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2019年11月15日金曜日

ウイグル人学者へのサハロフ賞授与の意義―【私の論評】大陸中国は、民主化に成功したもう一つの中国台湾を参考にすべき(゚д゚)!


岡崎研究所

 10月24日、欧州議会は、今年の「サハロフ賞」の受賞者として、中国で無期懲役の判決を受け服役中のウイグル人経済学者で人権活動家のイリハム・トフティ氏を指名した。正式には、12月18日に、仏ストラスブールの欧州議会で受賞式が開催される。

ウイグル人経済学者で人権活動家のイリハム・トフティ氏

 「サハロフ賞」とは、旧ソ連(現ロシア)の反体制派の物理学者、サハロフ博士にちなみ、欧州議会が1988年に創設した賞である。自由や人権、民主主義の擁護のために尽くした人に贈られ、これまで、南アフリカのマンデラ元大統領やミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相らが受賞した。
 受賞者の発表に際し、サッソリ欧州議会議長は、声明を発出し、「中国におけるウイグル人の権利を擁護するために人生を捧げた」と、トフティ氏の活動を評価した。トフティ氏は、インターネット等を通じ、新疆ウイグル地区の現状を伝えたり、中国で大多数を占め共産党を支配する漢族と、少数民族ウイグルとの和解や融和を説いたりしていた。
 欧州議会は、サハロフ賞の受賞者の発表と同時に、中国政府に、トフティ氏を釈放するよう強く要請した。これに対して、中国共産党政府は、欧州議会が中国の内政事項に介入し、「国家分裂罪」の判決を受けた「犯罪者」に賞を与えたことを非難した。 
 今回のヨーロッパ議会のトフティ氏へのサハロフ賞授与は、歓迎されることである。中国のトフティ氏の処遇がこれで変わるとは思えないが、こういうことについては、間断なく、問題提起を続けていくことが望ましい。 
 中国は、ウイグルなどの人権問題は中国の国内問題であり、内政干渉は許さないという立場をとるが、戦後の国際政治においては、人権問題は国際的関心事項として確立している。南アフリカのアパルトヘイト政策は、国内問題であるとの主張は認められてこなかった。国連憲章は、国内事項に干渉してはならないとしているが、他方で、国連は人権理事会を作っている。これは、人権が国際関心事項として確立していることを示している。
 香港人の人権も、ウイグル人の人権も、チベット人の人権も、国内問題として片付けることはできないことを、中国は認めるべきである。中国は人権規約については、A規約は批准しているが、B規約は批准していないと承知する。だが、そのことと人権問題が国内事項とは言えないというのとは別の話である。 
 先般、習近平は、ネパールを訪問中に、分離主義者はその骨まで打ち砕くと恐ろしい脅しを発したが、トフティも分離主義者とされている。こういうことは問題にしていくべきであろうし、そうすることが中国をルールに基づく国際社会の一員にすることに資すると思われる。
【私の論評】大陸中国こそ、民主化に成功したもう一つの中国台湾を参考にすべき(゚д゚)!
サハロフ氏や、トフティ氏については、日本で知らない人もいると思いますので、本日はそれについて掲載しようと思います。

最初にサハロフ氏とは、冷戦下のソ連の社会主義下での共産党一党支配や人権抑圧を批判し、抵抗した知識人たちの一人です。

フルシチョフによるスターリン批判が始まり、「雪どけ」といわれる一定の言論の自由も認められる中で、知識人の政治的な発言も見られるようになったのですが、1964年にフルシチョフが失脚しブレジネフ政権になると再び政府を批判したり、社会主義の現実を問題視する言論は厳しく取り締まられることとなりました。

そのような言論の封殺に抵抗して、なお反体制知識人(異論派ともいう)は危険を冒して発言したり、地下出版(サミズダートという)で政府と体制に対する批判をつづけました。その代表的な人物が、原子物理学者のサハロフ博士、作家のソルジェニーツィンです。

アンドレイ・サハロフ氏

70年代のデタント時代には西側の文化も一部解禁されたため、人権問題や環境問題、国際平和に関する発言が出始めたのですが、80年代前半はソ連のブレジネフ政権と米国のレーガン政権との対決色が強まり、再び冷戦の緊張が戻って新冷戦という状況になりました。

一方で体制批判は厳しく取り締まられて国内監禁や国外追放などの弾圧が行われました。また反体制知識人の中には国外に亡命する人々も多くなりました。1980年代後半のゴルバチョフ政権のもとでグラスノスチペレストロイカが始まったことで自由な反体制発言が可能となり、多くの知識人が名誉を回復しました。

思想の自由のためのサハロフ賞(しそうのじゆうのためのサハロフしょう)とは、人権思想の自由を守るために献身的な活動をしてきた個人や団体をたたえる賞です。1988年12月に欧州議会が創設しました。

賞の名称はこのアンドレイ・サハロフに由来します。欧州議会の外交委員会と開発委員会が授賞候補者を選定し、毎年10月に受賞者を発表しています。2010年の時点では、副賞として50,000ユーロが贈呈されています。

初の受賞者となったのは南アフリカ共和国ネルソン・マンデラとロシア人のアナトリー・マルチェンコ英語版)でした。2011年には「アラブの春の活動家達」名義で、4カ国5名の活動家が受賞しました。サハロフ賞は個人のほかに団体にも授賞しており、1992年にはアルゼンチン5月広場の母たち英語版)に、最近では2009年にロシアの市民運動団体メモリアル英語版)が受賞しました。

サハロフ賞の授賞式は毎年12月10日に行われていますが、この日は国際連合総会で1948年に世界人権宣言が採択された日であり、世界人権デーに制定されています。

2013年、フランス・ストラスブールでのサハロフ賞授賞式。受賞者はマララ・ユスフザイ

では、今年の受賞者、トフティ氏とはどのような人なのか、以下に掲載します。

2014年に投獄される以前、トフティ氏は
中央民族大学(北京)の准教授教であり、ウイグル族と漢族との関係を扱った研究で知られる一方、新疆ウイグル自治区における中国政府の民族政策に対して厳しい批判を展開していました。

資源の豊富な同自治区にはチュルク系言語を話すウイグル族が長年にわたり居住していたのですが、過去数十年間で漢族が流入すると両者の関係は緊迫化。中国の治安部隊によるウイグル族への厳しい処遇やイスラム教の宗教行事の規制などが問題として浮上するようになりました。


                        新疆ウイグル自治区ホータンにあるショッピングモールの外で
                        警備に当たる武装警察部隊の隊員(2015年4月16日)
トフティ氏は、20年以上もの間、ウイグル族と漢族との対話と理解を促進してきました。分離主義や暴力を拒絶し、ウイグル文化の尊重を基礎とした和解を模索し続けてきました。「ウイグル・オンライン」が暴動を扇動したという疑いをかけられ、公安当局に現在も拘束されています。

トフティ氏のような穏健な声を排除することで、中国政府は自らが防ぎたいとする本物の過激主義の台頭に向けた基礎固めを行っているのが実情です。

サハロフ賞の授賞式の12月10日には、トフティ氏は授賞式に参加できないでしょう。誰か代理の人が受賞することになると考えられますが、それにしても、その異様な風景が世界に配信されることになります。劉暁波氏が、ノーベル賞受賞会場にいなかったのと同じです。

さて中国では、ウィグル人への弾圧も随分前から、問題となっていましたが、最近では香港への弾圧も過激になってきました。

しかし、万が一、共産主義中国が武力でデモ隊を鎮圧した場合には、天安門事件をはるかに上回る厄災が共産主義中国に降りかかることが予想されます。

歴史的経緯から、香港には英国のパスポートを持った人間が多数いますし、カナダ人、米国人も相当数滞在しています。彼らは白人であるとは限らない。ですむしろアジア系・東洋系の顔立ちの者が多いのではないかと推測されます。

