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2016年1月6日水曜日

中東の状況は第三次世界大戦…佐藤優氏×山内昌之氏が示した衝撃シナリオ BSフジ『プライムニュース』― 【私の論評】今こそ憲法解釈は自衛戦争を是とする京都学派の解釈に従い、第三次世界大戦に備えよ(゚д゚)!


佐藤優氏(左)と山内昌之氏

 サウジアラビアとイランの国交断絶で中東に戦争の危機が広がっている。そんななか、『第3次世界大戦の罠-新たな国際秩序と地政学を読み解く』(徳間書店)の共著がある元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と中東研究の第一人者、明治大学特任教授の山内昌之氏が5日夜、BSフジ「プライムニュース」に出演し、世界情勢の展望を語った。2人は緊迫する中東の状況について「第三次世界大戦」と指摘。核戦争への危機感も示した。

 2人の識者が示したのは、衝撃的なシナリオだった。

 問題の背景には、イスラム教のスンニ派とシーア派の宗派対立がある。

 佐藤氏はその点に触れ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」掃討のため、イランに接近した米国に対するサウジの「怒りのメッセージだ」と分析した。

 山内氏は両国の対立がISを利することになるとの見方を示し、「ISがこの機会に伸びていく、力を保持していくということになりかねない」と危ぶんだ。

 ISへの対応をめぐって米国に接近するイランには核開発の疑惑が絶えない。

 山内氏はこの点を踏まえ、サウジが米国と急接近するイランに対抗するために「ロシアに近づいた」とも指摘。これによって、サウジが「核の開発に限りなく近いことをロシアの援助を受けてやっていくだろう」と核開発に着手する可能性を示唆し、「核の拡散が起きるということが大きな問題だ」と話した。

 シーア派とスンニ派の宗派対立によって分断される中東諸国。複雑化する中東情勢を山内氏は「第二次冷戦的な状況」と表現し、インターネットを通じて世界中にテロを拡散するISの台頭によって「以前の戦争は陸海空で行われていたが、いまはサイバー空間でも戦争が始まっている」と分析した。

ローマ法王 フランシスコ 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 2人は、ローマ法王の発言を引き、現在の状況を「第三次世界大戦」になぞらえた。

 山内氏は、大規模な戦争に突入する事態を想定し、「国家間の戦争だけをイメージしてはダメだ」とし、国家間の戦争や国家とISなどのテロ集団との戦争についても警鐘を鳴らした。

【私の論評】今こそ憲法解釈は自衛の戦争を是とする京都学派の解釈に従い、第三次世界大戦に備えよ(゚д゚)!

本日は、北朝鮮の水爆実験が午前中にありました。そのため、こちらのほうを掲載しようか、どうしようか迷いましたが、結局中東情勢のほうにしました。北朝鮮の水爆については、何かそれらしきものが爆発したという情報があるだけです。

今のところ、北朝鮮が、水爆を爆発させたと主張しているだけで、どこの国も水爆であるとの確証をつかんでいません。実際水爆ではなかった可能性があることも否定できません。要するにあまりに情報が少ないので、本日は掲載しません。さらに情報が得られた場合、掲載しようと思います。

