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2015年3月23日月曜日

海外で「東京裁判は司法殺人である」とする複数の論証出る ―【私の論評】戦後70周年にあたる今年、私達は東京裁判史観の呪縛から自らを解き放つ時期にきている(゚д゚)!


2015.03.23

現在の歪んだ日米関係を紐解くには、やはり東京裁判の再検証が必要だ。近年、海外の識者、ジャーナリストのなかにも東京裁判に否定的な見解を示す者が少なくない。国際ジャーナリストの藤田裕行氏がそうした意見を紹介しながら、東京裁判の「連合国戦勝史観」からの脱却を訴える。

* * *

ダクラス・マッカーサー 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 「戦後七十年、二十一世紀の日本は、未だにマッカーサーによって呪縛されたままだ」

ヘンリー・スコット・ストークス氏
 そう語るのは、ヘンリー・スコット・ストークス氏。英国『フィナンシャル・タイムズ』の初代東京支局長、米国『ニューヨーク・タイムズ』の東京支局長などを歴任した、日本外国特派員協会の最古参ジャーナリストである。ストークス氏は近著『目覚めよ!日本』(日新報道刊、植田剛彦氏との対談)で「連合国戦勝史観の呪縛からの脱却」(副題)を訴えている。

「黒船で日本にやって来たペリーが、アメリカのために発見したのが横須賀でした。基地の占奪が来航目的だったのです。その一〇〇年にわたるアメリカの野望を実現したのが、マッカーサー元帥でした。

マシュー・ペリー
 昭和二十年九月二日、日本の降伏文書調印式が、戦艦『ミズーリ』の艦上で行なわれました。その場所こそが、ペリーの黒船艦隊の旗艦『サスケハナ』の投錨地(アンカレッジ)でした。マッカーサーは、ペリーが浦賀に来航した時に掲げた星条旗の現物を、アメリカ本土のアナポリスにある海軍兵学校から、わざわざ取り寄せたのです。アメリカは一八五三(嘉永六)年にペリーが目的としたアメリカ海軍基地を、ついに手に入れたのです。それが、アメリカの横須賀海軍基地です」

日本の降伏文書調印式が行われた戦艦『ミズーリ』

ストークス氏も私も、日本外国特派員協会を「仕事場」にしている。斜め向かいには第一生命ビルがあり、マッカーサーは、皇居を睨むこのビルに連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)を置いた。

「公的組織のような名前をつけていますが、GHQはマッカーサー一人のものでした。神の御業の地上代行者と過信して、天皇も含め全てを意のままに操り、国際法も一切遵守することなく、占領政策を推進しました」(同前)

ストークス氏は、極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判は、「欧米の秩序を脅かした日本に対する復讐劇」であり、連合国側の「プロパガンダ」に過ぎないと位置づけるが、彼のほかにも海外で、「東京裁判は司法殺人である」と論証する本が出版された。

広田弘毅
『司法殺人』の著者デール・スミス博士は、現職のオーストラリア・ブリスベンの高等裁判所判事である。ブリスベンといえば、東京裁判のウェッブ裁判長の故郷でもある。不思議な因縁すら感じてしまう。私が邦訳準備をしているが、スミス博士は著書で、軍事裁判においてなぜ非軍人だった広田弘毅・元首相が処刑されなければならなかったのかと問題提起し、「広田の処刑は、『司法殺人』の疑いが濃厚である」と、法律の専門家の立場から論じている。

※SAPIO2015年4月号

【私の論評】戦後70周年にあたる今年、私達は東京裁判史観の呪縛から自らを解き放つ時期にきている(゚д゚)!

以下に、極東国際軍事裁判の内容について簡単にまとめておきます。

これは、大東亜戦争終結後に、いわゆる「A級戦犯」を裁くために行われた、いわゆる「 東京裁判」(極東国際軍事裁判)の動画です。

 

極東国際軍事裁判(The International Military Tribunal for the Far East)は、第二次世界大戦で日本が降伏した後、連合国軍が「戦争犯罪人」として指­定した日本の指導者などを裁いた一審制の裁判のことです。

以下に東京裁判の動画のURLを掲載しておきます。これらの動画から抜粋したのが、上の動画です。非常に長い動画ですが、日本人として一度は、視聴しておくべきものと思います。
東京裁判 vol1/4
東京裁判 vol2/4
東京裁判 vol3/4
東京裁判 vol4/4
以下に、極東国際軍事裁判にて裁かれた人々の名簿を以下に掲載します。