総人口700万人のうち170万人、あるいは200万人といえば、香港の3~4人に1人は、デモに参加しているということですが、その中に二重国籍者も含めてアジア系英国人、カナダ人、米国人がどの程度含まれているのかは、見た目ではまったくわからないです。私はかなりの数が参加していると思います。

武力鎮圧の結果、それらの「外国人」に死者でも出ようものなら、それらの国々に宣戦布告をしたのも同然の困難状況に陥ることになるでしょう。

逆に、香港人たちの要求を飲めば、共産党の長老たちから習近平氏が「弱腰」と非難されるだけではなく、年間に少なくとも10万件は起こっているとされる共産主義中国各地の暴動を強権的に弾圧する大義名分も失われます。

中国がいくら豊かになっても民主化できないのは、共産主義が共産党のために存在し、民主化によってその利権を失うことを恐れているからですが、ロシアはウラジーミル・プーチン氏の独裁が続く中でも、一応普通選挙は行われています。

重要なのは、歴史的に「御恩と奉公=封建制度」という「契約に基づく社会を経験」しているかどうかということです。中国はそれを経験していません。1人が牛耳る絶対王制が基盤である社会に、いきなり民主主義を導入しても根付かないということです。

もうすぐ米国を追い抜くと驕り高ぶり、反対派を、汚職などを口実に次々と蹴落とし、アドルフ・ヒトラーを超える大虐殺者である毛沢東(大躍進と文化大革命での人為的飢饉も含む死者は、西側推計で約8000万人)政治の復活を目指してきた習近平氏は、党内に敵が多いです。

トランプ氏の仕掛けた「貿易戦争」で経済面でも大打撃を受け、天井の無いアウシュビッツと呼ばれるウイグル問題もクローズアップされる中で、習近平氏の中国は今まさに正念場を迎えています。


ただし、民主化に成功している中国が他にもう一つあります。それは、台湾です。大陸中国こそ、台湾を参考にすべきなのです。ただし、今のままの大陸中国では無理でしょう。分裂して現在の一つの省が、一つの国になるようなことでもなければ、困難かもしれません。

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2018年11月2日金曜日

安倍首相、インド首相との首脳会談風景を公開で「日印関係のさらなる発展を望みます」とエール続々―【私の論評】日印関係を強化することの意義(゚д゚)!

安倍首相、インド首相との首脳会談風景を公開で「日印関係のさらなる発展を望みます」とエール続々



 安倍晋三首相(64)がツイッターを通じてインドのモディ首相との会談風景をまとめた動画を公開した。

 今回で12回目となったモディ首脳との首脳会談。28日には山梨の自身の別荘に招待し夕食会を開いたほか、29日には首相官邸で正式な首脳会談を行っていた。

 モディ首相との首脳会談の様子はツイッターでも逐一報告されていたが、31日に安倍首相はツイッターを更新し、「モディ首相を日本にお招きし、首脳会談に臨みました。その様子を動画にまとめましたので、是非ご覧ください」と改めて会談の様子をまとめた動画を公開。日本とインドの親密な関係性をアピールしていた。


この投稿に対し安倍首相のツイッターには、「インドはIT大国だし、密接な関係になるのは喜ばしいことしかないです!日印関係のさらなる発展を望みます」「今後さらに日印関係は良くなっていくでしょうね。国の発展に尽力されること、今後も宜しくお願いします」「親日国とますます親密になることを期待しています!」というエールの声が続々と寄せられていた。有権者の多くは今後もインドとの関係が深くなることを強く望んでいるようだった。

【私の論評】日印関係を強化することの意義(゚д゚)!

安倍総理のインド関連のツイートになぜこれだけ、エールが寄せられるのでしょうか。無論昔からインドは親日国だったということもありますが、それ以外にもインドがかなり大きな潜在可能性を秘めた国でもあるからです。本日はインドの潜在可能性について掲載したいと思います。

インドのモディ首相の来日に関連して、以下の2つニュースが報道されています。
<円借款>インドに3,000億円 29日首脳会談で伝達
毎日新聞 10/24(水)23:57配信
政府はインドに対し、日本の新幹線方式を導入する鉄道建設などを対象に今年度、3,000億円超の円借款を供与する方針を固めた。安倍晋三首相が29日、東京都内で予定するモディ首相との会談で伝える。
「今年度、3,000億円超の円借款を供与する」そうです。
政府は2015年度以降、年間3,000億円超の円借款を含む政府開発援助(ODA)をインドに供与している。同国に対する円借款の累計額は今年度を含めて約6兆円で、世界で最も多い。政府は「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一環として、今年度も高水準を維持することにした。
(同上)
「円借款の累計額は約6兆円」で「世界で最も多い」そうです。実にすばらしいです。なぜすばらしいか、その理由は後述します。

もう1つ。
<安倍首相>印首相を別荘招待 中国とバランス外交
毎日新聞 10/23(火)21:58配信
安倍晋三首相は23日の自民党役員会で、近く訪日するインドのモディ首相を、山梨県鳴沢村の自身の別荘へ招くと明らかにした。モディ氏は28日に別荘を訪れ、正式な首脳会談は29日に東京で行う。
安倍総理はモディ首相を自身の別荘に招待したのです。誰かと「緊密な関係になりたいとき」「緊密であることを示したいとき」こんなことををします。

日本の総理が、外国首脳を別荘に招く。これは、なんと中曽根さんがレーガンさんを招待して以来だそうです。なんとも「特別待遇」です。すばらしい!

安倍氏は28日、インドのモディ首相を山梨県の河口湖の近くの自身の別荘に招き、夕食を共にした。

なぜ安倍総理が、インドのモディ首相を特別待遇することがすばらしいといえるのでしょうか。それは、日本にとってインドは、米国に並ぶ最重要国家だからです。これはなぜでしょうか?

軍事同盟国米国が最重要国家であることは、中学生でも理解できます。米国との同盟がなければ、尖閣諸島は、とうに中国の領土になっていたかもしれません。中国は、「日本には、沖縄の領有権はない!」と宣言しているため、沖縄も危険です。

では、インドは、なぜ最重要国といえるのでしょうか。米国は、日本の軍事同盟国であり現在世界で唯一の超大国ですが、その力は相対的に弱くなりつつあります。トランプ大統領のスローガンは、「アメリカを再び偉大に!」でした。

ということは、トランプ大統領は、「アメリカは、昔偉大だったけど、今は昔ほど偉大ではない」と考えているということです。確かに、40~50年代とか90年代等と比較すると、米国は衰えています。

トランプ大統領の前のオバマ大統領はあろうことか「米国は最早世界の警察官じゃない!」と自ら宣言してしまいました。さらに、オバマ大統領は北が非核化の意思を表明しない限り、対話しないという対北政策を「戦略的忍耐」と名付け、8年間、ほぼ沈黙してきました。その結果、北は核開発を進めることができました。

このような状況では、米国の同盟国は「アメリカ同盟頼り」だけだと危険だと考えるのが当然です。トランプ大統領は軍事費も拡張し、再び米国を強くしようとしていますが、8年間のブランクは大きく、すぐに米軍が強くなるわけではありません。

無論、「自主防衛能力」を向上させていくことが最重要ですが、その一方で、他の大国との同盟関係も深めていく必要があります。日本が「同盟国」に選ぶなら、インドが最適なのです。

