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2011年6月14日火曜日

『Googleソーシャル検索』ついに上陸! 友人のブログやツイートを結果に表示―【私の論評】ソーシャル・メディアはマネジメントを変えるか?

『Googleソーシャル検索』ついに上陸! 友人のブログやツイートを結果に表示
Google ソーシャルサーチ
Googleは、2009年よりアメリカで実験的に提供を開始していた『ソーシャル検索』を、6月13日(現地時間)から日本でもリリースしました。今後は、Googleアカウントでログインした状態で検索すると、検索結果に友人や知り合いのブログやツイートが表示されるようになります(ログアウト状態では『ソーシャル検索』は利用できません)。
『ソーシャル検索』は、Googleが各ユーザーの“ソーシャルサークル”として認識した友人や知り合いが提供した、関連性の高い検索結果を表示する機能。たとえば、「子ども用のデスク」を探しているとき、知人が同じく子ども用デスクについてブログで記事を書いていたら、「関連性の高い情報」として検索結果に表示されるというわけです。検索結果の下には、友人がプロフィールに設定した名前と写真が表示され、名前部分にマウスを合わせると、「どのウェブサービスでつながっているか」も確認できます。
Googleソーシャルサークル
Googleがソーシャルサークルとして認識するのは、ユーザーの『Gmail』コンタクトリスト(アドレス帳のようなもの)やチャットリスト、『Googleリーダー』(RSSリーダー)や『Googleバズ』でフォローしている相手。さらには、『Googleアカウント』や『Googleプロフィール』に登録している『Twitter』などのウェブサービスを通じてつながっている友達および「友達の友達」も、ソーシャルサークルのメンバーとして、Googleに把握されています。私自身も、今回改めて自分のソーシャルサークルを確認してみたのですが、「うわー、ここまでGoogleに知られているんだー」と驚かされました。
Google ソーシャルサーチ検索結果に友人のブログ記事が出てきたり、『Twitter』で共有された情報が示されたりすると、「○○さんがおいしいって言うお店なのか」「○○さんも欲しいと思っているんだ」などと参考になることも多いです。でも、その便利さは「Googleに個人情報を握られている」ことの上に成り立っているんだなと思うと、なんだかちょっと怖いような気もしますね。
【私の論評】ソーシャル・メディアはマネジメントを変えるか?



ソーシャル・メディアを拒否する自由はあれど?
このサービス、アメリカで公開されたのは、知っていましたが、いよいよ、日本でも公開ですか。日本には、なぜか、ネットの世界は、匿名が全盛どころか、匿名を前提としているようなところがあります。

しかし、これは、世界的にいえば、非常に珍しい特異な現象といってもいいくらいです。facebookでは、匿名のアカウントが削除されつつあるそうです。さらに、Googleでも、このようなソーシャル機能がつきました。

これから、どんどんソーシャル機能は強化される傾向にあると思います。その延長線上には、いずれ、ネットの世界も現実の世界もあまり変りないような社会がやってくると思います。

おそらく、ソーシャル機能が強化されれば、ネット上で何かすれば、それがどこかに反映される時代がきます。そのようなときに、匿名性を頑なに守れば、このようなサービスは、享受できないことになると思います。

無論、ソーシャルサービスを拒否するという自由は、いつの世の中でも、個人の選択に任されると思います。

身の丈にあった情報・知識が得られる!
私自身は、極度の匿名性のネット社会は、ただの時間つぶしであり、ほとんど益もないと思っています。しいて、あげれば、誰でも手に入るような情報を得ることと、時間つぶしです。ソーシャル・メディア以外のメディアだけで有益な情報やましてや知識が入ってくることはまずありません。

本当に有益な情報や、知識は、人を介して入ってくるものです。ソーシャルな機能を排除した、ネットから入ってくるのは、情報でも、知識でもなく、単なるデータにすぎないと思います。これをただ眺めている限りは何もおきません。

ちなみに、ここでいう知識とは、仕事に適用できる情報という意味です。從來、知識という言葉は、情報と同じように受け取られていた時期があります。しかし、現在では知識の意味が変わってきました。現在では、知識は、実務的に仕事に適用できる情報という意味に変わってきています。從來の、本に書かれてあるような内容は、情報といいます。いわゆる、物知りの物の意味です。

データに関しては、いくら集まっても、結局は、それを分析・整理・統合しなければ、情報や知識とは成り得ません。これから、ネットの世界で、匿名を頑なに守り続ける人にとっては、有益な情報や知識を自分の身の丈に入ってくるチャンスをみすみす、逸することになります。

