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2012年6月1日金曜日

【お金は知っている】高まる“中国クライシス”…ユーロより深刻だ―【私の論評】今頃中国幻想に酔っている連中はただの馬鹿か愚鈍?

【お金は知っている】高まる“中国クライシス”…ユーロより深刻だ:


筆者調べでは、不動産バブルが崩壊し始めた中国のバブル債務規模はギリシャなどユーロ圏の政府不良債務合計をはるかにしのぐ。

中国の地方政府の実権を握る地方の党幹部は公有制の土地を開発しては利権収入を得て私腹を肥やす。全国の地方政府が抱える債務残高は北京の公式発表ベースで2010年末に10・7兆元(約130兆円)。日本の1980年代後半のバブル融資並みの規模で、中国のGDPの4分の1に上り、5割以上が今後3年以内に返済期限が来る。しかも、地方政府は国有企業などと組んで不動産開発をやめず、国有商業銀行も融資を続けている。米欧の専門家によれば、地方債務総額は最終的に15・4兆元(約187兆円)から20・1兆元(約244兆円)に膨れ上がる。中央政府など他の債務を加えると、円換算で300兆円以上に上りそうだ。

他方、筆者が集計したところ、ユーロの問題5カ国(ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド)の11年末の政府対外債務の合計額は1兆3147億ユーロ(約136兆円)である。

もちろん、債務すべてが不良債務になるとはかぎらないが、日本では80年代の不動産担保融資の130兆円のうち8割以上がそっくり焦げ付いた。中国では返済できない地方政府が続出し、11年の返済必要額の大半は翌年以降に繰り延べられている。

重慶市共産党書記で共産党中央政治局委員だった薄煕来氏失脚を招いたのが谷開来夫人の殺人容疑で、夫人は80億元(約970億円)を海外に移し、協力者の英国人を殺害したかどで逮捕された。しかし、薄夫人のケースは巨大な不正蓄財と資本逃避のほんの一端にしか過ぎない。

中国バブルの崩壊を見て、米欧では、「ユーロ危機どころではない。チャイナ・クライシスをどうするか」との危機感が高まっている。(この記事の詳細は、こちらから・・・・・・産経新聞特別記者・田村秀男

【私の論評】今頃中国幻想に酔っている連中はただの馬鹿か愚鈍?

私は、中国に関しては、もう5年ほど前から、バブルであり、バブル崩壊が近づいていることをこのブログでも再三再四掲載してきました。しかし、そうとは考えない未だに中国幻想に酔っている人も多数いるようです。


ただし、そうはいっても、この5年ほど、中国幻想の危うさについて、このブログで警告しつづけてきたにもかかわらず、中国はそうはなりませんでした。これには、私が比較的軽視してきた、中国の特殊性が、あるためであったと思います。本日は、これについて、掲載することとします。そうして、本日は、上の記事にもあった薄煕来に関する、画像、動画がさらに、驚くべき中国の実態を示す動画など掲載しつつ、掲載させていだきます。

失脚した薄煕来氏。この犯罪者と喜んで写真撮影した日本人も多い
まずは、今まで、中国経済が急成長した理由はいたって簡単です。まずは、元の供給が多いため、元安となります。そうすると、外国と比較して、人件費が安くなるため、製商品を安く売れるので儲かることになります。そうなれば、輸出も景気も絶好調となります。そうして、さらに元の供給を増やすという、良いスパイラルを維持できたということです。

全員犯罪者家族の薄煕来の家族でのスナップ写真
では、なぜ、安心して元を擦り増しできたかといえば、まずは、共産党独裁の中国では、中央銀行の独立など存在しないため、政府が中央銀行を強力にコントロールができるということです。これが、欧米のような民主国家にはない強みです。

 

さらに、日本が絶対に円を増やさないので、安心してお札を擦り続けることができ、円に対しては無論のこと、世界の基軸通貨であるドルその他に対しても、元安誘導が可能になるということです。