なぜかというと、多くの国々のライフサイクルを見ると、欧州は成熟期というかはっきりいえば黄昏時です、米国は成熟期、過去には大成長を続けた中国も、今や成長期の最末期となっています。

黄昏時の欧州中央銀行

ロシアは今やGDPはインド以下で現状ではだいたい10位前後です。韓国とより若干小さいくらいの規模です。そうして、韓国と東京都は同じくらいの規模です。そうして、ロシアの人口は1億4千万人で、日本より2千万に程多いくらいの規模です。ロシアが大国といえるのは、今や領土の大きくらいかもしれません。

東京都なみで、これから伸びる可能性もないロシアは、ソ連時代の核兵器や軍事技術ほ継承しているので、大国と見られがちですが、今や大国ではありません。米国と比較の対象にもなりません。軍事的には去勢をはってはいますが、今やNATOと対峙するのも難しいです。


しかし、インドだけは、いまだ成長期の前期にあり、これからもますます成長しつづけていくことが確実です。

インドは1947年、イギリスから独立しました。その後、混乱期が長くつづき、この国が成長期に入ったのは1991年でした。この年、インドは「経済社会主義」を捨てて、「自由化」に踏みきりました。中国は、鄧小平が「資本主義導入」を決めた1978年から成長期に入りました。つまり、インドが成長期に入ったのは、中国より13年遅かったことになります。

そうして、インドのGDPは2016年、2兆2,564億ドルで、世界7位でした。しかし、1人当たりGDPは同年、1,723ドルで、世界144位という低さでした。常識的に考えると、インドはまだまだ「成長期前期」にいることがわかります。

この国の1人当たりGDPが、まだまだ先進国に比較すると低い現在の中国並みの水準まで増加したと仮定します。すると、インドのGDPは、約9兆ドルになり、日本を軽く超えてしまうのです。そして、インドの人口は、日本の約10倍、12億1,000万人ですから、同国のGDPが将来日本を超えることは「必然」といっても良いのです。


そうして、インドが長いあいだイギリス植民地であったということで、中国よりはかなりまともです。そもそも、中国には選挙制度はありませんが、インドにはあります。ただし、女性の地位が未だにかなり低いなど社会構造に未だ大きな問題点はあります。そうはいっても、中国と比較すれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化は進んでいます。さらに、インドは大東亜戦争中から日本の親日国でもあります。

米国などの先進国は、経済成長すれば中国も先進国並の体制に変わるであろうと期待していましたが、ご存知のようにその期待は見事に裏切られました。しかし、インドの場合は経済成長をすれば、独自の発展をして世界の先進国の良きパートナー、良き隣人になる可能性は中国などよりかなり大きいです。

将来、インドは、経済的に中国に並ぶ大国になるでしょう。そうして、社会構造的には中国よりははるかに先進国に近い体制になることでしょう。そうして、中国と異なり、先進国と共通の価値観をある程度共有できるようになるでしょう。ですから、日本は未来を見据え、インドとの関係を強化していく必要があります。

というわけで、現在の日本にとっては、米国とインドが日本の最重要国家です。安倍総理は、「大戦略観」をもって、インドとの関係強化に取り組んでおられる。実にすばらしいことです。

【私の論評】

安倍首相 インド首相を別荘招待で関係強化へ―【私の論評】今回の会談は自国の都合だけで動く中国に勘違いさせないという意義もある(゚д゚)!



2016年3月27日日曜日

韓国政府に都有地「貸し出し」 片山さつき氏が元夫・舛添知事に異議「政策順序が違う」―【私の論評】住民福祉のほうが都市外交よりも、都にとって優先順位が遥かに高いのは自明の理(゚д゚)!



片山さつき氏

舛添要一知事率いる東京都に批判が殺到している。待機児童問題に対応するため、新宿区が昨年夏、都有地である元都立高校を借りたいと都に申し出たが受け付けてもらえず、今ごろになって「韓国人学校を増設する」ためとして韓国政府への賃貸計画が浮上したからだ。外交や社会福祉に詳しい、自民党の片山さつき参院議員が異議を唱えた。

「政策の優先順序が間違っていると思います」

片山氏はこう断言した。新宿区の一等地にある都立高校跡地貸し出しを主導しているとされる舛添氏は、元夫でもある。舛添氏は会見で、新宿区による申し出について「そういう話は聞いていない」と語っている。

今回の計画は16日に明らかになったが、直後から都庁には連日メールなどで意見が寄せられている。総数は約2500件といい、多くが「保育所の整備に利用すべきだ」という苦情だという。

片山氏も「東京都は、人口も経済・財政規模も、ヨーロッパ諸国に匹敵する巨大都市ですが、法的には地方自治体の1つです。最優先の役割は『子育てや医療、介護など、住民(都民)の福祉を増進すること』です。当然、待機児童問題は最重要事項です」といい、続けた。

「もちろん、地方自治体として『国際親善』に取り組むことは構いません。ただ、韓国以外の国々が今回のような要請をしてきた場合、東京都はすべてを実現させるつもりでしょうか。それでは、いくら都有地があっても足りるはずがありません」

舛添氏は「都市外交」を掲げて、日韓関係の改善に意欲を持っているとされる。2014年2月の知事就任後、韓国を3回も訪問し、朴槿恵(パク・クネ)大統領とも会談している。

片山氏は「外国への配慮のために、住民の福祉が損なわれることは絶対にあってはいけません。都知事の職にある人は『どうやったら都民が幸せになるのか』を常に考えるべきだと思います」と語っている。

【私の論評】住民福祉のほうが都市外交よりも、都にとって優先順位が遥かに高いのは自明の理(゚д゚)!

ここで、片山さつき氏だけの意見を掲載すると、バランスを欠くので、舛添東京都知事の意見等も掲載しておきます。
舛添氏は18日の定例記者会見で、ソウルの日本人学校が老朽化に伴い、10年に新校舎に移転した際、ソウル市から用地売買の斡旋(あっせん)を受けた例を挙げて、「(ソウル市とは)姉妹都市。こちらもお世話になった。恩返しでやる」「東京のグローバル拠点として、その街を活力のある街にするために非常に良い」と語りました。 
韓国朴槿恵大統領と会談した舛添都知事
しかし、記者団はこの説明に納得しませんでした。「保育施設に充てる手もある」「韓国だけに便宜を図る理由づけが難しい」「都民から批判的な意見が出ている」などと次々に質問しました。 
舛添氏は「いろいろな声があるのは当たり前だ。政策の判断なので、私の判断でやった」「保育所について、何もやっていなければ別だが、きちんと取り組んでいる」「なぜ、韓国にこだわるのか」と反論。フランスの学校に都有地を有償で提供した例にも触れて、「世界に開かれた街として、できるだけのことをしたい」と強調しました。
さらに、都立高校跡地近くに住む都民の意見も掲載しておきます。
都立高校跡地の近くに住む都民は「現在の東京韓国学校の校舎(若松町)から、この都有地(矢来町)に移転するなら、まだ話は分かる。でも、若松町の校舎も使いながら『こっちの敷地も使わせろ』ってわけでしょう。都民が使う土地に余裕がないのに、あまりにも異常な対応だ」と語っていました。 
使途が注目される都立高校跡地=新宿区矢来町
新宿区の意見を掲載します。
新宿区によると、昨年4月時点の待機児童は168人。問題の都有地周辺は近年マンションの新築が相次ぎ、今後も保育需要が見込まれるとして、保育所の重点整備地域に設定されています。
また東京韓国人学校の現況も記しておきます。
東京韓国人学校は実質定員割れをしています。特に、2011年東日本大震災が起こった年には、根拠のない放射能の恐怖から、半数以上もの生徒が帰国しました。そのため、新たなに韓国人学校を建てる必要性などもともとありません。
東京韓国人学校と、都立高校跡地の位置関係

