ラベル エール続々 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル エール続々 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年11月2日金曜日

安倍首相、インド首相との首脳会談風景を公開で「日印関係のさらなる発展を望みます」とエール続々―【私の論評】日印関係を強化することの意義(゚д゚)!

安倍首相、インド首相との首脳会談風景を公開で「日印関係のさらなる発展を望みます」とエール続々



 安倍晋三首相(64)がツイッターを通じてインドのモディ首相との会談風景をまとめた動画を公開した。

 今回で12回目となったモディ首脳との首脳会談。28日には山梨の自身の別荘に招待し夕食会を開いたほか、29日には首相官邸で正式な首脳会談を行っていた。

 モディ首相との首脳会談の様子はツイッターでも逐一報告されていたが、31日に安倍首相はツイッターを更新し、「モディ首相を日本にお招きし、首脳会談に臨みました。その様子を動画にまとめましたので、是非ご覧ください」と改めて会談の様子をまとめた動画を公開。日本とインドの親密な関係性をアピールしていた。


この投稿に対し安倍首相のツイッターには、「インドはIT大国だし、密接な関係になるのは喜ばしいことしかないです!日印関係のさらなる発展を望みます」「今後さらに日印関係は良くなっていくでしょうね。国の発展に尽力されること、今後も宜しくお願いします」「親日国とますます親密になることを期待しています!」というエールの声が続々と寄せられていた。有権者の多くは今後もインドとの関係が深くなることを強く望んでいるようだった。

【私の論評】日印関係を強化することの意義(゚д゚)!

安倍総理のインド関連のツイートになぜこれだけ、エールが寄せられるのでしょうか。無論昔からインドは親日国だったということもありますが、それ以外にもインドがかなり大きな潜在可能性を秘めた国でもあるからです。本日はインドの潜在可能性について掲載したいと思います。

インドのモディ首相の来日に関連して、以下の2つニュースが報道されています。
<円借款>インドに3,000億円 29日首脳会談で伝達
毎日新聞 10/24(水)23:57配信
政府はインドに対し、日本の新幹線方式を導入する鉄道建設などを対象に今年度、3,000億円超の円借款を供与する方針を固めた。安倍晋三首相が29日、東京都内で予定するモディ首相との会談で伝える。
「今年度、3,000億円超の円借款を供与する」そうです。
政府は2015年度以降、年間3,000億円超の円借款を含む政府開発援助(ODA)をインドに供与している。同国に対する円借款の累計額は今年度を含めて約6兆円で、世界で最も多い。政府は「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一環として、今年度も高水準を維持することにした。
(同上)
「円借款の累計額は約6兆円」で「世界で最も多い」そうです。実にすばらしいです。なぜすばらしいか、その理由は後述します。

もう1つ。
<安倍首相>印首相を別荘招待 中国とバランス外交
毎日新聞 10/23(火)21:58配信
安倍晋三首相は23日の自民党役員会で、近く訪日するインドのモディ首相を、山梨県鳴沢村の自身の別荘へ招くと明らかにした。モディ氏は28日に別荘を訪れ、正式な首脳会談は29日に東京で行う。
安倍総理はモディ首相を自身の別荘に招待したのです。誰かと「緊密な関係になりたいとき」「緊密であることを示したいとき」こんなことををします。

日本の総理が、外国首脳を別荘に招く。これは、なんと中曽根さんがレーガンさんを招待して以来だそうです。なんとも「特別待遇」です。すばらしい!

安倍氏は28日、インドのモディ首相を山梨県の河口湖の近くの自身の別荘に招き、夕食を共にした。

なぜ安倍総理が、インドのモディ首相を特別待遇することがすばらしいといえるのでしょうか。それは、日本にとってインドは、米国に並ぶ最重要国家だからです。これはなぜでしょうか?

軍事同盟国米国が最重要国家であることは、中学生でも理解できます。米国との同盟がなければ、尖閣諸島は、とうに中国の領土になっていたかもしれません。中国は、「日本には、沖縄の領有権はない!」と宣言しているため、沖縄も危険です。

では、インドは、なぜ最重要国といえるのでしょうか。米国は、日本の軍事同盟国であり現在世界で唯一の超大国ですが、その力は相対的に弱くなりつつあります。トランプ大統領のスローガンは、「アメリカを再び偉大に!」でした。

ということは、トランプ大統領は、「アメリカは、昔偉大だったけど、今は昔ほど偉大ではない」と考えているということです。確かに、40~50年代とか90年代等と比較すると、米国は衰えています。

