かなり不便だったAndroidの純正アプリストアが一気に進化!
グーグルは、Android端末向けのアプリストア「Androidマーケット」のPC用ウェブサイトを開設した(http://market.android.com/)。最も基本的な機能として、ウェブブラウザーからアプリを検索できるほか、Android端末に登録したものと同じGoogleアカウントでログインしていれば、PCからの操作で直接端末にアプリをインストール可能である。
従来のAndroidマーケットにもPC用サイトは用意されていたものの、Android端末との連携は不十分だった。たとえば、ASCII.jp上でAndroidアプリを紹介する記事においては、「http://market.android.com/search?q=com.skype.raider」(Skypeの場合)といったリンクを記事中に埋め込んでいた。このリンクにAndroid端末からアクセスすると、「Androidマーケット」アプリが自動起動して該当アプリにアクセスできるが、PC用ブラウザーからは「not found」と表示され、あたかもリンク切れのように見えていた。そのためQRコードを用いて、アプリへのリンクを用意しているサイトも多かった。
今回のPC用サイトの登場により、上記リンクのクリックで、PCからでもそのアプリのページにジャンプするほか、ページ内に含まれる「INSTALL」または「BUY」ボタンを押すことで、Android端末にアプリをインストールできる。この際、PCとAndroid端末とのケーブル接続や、端末側の操作は一切必要なく、Googleのサーバー経由で自動的に作業がスタートする。また、過去にインストールしたアプリの情報についてもウェブサイト上で確認可能だ。
これまでのAndroidマーケットは、ソフトの検索やアプリ紹介サイトとの連携、PC上での管理などの要素で機能が十分ではなく、iTunesで一括した管理が可能なiPhoneと比べて、物足りないという声も大きかった。しかし、今回のPC版Androidマーケットの登場で、この部分でも一気に差を縮めてきたと感じられる。
【私の論評】もう、クラウド・デバイスをめぐる熾烈な戦いが先進国で始まっていることの査証か(2)?
昨日、AppleのXserveが受注終了の記事を掲載して、「私たちが、ここで参照すべきは、ITの世界がここ数年で、激変するということです。今日のアップルのXserverからの撤退は、それを意味するべき象徴的出来事と理解すべきです」と述べ、激変に関しては、クラウド・デバイスの時代になることを掲載しました。
クラウド・デバイスの時代は、単にITの世界だけでの変化ではなく、すべての産業をひっくるめて、これから、10年間にわたって大攻防戦が繰り返されると掲載しました。
本日の、PCによるアンドロイド・マーケットのオープンに関しては、こうした時代の幕開けに対する対処とみるべきと思います。
昨日は、「これから、テレビは無論のこと、車、時計、電気・水道・ガス、炊飯器、オーブン、体重計、医療機器、ゲーム機器、インターフォン、メガネ、湯沸かし器、冷蔵庫などありとあらゆるもの、がスマート化され、クラウド・デバイス化されるのです。もう、パソコンや、iPhone、iPadの世界だけのことではなくなるのです!!」と述べました。
昨日は、クライドデバイスが興隆したときに実際にクラウドデバイスがどのように私たちの社会を変えていくかなど掲載しなかったので、ピザ宅配の変化をここに掲載して、それが、本日掲載した、アンドロイド・マーケットがどのように関連してくるのか掲載しようと思います。
ここで、私がもっとも身近に感じる、ピザの宅配を例にとり、この事業がどのように変貌していくのかを事例としてあげておきます。
まずは、お客様は、電話もしくは、iPhone、iPadのような、いずれもスマート化されたクラウド・デバイスで注文をします。お客様は、まずは、ピザのメニューをデバイスでみることができます。メニューでは、いろいろなピザを実際に見ることができますし、調理の様子なども音声とともにみることができます。さらに、他のお客様の当該ピザの感想などをみることもできます。デバイスによっては、その商品の香りまでかぐことができます。
それによって、お客様は、どのピザを注文するか決定することができます。お客様が望む場合には、クラウドに蓄積してあるデータからそのお客様に相応しい、他のお薦めなども見ることができます。何回も注文されているお客様には、こうしたデーターが蓄積されているため、本当にお客様の欲しいと思うようなものを提示することができるようになります。
ざて、お客様が注文を決定した場合、その注文がピザ宅配店の厨房に知らされ、従業員がピザを作成することになります。ピザを作成する場合にでも、お客様の好みが反映されて、ピザの焼き具合や、トッピング、同じピザでも、焼き具合とか、味のパリエーションをお客様にあわせて素早く調理します。なぜ、そのようなことが可能になるかといえば、オーブンその他の調理器具もスマート化され、お客様の好みなどすべてクラウドに蓄積されているため、それに調理器具自体があせわてつくることができるからです。
