2016年10月6日木曜日

北の幹部2人、日本に亡命希望か 北京で脱北、正恩氏の健康状態知る人物か―【私の論評】正恩激太りの正体は、米国の報復に対する極度の恐れか?

北の幹部2人、日本に亡命希望か 北京で脱北、正恩氏の健康状態知る人物か

北の幹部の日本亡命によって金正恩氏の激太りの原因がつまびらかになる可能性も?
韓国紙、中央日報は5日、消息筋の話として、北京駐在の北朝鮮代表部の幹部2人が9月末に脱北し、家族とともに日本への亡命を求めたと報じた。日中両国が扱いを協議しているが、亡命先は確定していないとしている。一方、聯合ニュースは同日、幹部が韓国への亡命を望んでいるとの消息筋の話を伝えており、情報が錯綜(さくそう)している。

 菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、「報道にあるような日本への亡命を希望する北朝鮮人が日本大使館に接触したという事実はなく、日本への亡命を希望する北朝鮮人がいるとも承知していない」と否定した。

 中央日報によると、亡命を希望している一人は北京の代表部で代表の肩書を持つ保健省出身の幹部。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の健康管理に関連する薬品や医療設備の調達、導入を担当してきたという。もう一人は、北京代表部の幹部とした。

 記事では、保健省出身の幹部が9月28日に妻、娘とともに北朝鮮当局の管理下から逃れたとし、消息筋が「家族は日本大使館側と接触し、日本行きのための手続きを進めたと聞いている」と説明したと紹介した。

 亡命希望先が日本である理由については、幹部の親戚(しんせき)が日本にいるため、希望しているとした。記事では「北の外交の心臓部である北京で脱北・亡命事態が生じたという点で、平壌当局の衝撃は大きいはず」との韓国政府当局者の分析も伝えている。

【私の論評】正恩激太りの正体は、米国の報復に対する極度の恐れか?

北朝鮮のレストランで、金正恩氏(右)
核兵器やミサイル開発で国際社会に妥協を見せようとしない正恩氏ですが、ストレスや太りすぎによる健康不安を抱えていることは、韓国の情報機関も報告しています。朝鮮半島情勢を左右しかねない問題だけに、報道の真偽に注目が集まりそうです。

中央日報によれば、この件の保健省出身の幹部A氏は、烽火診療所、南山病院、赤十字病院を管轄する保健省1局の出身。北京の北朝鮮代表部に駐在していましたが、9月28日に日本大使館側と接触し、妻と娘を連れて日本へ亡命する意思を伝えたといいます。ただ、亡命先を巡っては現在、韓国と日本で「綱引き」を繰り広げている模様です。

韓国ではなく日本行きを望むのは、「日本に親戚がいるため」とされており、1950年代からの「帰国運動」で北朝鮮へ渡った、元在日朝鮮人の家系の出なのかもしれません。

A氏はこれまで、正恩氏の健康とかかわる医薬品や医療機器の調達を担当してきたといいます。ならば、正恩氏の健康状態についてもかなりの分析材料を得ている可能性が高いです。

韓国の国家情報院(国情院)は7月1日、韓国国会で開かれた情報委員会の懸案報告で正恩氏の体重が130キロと見られるとの分析を示しました。

国情院によれば、金正恩氏の体重は「2012年に初めて登場したときは90キロだったが、2014年には120キロに、そして最近では130キロまで増えたと推定される」といいます。

写真左は、2012年ころはじめてメディアに登場した頃の金正恩氏、右は最近の同氏
独裁者として贅を尽くしていることが肥満の原因とも思われますが、それにしても、あまりの変化です。

気になるのは、正恩氏が公開処刑の嵐を始めた時期と、急激に肥満度が高まる時期が一致する点です。

恐怖政治を激化させる中で、なんらかの猜疑心やストレス、プレッシャーにさい悩まされたことが極度の肥満をもたらした可能性は充分にあります。

国情院も、不眠症や身辺の脅威のために暴飲暴食に走り、成人病にかかっている可能性を指摘しています。トイレひとつとっても、普通の人と同じ生活ができない不便さも影響していると思われます。

ところかまわずタバコを吸う金正恩氏
火気厳禁の化学工場の現地指導でもタバコを吸うなど、一見やりたい放題の金正恩氏ですが、たとえ急に便意を催したとしても出先のトイレを気軽に使えません。その理由は大きく分けて三つあります。

一つ目は、神格化された存在である最高指導者が、用を足している姿を他人に見られてはならないからです。金正恩氏の乗る1号列車には、金正恩氏専用のトイレ専用車が連結されているくらいです。

トイレ専用車は「神聖不可侵」なスペースで「北朝鮮の実質的なナンバー2の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏ですら、このトイレを使ったら銃殺されかねない」と、情報筋は明かしています。

二つ目は、警護上の理由です。

金正恩氏が外部のトイレを使うことは絶対にありえません。普段とは違い、朝のトイレに行かなかったり、移動中にトイレに行くとなると、警護体制に変更が生じるため、護衛員たちは緊張状態に置かれます。

また、金正恩氏は高速道路を使って移動する際にはベンツを使用するのですが、便意を催したとしても勝手に車から降りて、トイレ専用車に移動するわけにはいきません。そこで、車内で小便用の「おまる」を使用するといいます。

三つ目は、金正恩氏の健康上の理由です。

最高指導者の健康をチェックするには「便」の状態をチェックする必要があります。しかし、外部のトイレを使うとそれもできなくなります。

金正恩氏のトイレ問題を全面的に取り仕切っているのは、護衛総局です。国家機密中の機密であるだけに、護衛総局の要員にとって最もきわめて敏感な問題だといいます。さらには核・ミサイル問題とからみ、「米国から狙われている」との思いからくる緊張もあるでしょう。

北朝鮮のプール 北朝鮮のサイトより
米国は、韓国に金正恩斬首のための専門部隊を駐留させているくらいです。これについては、このブログにも掲載したことがあります。また、アメリカの最新鋭のステルス爆撃機をグァムに新たに配備したりしています。それどころか、アメリカはICBMの発射実験なども行い、北朝鮮を牽制しています。これについても、このブログに掲載したことがあります。

いつ、自分めがけて、斬首部隊がパラシュートで大量に降りてきたりするかもしれないとか、不意に爆撃されたりとか、CIAの陰謀により暗殺されるかもしれないという恐怖があるのは間違いありません。

しかしそもそも、それらは元々は、自分のまいた種です。正恩氏は自分の身の安全と健康、北東アジアの平和と安全がつながっていることを、早く理解した方が良いです。このままでは、米国が屈服するはるか以前に本格的に自分の健康を害してしまうことになります。

以上は、多くが憶測です。しかし、保健省出身の幹部A氏が日本に亡命するということが本決まりになり実際に日本に来た場合、このあたりの状況が明らかにされるに違いありません。

また、拉致被害者に関する新たな情報ももたらされるかもしれません。

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