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2015年2月18日水曜日

【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書"― 【私の論評】残虐の限りを尽くすのは、何故? 統治の正当性や軍事力が脆弱であるため、余裕がなく切羽詰まっているからこそだ(゚д゚)!

【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書" 


ネット上に公開されている“処刑の教科書”

リビアでキリスト教の一派、コプト教徒のエジプト人21人を一斉に斬首する映像をインターネットに公開したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。イスラム過激派に伝わる“テロの教典”に基づいて殺戮を繰り返す彼らだが、その戦略が逆効果になっている可能性がある。エスカレートする残虐行為で、「イスラム諸国の反発を招き、逆に追い詰められつつある」(専門家)というのだ。(夕刊フジ

地中海沿岸とみられる浜辺で一斉に21人ものエジプト人を虐殺したイスラム国。怒りに震えるエジプト軍は16日、このテロ集団の軍事訓練施設や武器庫など複数の拠点を空爆、報復措置をとった。エジプトはこれまで米国が主導する対イスラム国への軍事作戦に参加していなかったが、堪忍袋の緒が切れた格好だ。

「イスラム国」が公開したコプト教徒の処刑映像

イスラム国は13日までに、クルド人部隊の兵士17人を檻(おり)に入れて市中を引き回す映像も公開。兵士が入れられた檻は、ヨルダン軍のパイロットが火あぶりにされたものと酷似しており、英紙デーリー・メールは、「全員を焼殺する可能性がある」などと報じている。

火あぶりに首斬り、引き回し。行為を激化させるイスラム国だが、無軌道にもみえる行動の背景に、イスラム過激派の間で知られる「野蛮の作法」という指南書の存在が指摘されている。

中東情勢に詳しい世界平和研究所の松本太・主任研究員は「2004年にアブ・バクル・ナージと名乗る人物がネット上に投稿したもので、イスラム過激派が目指すべき戦略を提示している。そこでは、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性が説かれている」と解説する。

軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れた。特にムスリム社会でタブー視される火刑への反発が大きい。過激派と一般のムスリムの間には決定的な断絶が生まれ、イスラム国は影響力を急速に失っている」と語る。

エジプトやヨルダンが報復攻撃に出るなど周辺国の包囲網が強化される一方で、最高指導者とされるアブバクル・バグダーディ容疑者をはじめとする組織中枢の結束も危うくなっている。

松本氏は「イスラム国はフセイン政権下のイラク・バアス党に所属していたスンニ派のイラク人が中心となって築き上げた組織。中枢を古参のイラク人幹部が牛耳っていて、サウジアラビアや西アフリカ諸国、チェチェンなどから入ってきた新勢力と緊張関係にある。緊張が高まれば、組織が内部崩壊する可能性もある」と話す。

非道なテロ集団は自壊への道を歩んでいる。

【私の論評】残虐の限りを尽くすのは、何故? 統治の正当性や軍事力が脆弱であるため、余裕がなく切羽詰まっているからこそだ(゚д゚)!

テロ組織「イスラム国」には、「野蛮の作法」という指南書があるそうですが、それにしてもこのような残虐の限りを尽くすには、それなりの理由があると思います。

上の記事でも示されている通り、2つに集約されます。

一つ目は、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性からです。

二つ目は、これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れたからです。

もし、このテロリストグループに余裕があれば、いくら「野蛮の作法」という指南書があったにしても、実際にこれを適用するようなことはしないと思います。

テロ組織「イスラム国」の統治
もともと、残虐の限りを尽くすのは、自分たちの脆弱な統治能力を恐怖によって、補完し安定継続させるためのものです。以下に、現状のテロ組織「イスラム国」の統治方式のあらましを掲載します。


テロ組織「イスラム国」は、イラクとシリアにまたがる地域で勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派組織。国際テロ組織アルカイダ系組織などから派生し、2013年にシリア内戦に本格参戦した「イラク・レバント・イスラム国」(ISIL)が14年6月に「イスラム国」に改称、イスラム教教義に厳格に従った国家樹立を宣言しました。アルカイダは2月に関係を断絶する声明を発表しています。

イスラム国の最高指導部はバグダディ指導者と2人の元将校で構成され、イラクとシリアに分けて戦闘や支配地域の統治などを総括。最高指導部の下には10人前後からなる評議会を設置し、集団指導体制を敷いています。

評議会メンバーは戦闘や戦闘員の勧誘、広報など部門別の責任者を兼ね「内閣」のような役割を持っています。全てイラク人で、元将校のほか政治・行政の経験を持つフセイン政権与党バース党の元党員もいます。さらに支配地域を区分けして十数人の「知事」を置いています。

フセイン政権の残党がイスラム国と結びついたのは、イラク戦争後に政府軍が解体され、バース党幹部が公職から追放されたためです。フセイン元大統領は自身と同じイスラム教スンニ派を重用していたのですが、新政権への移行は人口の約6割を占めるシーア派が主導。不満を募らせた元政権幹部が、スンニ派のイスラム国に流れる土壌ができたのです。