さて、配達となると、また、スマート化されている車が大活躍です。スマート化された、車両は、顧客のお宅など、GPSで確認ずみであり、さらには、そこまでの幾通りもの経路を認識しており、また、時事刻々と変化する渋滞の情報も把握しており、ドライバーのその情報を知らせます。ドライバーは、何も考えずに、車から発信される情報に従って、運転をすれば、その時点で最も速くお客様のご自宅につくことができます。ただし、お客様のご希望によっては、最短ということではなく、もっともエネルギーを使わずに、資源を節約する方法で配達することも可能です。
お客様は、注文直後に大体何分くらいで、ピザが配達されるのかをデバイスで知ることもできます。さらに、家に配達されるまで、自分の注文したピザがどの工程にあるかをリアルタイムで知ることもできるようになります。現在、トッピング中であるとか、焼成中であるとか、すでに車で配達中であるなどの情報です。
さて、お客様のもとに到着したドライバーは、ビザをお客様に手渡すことになりますが、現在このときにお金とピザを交換するというかたちになります。しかし、クラウド・デバイスが発達した未来においては、現金での交換を望まれる顧客の場合は、いままで通りということになりますが、クレジットカード、デビットカード、あるいは現在でいうところのお財布携帯のような方式でも可能になります。
以上のようなことが、クラウド・デバイスが発展することによって可能になります。これに関しては、たまたま、ピザ宅配について掲載しましたが、他の事業でも同じことです。さらに、これら過程は、すべて、デジタルの方式で、クラウドに蓄積されることになるため、企業側としては、すべての工程をみわたして、様々な工程の管理や、改善、改革が可能になります。これらを従来は、大企業で相当大きな投資をしないとできなかったものが、小さな企業でも比較的小さな投資できるようになります。それが、クラウドの民主化ということです。
そうして、こうしたクラウド・デバイスには、冷蔵庫、冷凍庫、オーブンなどがあるようになりますが、これそのものを使って冷蔵庫・冷凍庫の中に蓄積されている食材の実際の量をみたり、過去の履歴を見たり、オーブンそのもので、情報などを見たり、確認したりすることはなかなか難しい面もあるので、おそらく、それらの情報は、いまでいうところのパソコンや、iPadのデバイスで集約して見ることがてぎるようになるでしょう。
それだけではなく、店や、ピザ宅配会社の本部では、従業員が実際に何時間働いて、どのような作業をどのくらいしたのか、原材料は、どのどの程度どのタイミンクでどのように使用されたのか、電気・ガス・宅配車のエネルギー(ガソリンとは限らない)どの程度どのように使われたのか、すべてほぼ、リアルタイムに近い形で知ることができるようになります。
さて、本日掲載した、アンドロイド・マーケットがこのような時代にどのように発展しているかといえば、おそらく、今日の唯一とも言って良いデバイスである、アンドロイドの携帯電話や、タブレットのアプリだけではなく、冷蔵庫、冷凍庫、オーブン、車などのアプリに相当するもの、それは、今日のアプリというより、キャッシュに近いものになるでしょうが、それらが、統合的なパッケージ、あるいは、いくつかの単独のものとして、販売されるようになることでしよう。無論、個人用、法人用などの区分はあるでしょうが、いずれ似た様な形で販売されるようになるでしょう。
さて、昨日は、クラウドデバイスについてのみ語りましたが、本日は、ピザ宅配の例を出してみました。これに関しては、当然、近未来の話ですが、未来のピザ宅配は、どこのピザ宅配でもこのようなデバイスを使ったものになり、これが統合化され、全体の最適性を図ることも可能になるわけです。統合化については、単に自社内のものだけではなく、自社や、外部の交通情報、さらには、取引先などからの原材料の情報もクラウドに蓄えられ、統合化されるのです。これは、おそらく、今から20年もたてば、今のビザ宅配が電話や車両を使っていることが当たり前の前提になっているように、当たり前に実施されるようになっていることでしょう。特に、大手で、資金力が豊である企業でなくとも、町の小さなピザ屋さんが実施できるようになっていることでしょう。
お客様のほうでも、こうしたクラウドを活用したピザ宅配の注文に関しては、すべて履歴などが残るため、いくつかある宅配ピザのサービス中からその時々で、自分にとっても最も相応しいサービスを選択することもより簡単になるわけです。
それだけではなく、お客も、民間企業も含めて、全体的合成を図っていく必要がある情報に関しては、すべてクラウドに蓄えられるようになり、社会全体の情報が統合化されていくことになると思います。この統合は先進国からはじまり、やがて、新興国や、発展途上国にまで波及します。そのときには、今とは全く異なるインフラや法律が必要になるわけです。これが、われわれをとりまくこれからの大社会変革となります。それを良くするも、悪くするもわたしたちの努力しだいです。
アンドロイド・マーケットの近未来と、ピザ宅配の近未来によって、これから、おこる大変革の一環を知っていただくことができたのではないかと思います。もうすでに、オープンしてから久しい、iPhone、iPad用のAppストア、昨年12月オープンしたGoogle Web Storeや、今年の1月にオープンしたMacのアプリストア、などすへでこの方向性に対する布陣です。この大変革に関しては、ピザ宅配は、もとより、すべての産業で広範におこるものです。これからも、何か機会があるごとに掲載していきます。
【関連記事】
AppleのXserveが受注終了 - 既存ユーザーや業界関係者はどう動く?―【私の論評】もう、クラウド・デバイスをめぐる熾烈な戦いが先進国で始まっていることの査証か?