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2012年5月8日火曜日

【グルメ】利尻島・ラーメン屋『味楽』 ミシュランガイド北海道2012に掲載された店に行ってみた―【私の論評】こんなに遠くに行かなくても、北海道函館の激ウマラーメンが食べられるどころか、ラーメン修行もできるぞ!!

【グルメ】利尻島・ラーメン屋『味楽』 ミシュランガイド北海道2012に掲載された店に行ってみた


北海道の美味しい飲食店しか掲載されていないグルメ本『ミシュランガイド北海道 2012』には、驚くことに数軒のラーメン屋が掲載されている。皆さんご存じの通り、『ミシュランガイド』には味に厳しい調査員が「とても美味しい」と認めた飲食店しか掲載されない。

普通に美味しいのではダメ。かなり美味しくないと載らないのである。しかも、かなり行きにくい場所にある超人気のラーメン屋が掲載されているらしい! ということで、実際にそのラーメン屋に行ってみたゾ!



・かなり行きにくい場所にある
当編集部では以前に『日本でいちばん行きにくい場所にある超人気のラーメン屋』という記事を掲載して、千葉県の奥地にある『アリランラーメン 味平』というラーメン屋を紹介した。今回『ミシュランガイド北海道 2012』に掲載されたラーメン屋は、ソコよりも行きにくいの場所にあるのだ! マジかよ! 行きにくい超人気のラーメン屋さんの順位更新か!?




・本州からの日帰りは「ほぼ不可能」
そのラーメン屋は『味楽』といい、北海道の利尻島にある。利尻島には飛行機とフェリーで行くことができるが、『味楽』の営業時間が11:30~14:00と極端に短いため、北海道に住んでいる人でさえ島から遠ければ日帰りは困難。本州や四国、九州、沖縄に住んでいる人が『味楽』に行く場合は日帰りは不可能と思っていい。稚内か利尻島で1泊したのち、その翌日に『味楽』に行くしかないのだ。記者の経験上、2泊3日は要する。

観光名所利尻島
・他店ではまねできない味 / その理由
通常では考えられないほど利尻昆布を大量に使ってダシをとっているらしく、シェフによると「ウチは漁師の親類から利尻昆布がたくさん入ってくるので、普通以上にダシを濃くすることができるんです。きっと他店さんで同じことをしたら赤字になると思いますよ」とのこと。やはり他店ではまねできない味だからこそ、ミシュランの調査員も「その味」に衝撃を受けたのだろう。


・どうして美味しいのか?
利尻昆布には独特な「コク」があり、それが極度に濃いためウマミの濃縮液といっても過言ではないほど「贅沢な味」を堪能できる。甘めのスープは食欲をそそらせ、焼きしょうゆの「キリッ!」とした味と一緒になって麺の美味しさを引き立てる。


スープが前面に出て味の自己主張をしているため、シナチクとネギ、そしてチャーシューが「サッパリとした余計な味のしない素材の味」なのもGOOD。見た目、スープの色がブラックで雄々しい感じのラーメンに思えるが、むしろ女性に受け入れられそうな優しい味をしているのも特徴。調味料というよりも、ダシである利尻昆布の美味しさが生きている証拠といえるだろう。詳細は、Rocket New 24をご覧になってください。




【私の論評】こんなに遠くに行かなくても、北海道函館の激ウマラーメンが食べられるどころか、ラーメン修行もできるぞ!!

ミシュラン北海道は、4月10日発売されたばかり
皆さん、ミシュラン北海道はもうご覧になりましたか?とくに、首都圏ではなかなか手に入らないようです。『ミシュランガイド北海道』は非常に多くの部数を刷っているものの、その多くが北海道の書店に入荷しているそうです。東京都内のとある大手書店スタッフによると「ミシュランさんの意向らしいのですが、本のほとんどが北海道に送られているという話を聞きました。その影響なのか、当店の都内チェーン全店舗で13冊しか入荷しませんでした」とのことだそうです。

もちろん、『ミシュランガイド北海道』の人気度が高いために手に入らないという理由もあります。よって、二重の理由で「ものすごく手に入りにくい状況」になっているのです。インターネット通販大手の Amazon では、プレミア価値がついて8000~9000円で売られています。

まあ、そのうち北海道以外の地域でも手に入りやすくなると思うので、あせらずに待つのが得策のようです。ちなみに、北海道の書店でも売り切れ状態が続いているようです。『ミシュランガイド北海道』の大多数が入荷している北海道でさえ手に入りにくいとは……。それだけ、北海道の食は、地元でもその他の地域でも大人気だということのようです。

さて、ミシュラン北海道には、ラーメン屋が5軒登録されているそうですが、そのうちの一軒が上の利尻島の味楽ということです。こんな遠くのものまで、登録されているとは、本当にミシュランガイドのスタッフの努力に脱帽というところです。

函館夜景
しかし、北海道には、ラーメン屋が星の数ほどありますから、ミシュランのスタッフだって、全部を食べ歩くことはできないと思います。こちら、函館にも、本当に美味しいラーメン屋さんがあります。こう書くと、上の記事のようにそのラーメン屋さん自体を紹介すると思われるかもしれませんが、そうではありません!!