舛添知事は、知事選で『子育てや福祉の充実』を訴えていました。それなのに、なぜ、福祉施設の整備に使わないのか不思議です。都有地の貸し出しは、都議会の承認を必要としない案件で、舛添氏の一存で決まるそうです。

しかし、それにしても、国と地方自治体の関係をいえば、安全保障と外交は国の専権事項です。地方自治体は国に従わなければなりません。そもそも、都市外交などあくまで、親善程度の範囲ですべきものであって、外交は国が主体となって行うべきものです。

日本は、都市国家ではないのですから、東京都知事の親善と、外交のどちらが重要かといえば、日本国の外交がすべてであり、東京都知事の外交など日本にとって、本当に余計なことです。

そうして、舛添氏が韓国に行って、朴槿恵大統領と会談するのも、全く無意味です。合うのだったら姉妹都市関係のあるソウル市長などと会談するというのならわかりますが、位置地方自治体の首長が、朴槿恵大統領と会談して何になるというのでしょうか。首長クラスでは、何の約束もできないです。


それに、舛添知事の出張費も異常です。韓国訪問のときはどの程度だったのか、わかりませんが、舛添要一知事らが昨年10~11月、ロンドン・パリを訪れた海外出張費約5千万円が「高額すぎる」などと指摘されていた問題で、東京都は今月23日、この出張にかかった経費の内訳をホームページで公開しました。透明性を高める狙いで、「今後は節減に努める」そうです。

これによると、知事や職員ら20人の渡航にかかった「旅費」は総額約2623万円で、東京-欧州間の往復航空費(約1500万円)の占める割合が大きかったそうです。知事のみがファーストクラス(約266万円)を利用。特別秘書ら7人がビジネス、その他の職員12人はエコノミーでした。

宿泊費はロンドン・パリともに、同行職員を含めて全員が一流ホテルに泊まり、5泊で約922万円を支出。知事はスイートルーム(1泊19万8千円)を使ったそうです。このほか知事を含む20人に、計約123万円の日当が支払われていました。

また、現地ガイドや通訳、車のレンタル費などの「賃借料など」に計約2417万円を費やしました。内訳は、車両借り上げ費(約623万円)▽現地ガイド雇用費(約532万円)▽知事の講演会の会場代(263万円)-などが大きく、職員がラグビーW杯を視察するためのチケット代(2試合分)にも約127万円を費やしていました。


バカ真似はやめろと言いたいです。それこそ、カネと時間の無駄遣いです。舛添氏は何か勘違いしています。そんなに外交がやりたければ、東京都知事になどなるべきではありませんでした。外交は、東京都知事の仕事ではなく、外交官や、外務大臣、総理大臣の仕事です。これこそ、驕り高ぶりというものでしょう。

最後に、待機児童は地方問題であり、住民福祉と都市外交いずれが地方自治にとって優先順位が高いかといえば、当然住民福祉です。この点やはり、舛添知事の考えは、間違いです。片山さつき氏の意見がまともで、正鵠を射たものです。

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2014年9月29日月曜日

【NewsPicks】経営学は経営の役に立つのか第2回 ビジネスにおける「学者」と「理屈」の意義―【私の論評】経営には原理・原則がありそれを多くの人々が知ることにより、社会は確実に変わる。しかし、知識ある者は、常に理解されるように努力する責任があることを忘れてはならない(゚д゚)!

【NewsPicks】経営学は経営の役に立つのか第2回 ビジネスにおける「学者」と「理屈」の意義

理屈じゃないから、理屈が大切

今回は、「なぜ学者が実務家とやり取りすることに意義があるか」について説明していきましょう。

最初に下図をご覧ください。理屈(論理)と理屈でないものの比率は一緒です。8割は理屈では説明がつかないにしても、ビジネスのもろもろのうち2割は、やはり何らかの理屈で動いているわけです。「ここまでは理屈だけれども、ここから先は理屈じゃない」というように、左から右へと考えてみてください。すると、「理屈じゃないから、理屈が大切」という逆説が浮かび上がってきます。
ストーリー_図01-2ai-01



何が理屈かをまるでわかっていない人には、「理屈じゃない」ものが本当のところ何なのかもわかりません。私も実務家の方々と議論しているときに、「まぁ、理屈としてはそうですが、現実は理屈じゃないので……」と言われることが少なくありません。しかし、私の経験からすれば、「現実は理屈じゃない」という声に迫力を感じる実務家に限って、総じて理屈っぽく、論理的なのです。

「いやー、ビジネスなんて理屈じゃないよね」ということで、のっけからけもの道を爆走しているだけでは、肝心の野性の勘をつかめないはずです。

野性の嗅覚が成功の8割にしても、2割の理屈を突き詰めている人は、本当のところ何が「理屈じゃない」のか、野性の嗅覚の意味合いを深いレベルで理解しています。「ここから先は理屈ではなくて気合だ」というふうに気合の輪郭がはっきり見えています。だからますます「気合」が入り、「野性の勘」に磨きがかかる。「理屈じゃないから、理屈が大切」なのです。

経営や戦略を相手にしている以上、法則定立は不可能です。しかし、それでも論理はある、「論理化」は可能だという主張です。ストーリーとしての競争戦略も「法則はないけれども、論理はある」という立場に立って、優れた戦略ストーリーの論理を明らかにすることを目的としています。

そして、その論理というのは、「イノベーションが大切だよね!」というほど元も子もない話ではありません。もう少し考えてみたほうがいい何か、しかもそれは実務の「けもの道」を走っているだけでは、なかなか見えない何かなのです。


楠木 建
一橋大学教授








上の記事は要約記事です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】経営には原理・原則がありそれを多くの人々が知ることにより、社会は確実に変わる。しかし、知識ある者は、常に理解されるように努力する責任があることを忘れてはならない(゚д゚)!

News Picks ロゴ


皆さんは、NewsPicksをご存知でしょうか。新しいタイプのニュース・サイトです。今まで、いろいろなニュース・サイトのアプリをパソコンや、スマホ、タブレットで使用してみましたが、結局長続きせず、最初は見ても、後からはほとんど使わなくなるということがほとんどだったのですが、このサイトはこれからも使い続けると思います。

日本国内の、いわゆる普通のメディアなどに掲載されている犯罪・災害などのニュースは掲載されていませんが、主要なニュースをほぼ網羅されています。これは、犯罪などに関しては、サイトでみるまでもなく、通常のニュース・メデイアで十分であるとの考えでわざわざ掲載しないのだと思います。

しかし、通常のメディアだけだと、見逃してしまいそうにもかかわらず重要なものが掲載されているようです。そうして、この方針は良いと思います。

御嶽山の噴火のニュースなど、サイトで長々と、何度も掲載されても、確かにあまり意味はないと思います。そんなのは、テレビで十分です。

そうして、このサイトの魅力は何といっても、twitterとの連携がすごいことです。それも、ただ単に、twitterにニュースに関するコメントを掲載できるというだけではありません。なかなか優れものの機能があり、使い勝手かかなり良いです。

この使い勝手の良さもあってか、結構有名人も使っています。あの堀江貴文さんなども使っています。

これは、言葉で説明しても、なかなかご理解いただないと思いますので、是非一度ご覧になって下さい。以下にリンクを掲載しておきます。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、本日の主題は、NewsPicksの紹介を兼ねては、いますが、それが本題ではありません。

