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ビートたけし「謝って宮崎へ帰れ」 東国原知事に忠告(この内容すでにご存知の方は、この内容よみとばしてください)
タレント映画監督としても、有名なビートたけしさん(62)が、宮崎県の東国原英夫知事(51)と会食し、国政転進を巡る騒動について「思っている以上に反発が強い」と忠告していたことが分かった。会食は2009年7月10日夜、都内のレストランであり、「師匠」のたけしさんが11日、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)放送20周年の会見で明らかにした。「宮崎県民に謝った方が良い」「謝って宮崎へ帰れ」などと伝えたところ、東国原知事は「考えさせていただきます」と答えたという。(J-CAST ニュースより)
師匠としては、当然の反応か?
■東国原氏の奇行は、計算づくのものであり、多少の混乱など最初から織り込み済みである
東国原氏への反発は結構大きなものがありました。ここでは、それについては直接は書きません。下のURLをご参照ください。
http://news.ameba.jp/weblog/2009/06/40658.html
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200907/2009070700925
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090624-510162.html
さて、私は、東国原知事の一連の行動について、多くの人には奇行と映るかもしれませんが、私は、そうではないと思っています。彼には、彼なりのしっかりした考えがあってのことだと思っています。相当大きな反発があることなどは最初から織り込み済みの行動だと思います。
そもそも、彼が宮崎県知事になれたり、自民党に大きな影響を与えられたのは、今が混沌とした時代であるからであることを彼自身が一番知っていると思います。たとえ、混沌とした時代であっても、次の時代の指針や、規範(paradigm:パラダイム)がはっきりしていれば、さほど混乱はないのでしょうが、現実には非常に混乱しており、誰も自身を持って次の時代の指針・規範をはっきり示すことができていない時代だと思います。これが、50年くらいまえであれは、現実的には経済的には、ははるかに貧乏なのですが、経済など西欧に追いつけ追い越せをやれば、みんなが幸福になれると無邪気に信じることができたし、実際にそうでした。今の中国のようなものです。こんな時代はこうした考え方は、やり方は違っても党派が違っても、お金持ちでも、貧乏人でも皆で共有することができました。
私自身は、次の時代に関するパラダイムに関しては、自分自身では納得している考えを持っています。しかし、これを多くの人に納得させることは一大事でなかなか大変なことです。しかし、自分でも思いますが、こうしたパラダイムなど頭の隅にでもあれば、特にあまり不安感もありませんが、もしこれがなかったとしたら、あるいは、なかったにしても、誰か強力に指し示してくれる人がいなければ、いつも不安感にさいなまされると思います。現在は、こうした考えをはっきり言う政治家も存在せず、多く人が不安感、閉塞感に苛まされている時代だと思います。
私は、東国原知事に関しては、以前このブログで自ら、承知の上で、トリックスターの役を買ってでている書いたことがあります。トリックスターという言葉は、人類学、民俗学や、経営学などでも良く用いられる言葉です。特に経営学で用いる場合には、良くも悪くも変革をもたらすという意味で用いられます。
世界中の数多くの神話に見られるトリックスターたちはときどき人間社会にふらりと訪れては道化と茶目っ気でもって既成の権威をからかい、硬直した文化や規律を掻き乱して去って行きます。彼の残した破壊のあとには新たな秩序がまた産まれます、そんな契機をもたらす存在としてトリックスターは世界中の民話などに残っています。さらに、経営学でも変革をもたらすものとして、もちいられています。
ただし民話でも、経営学でもトリックスター自身が新たな秩序になることはありません、彼らはあくまでも触媒、反テーゼであってメインストリームには参画しません。そういう文脈で考えると彼らの語録はいちいち説得力を持って既成概念の呪縛から解放を迫ってきます。
たとば、楠木正成は典型的な歴史上のトリックスターです。ホリエモンは現代のトリックスターです。その他、数々のトリックスターは、その後本流(メインストリーム)には参加していません。小泉さんの場合は、彼自身が変人といわれ、トリックスターだったので、ある意味自民党をぶっ壊すのに成功しかけたし、郵政民有化にも成功しかかったのですが、その後総理大臣というメインストリームを歩いてしまったため、どっちつかずのことになってしまったのだと思います。自分の特性を良く理解していなかったのだと思います。
