2012年10月19日金曜日

“仕分けコンビ”、復興予算で開き直り連発 自公に責任転嫁―【私の論評】「復興税制」も「仕分け」も全くの間違い!!誰が正しい間違いではなく、何が正しい何が間違いという姿勢が重要!!

“仕分けコンビ”、復興予算で開き直り連発 自公に責任転嫁


東日本大震災の復興予算の「流用」問題を審議した18日の参院決算委員会で、かつての「仕分けコンビ」が開き直りとも取れる発言を連発した。平成21年の政権交代直後の「事業仕分け」では、歯切れ良く予算のムダ削減を訴えていた枝野幸男経済産業相と蓮舫元行政刷新担当相。3年余りの与党暮らしの末、「言い訳」を余儀なくされる場面が目立った。

「あのー、ミソもクソも一緒にした議論はやめていただきたい」

普段は理路整然と答弁することが多い枝野氏の冷静さを欠いた答弁に、委員会室は騒然となった。自民党の森雅子氏が、流用問題で地元・福島の企業向け立地補助金が不足していることを厳しく指摘したときのことだ。

山本順三委員長(自民)はすかさず、「言葉は慎重に選んでください」と注意したが、枝野氏は「間違ったことを言っているとは思わない」と収まらず、「被災地以外に予算が使われていることは、理由も原因も全然別の話だ」とまくし立てた。自民、公明両党にも責任があるといわんばかりだった。

枝野氏は自ら発した「ミソもクソも」という発言だけは、「あまり上品でなかったので、おわびして撤回する」と謝罪したが、復興予算に計上された立地補助金の大部分が被災地以外の企業を対象としているのは事実。激高したことで、かえって所管する「省益」を堅持しようという姿勢を印象づける結果となった。

民主党委員として質問の先陣を切った蓮舫氏は、より露骨な形で自公両党に流用問題の責任を転嫁した。


「一言言わせていただきたい。もともと内閣が出した復興基本法案は対象を被災地に限定していたが、自民党さん、公明党さんからの建設的な意見も踏まえ、対象は日本全国になった」

蓮舫氏は、被災地以外の全国防災事業に復興予算が充てられた経緯に関し、こう強調した。

初の本格的復旧・復興予算となった23年度第3次補正予算の編成をめぐる自民党の行状について「さらに7・1兆円上積みしろといわれた」「立地補助金が足りないから5千億円上乗せしろと指摘された」-などと“暴露”したが、逆に政権与党としての責任を棚上しようとする姿勢が浮き彫りに。

そこには、かつての「仕分けの女王」の面影はなかった。(桑原雄尚)

【私の論評】「復興税制」も「仕分け」も全くの間違い!!誰が正しい間違いではなく、何が正しい何が間違いという姿勢が重要!!

復興予算に関しては、もともと復興税によって、賄うこと自体が間違いであり、そんなことをするから、他のことに流用されるような余地をつくってしまったことは、このブログにも掲載しました。

「日本再生」というばらまきに群がった官僚や政治家たち!「復興予算の乱用」を自民や公明、そしてメディアがいまごろになって批判する資格はあるのか−【私の論評】復興税法案と日本再生シナリオは、日本国解体の一里塚!!何でも増税すれば良いという愚かな考えがこのような事態を招いた!!

詳細は、上の記事をごらんいただくものとして、この記事では、大自然災害が発生したときなど、その復興のために、税金で賄ったような事例は、日本は無論のこと、古今東西でそのような事例はないことを掲載しました。当たり前の真ん中では、世界中で、日本でいえば、建設国債などをあたることであることも掲載しました。


そうして、こんな先例をつくってしまえば、運悪く、大自然災害などが、特にある年に集中するようなことが起こった場合に、後の世代の負担になるからといって、大自然災害を被災した世代が全部賄うことになれば、後の世代に引き継ぐべきまともな日本自体がなくなってしまうおそれがあることを掲載しました。

それに、日本再生などとして、役所主導で、日本再生シナリオを描いて、それを実行しても絶対うまくいかないことも掲載しました。その理由としては、政府主導のシナリオが大成功するというのなら、共産主義、社会主義の計画経済もうまくいったはずであり、そのようなことはなかったからです。

民主党以外の政党・政治家や官僚も復興税による復興予算に群がったという責任はあります。だから、一見枝野や蓮舫の言い訳は正しいようにもみえます。しかし、この愚かな復興税法案をつくり、国会で通してしまったという責任は重く、やはり、復興税法案はそもそも間違いであったことを認めるべきです。消費税法案も、これと同じ文脈で、全くの間違いです。絶対実施させるべきではありません。

それに、上の記事で、「「事業仕分け」で歯切れ良く予算のムダ削減を訴えていた」などとしていましたが、事業仕分け自体も完璧な誤りであったことは、今でははっきりしています。これについても、このブログで掲載したことがあります。

