2010年3月24日【近藤駿介・内閣府原子力委員会委員長ブリーフィング「日本の原子力政策」】
こんばんは。【私の論評】最早全く機能していない、原子力委員会と原子力安全委員会??
原子力安全委員会がどんな議論をしていたんだろうと思って、ホームページで議事録を読んでみたのですが、これってヒドすぎますね。
ちょっとご紹介しましょう。
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/index.htm
3月11日 第16回臨時会議
5分で終了 !! 地震当日なのに、恐ろしいことが起こる予想はしなかった?!
http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2011/genan_so16.pdf
3月14日 第17回臨時会議
またしても5分で終了 !! おいおい、12日と14日に「水素爆発」というのが起こったと推定したんでしょ !!
http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2011/genan_so17.pdf
3月17日 第18回臨時会議
え゛~!! またまた5分で終了 !! 15日は2号機と4号機も爆発したんですよ~!!
しかも、前回と同じ議題~?? 線量限度の告示? またまた配布資料なしで議論か?
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan018/index.html
3月25日 第19回臨時会議
やっと安全問題を考える気になったか !!
でも26分だけか?!
何々読んでみると、こんな議論~!!
「定期中」は「大気中」のワープロミス。
「空間線量率葉」は「空間線量率は」のワープロミス。
「よって行う」は「によって行う」のミス。
「EXEL」は「EXCEL」のミス。 ← 議論の継続中です !!
資料3で、「今後、当面の間、原則毎日原子力安全委員会から公表することとする。」という文書を決定したのに、議論の半分以上は、ワープロミスの指摘か~!!
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan019/index.html
3月28日 第20回臨時会議
議題「福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階の滞留水について(助言)」
うん。やっとそれらしき議題だ !!
でも、え゛~。9分で終わり~ !!
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan020/index.html
4月4日 第21回定例会議
定例会議だから、今度はいろいろ議題がありますね。
3号機で「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料」を許可するという話も資料にあります(資料3の15ページ)。
でも、この大変な時期に、定例会議?
米国の原子力規制委員会のアドバイスを受けたりとかしているのに、恥ずかしくないの??
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan021/index.html
まあ、ひどい委員会だろうとは予想していましたが、議事録を読んでみると、もっともっとヒドかったです。
国民をなめきってますね。
こんなものは即刻廃止です !!http://park.geocities.jp/astroecology/
さて、上の有様の委員会ですが、この原子力安全委員会が何をしているか。これは単純、原子力の安全確保をする為、内閣府に設けられた「原発の監視役」で、事故が起きた際には専門家としての知見を国民に示す方々ということになります。
事故が起こらないように、あるいは、事故った場合に何がどうなっているのか、どうしたらいいのか皆に情報を提供するところというところです。ちなみにこの委員会が作られたのは1978年とかなり年季の入った委員会です。
さて、この原子力安全委員会の委員さんの年収、こちらが1650万円。決して安い金額ではないです。
そこで、いつもはどんな事してるのかなと思ったら定例会議だけしてる模様。しかもその定例会議、週に1回で短い時は10分で終わりです。公開されている定例会議の資料を調べた結果なので間違いないです。
これで年収1650万円…いやはや凄い委員会ですね。ちなみに原子力安全保安院も同額もらってる模様です。
年収がいくら高くてもしっかり仕事してくれれば、と思ったのですが今回も、上の会議の議事録をみていただいてわかるように残念ながら全くの役立たずでした。
この委員会、私の記憶では、確か設立されてから、しばらくの間は、あの原子力委員会とともにある程度まともに機能はしていたようです。
原子力委員会は、無論原子力推進組織で、原子力安全委員会は、原子力規制組織という位置づけて、互いに拮抗して牽制しあい、それなりに機能していたはずです。
ところが、原子力安全・保安院が、経済産業省の一機関として設立されてから事情が変わってきたようです。この組織は、法令上の位置付けは「資源エネルギー庁の特別の機関」とされています。2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編の際に新設され、初代院長には佐々木宜彦が就任しました。東京都千代田区霞が関の本院の下、地方機関として、全国の所要の地に産業保安監督部、原子力保安検査官事務所などが置かれています。
私は、この構図を以前のブログで、破綻した北海道拓殖銀行の組織になぞらえて、掲載したことがあります。
それは、原子力委員会が、営業部、原子力安全委員会が、審査部ということです。ところが、これに、大口融資を専門に受け持つ組織である、総合開発部なる組織ができました。バブル崩壊が近づいたときに、この組織のうち、東京組は、さすがに融資が出来る状況ではないと判断したようで、解散してしまいましたが、札幌のほうはそのま存続して、当時のソフィア中村や、カブトデコムなどに大口の融資をして大失敗して、結局は、破綻の端緒を開いたわけです。
拓銀は、民間企業ですから、こんなことをしていれば、破綻は免れないということで、本当に破綻してしまいました。しかし、国の組織である、原子力委員会、原子力安全委員会、原子力安全・保安院は、国の外郭団体であり、何をしていても、潰れることはありません。内閣府管轄の組織である、委員会組織はもう完全に機能しておらず、安全・保安院だけが、機能しており、しかも、牽制など全く効いていなかったということです。そうして、こうしたことの挙句の果てに、今回の震災による原子力発電所の破綻が起こってしまったということです。
今回、原子力安全委員会の議事録を見て、本当に機能していないことが良くわかりました。しかも、委員の年収も高く、これでは、完璧に官僚の天下り先ということです。今回の震災後の対応から、様々な矛盾点が浮かびあがってきています。これは、もう、技術上の問題というより、人為的な問題だと思います。
上記の拓銀のような問題が、バブル崩壊後に続々と判明したため、会計制度や、組織が変更され、民間企業では、銀行などをはじめ、他の企業でも、今では、従来はなかった内部統制をする組織として、名称はそれぞれの企業で多少異なるものの、社長などの直轄組織である内部監査室などが設置されるようになり、コンプライアンス(法令遵守)が重視された活動を行うようになりました。これは、名前は似ていますが、監査役などとは全く異なる組織で、具体的な業務の監査を内部牽制という観点から行ないます。また、銀行などでも、従来の審査部以外にこういう組織も設置されるようになっています。
民間組織がこのように改組されているにも関わらず、国の組織である、原子力行政に関わる組織、従来よりもさらに悪くなっているということです。このまま、放置しておけば、原子力の問題は解消されず、温存され続けることになることでしょう。考えて見れば、ここ10年ほど、原発では、様々な問題が発生していました。原子力に関しては、いくら努力したとしても、上のまま、システムや組織が温存されていては、抜本的な解決にはならないと思います。今こそ、抜本的な解決が必要です。明日行われる選挙、ならびにその後行われる選挙などでは、こうしたことを主張する候補者に投票すべきと思います。
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