本日は、まずは、上のローマ法王の発言について以下掲載します。ブログ冒頭にも掲載されている、ローマ法王の発言は、昨年の11月14日にされたものです。その記事を以下に掲載します。
ローマ教皇も言及! 2015年、ついに第三次世界大戦が始まった!? 
 世界中のサイキックたちが、2015年に人類が破滅へと向かうことを予言していた。その中には、「2015年に第三次世界大戦が勃発する」との指摘も多かったが、この恐るべき予言がとうとう的中してしまったようだ。なんと、ローマ教皇が「すでに第三次世界大戦が始まっている」という旨の発言を行い、世界中のメディアを驚かせている。 
 今月13日に発生したパリ同時テロ、そして首謀者であるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の台頭。さらにアメリカにおける人種間対立、依然として継続するウクライナ騒乱とロシアのクリミア侵攻など、今年も数えきれないほどの争いが世界各地で発生し、多くの人々が犠牲となった。 
そして14日、イタリアの聖職者放送局「TV2000」の電話インタビューに応じた第266代ローマ法王フランシスコ1世だったが、なんと「イスラム国」の暴挙を厳しく非難した上で、前日に発生したパリ同時テロは「第三次世界大戦の一部だ」と語ったというのだ。しかも16日には、オランド大統領までもが「フランスは戦争状態にある」と演説している。 
 この「第三次世界大戦」という言葉が、西ヨーロッパ文化圏、そして世界11億人のカトリック信者の精神的支柱であるローマ教皇の口から発せられた意味は非常に大きい。数百年後、いや数十年後に歴史の教科書を開くと、この2015年こそが第三次世界大戦の始まった年であると記されている可能性もありそうだ。もちろん、それまでに人類が滅亡していなければの話だが......。
 このローマ法王の発言のあったのは、安全保障関連法が9月19日日未明に可決成立してから、二ヶ月後のことです。二ヶ月で世界情勢がいきなり変わるということもなく、安保保証関連法が国会で審議されている頃から何も変わっていなかったと思います。
テロ事件から1週間、襲撃を受けたバー「ル・カリオン」前にはメッセージや花が・・・・・
法案が成立したあと、パリのテロ事件が発生、その後今年に入って、サウジアラビアとイランの国交断絶、北朝鮮の水爆実験の発表がありました。


さらに、中国による南シナ海の埋め立て問題が先鋭化し、米国はイージス艦「ラッセン」を派遣、さらにはB52戦略爆撃機を中国の埋立地の上を飛行させるなどのことが発生しました。

尖閣付近には、今までなかった動きがありました。それまではなかったのですが、昨年暮れから、機関砲装備した中国の公船が尖閣付近で不穏な動きを見せています。

こうした、世界情勢を踏まえると、安保法案を成立させたことは正しい措置だったと思います。

それにしても、あの程度の安保法案で、「戦争法案」などと叫ぶ、護憲派はやはり、頭がお花畑で、どうしようもないと思います。あの法案では、はっきりいって本気で日本国民の生命・財産を本気で守るというには、あまりに手緩すぎます。

彼らは、念仏を唱えれば、戦争は起こらないと考えているようです。確かに、本当にそうなら、私も朝から晩まで念仏を唱えまます。しかし、そんなことで世界から戦争がなくなることはありません。

安保法案反対デモ

このブログでは、日本で主流の憲法学者の憲法学者の憲法解釈ではなく、少数派の京都学派の憲法解釈を掲載してきました。

それによれば、憲法9条は、日本が国際紛争解決の手段として、武力を用いてはいけないという明確な規定がありますが、自衛戦争についてはそのような規定はないと解釈しています。実際、憲法9条には、自衛戦争まで放棄するなどとは一言も書かれていません。

よって、日本が自衛のための軍隊を持ったり、自衛のために武力を行使したりすることは、憲法違反ではないと解釈しています。

さらに、世界の憲法典をみまわしてみれば、自衛戦争について出来るとか、出来ないなどとはっきり書いてあるものはありません。なぜなら、それは、わざわざ憲法典に書くまでもなく、独立国の当然の権利であるからです。国連憲章でも、独立国の自衛戦争は当然の権利として認めています。

現在のように地政学的リスクが高まり、それに加えて、ISが跋扈したり、北朝鮮が水爆を開発したと主張するような情勢では、日本の主流派憲法学者の憲法解釈により、自衛のための戦争すらできないということでは、本当に私達の生命・財産を守り切ることはできまん。

今こそ憲法解釈は防衛戦争を是とする京都学派の解釈に従い、第三次世界大戦に備えるべきです。京都学派の憲法解釈に従えば、何の矛盾もなく、日本は防衛戦争ができます。

この京都学派の憲法解釈については、改憲派の人々や、保守派の人々にも良く知られていないようです。そのためか、保守派の人ですら、とにかく戦争は自衛・侵略を問わず、絶対にできないというのが、唯一正しい憲法解釈であると思っているようです。

そんなことは、ありません。そもそも、集団的自衛権に関しては、佐藤内閣の頃から、本来もっているはずだが、日本は使えないとの解釈が定着しました。それ以前には、集団的自衛権はあるのは当然だし、核兵器の保持まで考えていた政権もありました。