そもそも、変人は、メインストリームを歩いてはいけなかったのです。やはり、自民党でも、せいぜい幹事長くらでやめておいてトリックスターに専念していれ ば、今の自民党も少しは変ったかもしれませんし、選挙対策の責任者などしていれば、自民党ももっと有利に立ち回れたかもしれません。無論、奇人もメインストリームを歩いてはいけないのです、あくまでトリックスターを演じべきなのです。今から考えると、過去の総裁選などやはり、鉄人を総理にすべきだったかもしれません。
■現代はトリックスターが必要な時代
少し話しが違いますが、西郷隆盛も、メインストリームを結局は歩かなかったということでは、トリックスターだったかもしれません。彼は、最後は、西南の役で、多くの不満分子をひきつれ、自ら滅んでいきました。この出来事こそ、武士の時代が終わったという最大のモニュメントでした。彼が、あのような行動をしなければ、その後しばらく、武士の不満がくすぶり、明治維新はあのようにうまくはいかなかったかもしれません。西郷隆盛も最初からあのよなうことは意図していなかったと思います。時代がそうさせた、という側面も大きいと思います。ただし、西南の役の直前にはそのことに気づき、意図して、意識してあのような行動をとったと思います。
東国原さんは、現代の西郷隆盛を演じることになるかもしれません。無論時代が違うので、反乱を起こすとかそういうことではなく、トリックスターの道を歩んで、古い秩序を揺さぶるだけ揺さぶりきって、後は身を引くということになるかもしれません。
さて、こうしたことから、東国原氏は、これからはおそらく、メインストリームには入らないと思います。仮に入ったとしても、ごくわずかの期間に限られると思います。長く入れば、失敗します。そのことは、本人は良くわかっていると思います。現状では、かなりの話題づくりもできて、かなりインパクトのある発言も可能です。これが、自民党に入り、衆議院議員にでもなってしまえば、数多くいる比較的若手議員の中にうもれてしまいます。まかり、間違えて、総理大臣にでもなったとしたら、小泉さんどころか、何もできなかった凡庸な総理大臣として任期を終えるしかなくなります。
東国原さんは、そのことを良くわかっていると思います。それでも、なぜ、トリックスターをするかといえば、やはり、地方分権をはじめ、とにかく現状の行き詰まり状況、八方塞がりの状況を打破したいと考えているのだと思います。自らは、トリックスターの役割など果たし、それから、橋下知事のような人に次の時代のパラダイムを打ち立ててもらいたいと考えているのだと思います。
これは、彼らの行動をみていると、よく分かります。橋下さんは、典型的なメインストリームを歩む人だと思います。だから、大阪付知事としても、いつも正攻法でいき、一見無用な摩擦を起こしているのだと思います。それに、最近、東国原知事のようなまねは自分にてできないと悟ったと思います。だから、最近は、以前よりは、お行儀がよくなっています。東国原氏の方も、橋下知事のようにメインストリームをまっしぐらに進むようなことはできないと考えていると思います。この二人、本当にこれからも良くかみ合えば、日本の政治風土を変えるきっかけとなるものと思います。
実は、親方である、ビートたけしさんにも、東国原さんは、このことは話していると思います。それをすべて判った上で、ビートたけしさんは、「謝って宮崎へ帰れ」 と言ったと、周りの人には話しているのだと思います。私は、彼は、自民党総裁などにはならないと思います。はなから、そのつもりはないと思います。そうして、かなりの確率で、今回は衆議院選挙にもでないと思います。そうして、宮崎県知事として、最後までやり遂げると思います。その後も余程のことがない限り、国会議員にはならないのではないかと思います。
東国原さん、もしトリックスターの役割を終わったとき、無論宮崎県知事の任期も終えたときには、ビートたけしさんのところに戻るかもしれません。親方も暖かくむかえるのではないでしょうか?昔のようなことはできませんが、政治評論家とか、映画のお手伝いとかそのような道を歩むのではないかと思います。現在の人の人生は長いですから・・・・・・・・・・。
さて、本日は東京都議選です。明日の未明には、大勢ははっきりすると思います。この結果がどうであろうと、東国原さん、衆議院議員選挙まで、これからも、トリックスターぶりを発揮すると思います。また、私たちが思いもつかないような発言をするのではないかと思います。国会議員にはならなくとも、宮崎県知事である間には、これからも十二分にトリックスターぶりを発揮すると思います。いや、その後でも、そうかもしれません(笑)。いずれにせよ、現代は、トリックスターが必要な時代なのです。トリックスターがいて、はじめて次世代のパラダイムが打ち立てられるのです。
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