■いわゆる「A級戦犯」として起訴された人:全28人
●処刑された人々:7人
東条 英機(とうじょう ひでき) 陸軍大臣/総理大臣
広田 弘毅(ひろた こうき) 外務大臣/総理大臣
板垣 征四郎(いたがき せいしろう) 陸軍大将
土肥原 賢二(どいはら けんじ) 陸軍大将
木村 兵太郎(きむら へいたろう) 陸軍大将
武藤 章(むとう あきら) 陸軍中将
松井 石根(まつい いわね) 陸軍大将
●獄死した人々:7人
松岡 洋右(まつおか ようすけ) 外務大臣
東郷 茂徳(とうごう しげのり) 外務大臣
白鳥 敏夫(しらとり としお) 駐イタリア大使
永野 修身(ながの おさみ) 軍令部総長
梅津 美治朗(うめづ よしじろう) 陸軍大将
小磯 国昭(こいそ くにあき) 陸軍大将/総理大臣
平沼 騏一郎(ひらぬま きいちろう) 総理大臣

●名誉を回復した人々:14人
大川 周明(おおかわ しゅうめい) 思想家
木戸 幸一(きど こういち) 内務大臣
南 次郎(みなみ じろう) 陸軍大将
畑 俊六(はた しゅんろく) 陸軍元帥
橋本 欣五郎(はしもと きんごろう) 陸軍大佐
荒木 貞夫(あらき さだお) 陸軍大将
大島 浩(おおしま ひろし) 陸軍中将/駐ドイツ大使
佐藤 賢了(さとう けんりょう) 陸軍中将/軍務局長
鈴木 貞一(すずき ていいち) 陸軍中将/企画院総裁
嶋田 繁太郎(しまだ しげたろう) 海軍大将/海軍大臣
岡 敬純(おか たかずみ) 海軍中将/軍務局長
星野 直樹(ほしの なおき) 満州国総務長官
賀屋 興宣(かや おきのり) 大蔵大臣
重光 葵(しげみつ まもる) 外務大臣

●開廷前に自殺した人:1人
近衛 文麿(このえ ふみまろ) 総理大臣
A級戦犯はどのように選ばれたのか

日本に降り立ったマッカーサーは、まず部下に対して、 「トウジョウを逮捕せよ。そして早急に同種の戦争犯罪人のリストを作成せよ。」 との命令を下しました。

しかし、彼らの日本の政治や軍に対する知識は乏しく、いっこう に作業ははかどりませんでした。マッカーサーも機嫌を悪くしていました。 困った部下たちは、とりあえず東条内閣時代の全閣僚や日本に協力した外国人などを含め て、39人の「A級戦犯容疑者」リストを作りました。 

その後、容疑者は次々に追加され100人以上になりました。その中から、マッカーサー から国際検事局局長に任命されたキーナンが28人の起訴する容疑者を選定したのです。 

しかし、その後、ソ連の検事団が駐ソ大使を務めた重光葵元外相と関東軍司令官だった梅 津美治朗大将を「A級戦犯」に加えろ、さもなくば裁判に参加しないと脅してきました。
 
これに対し、アメリカは怒りながらも「連合国の裁判」という体裁を保つためにソ連の参 加が不可欠だったため、被告席の数が決まっているなら、元首相・安倍信行大将と真崎甚 三郎大将を外して、重光・梅津を入れるというソ連の横車をマッカーサーは認めてしまい ました。 

「A級戦犯」にされるもされないも、ただ単に「戦勝国側の都合」だけが基準だったのです。

弁護団副団長 清瀬弁護士の発言 

「ポツダム宣言」に無かった「平和にたいする罪」「人道にたいする罪」で裁判する権限 は誰にも無い!連合国といえども「ポツダム宣言」を守らねばならない!連合国におかれ ては、今回の戦争の目的の一つが国際法の尊重であるということを言われております!

ブレイクニー弁護士の原爆に触れた発言 

我々は広島に原爆を投下した者の名を挙げることができる。投下を計画した参謀長の名も 承知している。その国の元首の名前も我々は承知している。彼らは殺人罪を意識していた か。してはいまい。
原爆を投下したものがいる! この投下を計画し、その実行を命じこれを黙認した者がいる! その者たちが裁いているのだ!