本題は、このニュース・サイトに掲載されていた、連載企画であるブログ冒頭の記事です。

私は、この記事に興味をひかれたので、読了後すぐにコメントしました。

本日は、まずはそのコメントの内容を以下に掲載します。
私は、経営学を専攻はしませんでしたが、学生の頃からドラッカーの書籍を読んで、感動し経営学がドラッカー氏が語っているようなことを意味するのであれば、経営学は本当に役に立つと確信しています。
特に、最近では、企業内の資料である『新・時流人』という会長のお言葉をまとめた、書籍の原稿を執筆しましたが、その時にも非常に役にたちました。会長の言葉の真の意味が、ドラッカーの書籍ではこういうふうに掲載されているという具合に確認することができました。

執筆した書籍の表紙

書籍ができあがってから、結局書籍の八割が、表現は異なるものの、ドラッカー氏のいう経営の原理原則であり、後の二割が、会長ご自身の哲学のようなものということに気付きました。
しかも、会長自身は、あまりドラッカーの書籍を読んでいるといこともないようでしたので、経営には原理原則というものがあるという結論に至りました。
しかしながら、こうした会長が原理原則を自らの経験を踏まえて、誰にでも解りやすく平易な言葉で語っていたことには、改めて感動を覚えました。いくら原理原則を知っていても、それを本当に理解してもらうには、ただ原理原則を語れば良いというものではありません。多くの人々に理解できる言葉や、事例を用いなければ、誰も納得しません。
最近もドラッカー氏の"Management revised edition"を読みましたが、構成や力点の置き方が多少異なり、事例などが新しいものに置き換わっているものもありましたが、原理原則はそのままで、今でも十分に通用するもであると思いました。
経営学か全く役にたたないという方は、ドラッカー氏の書籍を読んだことがないか、読んだとしても、その本質を理解していないということではないかと思います。あるいは、教える側にも問題があって、うまく伝わらないだけではないかと思います。
そうして、ドラッカー氏の書籍を読んでいて感じるのは、まさに、経営に法則や定理はないということです。こんなものがあったら、誰も苦労しません。しかし、それでも原理・原則はあるということです。
そうして、原理・原則に従い日々の問題に取り組めば、それを知らないよりは、はるかに様々な事柄に対処しやすくなります。
私は、多くの人々がドラッカー氏が語っていたような、経営学の本質を学べば、社会は随分変わってくると思います。
私は、経営学という学問を正式に学んだことはありませんが、ドラッカー氏を抜いて現代の経営学を語ることはできないと思います。

ドラッカー氏のように、経営学の原理・原則について考えぬいた人はいないのではないかとさえ思っています。
ドラッカー氏


なぜなら、現在であれば、多くの人々が、ドラッカー氏のマネジメントにおける原理・原則を下敷きとして、様々な現象を説明したり、理解したり、積み上げたりすることが容易にできますが、その下敷きを創った人がドラッカーです。

ドラッカー氏以前にも、マネジメントについて考えた人は大勢いますし、先人の研究があったからこそ、ドラッカー氏もマネジメントの体系化ができたのではありますが、どれも部分的であって、全体像に関して考察して、体系化したのはドラッカー氏がはじめてだからです。

今の私達は、このようなものがすでにあるのですから、マネジメント関連のことで、いろいろ考えたり、疑問などがあった場合には、他の書籍や、コンサルタントにあたる前に、まず一度はドラッカー氏の書籍を熟読するべきと思います。

熟読すれば、必ずそこには、すくに役立つことや、すぐにではなくても、いずれ役に立つ原理原則がみつかるはずです。無論、特定の事柄にすぐに役立つ法則や定理などはみつかりませんが、多くの事柄に適用できる、珠玉の原理原則が散りばめられていことに気づくはずてす。

そうして現代の私達が最も気をつけなければならないことは、ドラッカー氏の語る以下の言葉です。
知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。知識労働者は、直接にものを生産するわけではない。
生みだすアイデアや情報を誰かに使ってもらうことで、いわば間接的に生産する。だから、市場を理解すると同時に、組織における上下左右の人間が何を必要としているかを知らなければならない。さらに、自分のアイデアの内容や情報の価値を彼らにわかってもらう事が不可欠だ。
現在の仕事は、従来から比較すると、どの仕事も高度な知識労働となっています。だから、多かれ少なかれ、どの人の仕事もある程度以上は専門的になっています。現在では、ある人の仕事は、別の人にとっては、すぐに理解できるような簡単なものではありません。

特定の専門的知識を有する人々の中だけで、話が通じて事が足りるということはないのです。多くの人々にわかってもらえなければ、専門化した現在の知識は全く役に立たないのです。だからこそ、伝えることが本当に重要になってくるのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年7月21日月曜日

政府月例経済報告に異議あり!消費税増税の悪影響を認めたくない政府に騙される政治家とマスコミ―【私の論評】財務省はジレンマに陥っている。安部総理と、そのブレーンは肉を切らせて骨を断つ戦略を実行している(゚д゚)!これこそが隠し球かも?

政府月例経済報告に異議あり!消費税増税の悪影響を認めたくない政府に騙される政治家とマスコミ

先週14日付の本コラムで「経済指標は軒並み「景気悪化」の兆候!」(→こちら)を書いた。民間消費に加えて、民間設備投資も悪かったからだ。

おさらいのために図だけ再掲しておく。






このように、筆者としては消費税増税の悪影響が出てきていると判断している。ところが、政府見解としては、景気は悪くなっていないと言うのだ。

政府見解は毎月の月例経済報告をみればわかる。先週17日、官邸で月例経済報告等に関する関係閣僚会議が開かれた。これは、毎月一回、経済閣僚、与党政策責任者、日銀総裁らが出席して、政府の景気判断を確定させるものだ(会議の様子は官邸ホームページ→こちら 本文は→こちら)。


では、政府はどのような理由で消費を上方修正するのであろうか。

7月月例では「需要側統計(「家計調査」等)と供給側統計(鉱工業出荷指数等)を合成した消費総合指数は、5月は前月比 1.3%増となった」と書かれている。そして、「最近の動きをみると、「家計調査」(5月)では、実質消費支出は前月比 3.1%減となり、「除く住居等ベース」では同 0.6%増となった」とも書かれている。

要するに、本コラムで指摘した家計調査の数字は悪いが、鉱工業生産指数と併せて見れば、少なくとも前月よりは上がっている、というロジックだ。

この分析は不十分だ。14日付の本コラムで指摘しているが、対前月比で見ると、あまりに近視眼になる。大きく下がった後で少しばかり上がっても、前の水準に戻っていない場合があるからだ。対前月比は、過去のデータをすぐ忘れるマスコミを騙すことはできるが、実態経済の不調は隠せない。だから対前年同月比でも見る必要がある。

政府の言う「除く住居等ベース」では前月比0.6%増だが、対前年同月比でみると、やはり悪い。


需要側(家計調査)が悪くて、供給側(鉱工業出荷等)がそれよりいいというのは、通常の経済分析では黄色信号だ。というのは、需要が弱くて、生産が伸びているというのは、意図せざる在庫が増えている可能性があるからだ。

なお、一部マスコミで、月例経済報告に懐疑的な論調もあるが、それらのマスコミはこれまでの金融政策による景気回復の時でも、金融政策は効果がないという真逆であったので、その理由はまったく信用できない。金融政策無効派の多くは、消費税増税賛成である。このため、月例経済報告に懐疑的であっても、その理由として消費税増税でなく、まったく無関係な理由を挙げ、トンチンカンになっている。

筆者がこれまで言ってきたことを繰り返しておこう。金融緩和は正しくアクセルの役目を果たし、これまでの景気回復の原動力になっていた。しかし、消費税増税はブレーキを踏むことになるので、経済政策としてはまずい。

この記事は、要約です。元記事はこちらから(゚д゚)!


