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大は北朝鮮にいかかる影響を及ぼすであろうか。

 ●中国の新型コロナウイルスの感染拡大は冷戦崩壊直後の悪夢と同じ

 中国が今次新感染症の拡大で大きなダメージを受け、一時的にせよ弱体化する事態は、北朝鮮の後ろ盾だったソ連が崩壊(1991年末)した事態に似ている。

 北朝鮮はその混乱の最中に金日成が死亡(1994年)し、若い金正日が待ったなしで政権継承することになった。

 このため、北朝鮮は体制崩壊の危機に瀕した。金正日が政権継直後の1995年から98年にかけて飢饉のために約300万人が餓死した。

 今次新感染症のダメージで、北朝鮮の唯一の後ろ盾である中国が弱体化すれば、そのダメージの程度にもよるが、北朝鮮はソ連崩壊と似たような困難な状況に直面せざるを得ないだろう。

【私の論評】今年は新型肺炎で、文・習・金の運命が大きく変わる【2】(゚д゚)!

 北朝鮮は新型コロナウイルスの拡散を防ぐため中国やロシアとの国境を封鎖、海外との取引もほとんど絶たれており、国内経済への大きな打撃が懸念されています。経済発展を掲げる金正恩朝鮮労働党委員長にとって痛手は避けられない情勢です。

すでに近隣諸国との航空便や列車の運行を取りやめ、最近入国した外国人には数週間の強制検疫を実施、海外からの観光客受け入れも中止しており、国の閉鎖に拍車がかかっています。

北朝鮮ではこれまで新型コロナウイルスの感染は確認されていません。これは、同国が頼っている中国など経済的つながりが断絶され、あるいは極端に制限されていることも意味します。
今後北朝鮮の市場経済だけでなく、国の経済全体に大きな影響が及ぶでしょう。北朝鮮は国産を推奨していますが、菓子であれ衣服であれ原料は中国から輸入しています。
北朝鮮の経済的リスクの度合いは、閉鎖の長さにかかっていとみられます。数か月あるいはそれ以上になれば、相当な悪影響を与えることは確かです。

最近の韓国の貿易協会のリポートによると、2001年には17.3%だった北朝鮮の対外貿易に占める中国の割合は、去年91.8%に達しました。数千人の中国人観光客も大きな経済効果をもたらしています。

米国との非核化交渉が暗礁に乗り上げるなか、今回の新型ウイルス危機で北朝鮮の立場が弱まることも考えられます。

経済的苦境を埋め合わせるため、北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射や核実験など挑発行為に出る可能性もあります。コロナウイルス問題がすぐに解決されなければ、北朝鮮の状況は今年一層厳しくなるでしょう。

新型肺炎による混乱が重なれば、国民の意識にどのような変化が生じるかわからないです。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は1月29日、新型肺炎への対策は「国家存亡に関わる重大な政治的問題」であるとする記事を掲載しましたが、この表現は決してオーバーなものではといえます。


韓国も、コロナウイルス対策はそれなりには行っているようですが、このブログでも述べているように、文在寅政権は金融緩和することなく、最低賃金だけをあげるという、日本でいえば立憲民主党の枝野氏の主張するような、最初から見込みのない経済政策を実行して、予想通りに雇用が激減しています。

この状況でコロナウィルスの悪影響を受ければ、今年の大統領選挙では敗北する可能性も十分あります。

トランプ米大統領は4日の一般教書演説で、北朝鮮の核問題に言及しませんでした。トランプ氏が同演説で北朝鮮に触れないのは初めてです。11月の大統領選に向けた選挙活動が本格化する中、トランプ氏は打開の見通しの立たない北朝鮮との交渉には力を注がないのではないかという臆測を広げそうです。

トランプ氏は昨年2月の一般教書演説では、同月下旬にハノイで2回目の米朝首脳会談を開催すると発表。「金正恩(朝鮮労働党委員長)との関係は良好だ。朝鮮半島の平和に向け歴史的奮闘を続ける」と訴え、北朝鮮問題を優先課題に掲げました。

ところが、ハノイ会談は非核化の進め方をめぐり物別れに終わりました。正恩氏は昨年末、トランプ氏に中止を約束した核・ミサイル実験の再開を示唆して強硬路線に転じ
る姿勢もみえ、非核化協議再開のめどは立っていません。

トランプ氏は日本にも触れず、アジア政策では中国について、新型コロナウイルスによる肺炎をめぐる協力や、貿易交渉の成果に触れた程度でした。習近平国家主席を含む中国との関係は「恐らくこれまでで最も良い」と主張し、中国への厳しい姿勢は鳴りを潜めたようにもみえます。

ただし、中国に対して米国は「貿易交渉」において、このブログにも掲載したように米国は一方的な大勝利をしています。この交渉で米中には七つの合意事項がありましたが、一番最期の合意事項は、6つの合意事項について、米国が監視するというものです。

