ユニクロ心斎橋点は、ディスプレイが豊富で参考になる |
グローバル旗艦店は試作的な新商品や高品質のサービスなどを提供する世界的な発信拠点で、同社では「ユニクロのショーケース」と位置づけている。この日は、柳井正会長兼社長と元阪神タイガースの赤星憲広氏らがテープカット。同社で国内3番目の広さの売り場面積(約2650平方メートル)を誇る店内は、開店直後から多くの人でにぎわっていた。
行列の先頭にいた大阪市北区、会社員の小田睦深さん(35)は「午前5時半から並んでいます。狙いは心斎橋店限定色のメリノカシミヤとタイガースのタンブラー。安くていい物なら行列は苦になりませんよ」と笑顔で話していた。
■パルコ、来秋閉店
大阪のファッションビルの先駆けである「パルコ心斎橋店」(大阪市中央区)が平成23年9月に閉店することが決まった。運営主体のパルコが1日発表したもので、同社は跡地に新設されるビルに新業態店を開設するが、オープン以来、19年間にわたって親しまれたパルコ心斎橋店の名称は変更となる。
大阪・心斎橋筋沿いの心斎橋パルコ本館は、平成3年に開業。パルコは来年9月にビル所有者との賃貸借契約が切れ、所有者側が建て替え工事を行うことから新設されるビルに売り場面積約5千平方メートルの新業態店を開設する契約を結んだ。
店名や誘致する店舗などは今後、詳細を詰め、25年6月に営業を再開する。また、大阪ミナミのアメリカ村で運営する「心斎橋パルコDUE館」は閉鎖する。
パルコは、既存店の業態転換による店舗ブランドの多様化を掲げており、心斎橋店の改革が最初の取り組みとなる。
【私の論評】リアル・フアッションの勝利は確定?だがしかし・・・・。
パルコが今年4月7日発表した平成22年2月期連結決算は、消費低迷の影響を受けて主力のショッピングセンター事業が伸び悩み、売上高は前期比7.6%減の2610億円、営業利益は同8.1%減の86億円となりした。減収、営業減益は2期連続。営業減益に伴い経常利益も同6.7%減の85億円と2期連続の減益でした。最終利益は平成21年2月期に有価証券評価損として計上していた13億円超の特別損失が今年はないことなどで、同10.1%増の41億円と増益を確保しました。
消費者の節約志向を受けて「パルコ」店舗の既存店売上高が同8.4%減と大幅に減少しました。これにより売り上げの大半を占めるショッピングセンター事業の売上高が同7.0%減の2460億円に落ち込み、連結売上高を押し下げた。売上高の減少を受けてコスト削減を強化したものの補えず、営業減益となりました。
平成23年2月期通期の連結業績予想は新店の寄与や既存店舗の強化などで、売上高は同1.1%増の2640億円、営業利益は同1.1%増の87億円、最終利益は同2.2%増の42億円と増収増益を見込んでいました。
いずれにせよ、パルコは業績を落としているのは、間違いのないところです。
ところで、ユニクロも今年の上半期においては、独り勝ち状況だったのですが、それにも陰りが出てきているようです。下期は減速感が強まっている状況です。
最近では、「UJ(ユニクロ・ジーンズ)」キャンペーンの不発など同社内部の課題と同時に、過去2年強続いた「ユニクロ1人勝ち」の時期を経て、 消費者の購買動機にもやや変化が出てきた可能性があります。
ヒートテックを代表とした大ヒット商品の牽引力が鈍化した場合には、同社の販売・業績が伸び悩む可能性を否定しきれないです。
この世界、なかなか競争が激しいですから、このブログでも、以前掲載したように、昔は大金持ち以外には、本当の意味ではフアッションなど一般の人には全く関係ありませんでした。一般の人は、それこそ、自分でつくるか、実洋服を着るしかありませんでした。大金持ちだけが、自分専属、もしくは、それに近いデザイナーを抱えて、フアッションを満喫していました。
しかし、これを一変したのが、プレタボルテです。
釜山で催されたプレタボルテのショー |