【私の論評】財務省はジレンマに陥っている。安部総理と、そのブレーンは肉を切らせて骨を断つ戦略を実行している(゚д゚)!これこそが隠し球かも?

上の記事で高橋洋一氏は、「金融緩和は正しくアクセルの役目を果たし、これまでの景気回復の原動力になっていた。しかし、消費税増税はブレーキを踏むことになるので、経済政策としてはまずい」と語っています。そんなことは、増税前から多くの人々が理解していたと思います。

そうして、上の記事のタイトルの一部には「消費税増税の悪影響を認めたくない政府に騙される政治家とマスコミ」と書かれています。

確かに、政治家もマスコミも高橋洋一氏のようなことは一言もいいません。しかし、これはマスコミも、政治家もそのほとんどが財務省主導の増税キャンペーンに踊らされて、増税一色で走ってしまったため、いまさら景気が落ち込んでいるなどとは、言い出しにくい状況にあります。

それをしてしまえば、自らが、マクロ経済音痴であったことを公にするようなものです。それは、財務省も同じことでしょう。だから、マスコミ・政治家が経済がかなり落ち込むかもしれないなどと今更、大声をたてることは出来ないのだと思います。

しかし、最近私は不思議な現象を体験しています。高橋洋一氏の言うようなことは、日銀のりフレ派や、リフレの論客であるまともな評論家や、リフレ派政治家などは、すべてお見通しのはずです。しかし、彼らも口を堅く閉じて何も言いません。これは、一体どうしたことでしょうか。

私が、インターネットで検索してみた範囲では、直近で、経済がかなり悪化しそうなことを語っているのは、影響力のあるメデイアは皆無であり、個人では高橋洋一氏と、三橋貴明氏くらいなものです。

三橋貴明氏は、以下のようなコメントをしています。
三橋貴明の「新」日本経済新聞   [三橋実況中継]想定外の悪影響
ちなみに、今回の消費税増税の悪影響が過去のケースよりも酷いことは、政府は普通に把握しています。例えば、総務省は6月27日の時点で以下の資料を公表しているのです。 
過去の消費税導入時等との比較(平成2 6 年6 月2 7 日 総務省統計局)


消費支出(季節調整済実質指数)の推移を見ると、消費税導入時(89年)と一度目の増税時(97年時)は、かなり似た動きの「消費の落ち込み」となっています。それに対し、今回は4月の消費の落ち込みが89年時、97年時よりも激しく、しかも5月は更に悪化してしまっています。 
明らかに「想定外」な悪影響が出ているのですが、政府は相変わらず「想定の範囲内」を繰り返しています。消費税増税の影響よりも、むしろこの「想定の範囲内」の方がはるかに問題であり、危険だと考えるのです。何しろ、想定の範囲内である以上、補正予算等の対策は打たれません。 
何と言いますか、現在の安倍政権(官僚含む)は、猛烈な反対の中で消費税増税を断行した結果、自分の間違いを認めることができず、懸命に「大丈夫なところ」を探し求める状態、すなわち認知的不協和に陥っているように思えてならないのです。認知的不協和に陥っていた場合、 
「確かに消費や賃金の落ち込みは前と比べても酷いけど、○○は良いから・・・」
と、懸命に一部の情報をクローズアップさせ、自分を安心させようとすることになります。結果的に、問題を問題として認識することができなくなり、対策を打てなくなります。 
しかも、今回は政権がもう一度、12月に再度の増税を判断しなければならないという、極めて政治的に複雑な時期です。安倍政権が認知的不協和に陥っており、懸命に「ちょっといい数字」を探し出し、それを理由に再増税の決断をされたら目も当てられません。だからこそ、現時点で「想定外の悪影響」を政権に認めさせる必要があると思うのです。
このような事実は、経済には素人の私にでも十分理解できます。というより、多少経済の知識がある人は、誰もがこんなことは最初から予測していたと思います。

なにしろ、今回の増税は、デフレの最中での増税です。前二回の増税は、少なくとも日本経済はデフレではありませんでした。デフレではなかったので、少なくとも賃金が下がりつつある中での増税ではなかったということです。

しかし、今回は賃金が全体では下がりつつあるなかでの増税です。これは、財務省やマスコミがいくら屁理屈をつけても、かなり大きな悪影響が出ることは最初から明らかでした。

にもかかわらず、もともな経済学者や、リフレの論客たちが、沈黙を守っているというのはどういうことなのでしょうか?

この謎紐解くには、昨日のこのブログの記事が多いに参考になると思います。
天下の財務省夏の人事は「増税人事」―【私の論評】やすやすと、10%増税がなされ、日本が再度デフレスパイラルのどん底に沈み、安倍総理が辞任を余儀なくされることが、朝日新聞の描く日本の望ましい近未来だ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとしてこの記事では、結論として以下のようなことを掲載しました。
やすやすと、10%増税がなされ、日本が再度デフレスパイラルのどん底に落ち込み、無党派層が完璧に与党から離れ、またぞろ安倍おろしがはじまり、安倍総理が辞任を余儀なくされることだけは、絶対に避けなければなりません。 
これが、マスコミが狙っている近未来の日本です。安倍政権と、経済この両者が密接に結びついていることを知る人は、未だ少ないです。
デフレから脱却していないうちに、来年の4月から10%増税が決まってしまえば、またぞろ日本は、デフレ・スパイラルのどん底に落ち込むことは明らかです。

しかし、現状で強力な経済対策を打つことにでもなれば、昨年のように10月時点では、様々な景気指標が回復したり、上向き、それこそ増税派にとって増税を主張しやすい、都合の良い状況になってしまう可能性がかなり高いです。

昨年は安部総理が増税を決意する前から、マスコミは総理
が増税を、決断し終わったかのように、執拗に報道を続けた

しかし、現状では、新たな経済対策を打つ動きは全くありません。おそらく、現状では公共工事の供給制約がありますからこれは効果が薄いです。そのため、デフレの今日では、再配分的な所得税減税や給付政策を大々に実施すれば、かなり効果をあげることができます。再配分的というのは、所得の少ない人には厚く支援をするということです。

これを実施すれば、デフレの最中にある低所得層は、減税分や給付分を速やかに支出することになります。だから、その効果は金融緩和などと比較すればかなり即効性があります。

これを速やかに実行すれば、9月、10月あたりにはかなり経済が回復すると思います。

しかし、そうなるとまた昨年の財務省主導のマスコミ、政治家こぞっての大増税キャンペーンの再現ということになってしまい、直近で経済状況が良いのだから、増税は当然という主張をして、やすやすと増税が決定されてしまう恐れがかなり濃厚です。

このようなことをしては、リフレ派論客としては敵に塩をおくるようなことになってしまう可能性も大です。

安倍総理や、そのブレーンたちも、そのことは良く理解しているのだと思います。

だからこそ、小数派の安部総理やそのブレーンたちも、今のところは口をつぐんているのだと思います。政府月例報告など、所詮は役人の作文に過ぎません。黙っていれば、そのまま公にされるものです。

今後安倍政権には、二つの道があります。

一つ目の道としては、景気対策をすぐに推進することです。確かに、国民のことを考えると、景気を良くしたほうが良いに決まっています。しかし、今すぐそれを実行してしまえば、10月に増税派に格好の増税推進の大義名分を与えてしまうことにもなりかねません。

そうして、来年の4月から10%増税が、なされてしまえば、来年は今年よりもさらに景気が落ち込み、日本はとんでもないことになります。失われた20年が、40年になってしまう可能性も高いです。