事業仕分け:JICA大幅縮減 4法人8事業「廃止」判定―劇場型政治の小粒なSMショー第二段始まる!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に主要な部分をコピペしてきます。
事業仕分けは、スケールの小さな小粒な劇場政治と変わりません。かつて、小泉さんの演出で有名になった劇場型政治。劇場型政治とは、政策より政局やパフォーマンスを多用する政治。またそうのような政治状況のことです。小泉さんのいわゆる小泉劇場は随分と有名になりました。 
先回と、今回の事業仕分、両方共はっきりいって、低級なSMショー並の小粒な劇場型政治といっても良いと思います。やるなら、小泉劇場くらいことをして欲しいものです。
そうです。蓮紡議員がSの女王様で、鞭打たれるMが、天下りしたもとの高級官僚などてす。どちらも、大きな枠組みの中では高級官僚が描いた予定帳場の演技をしているだけです。先回も、そうして、今回も大きなシナリオは官僚が書いています。政治家ならこんなシナリオは自分で書いて、そうして、こんなくだらない仕分けはしないで、特別予算に関連する部分に殴り込みをかけるべきだったでしょう。まったく、低俗なショーです。こんなものにいつまでも、国民がだまし続けられると思ったら大間違いです。
「事業仕分け」は、政治の具体的な仕事のできない民主党が、いかにも仕事をしているように見せかけるための、パフォーマンスにすぎなかったことが明らかになっています。


そうして、パフォーマンスだけに終わっていれば、さほど悪影響もなかったのですが、あの蓮舫による「一番じゃないとダメなんですか」という発言に象徴されるように、各方面に悪影響を与えました。

このわかりやすい事例としては、たとえば、あの「はやぶさ」の予算です。

はやぶさ、後継機の予算3000万に縮小…着手できず―事業仕分けは正しいことですか?


詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、この記事では以下のように結んでいます。
事業仕分けは、大岡裁きのようなものです。無論、これは、悪い意味で言っているのです。大岡裁きは、昔から日本人うけするのですが、現在の世の中で、大岡裁きに多数が拍手喝采をおくるような国民であれば、問題ありと言わざるをえません。
大岡裁きは、法律などに基づかない恣意的な裁定ということで、現代の法治国家では問題です。「事業仕分け」も、大岡裁きのように、基準もあいまいなものでした。このあいまいさのおかげで、「はやぶさ」の予算も削られらました。たった、3000万円でどうしょうというのでしょうか?何もできないですね。できることとしては、有能な技術者の飼い殺しくらいなものです。

これに関しては予算がある程度復活したようですが、世界一の技術に関する予算としては、まだまだ微々たるものです。これは、なんしかしなければ宝の持ち腐れになる可能性が大です。

他にもわかりやすい例があります。それは、今回のノーベル医学生理学賞を獲得した、京都大学の山中教授による、iPS細胞に関する研究の予算です。これは、直接事業仕分けで削減されたことはありませんが、それにしても、山中教授は、ノーベル賞受賞の記者会見の記事では以下のように掲載されています。
会見では国への感謝を口にしたが、決して研究資金が潤沢だったわけではない。iPS細胞そのものが対象ではないが、09年には、科学技術関連事業の予算が「事業仕分け」され、削減や見直しが相次いだ。その際、山中教授は批判と不安の気持ちを述べている。今年3月には、研究資金の“カンパ”を訴え、アピールするため、京都マラソンに自ら出場した。
山中教授の研究は、かなり進んでいましたから、仕分けの対象にはなりませんでしたが、もし、うん悪く10年くらい今よりも研究が遅れていたとすれば、どうなったでしょか?対象となった可能性は十分あります。そうなれば、せっかくの素晴らしい可能性が摘み取られていたかもしれません。


それを考えると、「事業仕分け」は本当に罪深いです。ひよっとすると、多くの人が気づかないで、将来大イノベーションにつながる何かが、摘み取られているかもしれません。

上記のように、復興税法案は全くの間違いです。役所による日本再生もまったく間違いです。これら、根本的なくす必要があります。

それから、「事業仕分け」です。このようなものも完全になくすべきと思います。しかし、科学研究における予算というものの取り扱いは、事業仕分けをなくすだけではでは良くすることはできないです。

誰が、限られた予算を配布するのか、その最終意思決定は誰がするのかという重要な問題があります。これも、役所の官僚の裁量に任せておけば、ろくなことには、ならないと思います。

これに関しては、やはり、アメリカのように有力なシンクタンクをいくつかつくり、それらに任せるという形をとるべきと思います。ただし、日本では、有力なシンクタンクがないので、それを作れるように環境を整える必要があります。アメリカでは、主だった大規模で、有名なシンクタンクは、たいていは、NPOであり、政府の機関などではありません。


だからこそ、何か研究発表をしても、日本のような政府の紐付きである、行政独立法人とは全く異なります。このような複数の機関が、専門家を活用うして、調査研究ならびに政府に報告書を提出し、その報告書にもとづき、政府で意思決定をする、その過程は、シンクタンクの報告書の情報開示も含めて、開示するということで、「事業仕分け」のような出鱈目や、役人の恣意的な選択をまぬがれると思います。

皆さんんは、どう思われますか?いずれにせよ、民主党は数々の間違いを犯してきました。しかし、これを目の当たりにしてきた私たちは、誰(民主党)が良いとか、誰(民主党)が悪いという視点ではなく、何(システム)が良いとか、何(システム)が悪いのかという視点にたって、見直していく必要があります。民主党のやり方は、ご存知のように非常まずかったですが、それを民主党のせいばかりにしても、らちがあきません。無論民主党はやり方が悪すぎるので、次の選挙で大敗するのは間違いないですし、そうなるべきであります。

しかし、多くの人たちは、自民党時代に自民党(誰)が悪いということで、民主党(誰)にさえ変われば、少しはまともになると思い、政権交代を実現したはずですが、その結果は、惨憺たるものでした。こうした見方すれば、次の選挙でも何も変わらないかもしれません。誰がという視点ではなく、何がという視点にたつべきです。そうならなれれば、何も変わりません。そう思うのは私だけでしょうか?


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