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2018年9月28日金曜日

さらなる政策柔軟化「検討の余地」、9月日銀会合の意見―【私の論評】雇用が改善されず物価が上がり続ける、雇用が悪化しつつ物価が下がらないなら政策変更すべき!現状はその必要なし(゚д゚)!

さらなる政策柔軟化「検討の余地」、9月日銀会合の意見

日本銀行

日銀は28日、9月18─19日に開催した金融政策決定会合における主な意見を公表した。好調な経済状況が維持されれば、市場への副作用を考慮し、さらなる政策柔軟化の検討を求める意見が出た。一方、現行の金融緩和を粘り強く続けるべきとの意見も根強く、委員の間での温度差もみられた。

日銀は7月の決定会合で、国債市場の流動性低下に対応するため、長期金利の一定の上振れを認めるなどの政策修正を決めた。

9月会合では、ある委員が「経済の需給バランスが維持されていれば、市場機能維持の観点から、金融政策の柔軟化を将来的に検討する余地はある」と発言。好調な経済と物価の伸び悩みが混在する複雑な情勢が続く中、局面次第では副作用対応を優先する可能性を示唆した。

一方、物価2%目標の実現が遠いことから「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが必要」「息長く経済の好循環を支えて、『物価安定の目標』の実現に資するべく、現在の金融政策方針を継続すべき」との意見もあり、今後は効果と副作用を巡る議論の活発化も予想される。

「長期にわたって長短金利を一定水準前後に誘導するという戦略が有効なのか判然としない」として、追加緩和の必要性を主張する委員もいた。

また、7月会合の決定が金融市場に与える影響は「夏場の閑散期を挟んで2カ月ほどしか経過していないことから、引き続き注視していく必要がある」との意見が出た。

経済の不確実性では米中の貿易摩擦を挙げる声が複数あった。ある委員は「米国や中国などの通商摩擦や金融市場の変動による下振れリスクの増大が、現在もなお続いている」と警鐘を鳴らした。

【私の論評】雇用が改善されず物価が上がり続ける、雇用が悪化しつつ物価が下がらないなら政策変更すべき!現状でその必要なし(゚д゚)!

dual mandate(二重の責務)。物価と雇用の両方に中銀は責任を持つことを知っていれば、失業率が下がってインフレ率がたいして上がらないのは問題にならないならないどころか良いことであることが理解できるはずです。それなのにインフレ率が目標に達しないなどと騒ぐのは、不見識も甚だしいです。

日銀の審議員の中にも、金融が良くわかっていない人がいるということで、本当に驚いてしまいます。

FRB(米国中央銀行)の使命は物価の安定と雇用の最大化

米国の中央銀行であるFRBの使命(目的)はデュアル・マンデートと呼ばれ、物価の安定と雇用の最大化となっています。ただし、もうひとつ適度な長期金利も最後に加えられています。デュアル・マンデートがFRBの使命となったのは、1977年の連邦準備改正法の成立によるものですが、その源流には1946年の雇用法があるとされています。

2012年12月12日のFOMCで少なくとも2015年半ばまで低金利を維持するとの文面が声明文から削除され、その代わりに、米失業率が6.5%を上回り、向こう1~2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利を低水準にとどめる、という数値のガイダンスに変更されました。いわゆるデュアル・マンデート(最大限の雇用と物価安定)のそれぞれに、期間を限定せずに目標が課せられたのです。

日本の中央銀行である日本銀行は、日銀法第二条に「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」とあります。

日銀は2013年1月の金融政策決定会合で「物価安定の目標」を消費者物価指数(除く生鮮食料品・消費増税の影響も除く)の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するとしました。これが、日本のフォワード・ガイダンスです。

フォワード・ガイダンスは、前もって将来における金融政策の方針を中央銀行が表明することです。 フォワードガイダンスは、ゼロ近くまで金利が下がり、伝統的な金融政策だけでは対処することができないと判断されるほどの景気が後退する状態や金融危機に陥った場合などに、中央銀行によって行われる非伝統的な金融政策の中のひとつです。

さらに2014年4月の会合では、2%という物価目標に対して2年程度の期間を念頭に置いて、早期に実現するとしました。ただし、日銀は雇用の安定については特に目的としていません。

日本ではインフレ目標のみが注目されがちだが、世界各国の中央銀行は雇用目標も定めているのが普通

やはり、これが問題です。米国のように、中央銀行(FRB)の使命は、物価の安定と雇用の最大化ということになっていれば、問題はなかったものと思います。米国では、金融政策というと雇用はかなり重要なファクターとみられ、市場でも雇用の統計数値などをみて、金融緩和の状況を推し量るるというこど行われています。

たとえば、近々FRBが利上げするか否かを判断するのに、雇用統計が良く用いられます。そうして、雇用が十分改善されていれば、すぐ利上げする可能性が高いと判断したり、雇用の改善が不十分だと、その可能性は低いと判断します。

これは、米国では普通のことです。日本国内でも、FRBの金融政策に関して、雇用と関連付けられて報道されているのは良く眼にするところです。

本来日本の中央銀行である、日銀も米国の中央銀行であるFRBの使命と同じく物価の安定とともに雇用の最大化もその使命とすべきなのです。

そうして、フォワード・ガイダンスにも物価目標だけではなく、雇用目標も含めるべきです。

消費者物価は消費税増税した2014年には2.0以上だったが、その後下がり低迷している

失業率は下がり続けている

日本では、そもそも雇用目標がないし、それどころから、金融緩和と雇用とは無関係であるかのような扱いです。だからこそ、現状で「金融政策の柔軟化を将来的に検討する余地はある」などという意見が出てくるのです。

二重の責務の観点から、現在の日本は雇用が改善されつつ、物価が上がらないのですから、中央銀行の責任は果たしているわけです。

これが、雇用が改善されず、物価が上がり続けるとか、雇用が悪化しつつ、物価が下がらないというような状況になれば、中央銀行は二重の責務を果たしていないことになります。このようなときに、金融政策を検討すべきであって、現状では全く変える必要がなくむしろ、今の状況(量的緩和)を継続すべきなのです。

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