第ニの道としては、直近の経済が悪くても、来年の増税を今度こそ阻止し、その後に先程述べた、再配分的な所得税減税や、給付政策を実行して、経済を上向かせるという道です。

これにより、日本経済はデフレから脱却できる可能性が高まることになります。おそらく、これを実行すれば、市場関係者も好感して、最初は株価もあがり、かなり経済指標も良くなり、丁度安倍政権が誕生したときの、衆議院議員選挙の直前のときのように安倍政権にとって追い風となることでしょう。

私としては、安倍総理および、そのブレーンたちは、第二の道を選んでいるのだと思います。

まさに、安倍総理は、「肉を切らせて骨を断つ戦略」を実行しつつあるのだと思います。だからこそ、リフレの論客たちもこのことを理解して、現状では様子見をしているのだと思います。

「肉を切らせて骨を断つ」という戦法は日本で古から知られているものである

これが、8月から9月あたりになれば、一斉に決戦の火蓋を切り、論戦を開始しはじめると思います。しかも、昨年の財務省キャンペーンには負けていますからかなり周到に準備をしていると思います。

今は、リフレの論客たちや、安部総理とそのブレーンたちは、財務省や、政治家などにこれを邪魔されたくないので、静かに動静を見守り、準備を整えているのだと思います。

増税を推進した、政治家、マスコミ、財務省は、まずは、自分たちの面子や、世間体が重要なので、経済対策をすぐにでも打つべきなどとは言えないと思います。ただし、財務省あたりは、何とか9月~10月あたりに数字が良くなるような手を打つか、手が打てないなら、増税の悪影響は軽微であるとする屁理屈を考えているのだと思います。

これには、早い時期からその動きがありました。これについては、このブログにも掲載したことが、ありますので、以下のそのURLを掲載します。
異例の予算前倒し要請、麻生財務相「景気下振れに万全期す」―【私の論評】増税の悪影響は最初から懸念されていたこと、いまさら遅い!公共工事の供給制約が明らかになった今一体何をどうするというの?
予算前倒しを養成した麻生財務大臣

これは、3月の時点の記事ですが、財務官僚などは、この前倒しで、9月、10月あたりの景気指標を良くしようとの腹だったと思います。そうして、これはうまくいくものと思い込んでいたに違いありません。なにしろ、利権に群がる官僚は、もとより政治家もかなり存在します。

だから、やすやすとこれは出来るとたかをくくっていたかもしれません。しかし、この時点では、公共工事の供給制約など、一部の識者は指摘してましたし、実際にこの時点でも、供給制約がありました。しかし、現状では供給制約ははっきりと顕在化しています。

現在全国で、公共工事の落札ができないという状況にあります。そうなると、公共工事などにより、9月、10月の経済指標を良くすることは不可能です。

だからといって、増税した直後に、所得税減税や、給付を実行するということになれば、自ら増税実施は間違いであることを認めることになってしまい、これは、様々な人達から、批判を受けることになります。

そもそも、デフレのときに増税をして、経済が良くなった事例など古今東西いずれにもありません。これは、断言できます。疑問に感じる方は、実際に検索してみてください。短期的には、そんなこともあるかもしれません。しかし、それで経済がよくなったとしても、それは、他の原因によるものです。それに、長期的にみれば、成功事例など一つもありません。

昨年の財務省主導による増税キャンヘーンは、単に「黒を白」と言っているだけのことで、最初からかなり無理があります。

黒を白というようでは、オセロゲームも成り立たない


まさに、財務省はジレンマに陥っているのです。そうして、財務省をジレンマに陥らせることこそ、安部総理の隠し球なのかもしれません。

意外と、高橋洋一氏もこのことを理解していて、ブログ冒頭の記事は、事実を述べているだけではなく、観測気球的な意味合いがあるのかもしれません。あのような記事を書いて、財務相や、政治家、マスコミなどの動静を探るという意味があるのかもしれません。三橋氏に関しては、そこまでは考えてはいないと思います。

そういう私も、何やら財務省やマスコミにヒントを与えるような記事を掲載しているわけですが、とはいいつつ、財務省や、増税推進派の政治家たちも、おそらくすぐに、彼らが9月、10月の指標を良くするために、所得税減税や、給付金政策に走ることはできないと睨んでいます。

財務省としては、まさに壁にぶち当たっているわけです。財務省の異例の夏の人事は、この壁を克服するための慣例を全く無視した、命がけの人事だったのかもしれません。

安部総理や、そのブレーンたちも、この「肉を切らせて骨を断つ戦略」を着々と実行しつつあるのかもしれません。財務省に対する懐柔政策も始まっているのかもしれません。

私自身も多くのリフレ論者たちも、何も永遠に増税すべきでないなどと思っているわけではありません。経済対策がうまくいき、その後経済が加熱し、インフレが過度に進めば、その時には増税すれば良いのです。そうすれば、過度のインフレ懸念は、払拭することができます。

永遠に増税、永遠に減税をし続けるなどということはありません。マクロ経済対策は要は、その時々でのバランスが重要なのです。

何も、いますぐ、増税してとんでもないことにしなくても、いずれ増税すべきときは必ずやってきます。その時に増税すれば、何も無理な増税キャンペーンをしなくても、楽にできるはずです。

何も、デフレ時に増税して、国民を塗炭の苦しみに追いやり、心底恨まれるよりは、すべきときに実施して、国民から信頼される道を選べば、それで良いではありませんか。

それにしても、以上のすべては、ひょっとしたら私の妄想かもしれません。しかしながら、リフレ論客たちがあまり現状の経済の落ち込みを批判しないということは、以上で述べたような論評があてはまっていないければ、なかなかすっきりと説明できるものではありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


【関連記事】

天下の財務省夏の人事は「増税人事」―【私の論評】やすやすと、10%増税がなされ、日本が再度デフレスパイラルのどん底に沈み、安倍総理が辞任を余儀なくされることが、朝日新聞の描く日本の望ましい近未来だ(゚д゚)!

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日本に残された「3つの選択肢」―【私の論評】ちょと待ってくれ、まずはデフレを解消しなければ何をやってもモグラ叩きになるのではないかい、そろそろデフレと低成長を所与のものと考えるのはやめようよ(゚д゚)!

異例の予算前倒し要請、麻生財務相「景気下振れに万全期す」―【私の論評】増税の悪影響は最初から懸念されていたこと、いまさら遅い!公共工事の供給制約が明らかになった今一体何をどうするというの?

過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか―【私の論評】総白痴化した支配層にはこんな自明の理も理解できなくなっている!中華や財務省・マスコミの陰謀があったにしても酷すぎ・・・!しかし、希望はある(゚д゚)!


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2014年7月12日土曜日

【西村幸祐氏ツイート】これを報道しなくて、どこに同行記者団の意義があるのか?歴史的に意義深い安倍首相の豪州訪問!!―【私の論評】安部総理のオーストラリア訪問は、ただの親善訪問にあらず、総理の深謀遠慮によるもの(゚д゚)!これを報道しない日本のメディアは中華の下僕か?

【西村幸祐氏ツイート】これを報道しなくて、どこに同行記者団の意義があるのか?歴史的に意義深い安倍首相の豪州訪問!!

【私の論評】安部総理のオーストラリア訪問は、ただの親善訪問にあらず、総理の深謀遠慮によるもの(゚д゚)!これを報道しない日本のメディアは中華の下僕か?