しかし、プレタボルテも、それ以前も、ファッションショーのあり方はにはかわりはありませんでした。どういうことかといえば、特定のフアッションショーにあわせて、1年も前からデザイナーがいろいろなデザインを考え出しますが、フアッションショーに出す服自体は、奇抜なファションであり、とても、普通に着てあるけるようなシロモノではありませんでした。フアッションショーが終わって、そのデザインが、アパレル産業にひきつがれ、そこから、数カ月たつてから、始めて、プレタポルテが販売されるのです。
ところが、リアル・フアッションはこの流れをすっかり変えました。要するに、デザイン性の高い服をフアッション・ショーに出品するときからそのまま、普通に着られるデザインで出品するようにしたのです。これは、大きな革命でした。皆さんご存じのように、スゥエーデンのH&Mなど、他の外国から日本に参入してきているリアル・フアッションはみな同じことです。最初から着られる服ということで、一つの工程を省いたので、価格もプレタポルテよりも、さらに下げることが可能になりました。現在のリアル・フアッション系のアパレルでは、デザイナーがデザインを考え、それを中国の工場に発注し、日本の店頭にならぶまでの期間がわずか、2ヶ月などというところもあります。この速さに注目し、リアル・フアッションのことをファスト・ファッションと呼ぶ人もいます。
ユニクロも、基本的にこのリアル・フアッションの一つです。TGCのような、複数のデザイナーが出品するフアッションショーになどは出品するわけではありませんが、独自のフアッションショーを開催し、そこでチャリティーオークションなども開催するなどをしています。
いずれにせよ、TGCにしても、ユニクロにしても、フアッションショーに出す服は、最初から普通の人が着られるようにデザインしているということでは同じです。
この話を聞けば、多くの人は「当たり前」という感覚を受けるかもしれませんが、フアッション・デザインの世界は昔から、独特の世界で、プレタボルテも、革新中の革新でした。リアル・フアッションだって、そうです。一昔前は、既存のフアッションショーに普通に出品するようなデザイナーでなければ、誰にも、一流のデザイナーとは認めてもらえませんでした。そうして、アパレル産業などにも相手にしてもらえませんでした。
それをリアル・フアッションが打ち破ったのです。リアル・フアッションはそうした意味では、フアッション性の高いおしゃれな服を一般の人にも手の届く価格にしたということで、立派な社会変革だと思います。そうして、フアッションはこういうものという、過去の呪縛を完全絶ち切っています。
さて、ユニクロは、最初は、わたしたちの前に、低価格フリースで出現したことは、多くの皆さんがご存知だと思います。しかし、この低価格路線もうまくいかなくなり、一時業績を落としました。従来の低価格いってんばりから、低価格のリアル・ファション性を前面に打ち出したということで蘇りました。
さて、ユニクロの業績に陰りがでているということですが、フアッション界では、ここ10年間、リアル・フアッションが根付き、この波にのったさまざまなアパレルメーカーが世界中で大躍進しました。
ユニクロもこの波にのったわけです。多くデパートや、スーパーそうして,あのパルコですら、この波に乗り遅れたということだと思います。しかし、ユニクロの業績にも陰りがでていると思います。私自身としては、もうそろそろ、いわゆるリアル・フアッションそのものが陳腐化しつつある前触れなのではないかと思います。
さて、世界的視野でみると、戦後フアッションの世界はは、プレタボルテと、リアル・フアッションという新たな二つの波で大躍進したわけですが、このリアル・フアッションの次は何がくるのでしょうか。プレタポルテと実洋服の時代が長く続いたように、リアル・フアッション、プレタポルテ、実洋服の三者の時代がしばらく続くのでしょうか?それとも、何か新しい動きがでるのでしょうか?この動き、このブログでも、追跡し何か新しい動きがあれば、掲載したいと思います。
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