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2012年2月12日日曜日

大手ファミレスすかいらーくが中国産米等の使用を検討 / ステーキけん社長「うちは現時点では100%ない」―【私の論評】大手は、日本国内でも進みつつあるスペンド・シフトを理解していないのかもしれない!!

大手ファミレスすかいらーくが中国産米等の使用を検討 / ステーキけん社長「うちは現時点では100%ない」:

札幌  東苗穂店




多くの国民に愛され、普段から食事や休憩の場所として多く使用されている『ファミリーレストラン』。美味しくて安価な料理が提供されることで知られていますが、今後とある重要な部分に変化が起きるかもしれません。

日本経済新聞の報道によると、東日本大震災の影響により国内産のお米の価格が2010年より2割増の250円になっているそうです。それにより牛丼チェーンの松屋はオーストラリア産の米を使用することを決定、ガストやバーミヤンでおなじみの大手ファミリーレストラン『すかいらーく』も、中国産やアメリカ産の米の使用を検討、試食したところ品質は問題ないそうで、今後価格の上昇があれば切り替えを検討するとのことでした。

ですが、果たして本当にこの決定は正しいのでしょうか?我々消費者には安くて美味しいものが届きありがたいかもしれませんが、大手飲食チェーンが国産米の買い控えを行い最終的に泣くのは東日本大震災で大きな被害を受けた農家たちです。

もちろん価格を上げれば顧客は減り、売り上げに大打撃を受ける可能性もあるのはわかります。しかし震災後あれだけ復興を支援して日本を支えてきた企業が、高いからといってすぐに外国産米への切り替えを検討するのは気が早すぎるといっても過言ではありません。

私は300円で国産米を使っている牛丼と250円でオーストラリア米を使っている牛丼なら、絶対に300円の牛丼を取りますし、中国産の米を使用しているファミリーレストランと国産米を使用しているファミリーレストランなら、多少割高でも絶対に国産米使用の方を選択します。

別の記者が実際にすかいらーくさんのセントラルキッチン取材をしたことがあるのですが、彼曰く「本当に衛生面に気を使ってて、流石だと思った。」と大変感心していました。また別の記者が『ステーキガスト』へ足を運んだところ、その美味しさに非常に感動したとも言っていました。しかし、私はわざわざ国内でまかなえているお米を高いという理由だけで外国産米にスイッチするのには、いまいち納得できません。

例えば母親なら多少高くても国産のお米を子供に食べさせたいと思うでしょうし、日本人なのに外国産の米ばかり食べるような状況になるのはたいへん嘆かわしいことだと思いませんか?

井戸実氏

この件に関して、よくインターネット上でも話題になっている『ステーキハンバーグ・アンド・サラダバー けん』の社長である井戸実さん(@idominoru)にTwitterで質問を投げかけたところ、「現時点では100%ありません。」との回答をいただくことができました。いつもの勢いで「外国産米の使用は絶対にない!」と言って欲しかったですが、ファミレスに行く際の選択肢の一つが現状検討していないというだけでも安心しました。

現在大人気のステーキやハンバーグを頼むとサラダバーやカレーが食べ放題になる業態ですが、全国展開しているのはその業態を広めた元祖である『ステーキハンバーグ・アンド・サラダバー けん』と『ステーキガスト』しかなく、もしすかいらーくが中国産米の使用を決定したら国産米が食べ放題なのは、全国展開している同業態では、『ステーキハンバーグ・アンド・サラダバー けん』のみになる可能性があります。

現時点のインターネットでの評価を見ていくと『ステーキガスト』の方にさまざまな面で軍配があがっている場合が多いですが、今後外国産米使用の可否により大きくその評価は変わってくるでしょう。もちろん井戸社長の意思が外国産米使用に変われば残念だと思う人もいるはずですし、国産米使用が揺ぎ無いものになれば多くのファンが生まれる可能性も秘めています。

大人1人につき小学1年生までの子供2名までサラダバーが無料になり国産米をお腹いっぱい食べられるお店と、食べ放題だけど中国産米やアメリカ産米のお店であれば、勝負の結果は見えているのではないでしょうか。今後の動きに大きく注目していきたいところです。

参考リンク:日本経済新聞 井戸社長Twitter

(文=江田島平子


オリジナル記事: 大手ファミレスすかいらーくが中国産米等の使用を検討 / ステーキけん社長「うちは現時点では100%ない」

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私の論評】大手は、日本国内でも進みつつあるスペンド・シフトを理解していないのかもしれない!!

私は、向学のために、『ステーキハンバーグ・アンド・サラダバー けん』(以下「けん」と略す)には、何度か行ったことがあります。また、このブログの過去の記事にも掲載したことがあります。このブログでとりあげた、直後に実際に行きました。そのブログの記事のURLは、以下にコピペしておきます。

Food Stadium 編集長のつぶやき『今年後半のキーワードは“無料”!?』-こんな時代に強力な助っ人になりえるwifi?