このような意見に対して、裁判長は明確にせず「却下」を続けたのです。 

戦勝国として裁判に参加したソ連

日本はソ連と戦争はしていませんでした。「中立条約」を結んだ準同盟国だったのです。 その条約に違反し、敗戦確実の日本を火事場泥棒的に攻めて領土を奪い、100万人もの 日本人を強制連行して虐待労働させている最中の国が、なんと「正義の連合国?」の一員 として裁判官席に座っていたのです。

ソ連は東京裁判を「日露戦争の復讐」と考え、1938年の張鼓峰事件と1939年のノ モンハン事件を日本の侵略として訴因入れました。 しかし、これらの事件は既に日ソ間で休戦協定が結ばれており、それを無視して一方的に 断罪してきたのです。 そのため、清瀬一郎弁護士は、これに関しては「既に解決済みである!」と主張していたのです。

パール判事の言葉



パール判事は、この東京裁判で日本が国際法に照らして無罪であることを終始主張し続けたインド人判事です。田中正明著『パール博士の日本無罪論』によれば、同判事は日本の教科書が東京裁判史観に立って「日本は侵略の暴挙を犯した」「日本は国際的な犯罪を犯した」などと教えていることを大変に憂えて「日本の子弟が、歪められた罪悪感を背負って卑屈、頽廃に流されて行くのをわたくしは平然と見過ごすわけにはいかない」と発言したことが明らかになっています。

日本が敗戦で呆然自失し、思想的にも文化的にも、日本人のアイデンティティーを失っていた時代に、パール判事の言葉はどれだけ日本人に勇気と希望を与えてくれたことか。わたしたちは決してこの恩義を忘れることはありません。

このパール判事の冷静かつ公平な歴史感と人権に感服し、義兄弟の契りまで結んだ平凡社創設者下中弥三郎は、世界連邦アジア会議を開催してそのゲストとしてパール博士を招致しました。その没後二人を記念する建設委員会によって創設されたのが、箱根町の丘の上にあるパール記念館である。正式には「パール下中記念館」と呼ばれています。

以上の文章や、動画をご覧いただければ、いかに極東国際軍事裁判が、いかに虚偽にみちたものであるかがお分かりになると思います。

私たちは、この事実を胸に刻み、戦後の東京裁判史観に染まることなく、ブログ冒頭の記事にある「東京裁判は司法殺人である」とする複数の論証が出てきたことを契機に、他に強要されることのない日本人としての歴史観を持つべきものと思います。

ちなみに、東京裁判史観とは、以下のようなものです。

東京裁判によって下された判決の内容はすべて正しく、満州事変にはじまり、大東亜戦争に終わった、日本が関係した各種事件、事変、戦争は、すべて日本が東アジアおよび南方諸地域を略取し、支配しようとした、被告たちの共同謀議に基づく侵略戦争であって、戦前、戦中の日本のなした各種行為、行動はすべて「悪」であったとする歴史観です。

日本が支那を侵略したために、太平洋戦争に突入したなどという歴史観。まさにアメリカの占領政策によって植えつけられた誤った史観です。

自己否定、卑屈、盲従、無定見をもたらす精神構造のこと。今最大の問題となっている日本人の精神の荒廃は、東京裁判で始まっているといえます。

昭和3(1928)年以降の日本国の対外政策・外交方針は一口に言って侵略的であり、道義にもとるものである。武力行使を発動したときには、常に国際法で言うところの戦争犯罪を伴っていたとするものです。

この東京裁判史観は、日本の初等・中等教育における教育方針、教科書の編集、記述方針を完全に支配してしまいました。この史観が教育界を支配してしまったのは昭和24、5年の頃で、日教組が教育界を支配していった趨勢とほぼ並行しています。教科書作成のガイドラインである「学習指導要領」という文書が、日教組の巧妙な浸透によって彼らの思い通りに策定されるという形でここれが、浸透してしまったのです。

しかし、この動きも近年徐々にではありますが、改善されつつあります。私達は、戦後70周年にあたる今年、こうした不当な歴史観の呪縛から自らを解き放つ時期にきていると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

歴史問題は、東京オリンピック当たりまでは中国や韓国でも、あまり大きな問題とはなっていませんでした。それらが問題になったのは、80年代あたりからです。中韓政府が、国内の根本的な問題を解決できなかったため自分たちの保身のため日本を悪者に仕立てたというのが真相です。

そんなことは、私達日本人自身が良く知っていたことなのに、戦後70年もたつと、それを知らない人、教えられてない人、知ろうとしない人が増えてきました。

以下の書籍は、歴史問題を考える上で非常に良い、視点を提供してくれます。是非ご覧になって下さい。

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2014年3月12日水曜日

人民元変動幅拡大のウラに習主席の地元利権 矛盾から目をそらす対日批判 ―【私の論評】中国の矛盾が次々と明るみに出たこの10年、もう現体制の綻びは明白、世界は中国崩壊に備え現中国の指導層の裁判に備え「普遍的管轄権」による公正な判決ができるように備えよ(゚д゚)!