中国とは逆に日本がやってきたことといえば、もともと円の供給量が少ないので、円高傾向になります。そのため、外国に比較して人件費が高くなります。そうなると、製商品を高くしか売れない、買ってくれないということになります。そうなると、不況になり、そうなると、企業は人件費を削ります。そうして、値段を下げるのですが、生産効率が落ちているので、やはり、売れません。そうなると、やはり、不況で、それでも円を刷らないという状況です。こうして、さらに、デフレスパイラルが助長されるということです。

チャン・ツィー
これは、日銀が経済法則を無視して、異常なほど円の供給をとめて、結果として金融引き締めをしているということです。日本国内では、給料が下がりデフレが進行し、円高のため、生産拠点は、中国などに移ります。それとともに、日本の生産技術とGDPも中国にもっていかれるということです。これは、まるで中国政府が打ち出の小槌を持ったようなものです。こうして、中国は、今までは、この無限ループで繁栄を続けるように見えました。


さらに、中国の場合、上の記事にもあるように、政府主導による「飛ばし」がバブルの後始末の常套(じょうとう)手段であることがあります。負債を債券に置き換えて、返済期限を先延ばしするということにより、いずれ融資も投資をやめてしまうと、まるで巨大な二輪車のようにばったりと中国経済全体が倒れてしまうことにつながります。いわゆる、バランスシート不況の中国版が、目前にせまっています。



このようなことが、進行しているため、いままで、中国は、いく度となくバブルが崩壊しつつあるとささやかれながら、何とかなってきました。それでも、限界があります。特に、数年前からは、都市部でのインフレ率が高くなってきました。たとえば、豚肉などの生活必需品の価格が、年で数十パーセントもあがるようになっていました。そうなると、庶民も生活に窮するようになってきます。そうして、全国各地で、労働争議がおこるようになりました。

(下の動画は、内容が相当グロいので食事中にはご覧にならないでください)


しかし、そこは、共産国家中国です、最初のうちは、首謀者など逮捕して、ぶち込めばそれですんでいたのですが、さすがに、このブログにも掲載してきたように、建国以来毎年平均で2万件の暴動があった中国でも、最近ではさらに件数や規模が大きくなり、警察や軍隊でも、収めきれない状況になり、労働者の言い分を聞いて、給料を増やすようになってきました。そうなると、先にあげた、中国の無限ループであると思われた打ち出の小槌もきかなくなってきたということです。



そうなんです。いよいよ、この無限ループは完全に壊れる時が迫っているということです。だからこそ、このブログでも、紹介したことがある、数少ないマクロ経済を理解して記事を書いている田村氏が上のような記事を掲載して、警告を発しているということです。しかし、日本でも、バブル崩壊した直後には、まだまだバブル期の感覚をひきずっている人たちが大勢いました。たとえば、あのバブルの象徴のようにいわれる「ジュリアナ東京」はバブル崩壊後に誕生しています。バブルの崩壊などは、その最中にいる人々にはなかなか認識されないことがあます。崩壊しても、人々の頭には、「これは一時的なものだ」とか「すぐに元に戻る」などと考え、なかなか、行動様式を改めないことがあります。


こんな状況は、前々からわかっていたことで、多くの人が中国の経済をポンジ経済(ねずみ講のようなインチキ経済のこと)として指摘して警告してきたのですが、この打ち出の小槌小槌でいままでのところは、何とかなってきたのですが、これからは、何ともならない状況になるということです。


さて、中国のバブル崩壊の危機、随分前から、私以外の人も当然、察知していて、もう数年まえから、対中国直接投資よりも、インド投資のほうが増えています。インドも後進的なところはありますが、それにしても、中国よりは、法治国家化されていますし、政治と経済の分離はかなりなされています。さらに、民主化も中国よりははるかに進んでいます。それよりも何よりも、親日的です。今頃中国幻想に酔っている連中はただの馬鹿か愚鈍だと思います。あの日本のバブル崩壊後に、それも知らずに、「ジュリアナ東京」のお立ち台で踊り狂っていた女の子のようにはなりたくないものです。

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