今年は年初から、コロナウィルスの中国での蔓延という特殊事情が米国との貿易交渉で一方的に大敗北した中国に追い打ちをかけています。トランプ政権としては、コロナウィルスによる、中国、北朝鮮、韓国などがどの程度影響を受けるのかを見極めつつ、大統領選機にもっとも有利な形になるよう、これらの国々の対応を決めていくことでしょう。

今年は文・習・金の運命が大きく変わる年になるかもしれない・・・・

いずれにせよ、先日もこのブログに掲載したように、今年は新型肺炎で、文・習・金の運命が大きく変わることでしょう。この三者が表舞台から姿を消すということも十分あり得ます。

【関連記事】

2016年6月17日金曜日

「オール沖縄」崩壊の兆し 那覇市議会議長の不信任案可決 唯一の保守系に亀裂―【私の論評】中国の傍若無人と弱体化とともに下火になる沖縄左翼運動(゚д゚)!


沖縄県那覇市議会
沖縄県那覇市議会の金城徹議長に対する不信任決議案が17日、自民、公明両党などの賛成多数で可決された。金城氏は翁長(おなが)雄志(たけし)知事の側近で、翁長氏を支える勢力のうち、県内の市町村議会で唯一となる保守系議員会派「新風会」に所属していた。

不信任決議案は、「公平・公正な議会運営と議会改革が期待できない」として提出された。新風会会長を務めていた知念博議員も賛成に回った。

那覇市議会議員名簿より

翁長氏は自身の支持勢力について保革融合の「オール沖縄」と喧伝してきたが、唯一の保守系議員会派に亀裂が入り、県政界では「オール沖縄崩壊の兆し」との声が上がっている。

6月5日の県議選には新風会系として市議2人が出馬したが、ともに落選。しこりが残ったとされ、知念氏は6日に新風会を離脱して無所属となった。金城氏も議長のため現在は無所属。

【私の論評】中国の傍若無人と弱体化とともに下火になる沖縄左翼運動(゚д゚)!

さて、以下ではまずオール沖縄についてまとめておきます。

「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手を
つなぐ参加者=2015年12月14日夜、沖縄県宜野湾市
オール沖縄(オールおきなわ)は、沖縄県のアメリカ軍普天間基地の辺野古移設反対派による政治的統一戦線・選挙運動です。また、その選挙運動を支える組織として結成された「普天間基地移設を目的とするオール沖縄会議」の略称です。

2014年沖縄県知事選挙において、辺野古移設反対派の翁長雄志を支援する枠組みとして誕生しました。

それまで沖縄では革新勢力による革新統一は頻繁に行われていたましたが、2014年の県知事選では戦後初めて革新勢力に加え辺野古移設反対派の保守勢力(翁長は元自民党である)も参加した統一戦線が結成されました。この統一戦線には、「辺野古移設に反対する圧倒的な県民世論の元で保守と革新の壁を乗り越え、沖縄が一致団結する」という意味をこめてオール沖縄の名称がつけられました。結成以後は、沖縄県内のあらゆる選挙において選挙協力・候補者調整・統一候補擁立を行っています。

沖縄県翁長知事
社会民主党・日本共産党・生活の党と山本太郎となかまたち・沖縄社会大衆党・民進党沖縄県連・那覇市議会新風会・沖縄県議会県民ネットなどの政党・会派が参加しています。

また沖縄県知事・那覇市長・名護市長といった首長も参加し、2016年5月現在は沖縄県議会および那覇市議会において過半数を確保しました。

ただし辺野古移設反対派でも、翁長県政に是々非々の立場を取る公明党沖縄県本部およびおきなわ維新の会(政党そうぞう)は参加していません。

保守、革新・リベラルの枠を超え、沖縄県民がこぞって辺野古移設に反対―というのが「オール沖縄」の建前です。地元メディアが意図的に定着させ、2014年の知事選、衆院選で辺野古移設に反対する候補が圧勝する原動力となった言葉です。

沖縄の海岸
しかし両選挙を地域別に見ると、たとえば八重山の場合、辺野古移設容認の候補の得票が多かったのです。要するに辺野古移設問題に対しては県内でも温度差があり、十把一からげに「オール沖縄」という言葉が使われるのには、県民として違和感がある人も多いようです。

そうして、上の記事では、この「オール沖縄」の崩壊の兆しを掲載しています。さて、このオール沖縄の崩壊の兆しは他にもありました。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【編集日誌】中国軍艦侵入にもだんまり…翁長沖縄県知事、発言なしですか―【私の論評】何か語れば保守派に利用されることを極度に恐れている翁長知事(゚д゚)!
尖閣諸島
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、「オール沖縄」崩壊の兆しの部分を以下に引用します。
中国海軍の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に初めて侵入したことに、沖縄県石垣市の中山義隆市長は「非常に強い危機感を持っている」と述べました。尖閣を行政区域に抱える市政トップとして当然の反応でしょう。対照的に何もコメントしなかったのが翁長雄志知事でした。