人民元変動幅拡大のウラに習主席の地元利権 矛盾から目をそらす対日批判 

北京の人民大会堂
5日開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)では、経済成長率7・5%の目標や国防費2ケタ増、人民元の変動幅拡大などが打ち出された。

全人代は、中国の今後1年間の重要政策について話し合う場で、例年3月上旬から中旬にかけて北京の人民大会堂に全国の省や軍などの代表約3000人が出席する。形式的には日本の国会と似ているが、中国は共産党の一党独裁であり、政党間の政権交代はなく、重要事項は共産党の指導部が決定する。全人代は党の決定を確認するだけとも指摘されている。

全人代で掲げられた成長率目標7・5%は、消費者物価指数(CPI)の伸び率3・5%とともに、前年と同じである。これは、そろそろ中国経済が頭打ちになってきていることを示している。

また、中国経済が「ルイス転換点」にぶつかってしまったという識者の指摘とも合致している。

・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・

習近平国家主席は太子党(共産党幹部の子弟)出身で、沿海部の福建省や浙江省の党要職を務め頭角を現してきた。その地域は中国の大手輸出企業が集まっており、人民元は安くしておくことが既得権を守ることになる。そのため、変動相場制への移行は政権のアキレス腱(けん)となる。

そうした国内の矛盾から目をそらすために、対日批判を使っているフシがある。そして、それが国防費2ケタ増につながっている。

先日のコラムでも紹介したが、中国の国防費は国内総生産(GDP)の2%と、日本の倍である。その国防費を中国はさらに伸ばして、アジア地域の軍事バランスを歪めている。

中国のシャドーバンキング問題は世界経済の弾薬庫であり、大波乱要因になる。その来たるべき日に備えて、日本も今のうちから経済力を強化する必要がある。 

【私の論評】中国の矛盾が次々と明るみに出たこの10年、もう現体制の綻びは明白、世界は中国崩壊に備え現中国の指導層の裁判に備え「普遍的管轄権」による公正な判決ができるように備えよ(゚д゚)!

このブログでも従来から紹介させていただいたように、この10年中国の大矛盾が次々と明らかになっています。その矛盾度合いは、日本の比ではありません。日本の政治家の利権など、中国の官僚(中国に厳密な意味で政治家は存在しません。全部官僚です)に比較すれば微々たるものであり、最悪のものでも、中国のそれと比較すれば「天使の戯事」に過ぎないと言っても良いくらいです。他のアジアの諸国と比較しても、幅と奥行きのスケールが根本に異なります。

カナダ紙グローバルポストは記事「中国:愛人の報復」を掲載した

習近平国家主席の沿海部の福建省や浙江省の利権など、想像を絶するものがあり、変動相場制への移行も実行できません。とにかく、利権は凄まじく、習近平国家主席の義兄や、温家宝前首相の息子、温雲松氏を含む中国指導部の親族ら少なくとも十数人が、タックスヘイブン(租税回避地)の英領バージン諸島の企業を資産管理に活用しています。

バージン諸島のタックスヘイブンは、中国と香港の2万1000人以上が利用。中国からは2000年以降、1兆~4兆ドル(約104兆~約417兆円)の資産が流出していると推計されています。

習主席は公務員に「倹約令」を出すなど腐敗防止に力を入れていますが、義兄夫妻が中国や香港に高級ホテルを所有していると一方で、「3億人以上が1日2ドル未満で生活している」という事実があります。

こうしたなか、中国経済は「ルイス転換点」にぶつかってしまったということです。「ルイス転換点」とは、イギリスの経済学者、アーサー・ルイスによって提唱された概念です。
工業化前の社会においては農業部門が余剰労働力を抱えています。工業化が始まると、低付加価値産業の農業部門から都市部の高付加価値産業の工業部門やサービス部門へ余剰労働力の移転が起こり、高成長が達成されます。工業化のプロセスが順調に進展した場合、農業部門の余剰労働力は底をつき、工業部門により農業部門から雇用が奪われる状態となります。この底を突いた時点がルイスの転換点です。日本においては1960年代後半頃にこの転換点に達したと言われています。 
ルイスの転換点以降は、雇用需給が締まるため、賃金率の大きな上昇が起きます。古典派経済成長理論における人口増加による成長モデルはここで限界になるため、経済構造の変革が起こらない限り中所得国の罠(英語版)に陥り1970年代から1980年代の南米諸国に見られたような長期のスタグフレーションに突入することになります。

