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2016年3月10日木曜日

北朝鮮 日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射―【私の論評】東京大空襲のあった日にミサイル発射の魂胆は?



動画・写真・図表は以下すべてブログ管理人挿入

北朝鮮が10日午前、日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射したことについて、韓国軍は、今月7日からアメリカ軍と行っている合同軍事演習に北朝鮮が反発したものとみて、警戒を強めています。

韓国国防省によりますと、北朝鮮は、10日午前5時20分ごろ、朝鮮半島西側のファンヘ(黄海)北道から北朝鮮の上空を通過して東側ウォンサン(元山)の北東方向の日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射したということです。

いずれのミサイルも500キロほど飛んで、日本海に着弾したということです。韓国国防省のムン・サンギュン(文尚均)報道官は、10日の記者会見で、「韓国軍は、綿密に追跡と監視を行っており北朝鮮の挑発に対する万全の態勢をとり続けている」と述べ、北朝鮮の挑発に対して警戒を強めていると説明しました。

韓国国防省は、北朝鮮は去年も米韓の合同軍事演習の期間中にミサイルを発射しており、今回も演習に対する威嚇との見方を示しました。

演習について北朝鮮は、韓国大統領府やアメリカ本土などへの先制攻撃も辞さないとする、軍最高司令部の「重大声明」を出したほか、9日、国営メディアを通じて核弾頭の小型化に成功したと主張して米韓両国を強くけん制するなど、合同軍事演習を中止するよう繰り返し求めています。

防衛省によりますと、弾道ミサイルは、午前5時22分ごろと午前5時27分ごろに北朝鮮西岸のナンポ(南浦)の付近から東北東に向けて発射されたとみられるということです。発射されたミサイルは、およそ500キロ飛んで日本海上に落下したと推定されるということです。

「スカッド」 発射の兆候つかむのが難しい

短距離弾道ミサイルの「スカッド」は、1950年代に旧ソビエトが開発し、その後、北朝鮮に輸出されました。北朝鮮は、スカッドの配備や改良を続け、射程はおよそ300キロから1000キロに達するとみられています。

また、スカッドは、車両で運んで発射する移動式の弾道ミサイルで、防衛省は発射の兆候を事前につかむのが難しいとしています。

北朝鮮は、おととし、5回にわたってスカッドとみられる弾道ミサイルを発射したほか、去年3月には米韓合同軍事演習の初日に北朝鮮西部のナンポ(南浦)から日本海に向けてスカッドとみられる弾道ミサイル2発を発射しています。

外相「強く非難する」 北朝鮮に抗議

岸田外務大臣は、参議院外交防衛委員会で、「一連の国連安全保障理事会の決議に違反するものだ。北朝鮮による挑発行為がエスカレートすることは、わが国や地域の安全を脅かし、強く非難する」と述べました。

そのうえで岸田大臣は、北朝鮮に対し、午前8時すぎに、中国・北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしたうえで「引き続き、安保理の場を含め、アメリカや韓国をはじめとする関係国と緊密に連携し、関連情報の収集など、しかるべき対応に努めていきたい」と述べました。

中谷防衛相「さらなる挑発の可能性も」

中谷防衛大臣は、10日午前、防衛省で記者団に対し、「引き続き、アメリカや韓国と緊密に連携しながら、必要な情報の収集や分析、警戒監視に努めていく。北朝鮮が、国連安保理決議や米韓の演習などに反発して、さらなる挑発行動に出る可能性は否定できないので、対応に万全を尽くしていく」と述べました。

また、中谷大臣は、今回発射されたミサイルは、「スカッドミサイル」の可能性があるとしたうえで、「今回の発射が、わが国の領域や周辺海域に到達しうる弾道ミサイルの能力の増強につながるものであれば、わが国の安全保障上、強く懸念すべきものだ」と述べました。

【私の論評】東京大空襲のあった日にミサイル発射した北朝鮮の魂胆は?

本日は、このニュースあまり詳細は、報道されていないので、掲載させていただきました。

ところで、71年前の昭20年3月10日は東京大空襲と呼ばれる、実際には東京大虐殺の日です。東京は1944年(昭和19年)11月14日以降に106回もの空襲を受けましたが、特に1945年(昭和20年)3月10日、4月13日、4月15日、5月24日未明、5月25日-26日の5回は大規模でした。


その中でも「東京大空襲」と言った場合、死者数が10万人以上と著しく多い1945年3月10日の空襲(下町空襲)を指すことが多いです。この3月10日の空襲だけでも罹災者は100万人を超えました。

同時に3月10日は陸軍記念日でもあります。米国はこれに合せ東京大虐殺を企てました。明治38年(1905)日露戦争の天下分け目の奉天会戦で日本が勝利、日露戦争の勝敗を決定づけた。日本軍が奉天(現瀋陽)のロシア軍を駆逐し奉天城に入城した日でもあります。

そのため本日は、私は、平和への祈りを捧げていました、その矢先、ブログ冒頭の記事のように、北朝鮮にやるミサイル発射がありました。本日は、戦争は良くないという趣旨の慰霊祭の声が報道されましたが、どちらかと言えば親米派の私ですら、アメリカのあの爆撃に対しては怒りを感じるにもかかわらず、戦争を反対する人々から当時のアメリカへの怒りが全く感じられないというのは不思議なことです。
「大山巌の奉天入城式典」
わざわざ、この日を選んで、北朝鮮がミサイルを発射したのには、やはり東京大空襲を意識してのことでしょうか。そうして、その狙いは日本に対する威嚇と、日米の分断でしょうか?