さらに、内閣法制局も、佐藤内閣前には、しばしば憲法解釈を随分と変えています。そもそも、憲法解釈の変更は、戦後何度もされてきたことであり、安倍内閣が初めて変えたなどと勝手に思いこむのは、完璧な間違いです。

京都学派については、下の【関連記事】のところに、詳しく解説した記事を掲載しておきますので、ご存知のない方はぜひご覧になってください。

そうして、広く世間に拡散していただきたいと思います。よろしくお願いします。

【関連記事】





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2015年6月30日火曜日

【佐藤優】中国はこれから深刻な国家的危機に陥る!!!―【私の論評】日本の安全保障は、第二イスラム国の脅威が中国西端に迫っていることも考慮に入れよ(゚д゚)!

【佐藤優】中国はこれから深刻な国家的危機に陥る!!!


【私の論評】日本の安全保障は、第二イスラム国の脅威が中国西端に迫っていることも考慮に入れよ(゚д゚)!

上の動画で佐藤優氏は、中国の海洋膨張は終わるとしています。なぜかといえば、それどころではない状況が、中国に起こっているからです。それは、東トルキスタンと言われる、現在は中国領である新疆ウィグル自治区、その他キルギスさらに、カザフスタンの東部を含む地域には、すでにイスラム国の影響が及んでいるからです。

佐藤氏にいわせると、中央アジアに第二イスラム国ができるあがるのは、時間の問題であるとしています。現状は、イスラム国から随分とテロリスト・グループが入っており、キルギスあたりでは統治不能の状態になっているそうです。そうして、新疆ウィグル地区にも相当過激派が入っている状態になっているそうです。

これに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「イスラム国」“報復テロ”におびえる中国 弾圧で国外逃亡のウイグル族が合流―【私の論評】少数民族抑圧政策により、ここ数年毎年暴動が年平均10万件以上発生する中国で、イスラーム過激派のテロは苛烈さを極めることになる(゚д゚)!
新疆ウィグル自治区の暴動における犠牲者 写真はブログ管理人挿入以下同じ
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より一部以下にコピペさせていただきます。
 「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件を受け、中国政府は国内にテロが“飛び火”することへの警戒を強めている。中国では、ウイグル族に対する弾圧政策の結果、イスラム教徒らの国外逃亡が相次いでおり、出国後に「イスラム国」に合流するケースも少なくないとされる。中東でテロのノウハウを学んだ者が帰国し、中国当局への「報復テロ」に打って出る可能性が現実味を帯びているのだ。 
 「習近平国家主席体制になって、ウイグル族への弾圧は激しさを増している。新疆ウイグル自治区にはイスラム教徒が多く、耐えかねて、逃げ出した人々の中には、『イスラム国』に加わる者もいるようだ。こうした人々が報復してくることは十分に予想される」 
 中国事情に詳しい評論家の石平氏はこう指摘する。 
 石平氏は「中国にとってイスラム国によるテロは人ごとではなく、当局も警戒し始めている」と語る。 
 当局が危ぶんでいるのは国内でのテロだけではない。中国はイラクなどに巨大な石油利権を持っており、中国が開発する油田などがテロの標的になる可能性も否定できないからだ。
日本では、あまり知られていないことですが、新疆ウィグル自治区は現中華人民共和国が独立したときには存在せず、現中国が建国して以降に侵略によって無理やり中国の版図に収めたものです。それは、新疆ウィグル自治区だけではありません。それは、以下の地図をご覧いただければ、お分かりになると思います。


上の地図にはでてはいませんが、朝鮮半島の上にあたる、中国の東北部も、大東亜戦争中に日本が建国させた満州国がありましたが、ここも厳密にいえば、もともとは大陸中国とは異なる満州族(ツングース系民族)が住む外国のようなものでした。

このように、現中国は独立後に膨張して現在の版図になったものです。それだけに飽きたらず、尖閣列島、南沙諸島にまで膨張しようとしてきたのが、つい最近までの中国の状況でした。