内容としては、以下のようなものでした。

・・・・・・・・・・ステーキけん」のカレー無料食べ放題もそうだ。サラダバー食べ放題はある程度想像がつくが、そのうえに「カレーが食べ放題」となると、「えっ、まさか!?」と思う。現に、メインのステーキやハンバーグが目的ではなく、「無料カレーを食べてみたい」ということが来店動機になっている客が少なくないようだ。「居酒屋革命」も“焼酎無料”という「商品力」によって、集客効果を上げている。「焼酎無料によって、とにかくお客さんに来てもらい、楽しんでもらう。それが目的です」と天野雅博オーナーは語る。

実際に店舗に行ったのは、このブログ記事を書いてから2ヶ月後くらいのことでした。確か、それまでは、北海道には、なかったのが、札幌の東苗穂に初出店したばかりの、次の日に行ってみました。実際に行くとかなり混んでいて、すぐには席には、座れなく入口近くの待合室つで少し待ち、係員の誘導で、席につきました。


はっきりいうと、あまり目立った特徴もないので、さらに、ブログに書くようなことはしませんでした。でている、メニューとしては、ごく普通のもので、確かに、サラダバーには、カレーライスがあって、食べ放題になっていました。ステーキ、ハンバーグに関しても、特に美味しいということはないですが、最低限まずいということはありませんでした。だから美味しさとか、非日常性などを期待していくと裏切られるものと思います。ソフトドリンクは別料金になっていました。


それから、かなり交通量の多い、ロードサイドの居抜きの店舗だったと思います。こういうところで、一度空き店舗になると、昨今ではなかなか新たなテナントは見つかるものではありませんが、『けん』では、こういうところに狙いを定めて出店しているのだと思いました。おそらく、テナント料も含むて出店経費はかなり低く抑えられているだろうと感じました。また、メニュー自体も、ステーキ・ハンバーグ、カレーだけと、後は、サラダバーの野菜やスープだけですから熟練したコックさんがいなくても、十分できるものばかりですから、人件費もかなり抑えられるだろうと思いました。

しばらく、店で同僚とハンバーグを食べながら、お客を観察していると、確かにファミリーで来店すると、ステーキ・ハンバーグだげてはなく、カレーライスも食べられるし、サラリーマンなども、いつもは、 自前のお弁当や、コンビニやスーパーの安いお弁当ばかりで、たまに外食したいと思ったときには、悪くはないとは思いました。私など、会社で社食があるので、恵まれた環境にあるので、あまりこのお店に来ようという気にはなれないですが、そのような環境にない人にとっては、十分選択肢になるものと思いました。それに、ここ数年で、節約は、日本人のライフスタイルの基本となっていることは、このブログで掲載しましたが、ここなら、子供づれで来てもあまり節約意識を持ってメニューなど意識して選定しなくても、どれを選んでも外れはないという感覚持ちました。1000円ちょっとで、そこそこのものが腹いっぱい食べられるのは間違いなく、だからこそ、毎年のように伸び続けているのだと思います。


「けん」のカレーライス


さて、上の記事でのお米の問題どうなるのでしょうか。「けん」では、カレーライスもだしているので、原価があがると大変だとは、思いますが、それでもはっきり言い切るとは、仕入れ面で自信があるからなのでしょうか?




さて、このブログにも以前掲載した、日本でも変わってきた最近顕著になった消費高行動があります。詳細、当該ブログをご覧いただくものとして、スペンドシフトとは、以下のような消費行動の変化です。


自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。


 この消費行動の変化に関しては、詳細は、当該ブログ記事を御覧いただくものとして、アメリカでは、9.11以降顕著になりはじめ、最近の金融危機、リーマーンショック以降ますます、顕著になってきているものです。日本でも、震災を期にずいぶんと顕著になりつつあります。

さて、上記のお米の問題に関して、上記でいえば、「けん」が日本のお米を使い続けるということになれば、地域が潤うようにお金を使う、絆を強めるためにお金を使う、、信頼できる企業から買うというところにあてはまることになると思います。

大手は、コスト面から、このあたりを切り捨てるということです。私としては、これは、消費者の変化を見極める上で、かなり重要なメルクマール(目印)になるのではないかと思います。大手がこれを切り捨て、「けん」が日本米を使い続け、さらには、上の三項目をうまく消費者に訴求することを条件として、その後の消費者の動きをみていれば、日本におけるスペンドシフトの状況がよく見えてくるのではないかと思います。このブログでは、これを追求し何か変化があれば、掲載して行きたいと思います。

この記事は、冒頭の井戸氏のツイートから始まっていますが、この人は、時々面白かったり、過激と思われるつぶやきもしているようです。下にその一端を紹介させていただきます。


「けん」には、「けん」の行き方があり、すべての人に支持される店を目指しているのではないことをはっきり表明しているのだと思います。巨乳と貧乳のたとえ、非常にわかりやすいです。そうなんでね。誰もが、巨乳好きとか、誰もがぽっちゃり系が嫌いだとは限らないわけです。商売上のお客様も同じことです。このあたりは、良く理解できない人もいるようです。現代のようにモノが豊富で溢れている時代には、「すべての人に気に入られるお店や商品」を目指せば、必ず失敗します。これを目指すということは、結局「すべての人に不満足」を与える、店や商品となってしまいます。


以下のツイートは、一見過激にみえます。


これは、最初にツイートした人間も、過激ですから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。しかし、見方を変えれば、状況のように「けん」には、「けん」の生き方があり、その代表である、社長を受け入れられないというのなら、来なくても良いという自信の現れなのかもしれません。

それから、以下のような記事もあります。ちなみに、ふらんす亭とは、焼きカレーのお店で、こちらも、井戸氏が経営しているチェーンです。というより、こちらが、最初のチェーンで、「けん」はこの後にできたものです。

ふらんす亭の社長がTwitterユーザーにブチギレ「うるせーよ じゃあガスト行けよ」「二度とくんな」

ときには、面白いツイートをしたり、過激なツイートもしてみたり、それでいて、商売上のツボは、しっかりと押さえている、井戸氏。良い悪いは、別にして、人間的にも面白くて、魅力があると思います。これからも、井戸氏について、追跡し、何か変化があれば、再度このブログに掲載していきます。よろしくお願いましす。

【関連記事】

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