このようなことを掲載すると、多くの方々は、「単なる偶然」とおっしゃるかもしれません。しかし、北朝鮮が東京大空襲を考慮したかどうかは、定かではないものの、この打ち上げには前もってかなり周到に準備していたと思われます。

ブログ冒頭の記事では、「演習について北朝鮮は、韓国大統領府やアメリカ本土などへの先制攻撃も辞さないとする、軍最高司令部の「重大声明」を出したほか、9日、国営メディアを通じて核弾頭の小型化に成功したと主張して米韓両国を強くけん制するなど、合同軍事演習を中止するよう繰り返し求めています」としています。

そうして、これに関する本日の朝鮮中央通信の報道全文は以下の通りです。
われわれの警告を誤って判断するな 朝鮮中央通信社論評
【平壌3月9日発朝鮮中央通信】米帝と南朝鮮のかいらい好戦狂らが、われわれの警告にもかかわらず7日から南朝鮮全域で「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル16」合同軍事演習をとうとう開始した。 
クリックすると拡大します
今回の演習は、好戦狂らが公然と唱えた通り、朝鮮革命の首脳部を狙った「斬首作戦」と戦略的要衝を不意に占領するための奇襲上陸作戦、われわれの核打撃手段に対する核先制打撃作戦などを含む「作戦計画5015」の実戦の可能性を確定するのに目的を置いた挑発性と悪らつさ、無分別さにおいて、史上極致を成す大規模な北侵核戦争演習騒動である。 
侵略者は、犯罪的目的を公開した今回の核戦争挑発策動にも「定例的」という看板を公然と付けることによって、自分らの反共和国圧殺野望が過去も、現在も少しも変わっていないということを世界に余地もなくさらけ出した。
今、国際社会は敵対勢力がわれわれの自衛的な初の水爆実験と合法的な地球観測衛星「光明星4」号の打ち上げに言い掛かりをつけてつくり上げた不当極まりない国連「制裁決議」によって生じた朝鮮半島地域の険悪な情勢に懸念を表し、それが一日も早く緩和することをいつよりも切に願っている。 
まさにこのような時に、米国とかいらい一味が膨大な兵力とほとんどすべての3大戦略核打撃手段まで総動員してわれわれの尊厳と自主権を併呑するために最後のあがきをしているのである。 
これこそ、平和と安全を願う国際社会の念願に対する正面切っての挑戦であり、侵略者、情勢破壊の主犯としての正体を赤裸々に見せる明白な証拠である。 
凶器を振り回して横暴非道に襲い掛かる強盗は、いかなる論理や頼みごとによっては絶対に追い出すことができない。 
今日の厳しい現実は、敵の不正義の力を正義の力で圧倒するために、わが共和国が早くから自衛的戦争抑止力、核先制打撃力を千倍、万倍に打ち固めてきたのがどんなに正当で、先見の明のある措置であったのかを再びはっきり実証している。
上の文中にでてくる、「作戦計画5015」とは以下の様な作戦です。以下にハンギョレ新聞の記事をコピペします。
朝鮮半島有事「作戦計画5015」で北朝鮮の核・ミサイルを先制打撃
 2015.08.28