しかし、この膨張はいっときあるいは、永遠に止まるかもしれません。確かに中国の西端にある新疆ウィグル自治区を含む中央アジア一帯が、第二のイスラム国になってしまえば、大変なことです。海洋進出どころではありません。中国とししては、この方面の版図の確保と治安の維持を最優先に考えなければなりません。

テロリスト組織である、現状のいわゆるイスラム国のある地域は、イラクとシリアにまたがっており、直接的に支配しているのはこの地域ですが、その他間接的に影響力を与えることのできる地域はかなり広大な地域になっています。

これらの地域は、古くから独裁者の圧政に苦しんできた地域であり、昔から激しい民族対立のあった地域です。というより、そのこと自体が、ISISを生み出す土壌となっていました。まさに、現在の新疆ウィグル自治区は、同じような状況下にあります。

イラクとシリアにまたがるISISが支配する地域
ちなみに、ISISが自分たちの版図であると主張するのは以下です。ISISが掲げる理想の領土は過去のイスラム国家の最大版図(ウマイヤ朝など)を目指しているので、スペインや、中央アジアもしっかり奪還対象地域となっています。無論現在の中国領である新疆ウィグル自治地区も対象です。


新疆ウィグル地区では、今のところは中国が人民解放軍などを送り込み、暴動など鎮圧していますが、それでもとんでもない状況になっています。

それは、以前このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国のチベット族やウイグル族 3人集まると即懲罰の対象に―【私の論評】中国領琉球島速報!!在琉球小日本人三人以上集合懲罰対象的行為厳禁!!小日本軍国主義打倒!!中華思想勝利!!敵的小市民日本人抹殺是正義!!てなことになったら手遅れですよ(゚д゚)!
支那人によるウイグル人虐殺
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2013年のものですが、この当時から新疆ウィグル自治区ではとんでもないことになっていました。その部分を以下に引用します。
 ウイグルでは毎年、14歳から25歳前後のウイグル人女性数万人が、故郷から遠く離れた大都市に連れて行かれます。彼女たちは寮生活をしながら不当に安い賃金で働かされます。その上、ウイグル語を禁じられ、生活習慣も変えられて、挙げ句の果てに漢民族の男と無理やり結婚させられるのです。ウイグル人男性は結婚相手を奪われることになります。ウイグルの血を先細りさせ、やがて途絶えさせるのが共産党の狙いだと見ていいでしょう。 
 チベットやウイグルでは、3人を超える集まりは、それがどれほど他愛のない平和的な集まりであっても罰せられます。学校の教室にはカメラが設置され、教師が民族の言語や文化について子供たちに教えないよう監視されています。新疆ウイグル自治区では街中の至るところに6万台もの監視カメラが設置されています。 
 さらにウイグルの人たちは核実験でも苦しめられてきました。2008年に『中国の核実験』(医療科学社)を出版した札幌医科大学教授の高田純氏によれば、1996年までの約30年間にウイグル自治区のロプノルで46回の核実験が行なわれ、その影響で少なくとも19万人以上が死亡しました。
古来いわゆる大帝国は、侵略した土地においては、最初は地元民を弾圧したようですが、それだけでは統治が不可能なので、地元民の自治や宗教を認めたり、宥和策をとるのが普通でした。ローマ帝国もそうでし、かつてのイギリス帝国によるインド統治もそうでした。しかし、中国はそうではありません。これでは、地元民が納得するはずはありません。