何と、北海道函館および、その近郊の食材のみをつかった、「本格派函館ラーメンキット」です。詳細は、これを提供する。北海度函館の「株式会社C&C」という会社のサイトならびに、facebookページをご覧になってください。函館は、特に塩ラーメンが有名ですが、そのラーメンの食材ならびに、水、その作成マニュアルも含めたすべが含まれているキットです。

このキットは、函館から直接自宅まで届けられるものです。函館まで来なくても、自宅に全部が届けられ、最初から全部自分でつくることができます。しかも、4人前で、3000円台とかなりお得なセットになっています。マニュアルがついているので、全部自分で最初から誰にでもできるようになっています。ただし、煮込むのに4時間と、かなり時間もかかります。でも、自宅で本格的なものが味わえるし、味わうだけでなく、実際に自分でそれをつくるという、ラーメン屋にでも修行に行かなければ味わえないような醍醐味が味わえます。

上の画像でもわかるように、このラーメンをつくるための、北海道函館およびその近郊の食材のすべてが、ワンパッケージで届けられます。この材料と、大きめのなべさえあれば、誰にでもできるようにマニュアルも完備です。これで、函館ラーメンをご自宅で簡単につくることができます。


ちなみに、含まれる材料は、以下の通りです。
七彩 大地のせせらぎ(天然水)
生麺 5人分(予備用1人分)
メンマ 4人分
北海道産豚チャーシュー4人分 
北海道産野菜(玉葱・人参・長ネギ)
※ 季節生産が不可の場合は道外産
薬味用長ねぎ 少々
オリジナルブレンド塩エキス 5人分
香り脂 5人分
鶏ガラ
背脂
白身
豚骨
ちなみに、函館ラーメンとは、豚骨や鶏ガラ等のダシに塩タレを入れた透明な塩味のスープに、柔らかめの中太ストレート麺が組み合わされます。具は、チャーシュー、メンマ、長ネギ、ホウレン草、麩もしくはナルトが一般的に使用されます。

一般的に塩ラーメンと呼ばれているラーメンであり、地元の北海道函館市周辺では、単にラーメンもしくは支那そばと呼ぶ。要するに、函館で、「ラーメン」といえば、「塩ラーメン」のことなのです。

ここで、函館ラーメンのルーツなど以下に掲載します。

開港から始まった歴史の古い函館ラーメン




安政6年、国際貿易港として開港した函館は、内外のさまざまな文化をいちはやく取り入れた都市でした。明治末期には交通、産業、経済の中心的役割を果たし、東京以北最大の街といわれました。もちろん、食文化もそのひとつであり、ラーメンが市民の間に根ざした歴史も古いものでした。

函館中華会館内部
開港と同時に昆布の買い付けに来函した華僑とは、明治中頃には活発に海産物の貿易で行ききを始めたといいます。函館の人は彼らを広東(カントン)さんと呼んで親しんでいたという話も残っており、今も大町に残る中華会館が当時の賑やかな往来を感じさせます。現在の函館ラーメンのまっすぐな麺と澄んだスープの味わい、そして華僑との親交の歴史的背景などから、函館のラーメンのルーツは、華僑から伝わった中国南部の塩味の湯麺だという説があります。

北洋漁業全盛期に定着した支那そば
明治43年に開館された中華会館と同時にオープンしたのが支那料理「蘭亭」という店。北洋漁業で景気がよかった当時の函館で大繁盛していたといいます。この「蘭亭」のあった、函館一の繁華街、十字街周辺は、カフェーを始め、銀行やデパート、活動写真館、料亭や演舞場などが立ち並ぶ賑やかなところでした。その十字街周辺、恵比須町(現、宝来町)と呼ばれた一角の銀座通りは数百のネオンが輝く華やかさで、喫茶店やカフェー、バーなどが軒を連ね不夜城のようであったといいます。