 韓米が今年6月に署名した作戦内容
 韓米軍当局が朝鮮半島の有事を想定し、新たな「作戦計画5015」を作成したことが分かった。安保環境の変化に合わせて先制打撃の概念を適用するなど、従来の「作戦計画5027」より迅速かつ積極的な軍事対応を強調していると伝えられた。 
 軍関係者は27日、「チェ・ユンヒ合同参謀本部議長とカーティス・スカパロッティ韓米連合司令官兼在韓米軍司令官が6月、新たに作成された作戦計画5015に署名したと聞いている」と述べた。この関係者は、「今回に合意された作戦計画は戦争勃発など有事の際、韓米軍事力運用に関する大きな下図に当たる」とし「韓米両軍は、新しい作戦計画に基づいて除隊別の隷下部隊にまで適用される具体的な作戦計画を、年末までに作業することになる」と述べた。作戦計画5015は、来年から本格的に適用される予定であることが分かった。 
 今回の作戦計画5015は、2010年10月、第42回韓米安保協議会(SCM)で韓米国防長官が北朝鮮の脅威と戦略状況の変化に総合的に対応できる新しい作戦計画樹立のため、「戦略企画指針」 (SPG)に合意したことによる後続措置だ。当時、新しい作戦計画の作成は、今年末に予定された戦時作戦統制権(戦作権)の転換に備えるための意味が大きかった。しかし、韓米軍当局は昨年、戦作権の転換を2020年代半ばまで再延期することに合意したが、「作戦計画5015」は当初の計画通りに進めてきた。 
従来の作戦計画5027と新規の作戦計画5015 
年末までに具体的な計画を完成北朝鮮による局地挑発に共同で対応し大量破壊兵器の脅威への備えに焦点既存の「5027」よりも迅速・積極的   
 ミサイルなどの大量破壊兵器の脅威の増加など、軍事安保上の環境の変化に対する韓米連合戦力の軍事的対応に焦点を当てていることが分かった。従来の作戦計画5027は、主に北朝鮮の南侵に伴う全面戦争の状況を想定したシナリオに沿って、6段階の対応で構成されている。北朝鮮軍の奇襲南侵が発生した場合、ソウル北側の防衛線で北朝鮮軍を阻止し、米軍の増援戦力が到着したら、戦列を整備して反撃に出るという概念だ。 
 今回の作戦計画5015は、北朝鮮の局地挑発による戦争拡大の可能性が大きくなるにつれ、韓米連合戦力が局地挑発にどのような手順で対応するかなどが検討されたものと見られる。韓米軍当局は、すでに2013年3月に「局地挑発への韓米共同対応計画」を策定したと発表した。今回の作戦計画5015には、当時合意された内容が以降の状況の変化まで反映して含まれたと伝えられた。軍関係者は、「作戦計画5027が、主に北朝鮮の全面的な南侵に備えるのに焦点を当てているのに比べ、今回の作戦計画5015には、北朝鮮の全面戦争挑発の前に、局地挑発の段階から韓米連合防衛体制をどのように稼働するかなどが盛り込まれた」と述べた。 
 また、北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候が見られたら、30分以内に先制打撃するという韓国軍の「キルチェーン」の概念も、今回の作戦計画に反映されたことが分かった。軍関係者は、「北朝鮮の核・ミサイル攻撃の脅威に対しても、韓米連合防衛体制で備えるようになる」とし「北朝鮮が核・ミサイル攻撃をする前に、あらかじめ軍事的に対応して被害を予防することは、先制攻撃ではなく、自衛権に基づく対応」と述べた。 
 一方、チョ・サンホ国防部軍構造改革推進管はこの日、ソウルの戦争記念館で韓国国防安保フォーラム(KODEF)の主催で開かれた安保学術セミナーに参加し、あらかじめ配布した発表文で、「私たち(韓国)主導、私たち優位の非対称戦略概念の開発」の必要性を提起し、心理戦、情報優位性、精密打撃能力とともに「斬首作戦」を例示して問題になった。斬首作戦は、有事の際、敵国が核兵器を使用しようとする兆候が見られたら、核兵器承認権者を除去し、核兵器の使用を防ぐものだという。最近、南北が軍事衝突を防ぎようやく作り上げた対話の雰囲気に、水を差すような発言だという指摘も出ている。
 「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル16」は、かなりの規模の軍事演習です。そうして、新たな軍事作戦「5015」もかなり大掛かりな作戦です。

この新たな軍事作戦「5015」に含まれる、要人斬首のための部隊をすでに米軍が、朝鮮半島に駐屯させていることはこのブログでも以前掲載しました。

北朝鮮の場合は、北朝鮮政府が情報を統制しているので、この軍事訓練の規模など人民には詳細までは知らせないので、混乱などおこりませんが、自分たちの実力を良く知っている幹部連中は心穏やかではないでしょう。特に斬首作戦にはかなり心理的効果があるものと思います。幹部など、警備の手薄なところにはなかなか出かけられないということになります。

最近の金正恩
このようなことを、中国と北朝鮮あたりが、日本の近海で行えば、日本はどうなることでしょう。日本なら大混乱するかもしれません。いや、それどころか、日本国民は再軍備や、核武装などを望むようになるかもしれません。そうなれば、元も子もなくなるので、今までのところ中国や、北朝鮮も日本に対しては、挑発してもある程度以上のことはしなかったのだと思います。

それにしても、斬首作戦など、本当に実行するかもしれません。何しろ、アメリカはあのオサマ・ビンラディンを斬首した国です。

本当に警備などが手薄な場所や日時を特定できたら、実行する可能性は十分にあると思います。そうして、核兵器の使用を承諾できる幹部を全員を斬首または、捕獲できた場合、その後に戦争に雪崩れ込むというシナリオも十分考えられます。

特に、最近は、南シナ海で増長する中国に対して、見せしめのために、中国の目の前でそれを実行するかもしれません。これを実行した場合、中国もパニックに陥ることでしょう。

最近、増長して身の程知らずになってしまった、北朝鮮や中国にとっては、有効な手段であると思います。それにしても、オバマは「アメリカは世界の警察官をやめる」などと公言したり、及び腰の態度で外交に臨んだため、中国、ロシア、北朝鮮、韓国などを増長させてしまいました。

これに対する見せしめにするためには、北朝鮮の要人などは、格好の標的だと思います。

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