その一人が、バグダディ指導者の「右腕」だった元将校のハッジ・バクル氏です。バグダディ指導者は10年に前指導者が米軍に殺害された後、イスラム国の前身組織を率いました。この時、バグダディ氏を推挙したのが、軍事・情報部門を率いていたバクル氏で、組織内のライバルを暗殺し、バグダディ指導者が権力基盤を固めるのに貢献しました。

「ナンバー2」の地位を獲得すると、12年に本格化したシリア内戦への介入や、新国家建設計画を主導しました。対立組織にスパイを送り、戦闘員の取り込みを図るなど組織拡大のキーパーソンでした。バクル氏は昨年1月の戦闘で死亡し、現在は側近で同じ元将校のアブ・アリ・アンバリ氏が後を継いでいます。さらにシリアとイラクの管轄を分担するため、別の元将校が指導部に加わっています。

それにしても、このような統治方式を採用したとしても、彼らの統治にも、ある程度正当性があれば、統治能力の脆弱性を補完するにしても、その補完はわずかのものですみますが、あまり正当性がない上に、最近ではかえて反発をかって、正当性がさらに薄れつつあります。だから、さらに残虐性を極めることになっているのです。

統治の正当性の脆弱性に加えて、テロ組織「イスラム国」には、さらに脆弱な面があります。それは、彼らの軍事力です。

そもそも、彼らの有する軍事力は、他の中東地域にみられる民兵に毛が生えたようなものです。民兵は、軍隊ではありません。彼らは、短期間で養成された素人の集まりであり、とても、現代の組織化され、高度に知識化された軍隊には刃が立ちません。しかも、彼らが拠点としているのは、ベトナムのようなジャングルではなく、砂漠です。これでは、早晩限界がくることは、最初からわかりきっています。

それに関しては、評論家の古谷経衡氏が非常にわかりやすい記事を書いていますので、その記事のURLを以下に掲載します。
所謂「イスラム国」の壊滅は案外早いかもしれない
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この中で、古谷氏は以下のようにテロ組織「イスラム国」の軍事力を看破しています。

古谷経衡氏
テロ組織「イスラム国」は、3個師団相当の地上戦力を持っていることから数の上だけからみれば、決して侮れない存在としています。しかし、イスラム国の戦車は、まともに運用されておらず、単なる宣伝のための戦車になってしまっていること、さらに、保有する100機のミグ戦闘機もただの飾りでこれも運用することができない状況でです。戦闘機や、戦車などは、機体・車輛そのものよりも運用ノウハウが重要であり、彼らにはそのノウハウがないことを示しました。そうして、数の多い民兵でしかない、所謂「イスラム国」の軍事力の実力を示しました。

宣伝のための戦車

その上で、以下のように結論づけています。
 所謂「イスラム国」には、有志連合の空爆や、(万が一の)地上侵攻に対抗する軍事力は無い。アフガニスタンと違って、所謂「イスラム国」の支配地域は遮蔽物や山岳の少ない砂漠地帯なので、いざ西側の地上部隊が包囲すれば総崩れとなり、掃討戦は容易に行われるだろう。 
 所謂「イスラム国」を過大評価し、「近代の終わりを告げた」とか「今後も世界中の若者が続々とイスラム国へ向かう」だのという人もいるが、軍事的な見地からすれば少々お門違いの見識のように思う。 
 所謂「イスラム国」の壊滅は、案外早いかもしれない。
統治の正当性が低く、軍事力も脆弱であるため、テロ組織「イスラム国」の壊滅は、意外と近いと彼ら自身も考えているからこそ、さらに残虐の限りを尽くしているのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月9日土曜日

中国外相 関係悪化は「日本が尖閣を盗んだことが原因」―【私の論評】〈緊急掲載〉アメリカにも被害者ヅラをみせつつ自国の権利を主張する恥知らずの中国!!尖閣の地は一寸足りとも譲らぬ!!日本人は大同団結せよ!!

中国外相 関係悪化は「日本が尖閣を盗んだことが原因」

楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相
中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相は9日、全国人民代表大会(全人代=国会に相当)が開会中の北京の人民大会堂で記者会見した。日中関係が悪化している現状について、「釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)は中国固有の領土であり、日本がそれを盗み、占拠していることが今日の局面を作った根本原因である」と日本政府の対応を批判した。

このニュースの詳細は、こちらから!!

【私の論評】緊急掲載アメリカにも被害者ヅラをみせつつ自国の権利を主張する恥知らずの中国!!尖閣の地は一寸足りとも譲らぬ!!日本人は大同団結せよ!!