この身の丈というところが重要です。たとえば、大学院レベルの生物学を学ばなかった人にとって、生物学のテキストそのものは何の意味ももたないかもしれませんが、特定の生物の分野の持つ意味、が特定の人にとっての意味などは、ソーシャル・メディアなどからもたらされる情報から入ってくる可能性は高いです。そうして、その持つ意味が、あなたの仕事に決定的な大きな影響を及ぼす可能性もあります。

いまや、いわゆる業界の知識は、業界内からもたらされるのではなく、他の分野からもたらされることがほとんどです。たとえば、ITの世界でも、IBMは、DNAの自己増殖機能を活用した、電子回路の開発を手がけていますが、これは、従来の電子工学などの分野からではなく、生物学の分野からもたらされた、知見にもとづき、開発しています。現在では、このようなことは当たり前のことになっています。自分の属している業界の情報や、知識だけでは、もはや、新たな展開は期待できないのです。

ITでさらに外の世界を知ることができる機運が高まった!!
過去の情報システム、特に、企業などの内部で使用される情報システムは、組織の内部情報のみを扱っていました。だから、これを徹底的に分析してもあまり役に立ちませんでした。

特に、民間営利企業などにおいては、利益の源泉は、企業の外あります。これに関しては、あの経営学の大家ドラッカー氏も、「私は以前企業の内部で、利益を生み出す部署のことをプロフィット・センター(利益を生み出す部署)と名付けた。しかし、これは、誤りだった、企業内部に存在するのは、コスト・センター(経費を発生する部署)だけだ」と述べていました。

だからこそ、ドラッカー氏は、企業の経営者というより、マネジメントたるものは、外の世界を見て歩かなければならないという趣旨のことも語っておられました。私も、全くそのとおりと思います。

そえはいいながらも、ドラッカー氏も行っていたように、インターネットができてから、始めて、ようやっとわたしたちは、企業内において、外の世界を垣間見ることができるようになりました。

しかし、それは未だ十分なものではなく、まだまだ、私たちは、企業の外の世界を見ていく必要があります。ただし、最近では、昔と異なり、外の世界を見てまわるにしても、その前に、会社の机の上で、インターネットで予め、何をみようかと計画をたてるくらいの事はできるようになりました。

しかし、今でも、計画は計画で、実際に外に出てみれば、現場の情報から、さらに、見なければならないものに気付いたり、計画を大幅に変更しなければならないこともしばしばです。

この傾向は、これからも本質的には変わらないと思います。人々が実際にどのように、生活しているのかなど、人々が生活をしている様を直接見なければわかりません。また、営業店舗など、実際にその店舗の様子をみなければ、判断できないことも多くあります。

しかしながら、私は、ソーシャル・メディアがもっと発展してくれば、現在のインターネットの欠点をかなり補うようになってくると思います。

ソーシャル・メディアがかなり発展するようになれば、以前このブログにも掲載したように、リアルの世界とバーチャルの世界とが交錯したような世界がより助長されるようになってきます。いまの所、まだまだ、これは、微々たるもので、せいぜい、facebookがスポット機能を利用して、近くのリアルの店のクーポン券を、利用できるといった程度のものです。それも、今は、まだ実施されている場所も限られています。

しかし、ソーシャルメデアが発展すれば、このようなサービスがいろいろと開発されてくるはずです。そうなると、インターネットの世界もずいぶんと変わってくると思います。

そのような時代においても、マネジャーたるものは、外に出かけないと現実の姿までは、理解できないと思います。しかし、外に出かける前にできることは格段に増えてくると思います。

私は、企業の中において、いわゆるマネジメントといわれる職責を担う人々は、今後、既存ソーシャル・メディアをどのように外の世界を見るために活用するのか、さらに、既存のもののほかに、どのようなソーシャル・メディアがあれば、さらに、外の世界をもっと良くみることができるようになかるのかなど、これから、真摯に考えておく必要があると思います。

そうして、その視点は、あくまで、顧客からのものでなければいけないと思います。まさに、こうしたことでも、ドラッカーのいうマーケティングと、イノベーションの視点を忘れはいけいなという事だと思います。

これから、ますます、マネジメントの活躍の場が増えてきたと思います。皆さん、それぞれの立ち位置で頑張りましょう。そうして、明日の日本を変えていきましょう!!

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