翁長氏は昨年5月の外国特派員協会での会見で「私も尖閣は日本固有の領土だと思っている」と明言しました。ならば即座にメッセージを発してもよかったはずです。共産党の志位和夫委員長も「軍艦侵入は軍事的緊張を高めるだけ」と批判したのですから。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴える翁長氏として、中国の脅威を強調すると米軍基地の重要性を認めざるを得ないと懸念したのでしょうか。それとも翁長氏には危機感がないのでしょうか。
・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・ 
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を訴える翁長知事としては、尖閣問題を強調すると中国の脅威や米軍基地の重要性を認めざるを得なくなり、移設反対の論拠が弱まりかねないです。このため、知事や反基地派は尖閣問題を無視するか、「尖閣有事でも、米軍が出動することはない」「普天間飛行場の米海兵隊は抑止力にならない」などと反論していました。

しかし、尖閣に日米安保が適用されることはオバマ米大統領が明言しています。米軍が抑止力であることを否定する主張は日米安保の否定にもつながり、保守派の共感を得にくいです(注:太文字はブログ管理人によるものです)。現在、翁長知事を含めた辺野古移設反対派にとって「尖閣」は極力触れたくないキーワードになっています。

さらに、翁長知事は、自らの発言が安倍総理に利用されることを懸念している可能性もあります。 
青山繁晴さんが翁長知事が、安倍総理の術中にはまったと暴露しています。伊勢志摩サミットの直前に安倍総理に会った翁長知事がオバマ大統領に面談したことなどを利用して、オバマ大統領との交渉を有利にもっていったことを暴露しています。 
これについては、以下の動画をご覧になってください。

翁長知事は、こういうこともあったので、中国海軍の艦艇が接続水域に入ったことに関しては何か発言すれば、また保守派等にその発言を利用されてしまうかもしれないと懸念している可能性が大きいです。
政府は16日、中国海軍の情報収集艦が沖縄県・北大東島の接続水域を一時航行したことについて「看過できない」(政府筋)と反発が強めています。9日の沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域航行から始まり、15日の鹿児島県・口永良部島の領海侵入に続く行動です。政府内には「われわれの懸念などを顧みない行為で、度が過ぎている」との声が上がっていました。

短期間に三度も、中国海軍の艦艇は接続水域を航行しましたが、今のところ翁長知事はこれらについて何のコメントもしていません。さすがに、これは異常です。

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴える翁長氏として、中国の脅威を強調すると米軍基地の重要性を認めざるを得ないと懸念して発言をしないというなら、本当に無責任です。もし、これでも危機感がないというのなら、とても沖縄県知事などつとまりません。いずれにしても、翁長知事にとっても、「オール沖縄」にとっても、これは逆風です。

そうして、沖縄県那覇市議会の金城徹議長に対する不信任決議案が本日、自民、公明両党などの賛成多数で可決されたのです。

中国海軍の軍艦は、これからも接続水域に頻繁に出没することが考えられます。それにだんまりを通していては、さらに逆風が強くなります。しかし、中国の軍艦の侵入について、危機感を表明すれば、これも逆風になります。

いずれにしても、逆風からは逃れられないことになります。そうなると確かに「オール沖縄」崩壊の兆しになることが十分に考えられます。



そうして、これは後からみると大きなターニングポイントになっているかもしれません。

沖縄左翼には、地元企業や共産党や中国が資金を提供していることは、今日ではすでに多くの筋から明らかになっています。

しかし、これらが、いくら沖縄県民などに金を費やしたとしても、その対価を得られないようであれば、そんなことは無駄なので止めます。

成田闘争など、今さらいくら反対運動してみたところで、何の効果も期待できません。だからこそ、誰も支援をしないので、左翼もこれに対していまさらそのようなことはしないのです。

沖縄も同じです。翁長知事がいくら基地移転反対といいはったにしても、偏った沖縄二紙などいくら操作誘導しても、何も変わらなければ、左翼や中国もいずれ手を引きます。日本中から暇な老人をいくら動員しても、何も変わらなければ、いずれ資金提供をする組織も国もなくなります。

沖縄県民も、我が国の国民も馬鹿でも愚かでもありません。馬鹿で愚かなのは、翁長知事などのごく一部に過ぎません。そのことに多くの人が気づけば、いずれオール沖縄は有名無実となり、さらに沖縄の左翼運動もかなり下火になることでしょう。

成田闘争1971年7月 今ではこれが存在したことすら知らない人も多い
沖縄と日本を破壊する愚かな人々に、さよならする時期が近づきつつあります。時期的に早いか遅いかの話だけです。20年もたてば、成田闘争のように跡形もなく完璧に消えています。歴史は繰り返します。そうして、その頃中国は崩壊しているか、存在していたとしても、中進国のわなにはまり、図体が大きいだけの凡庸はアジアの一独裁国になっています。

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