西村氏のツイートには、様々なコメントが寄せられていました。下にいくつかピックアップします。




中には、頓珍漢なコメントもありましたが、概ね好評のようです。特に一番最後のオーストラリアの方のコメントは、多数のオーストラリアの方々の意見を集約していると思います。

しかし、覀オーストラリアの新聞のこの記事をみて、単なる「友達」とか「友好」などという表面だけを捉えていては、今の世界情勢を見失ってしまう可能性が高いです。以下に、私なりに、このことの持つ、国際関係的意義を分析してみます。

安部総理の、オーストラリア訪問に関しては、このブログにも掲載しました。そのURLを以下に掲載します。
豪首相「日本は法の下で行動してきた」 歴史問題で批判を繰り返す中国を強く意識―【私の論評】中国と遠く離れたイギリスやドイツと違いオーストラリアは中国の脅威に直接さらされているし、中国の内情を理解し行動している(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして。以下にその一部分をコピペさせていただきます。

オーストラリアがいかに中国に依存しているか、以下のグラフを見ると明らかです。


しかし、最近では中国経済の落ち込みは明らかです、そうなるとオーストラリアは甚大な影響を受けてしまうわけです。これは、日本国内にも大勢存在する中国幻想によった人々のようであり、まさに、中国のポンジ・スキーム(投資詐欺)に載せられて多大な投資をしてしまった愚かな人々のようでもあります。 
中国経済は、現実には2008年に崩壊しています。しかし、その事実を隠しポンジ・スキームで何とか切り抜け、自転車操業をしてきたというのが現実です。 
しかし、もうそれも続けることはできず、経済崩壊が近づいています。そうなると、オーストラリアの鉄鋼・石炭などの鉱業関係の輸出は激減し、大打撃を受けてしまいます。
だからこそ、オーストラリアは対中国の鉱業関連輸出に依存する経済から抜けだそうと必死に模索しているわけです。 
また、中国の最近の海外進出はオーストラリアにとっても脅威です。 
この二つの背景を知れば、当然オーストラリアは日本との関係を深めるであろことが、予測できます。 
オーストラリアは、対中国の鉱業関係の輸出に変わる輸出物、輸出先を模索しており、その対象として日本は中国を除けば最大のマーケットでもあります。オーストラリアからは、農産物などの輸出もできますし、それだけではなく、他の工業関係の部品などの輸出もできる可能性も高いです。 
そうして、こうした予測のもとに、安部総理はオーストラリアを訪問し、上記のような大成果をあげることが出来たのです。
 安部総理は、単なる「友愛」を深めるためなどの儀礼的な訪問をしたわけではありません。大きくいうと、三つの深謀遠慮があるものと思います。

まず第一に、安部総理が提唱している「安全保障のダイヤモンド」を確かなものにするためです。これは、安倍晋三首相による“中国包囲戦略”のことです。


東シナ海や南シナ海における中国の覇権拡大を牽制(けんせい)するため、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイを結ぶ範囲の中の民主主義国家・地域(下図参照)が連携して、中国を囲い込む「安全保障のダイヤモンド」構想です。


その中身と実現の可能性については、ここでは、詳細を解説しません。それについては、以下の動画を参照してください。



以下にこの動画の概要を以下に掲載しておきます。

現在、シナは我が国日本から尖閣諸島を奪い取るため、尖閣問題を歴史問題にすり替え、­自らの尖閣諸島への侵略行為を正当化する嘘と捏造で固めたプロパガンダを世界中に向け­て発信しています。 
しかし、我が国日本の安倍総理も決して黙ってはおらず、シナの脅威に対抗する策を世界­中に向けて発信しています。 
それが、この英語の論文、「セキュリティ・ダイアモンド構想」(2012年12月27­日、国際NPO団体、プロジェクトシンジケートのウェブサイトに掲載)です。 
以下に、その全文を公開いたしますので、皆様、じっくりとご覧ください。 
そして、できればこの動画を拡散してください。よろしくお願いします。 
「セキュリティ・ダイアモンド構想」全文 日本語訳↓http://kennkenngakugaku.blogspot.jp/2...
Asia's Democratic Security Diamond(English)↓http://www.project-syndicate.org/comm...
シナの人民解放軍の南シナ海侵略 画像引用↓http://w.livedoor.jp/sekai_wo_sukuu/
安部総理の今回のオーストラリア訪問は、この構想とは無関係ではありません。首脳会談を受けて発表された共同声明には、日豪関係を「特別な戦略的パートナーシップ」と明記。友好国とは「戦略的パートナーシップ」とする表現が一般的だが、「日豪は通常より一段上の関係」(政府高官)との理由で“準同盟国”扱いすることになりました。

これは、オーストラリア側がこのセキリティー・ダイヤモンド構想に賛成し、それに与することを表明したということです。

安部総理は、今回の訪問で、日豪の関係をより一層深め、両国が「準同盟国」となるという大成果をあげたのです。

第二は、中国の経済の停滞は明らかであり、今後オーストラリアも含む多くの国々からの中国にむけての、鉄鋼などの鉱物資源輸出は激減します。

安部総理は、この隙に乗じて、オーストラリアから鉱物資源の輸入を増やしていこうという腹です。

今後、日本はオリンピックを控えており、かなり鉱物資源の輸入は増えます。

そうして、今後中国の経済が回復しそうになれば、日本がオーストラリアなどの資源を押さえ、中国などに輸出できなくすることまで視野に入れていると思います。そうなれば、中国の次の経済発展や軍事力の強化を阻止できます。民間企業も中国の不安定さを嫌い、中国への輸出入をできるだけ控えるようになりますから、これはかなり効果があると思います。

第三は、オーストラリア人も滅多に行かないような、鉱山ですから、自国の要人や、無論中国の要人などもほとんど行ったことがないと思います。

そうしたところに、外国の首相が訪問すれば、地元の期待は嫌がおうでも高まります。そうして、その期待はオーストラリア全体に広まります。

日豪関係は、日本の南氷洋の調査捕鯨によって、多少関係がギクシャクしていました。日本人からすれば、他国の食文化に意義を唱える傍若無人な奴らと考える人も大勢います。オーストラリアからすれば、日本人が鯨を食べるという行為はなかなか馴染めないところがあります。

現政権は、日本の捕鯨を国際司法裁判所に訴えたわけではありません。これは、前政権が訴えたものであり、現政権はそのことで、あまり騒ぎ立てたくないという姿勢でした。しかし、そうはいっても、オーストラリアの中には、日本の捕鯨に反対する勢力もある程度は存在するわけで、これは両国にとっての懸案事項でもありました。

しかし、そんな中、安部総理が覀オーストラリアの鉱山を訪問したということで、日本の評価は高まるものと思います。冒頭の漢字「友達」を使った、西オーストラリアの新聞記事がその評価の高まりを査証しているものと思います。

こうして、安部総理は、安全保障の面でも、中国の今後の経済成長へ楔を打ち込むこと、日豪関係を良くして、今後の日豪連携をスムーズに進めやすくするなどのことを実行しました。

これは、中国からすれば、腹立たしいことであり、またまた安倍総理に一杯食わされたと感じるはずです。今頃地団駄を踏んで悔しがっています。またまた、安部総理に振り回されたと感じているはずです。安部総理により、アジア・オセアニアにおける日本のプレゼンスはさらに高まりました。だからこそ、中国様に奉仕する日本のマスコミは一切報道しません。

それにしても、同行記者団には、日本人の記者はいないのでしょうか。すべて中国様の記者なのでしょうか。本当に困ったものです。日本の首相の大成果を報道しない記者など、とても日本人の記者とは思えません。

中国の新聞記者証

こういうことを報道しない記者は、日本を出て中国にでも行って中華メディアの仕事をしなさいと言いたいです。もう日本のメディアには、治って欲しい、変わって欲しい、などという期待はしないです。はやく消えて、他のメデイアと入れ替わっていただきたいものです。

私は、そう思います。皆さん、どう思われますか?

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