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2020年8月9日日曜日

コロナ後の景気「V字回復する」発言と、世間の肌感覚がズレるワケ— 【私の論評】日本経済V字回復のシナリオ!(◎_◎;)

コロナ後の景気「V字回復する」発言と、世間の肌感覚がズレるワケ

「日本経済は底を打った」への違和感



「形式的には正しい」のだが…

「今の日本経済は底を打った」

7月15日の金融政策決定会合後の黒田東彦日本銀行総裁の発言に、「あれっ?」と思った人は多いだろう。コロナ禍の影響が拭えぬなか、一般の人々は、なかなか景気回復の実感を得られていない。統計的な観点から見たとき、今回の発言に妥当性はあったのだろうか。

結論からいえば、この発言は「形式的には正しい」のである。だが、世間一般の感覚とは、かなりズレているだろう。

一般の人は、景気を感じるとき、統計数字ではなく、「いい時」との差を肌感覚で測る部分が大きい。ビジネスでも、好調だった時の売上高や利益額と現在のそれとを比較することが多いはずだ。ただし、「好調」というのは人それぞれの感覚で、千差万別だ。

一方、政府関係者は、常に統計数字を参照して話を進める。黒田総裁が、「底を打った」というのは、「国内総生産(GDP)で見ると、4-6月期が底であり、7-9月期はそれより伸びる見込みですよ」という意味だ。




これは、よく考えれば当たり前のことだ。4-6月期のGDPは、コロナ禍の影響で1-3月期と比較して、マイナス23%程度(年率換算)と大幅に減少すると見込まれている。

4-6月期のGDPは百数十兆円ほどになると予想されており、「戦後最悪の水準」ではない。しかし、1-3月期からの伸び率「マイナス20%程度」というのは、おそらく戦後最悪の数字になるだろう。これは、日本に限らず、世界各国とも似たような状況だ。

過去に例のないほど落ちた後は、少し上がるのが普通だ。株式相場の用語としても、英語で「デッド・キャット・バウンス」というのがある。あえて直訳すると、「死んだ猫でも地面に叩きつけられると、少しくらいは跳ねる」といったところだろうか。あまり上品な表現ではないが、言い得て妙なところがある。

問題は、この「デッド・キャット・バウンス」の後で、景気がどうなるのかだ。政府は4月ごろ、「V字回復する」と言っていた。それが正しいなら、7-9月期の前期比伸び率は大きく、10-12月期の前期比伸び率も大きくなるはずだ。

本当にそうなるのか。筆者は、かなり厳しいと考えている。コロナ禍の影響は予想以上に大きく、従来の対面重視の消費行動が、根本的に変わってしまったからだ。

となると、今の状況では、「V字回復」はちょっと期待できない。大方のエコノミストの予想は、日本のGDPは、小さな「デッド・キャット・バウンス」を経た後、横ばいに推移するというものだ。この状況は、数学のルート記号をひっくり返した形状、いわゆる「逆ルート型回復」などと呼ばれている。

この「逆ルート型回復」では、7-9月期の前期比伸び率はプラスだがそれほど大きくなく、10-12月期の前期比伸び率はほぼゼロに近いものとなるだろう。

結局、黒田総裁の「今の日本経済が底を打った」という言葉は、「デッド・キャット・バウンス」を言ったにすぎない。その後に待っているのは「逆ルート型回復」だろうから、一般人の思う「底打ち」は、当分先のことになるだろう。

【私の論評】日本経済V字回復のシナリオ!(◎_◎;)

日本経済は確かに、今のままであれば、V字回復ではなく、逆ルート型回復になりそうです。しかし、V字回復させる方法は、あります。それについては、このブログでも何度か掲載してきましたが、本日は再度コンパクトにまとめて経済します。
わが国の経済は昨年10月の消費税増税により、10~12月期のGDPは年率で7.1%のマイナスを記録しました。が、今年に入ると中国発のコロナウィルス感染拡大により、
経済活動が急速に落ち込むにいたりました。
中韓の観光客が激減しただけでなく オリンピックの延期も決ま利ました。非常事態宣言によって4~6月期もマイナス成長になることは疑いないです。GPPの減少は消費増税の悪影響で4%減、コロナで5%減、オリンピック延期で1~2%減、合わせて10%程度となることでしょう。
経済のⅤ字回復を目指す対策としては、以下のような政策が必要不可欠です。
1. 消費税全品目軽減 
全品目の消費税を5%に軽減すべきです。
2. 国民1人当たり現金10万円給付 
これはすでに実現しましたが、1回だけでなくコロナ騒ぎが終るまで必要に応じて、何度も続けるべきです。
3. マイナス金利を活用した100兆円基金
これは、高橋洋一氏が、主張してしていたものです。他の部分も、高橋氏の受け売りの部分が多いのですが、とにかくこの政策は重要です。10年国債の金利は19年10月にマイナス0.2%になりました。政府は業績の悪化した個人事業主、中小企業に対する実質的に無利子、無担保の融資制度を創設しましたが、これを拡大し、マイナス金利環境を利用して国債、財投債を発行して資金を調達し無利子、無担保で貸し出すのが有効です。100兆円基金をつくってコロナ対策に活用すべきです。
高橋洋一氏
この基金は、コロナ対策ばかりではなく、地震、台風・水害などの大規模な自然災害が起こった場合にも、適宜活用すべきです。これから日本経済が回復する道筋には何が起こるかわかりません。そのような時に、迅速に手が打てるようにするためにこそ、高橋洋一氏は、基金を創設せよと主張しているのです。
4. 日銀量的緩和再開(拡大が望ましい)
民主党時代にどん底に落ち込んだ経済が回復し、雇用がかなり改善したのはアベノミクスによる金融緩和のおかげでした。黒田日銀総裁が3回にわたっておこなった異次元の金融緩和は黒田バズーカと呼ばれました。
ところが、日銀は2016年9月に政策を変更し、量的緩和は縮小傾向です。国債購入額も年間80兆円から20~30兆円に減らしていました。これを80兆円ベースに戻すべきだ。国債を大量発行すると国内金利が割高になり自国通貨が高くなる。国債による財政出動で内需が拡大しても為替高で外需が減少し、財政出動の効果が減殺される。為替を安定させるためには、80兆円ベースへの金融緩和が必要なのです。
最近では、このブログでも掲載しているように、政府・日銀の連合軍が出来上がり、第二次補正予算で威力を発揮しました。政府が国債を発行し、日銀がそれを全額買い取るという方式です。
これは、マネー・プリンティング政策ですが、インフレ率が高くならなければ、国債の将来世代へのツケを心配する必要はありません。俗な言葉ですが、カネ刷って財源にしているわけで、国債の利払いや償還を後で税収により行うわけでないからです。

  元々デフレ傾向で、物価目標すら達成できていなった日本で、さらにコロナで消費が
  落ちているマネープリンティング政策をしても、なかなかインフレにはならない
若干専門的にいえば、日米のコロナ対策の財政支出は、通貨発行益で賄うので、将来の国民への付け回しになリマせん。コロナでは、需要喪失が大きく、インフレにはなりにくいので、こうした財政政策と金融政策の合わせ技が可能になっています。それは中央銀行の通貨発行益が自動的に国の財政収入となるからです。

以上のことを実行すれば、日本経済は、コロナ終息後に破竹の勢いで伸び、V字回復を成し遂げるでしょう。

安倍政権としては、上記のような内容を公約として、次期衆院選を戦い、実行して、日本経済V字回復の基礎を作っていただきたいものです。

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