上の記事、当事者日本に対するいわれのない非難です。中国は異常だというのが、日本国民にも良く理解できたと思います。これらのニュースを見聞きしても、まだ、親中、媚中である政治家などただのバカだし、これでもまだ中国さまさまなどと言い立てているのは、単なる左翼、それも左翼の中からも疎まれるスターリニストくらいしかいないと思います。政治家でもスターニストでもない媚中・親中連中は、ただのバカか拝金主義者、それも近視眼的な拝金主義者と言って良いでしょう。

異質中国は、驚くことに日本にだけいちゃもんをつけるだけではなく、アメリカにもいちゃもんをつけ始めています。

「米国に歴史的責任」 尖閣めぐり中国外務次官が批判

詳細は,上の記事をご覧いただくものとして、以下に一部をコピペさせていただきます。

崔天凱外務次官
 中国の駐米大使に起用されることが決まっている前駐日大使の崔天凱外務次官は5日までに、中国政府系のウェブサイト「中国網」のインタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)について「米国には歴史的な責任がある」などと述べ、米国の姿勢を批判した。 
 米国は1972年の沖縄返還に伴い、沖縄で行使していた施政権を日本に返還。米国が、尖閣の領有権については判断を留保しつつも、尖閣に対する日本の施政権は認めていることなどに反発したものとみられる。

とにかく、自分達は被害者面をして、どこまでも自分達の権利を主張するのみです。歴史的にいって、中国は尖閣などに何の興味も示さなかったのが、70年代になってはじめて、この海域に海洋資源が豊かであることになって気づき、そこからあわてて、尖閣などの領有権を主張しはじめました。そうして、ここまで、やるのですから、もう中国としては、ありとあらゆる手段をを講じて、尖閣を奪いにやってくるものと考えて差し支えありません。

中国としては、まともに軍事衝突をすれば、日本の自衛隊にも勝つことができず、敗北を喫することは明らかなので、そうすれば、一見強大にみえる中国の軍事力も現時点では、ハリコの虎にすぎないことを世界に向かって宣言するようなものですから、それは避けると考えられます。


考えられるのは、第一に、尖閣列島に隙に乗じて、便衣兵を上陸させて、ここは中国領土だとゴネまくり、事実関係をうやむやにして、実効支配してしまうという事が考えられます。

動かぬ証拠!!チベット暴動のときの人民解放軍はチベット僧の衣服を身につけ暴動を演出!!
第二に、現在中国ビジネス関係で、中国に在留する13万人におよぶ邦人を拘束したり、重罪に処して、おどしをかけて、日本政府に尖閣の領有権を認めさせる。

北京日本人学校の運動会
第三に、沖縄の一部県民を扇動し、沖縄住民の相違であるかのごとく装い、尖閣中国領土の世論をもりあげて、尖閣を自らのものにする。

沖縄のオスプレイ配備反対のデモ
第四に、長野オリンピックであったときのように、日本各地の目立つところで、中国人学生や場合によっては、中国本土や、諸外国にいる中国人などを総動員して、尖閣中国領キャンペーンを盛大に行い尖閣中国論をもりあげて、尖閣を自らのものにする。

長野オリンピックでの中国人デモ
第五に、日本の重要サイトなどにハッカー攻撃を仕掛けて、すべての地図や、文章など尖閣中国領として、尖閣を自らのものにする。あるいは、徹底的に日本を混乱させて、その隙に乗じて尖閣を自らのものにする。

中国人民解放軍にはサイバー軍がある

第六に、日本の要人などをハニートラップで、骨抜きにするか、要人の弱みを握り、要人を操り尖閣中国領論を盛り上げ、尖閣を自らのものにする。

中国軍当局はスパイ活動の強要を拒否したと告白した邵小珊

第七に、マスコミを操り、尖閣中国領キャンペーンをはり、世論操作をして尖閣中国領論を盛り上げ既成事実にして、尖閣を自らのものにする。

なぜか、NHKの中に日本支局がある中国中央電子台のロゴ
第八に、徹底的な歴史捏造を行い、日本国民などを錯誤させ、尖閣を自らのものにする。

これに関しては、中国は、実際に以下のように「尖閣は中国領」と書いた、石碑を作り出し、この石碑20個近くを尖閣付近の海に投げ入れている。これに関しては、詳細を知りたい型は、こちらの記事をご覧になって下さい!!

これが中国による歴史捏造の動かぬ証拠だ。石碑には「尖閣諸島は中国領土」と刻まれている
歴史的捏造に関しては、石碑のみならず、中国の古い時代の古銭などをわざと尖閣近海に捨てて、あたかも、当時中国の貨幣が当時この近辺でつかわれていたかのようにみせかけるという姑息な手口もあります。

その他にも考えればさらに、いくつも手口がありそうです。そうして、上記は、私が頭の中で考えた手口というわけではなく、すでに中国が侵略した地域で実行してきたものですし、すでに日本に対して実行しているものもあります。

中国としては、上記のような手口を全部使い、軍事力も補助的に使いながら、かといつて本格的な正面衝突にはならないようにしながらも、徹底的に攻めてやりぬく覚悟です。どこまでもやり抜く覚悟です。



私たち日本人は、このような中国のやり口を予め予期して、これらに対抗するため今から一致団結して、領土は寸土たりとも譲らないという覚悟を決めておくべきものと思います。私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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