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2007年3月25日日曜日

団塊の世代ジュニア・リッチプア層への期待

先回団塊の世代ジュニアのファミリー層で比較的裕福だが、家や車のローン、養育費がかさむので、これよりも経済的に以下の層と似ている層がひよっとするとこれから日本人の価値観全体を具現するような新たな層に生まれ変わる可能性があることを述べました。
























本題に入る前に、言葉の定義づけを行っておきます。そうでないと話をしても、内容が入り組んで分からなくなってしまいます。従来この層に近い層をリッチプア層と呼んでいたことがあるので、ここしばらくは団塊の世代ジュニア・リッチプア層と呼ぶことにします。この世代に属するが経済的に上流の層は団塊の世代ジュニア・リッチ層と呼ぶことにします。同様にこの世代に属するが経済的に下流の層は団塊の世代ジュニア・プア層と呼ぶことにします。(ただし、1~2人程度の子供のいるファミリーということでは共通とします)。

さて、定義づけはさておいて、本題に戻ります。団塊の世代ジュニア・リッチプア層は裕福ではあるが、子育てを行っている、家族と住むための家を確保しているがゆえの住宅ローンなどがあり経費がかさみプア層に近い消費行動をとります。しかし、これは近いというだけで本質は非常に異なっています。リッチプア層は、本質的には豊なのですから、自分があるいは子供達や家族にとって本当に価値が認められるモノやサービスに関しては多少価格が高くても購入します。

プア層ではあれば、そもそも余裕はないわけですから、何でも安く済ませようとします。自ら価値観を認めたものに対する消費はゼロではないものの、相対的にかなり低くなります。リッチ層であれば、それこそ相当余裕があるため、どのようなものでも多少高いくらいなら価値を認めようが認めまいが購入してしまいます。結婚をしない単独生活者も可処分所得は高くなるため、これに近い行動をするでしょう。このようにして、モノやサービスに関してリッチ・プア層は自分や家族にとっての価値観に関して他の層よりもはるかに感覚が研ぎ澄まされていくこととなります。

だからこそ、これらの層が選んだ商品やサービスはただ安いだけとか、ただのブランド品ということではなく、本質的に価値を認めた者だけが判る良質の商品やサービスということになります。だからこそ、長い期間をかけ(彼らが40歳に到達するまでの10年間)のうちには、日本人全体の価値観を変えるような存在になっている可能性が大です。彼らライフスタイルそのものが、日本人全体の価値観を変えるかもしれません。
日本ではこれらの人々を呼ぶ呼称もはっきりしておらず、あまり表だって報道されることもありません。どちらかというと、目立たない存在でプア層に埋没して一般大衆の一部と思われているようです。おそらく、町の中を歩いていても、レストランなどで食事していても、目立たぬ存在であり、プア層も自分達と同じような存在だと思っていることでしょう。リッチ層にも、自分達以外の層の中の一部と映っているでしょう。企業のマーケティングやマーチャンダイジングを担当している人達も気づいていないかもしれません。しかし、この層こそ現在目立たなくても、将来的に日本人の価値観を代表する価値観を持つ人々になる多いなる可能性を秘めています。

欧米などでは、この層に似たような人々の層の呼称がはっきりつけられてます。全く同じではありませんが、似たような層の人々をヨーロッパやアメリカではBobosと呼んでいます。フランスでは、Bobosが子育てに関して高い価値をみいだしたため、少子高齢化に一定の歯止めがかかったとも言われています。冒頭の絵はBobosの典型的なファッションを示したイラストです。2番目の写真は、Bobosを主題としたデビッド・ブルックスの著書の表紙の写真です。さて、次回はBobosも含めて、これらの層のさらなるポテンシャルをひもといていきます。

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