また、らでぃっしゅぼーやの子会社化が完了したあと、ドコモは一部株式をローソンへ譲渡する予定。通信キャリア、コンビニ、宅配ビジネスと、面白そうな三角形の業務提携が描かれることになります。産地直送系からネットスーパーまで、宅配サービスが注目を集める今日このごろ。スマートフォンからの野菜注文や、野菜のコンビニ受け取り & 決済はもちろん、農園ゲームでほっこりしながらリアル野菜ゲット、あるいは有機野菜定額プラン、野菜2.0による反撃を楽しみにしたいものです。
【私の論評】ドコモが狙うのは何か?
一連の通信障害を謝罪するドコモ |
最近ドコモといえば、例の通信障害が大きな話題となっていましたが、こんなこともやっていたのですね。無論株式の公開買い付けによる、買収ですから、直接ドコモが「らでぃしゅぼーや」を運営するわけではないのでしょうが、それにしても気になる動きです。さらに、一部株式をローソンンに譲渡というのも気になる話です。(下は、ドコモのスマートフォン)
ドコモのスマートフォン |
将来的には、これらが共同して、野菜を宅配するのは、もとよりコンビニでも販売するということでしょうか? 「らでぃっしゅぼーや」自体は、宅配ですから、営業店舗そのものは、持っていませんが、全国各地の野菜農家と提携すると共に、全国各地に配送センターを自前でもっています。これを、ドコモは、どうしようというのでしょうか?
ドコモといえば、携帯電話、最近では、スマートフォンの会社です。これからは、ほとんどがスマートフォンになることでしょうが、こうした会社がなぜ、このようなことをするのか探ってみます。
気になったので、調べてみたところ、すでにローソンでは、 "Radish Lawson SUPERMARKET"(らでぃっしゅ ローソン)という名称で、サイト(写真上)で野菜などの販売をしていました。
ドコモは従来は携帯電話のキャリヤーであるとともに、ガラケーを販売していましたが、現在スマートフォンを販売しています。しかし、これだけでは、立ち行かなくなるという危機感を抱いているのだと思います。何しろ、ドコモの販売しているスマートフォンは、Androidであり、これは、Googleが規格を定めているものであり、この規格で販売している限り、いくらスマートフォンが売れたにしても、それだけでは、利益幅の少ない素材型産業のようになってしまうことは火を見るより明らかです。キャリアーとしての事業も従来のように旨みはなくなってきました。
これに対して、Googleは、自らもスマートフォンを開発していますが、それも、自ら作成しているわけではありません。他社にアウトソーシングしています。いずれにせよ、Googleにとっては、自社開発の電話や、他社が開発するスマートフォンが売れれば、それをユーザーが使用し、Googleの検索エンジンなどのサービスを利用してGoogle関連のサイトのトラフィックが増すことになり、そこに広告を掲載しておけば、それが、収益になるわけです。トラフイックが増えれば、増えるほど、収益は増えます。Googleは、いろいろなことを手がけていますが、いまだに収益の9割以上は広告収入によるものです。
アッブルも単に、iPhoneを販売しているだけではなく、それを窓口として、iTunesにより、電子書籍、アプリ、音楽など配信していて、それが利益うみだすわけです。
しかし、ドコモが電話を販売してキャリアとして事業をしていても、いまのところアップルや、Googleのようなビジネスモデルはないため、スマートフォンを販売するだけでは、非常に利益率の低い事業になってしまうわけです。だから、今回このようなことを手がけ、他のビジネスモデルを模索しているのだと思います。
最近はeコマースを他のものと差別化することは困難になっています。eコマースは、通常ユーザーが自宅のパソコンから、他社製のブラウザを用いて実施するものです。だらか、ユーザーにとっては、eコマースは、自宅のパソコンから垣間見るいくつもあるサービスのうちの一つという位置づけになります。最初は、eコマースそのものが、物珍しかったのですが、今は当たり前になり、他社との差別化は困難を極めています。だからこそ、Appleや、Amazonは、独自のタブレット端末を導入して、他社との差別化をはかったのです。
最近では、特にスマートフォンを活用したO2O(オンライン・ツー・オフライン)というビジネスが注目されています。このO2Oに関しては、以前にもこのブログに掲載したので、詳細はそちらをご覧いただくものとして、私は、将来、物理的な店舗を多数持つチェーンが、eコマースを行い、さらに、O2Oも実施し、しかも、これらをバラバラに運用するのではなく、統合して運用するようになれば、既存の eコマースにとって、かなりの脅威となることを述べました。そうして、そのようなところで、統合をうまくしたところが、頭角をあらわしていくことになることも掲載しました。
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