トランプ大統領の前のオバマ大統領はあろうことか「米国は最早世界の警察官じゃない!」と自ら宣言してしまいました。さらに、オバマ大統領は北が非核化の意思を表明しない限り、対話しないという対北政策を「戦略的忍耐」と名付け、8年間、ほぼ沈黙してきました。その結果、北は核開発を進めることができました。

このような状況では、米国の同盟国は「アメリカ同盟頼り」だけだと危険だと考えるのが当然です。トランプ大統領は軍事費も拡張し、再び米国を強くしようとしていますが、8年間のブランクは大きく、すぐに米軍が強くなるわけではありません。

無論、「自主防衛能力」を向上させていくことが最重要ですが、その一方で、他の大国との同盟関係も深めていく必要があります。日本が「同盟国」に選ぶなら、インドが最適なのです。

なぜかというと、多くの国々のライフサイクルを見ると、欧州は成熟期というかはっきりいえば黄昏時です、米国は成熟期、過去には大成長を続けた中国も、今や成長期の最末期となっています。

黄昏時の欧州中央銀行

ロシアは今やGDPはインド以下で現状ではだいたい10位前後です。韓国とより若干小さいくらいの規模です。そうして、韓国と東京都は同じくらいの規模です。そうして、ロシアの人口は1億4千万人で、日本より2千万に程多いくらいの規模です。ロシアが大国といえるのは、今や領土の大きくらいかもしれません。

東京都なみで、これから伸びる可能性もないロシアは、ソ連時代の核兵器や軍事技術ほ継承しているので、大国と見られがちですが、今や大国ではありません。米国と比較の対象にもなりません。軍事的には去勢をはってはいますが、今やNATOと対峙するのも難しいです。


しかし、インドだけは、いまだ成長期の前期にあり、これからもますます成長しつづけていくことが確実です。

インドは1947年、イギリスから独立しました。その後、混乱期が長くつづき、この国が成長期に入ったのは1991年でした。この年、インドは「経済社会主義」を捨てて、「自由化」に踏みきりました。中国は、鄧小平が「資本主義導入」を決めた1978年から成長期に入りました。つまり、インドが成長期に入ったのは、中国より13年遅かったことになります。

そうして、インドのGDPは2016年、2兆2,564億ドルで、世界7位でした。しかし、1人当たりGDPは同年、1,723ドルで、世界144位という低さでした。常識的に考えると、インドはまだまだ「成長期前期」にいることがわかります。

この国の1人当たりGDPが、まだまだ先進国に比較すると低い現在の中国並みの水準まで増加したと仮定します。すると、インドのGDPは、約9兆ドルになり、日本を軽く超えてしまうのです。そして、インドの人口は、日本の約10倍、12億1,000万人ですから、同国のGDPが将来日本を超えることは「必然」といっても良いのです。


そうして、インドが長いあいだイギリス植民地であったということで、中国よりはかなりまともです。そもそも、中国には選挙制度はありませんが、インドにはあります。ただし、女性の地位が未だにかなり低いなど社会構造に未だ大きな問題点はあります。そうはいっても、中国と比較すれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化は進んでいます。さらに、インドは大東亜戦争中から日本の親日国でもあります。

米国などの先進国は、経済成長すれば中国も先進国並の体制に変わるであろうと期待していましたが、ご存知のようにその期待は見事に裏切られました。しかし、インドの場合は経済成長をすれば、独自の発展をして世界の先進国の良きパートナー、良き隣人になる可能性は中国などよりかなり大きいです。

将来、インドは、経済的に中国に並ぶ大国になるでしょう。そうして、社会構造的には中国よりははるかに先進国に近い体制になることでしょう。そうして、中国と異なり、先進国と共通の価値観をある程度共有できるようになるでしょう。ですから、日本は未来を見据え、インドとの関係を強化していく必要があります。

というわけで、現在の日本にとっては、米国とインドが日本の最重要国家です。安倍総理は、「大戦略観」をもって、インドとの関係強化に取り組んでおられる。実にすばらしいことです。

【私の論評】

安倍首相 インド首相を別荘招待で関係強化へ―【私の論評】今回の会談は自国の都合だけで動く中国に勘違いさせないという意義もある(゚д゚)!



トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能性も...「本当に怖い存在」習近平の中国との関係は?―【私の論評】発足もしてない政権に対して性急な結論をだすべきではない

トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能性も...「本当に怖い存在」習近平の中国との関係は? まとめ トランプ次期大統領はNATO加盟国に国防費をGDP比5%に引き上げるよう要求し、ウクライナへの支援は継続すると伝えた。 現在のNATOの国防費目標はGDP比2%であり、ク...