 それとウィグル人は基本的には、イスラム原理主義です。無論、元々ISISに親和的という意味ではなく、元々のイスラムの教えを守る気風が強いということです。

中国はこうしたウィグル人の心情を逆なでするようなことばかりしています。最近も以下のような報道がありました。
酒を飲まないウイグル人はイスラム原理主義者、ラマダン直前に嫌がらせビール祭りを開催―中国
新疆ウイグル自治区ホータン地区ニヤ県の農村で、ラマダン直前(18日から)の6月15日に共産主義青年団主催のビール祭りが開催された。その目的は
“現代生活によって農村の文化生活を活発にすること、違法な宗教伝播の余地を減らすこと、農村の思想・文化・世論の陣地を占領すること、村の党組織の凝集力を高めることにより、農村に調和と安定をもたらすこと”
とのこと。 
以前にも記事「禁酒・禁煙する奴はイスラム原理主義、中国政府が新疆で宣伝活動」で取り上げましたが、ブルカ禁止やヒゲ禁止といった干渉がエスカレートし、禁酒を禁止、ラマダン中のレストラン休業は禁止、雑貨店には必ず酒を置くことなどの規定が追加されるなかで、「みんなの前でビールを飲むことを強制」という新技が追加されたもよう。
現中国は、植民地支配とか、信託統治などの経験がないためでしょうか、宥和策など全く眼中にないようで、未だにこのような愚かな統治しかできないようです。

このままでは、中国は大きなつけをはらうはめになることでしょう。おそらく、これから、第二イスラム国の影響が強く及ぶようになるか、最悪の場合は新疆ウィグル自治区内そのものが、その版図に収まることになってしまうかもしれません。

もし、そのようなことになれば、過去のように公安警察や、人民解放軍をもってしても、訓練を受けた過激派、自分の命もいとわず自爆テロをする過激派などにより、治安の維持は困難になってしまいます。

ところで、フィリピンのアキノ大統領が今月5日に東京・内幸町の日本記者クラブで行った記者会見で、中国国営新華社通信の記者の質問に逆に問いかける一幕があったことを皆さんはご存知でしょうか。

日本記者クラブで記者会見するフィリピンのアキノ大統領
アキノ大統領は今月3日に都内で行った講演で、南シナ海で地域の緊張を高めている中国を戦前のナチス・ドイツにたとえました。新華社の記者はこの発言について、「中国にナチスという言葉を使うことをどう思うか。中国人の感情を傷つけると思わないのか」と質問しました。 
これに対し、大統領は「誰の感情も害するつもりはない」と断った上で「中国の人々に聞いてみたい」と切り出しました。そして、「あなた方がフィリピンの立場だったとして、海岸線の西側が奪われ、東側だけを維持することになったとしたら、『わが国の航路の半分をどうぞ』と言うだろうか。どの国も喜んでそうするとは思わない」と述べていました。
このアキノ大統領の言葉、意味深長です。海岸線の西側が奪われて、東側だけ維持するとは、何を指しているのでしょうか。

当然フィリピンの西岸に位置する南シナ海における、中国の環礁の埋め立てなどを示しているのでしょうが、私はそれだけではないと思います。

中国の動向は、フィリピンにとっては死活問題ともなりかねませんから、アキノ大統領は、当然中国に迫る第二のイスラム国の脅威について熟知していると思います。そうして、この質問をした中国人記者もそのことを知っているのは当然のこととして、アキノ大統領は皮肉を込めてこの言葉を語ったのではないでしょうか。

この言葉の裏の意味は、「中国の西側にも、第二イスラム国の脅威が迫っているではないか。フイリピン西岸で、環礁の埋め立てなどやってる場合じゃないぞ。そんなことをするくらいなら、まずは自分の頭の上のハエを追い払え」ということではなかったかと思います。質問した中国人記者もこれには、二の句が継げなかったのではないかと思います。

残念ながら、集団的自衛権などで「戦争が起こる」などと愚かな印象操作をする日本のマスコミは、精神疾患もしくは認知症を患っているとしか思えません。自分の国に迫る脅威を認識できないのですから、このような中国に迫る脅威を認識することはできないようです。

中国にそのような危機が迫り、中央アジアが本当に第二イスラム国の版図になってしまえば、その影響がいつ他のアジア諸国に及ぶのか、全く保証の限りではありません。

日本の安全保証は、こうしたことも視野に入れて考えなければなりません。今のマスコミや、野党など勉強不足もはなはだしいので、それはできないと思います。

本当に平和ボケというのは、いかんともしがたいです。そんな日本の状況などとは関係なく、中国は大変なことになりそうです。今のところ、中国はAIIBなどの乗るかそるかの、重要案件を抱えているため、対外的なイメージを毀損したくないので、このような危機についてはおくびにも出しませんが、今後半年以内くらいには、中国もこの脅威の存在を隠しきれなくなると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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