要するに、社会構造そのものを根本的に変えない限り、中国はこれから長期のスタグフレーションに突入するということです。

とりあえず、デフレから脱却さえすれば、かなり良くなる日本などとは根本的に経済状況が異なるということです。

中国の矛盾は経済だけではありません。 現中国は、建国以来毎年平均2万件もの暴動が発生したとされていました。それが、2010年からは、毎年平均10万件もの暴動が発生するようになり、政府もこれを公表しなくなりました。現在の中国は、人民の怨嗟のマグマが頂点に達し、いつどこで、その大爆発が起こっても不思議ではないような状況になっています。

江沢民元国家主席や李鵬元首相らかつての中国指導部お歴々に対し、スペインの裁判所が逮捕状に基づき国際手配を求めました。これは、スペインの法には、普遍的管轄権が設定されているという根拠に基づくものです。

スペインの裁判所から逮捕状が出ている中国の面々

チベット族へのジェノサイド(民族・人種などの計画的殲滅(せんめつ)、人道犯罪の一つ)のかどだといいます。高齢の江氏らは外遊しないでしょうし、中国の反発を受けて国外の人道犯罪に対するスペイン特有の裁判を制限する法改正が進んでいることもあり、氏らの逮捕・訴追は現実にはあり得ないでしょう。

日本での犯罪は日本で裁かれますし、米国での犯罪は米国で裁かれます。それぞれの国が国内の裁判管轄権を持つからで、国家主権と司法が密接に結びついている現代では、当たり前のように見えます。



しかし、ある国での犯罪が別の国で裁かれることも、ないわけではありません。その条件や法理論は複雑ですが、わかりやすい例が、ジェノサイドや、人道に対する罪の場合です。これらの犯罪は国際秩序を脅かす性格を持ち、その影響は一国のうちにとどまりません。だから、犯罪者が処罰を免れてはいけないのですが、往々にして権力者自身や国家機関が手を染めており、その国の法制度で対応するには限界があります。だから、別の国家が、捜査や訴追に乗り出さなければならならなくなります。このような考え方を、国家に縛られない管轄権であることから「普遍的管轄権」と呼びます。

とはいえ、この件は、チベット族に対する中国当局の過酷な弾圧について国際社会に強烈な印象を与えたという意義はあります。

スペインだけではありません。普遍的管轄権を設定していたベルギーの裁判所に、1991年の湾岸戦争を遂行した前述のブッシュ元大統領、チェイニー元国防長官、パウエル元統合参謀本部議長らが戦争犯罪で告訴されるという事態が2003年に起きて、ベルギーはやはり米政府の圧力で普遍的管轄権を撤廃するに至っています。

とはいいながら、旧ソ連が崩壊したときのように、国が崩壊してしまえば、「普遍的管轄権」による国際裁判なども考えられるわけで、中国という現体制が崩壊すれば、それもあり得る話です。

東京裁判

さて、この「「普遍的管轄権」といえば、あの東京裁判を思い出します。大日本帝国が崩壊したため、大日本帝国の管轄による裁判はできないため、あのようなとんでもない形の裁判が行われたわけです。この点については、皆さんご存知でしょうから、ここでは詳細は述べないですが、あの裁判は、「普遍的管轄権」どころか、勝者による敗者に対する一方的なリンチ以外の何ものでもありません。

国際法的にみれば、日本にはあの裁判における戦犯など一人存在しませんでした。中国の現体制が崩壊したときには、私は中国の現体制の指導層は、「普遍的管轄権」による裁きを受けるべきと思います。しかし、その裁きは、東京裁判のように一方的なリンチであってはならないと思います。

ただし、現中国の指導層は、明らかに犯罪を犯していると思います。かといつて、東京裁判のような過ちを二度と繰り返してはいけません。このへんが明確になるように、今から世界は、中国崩壊にともなう、「普遍的管轄権」のあり方を考えておき、公正な裁判ができるように準備をしておくべきと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

本日は、震災に関する記事を掲載しようとも思いましたが、結局本日の記事にしました。

震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りさせていただきます。

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