「支那そば 笑福」の写真と、「ミス潤」のメニュー
その銀座通りにあった「支那そば 笑福」の写真が残っていました。大判ののれんに大きく「支那そば」の文字が見える。残念ながら右上が切れてしまって正確には確認できないのですが、おそらく“専門食堂、支那そば”と表記されているように思えます。現存するこの写真は、昭和9年に未曾有の大火が函館を襲った翌年、昭和10年のものです。この「笑福」の隣にあった純喫茶「ミス潤」(現、宝来町22-19)に今も残る昭和7年のメニューには、ケーキやみつ豆と並んで“ラーメン(支那ソバ)/15銭”とあります。当時のコーヒーの値段が10銭ほどだから、ほぼそれくらいの値段で、支那そばが味わえていたのです。大火後は、お隣に支那そば専門の「笑福」ができたこともあり、壁の小窓ごしに「笑福」のラーメンをお客に出していたといいます。当時の微笑ましい光景が目にうかぶます。

塩ラーメン呼称のルーツ

「函館ラーメン」という呼称はごく最近に町おこしの一環として名づけたもので、味噌味のラーメンである「札幌ラーメン」が顕在化した頃、いわゆるご当地ラーメンの呼称として、函館ラーメンなる呼称が生まれました。



北海道遺産に指定された2001年(平成13年)に、北海道のラーメンの括りで「函館ラーメン」が固有名詞になりました。また1996年(平成8年)に日清食品から発売された「日清のラーメン屋さん」において、「札幌みそ風味・旭川しょうゆ風味」と共に「函館しお風味」が商品ラインナップに並び、北海道遺産に指定されたこれが「函館=塩ラーメン」のイメージ形成に一役買ったという可能性も指摘されています。

家庭でのラーメン作り(これは、麺からつくる本格派)
函館の中華料理店でメニューに「塩ラーメン」の文字が現れたのはごく最近です。それまでは、メニューにも「ラーメン」「醤油ラーメン」「味噌ラーメン」というように、北海道遺産に指定された函館ではラーメンとはそもそも塩味の透明スープが自明のものであり、あえて塩ラーメンとか函館ラーメンというような呼称をする必要はなかったのですが、味噌や醤油が顕在化するにつれ、これらと区別するためにあえて「塩」をつけてわかりやすくしたと言えます。したがって、「函館ラーメン」というよう呼称は、ご当地ラーメンの呼称が一般化したときに、どこかでつけられたものであって、いわば観光客向けのものであるという意識が函館では強いです。したがって地元においては「函館ラーメン」という呼称は一般的ではありません。

函館の有名ラーメン店の厨房
近年、「ご当地ラーメン」の認識が定着する中で、北海道遺産に指定された函館以外の土地においても、いわゆる「塩味のラーメン」が函館ラーメンであるとする新興店も多くなり、澄んだ塩味とストレート麺が特徴とするほかは、魚介系の合わせ出汁であったり、鶏ガラスープであったり、具も魚介類を載せたりと、店によって多少の違いはあるものの、これらも総称して「函館ラーメン」と称していることが多いようです。

さて、このような歴史といわれをもつ、函館の「塩ラーメン」。函館にいらして、食するも良いですが、、これをご自宅でつくって召し上がるのも、函館の食文化の一端を知っていただけるということで、是非一度、「函館塩ラーメン」キットを試してみてください。

函館本町界隈
最近は、このブログに以前掲載したように、日本でも、いわゆるスペンドシフトという消費形態が、進んでいるようです。その一環として、いわゆる体験型消費がもてはやされています。三重県の伊賀の体験型農場などかなり混み合っています。体験型というのが、一つのキーワードのようです。上記のように、遠くまで行ってラーメンを一杯いただいてくるというのも、貴重な体験型の消費ということがいえると思います。ただし、この体験型の旅は、時間もお金も結構かかると思います。

上記のラーメンの体験キットならば、ご自宅にいたまま、気がるに家族全員で楽しめます。私も実際に自宅でつくってみました。ミシュランガイドに掲載されている店、もちろん行ったこともあります。しかし、これだと本当に美味しいのですが、やはり、自ら手がけた、しかも、家族ぐるみで料理した、料理などこれとは比較にできない、醍醐味、充実感があります。これは、他にはかえがたい、家族とのかけがえのない思い出にもなりますし、これ以降、ラーメン屋さんに対する見方が相当かわりました。だかこそ、現在は、レストランなどで美味しいものをいただくというだけではなく、体験型消費が脚光を浴びているのだと思います。なお、ラーメン作り過程については、掲載しませんでした。それは、皆さんが体験してください。

もう一度ラーメンキットの入手先のサイトのURLを以下に掲載します。
http://www.bimi-hokkaidohakodate.com/

関連のFacebookページはこちらです。
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