黒田東彦総裁率いる日銀の金融緩和に加え、財政政策を打つ必要がある |
この1年間で、経済指標はかなり良くなってきた。実質国内総生産(GDP)は、515兆円(2012年10~12月期)から、528兆円(13年10~12月期)へと増加し、失業率は4・3%(12年12月)から3・6%(14年3月)へと低下した。
物価上昇率(消費者物価総合指数)は、マイナス0・1%(12年12月)からプラス1・6%(14年3月)へとデフレ脱却したといってもいいところまできた。
しかし、これからが大変だ。いうまでもなく、4月1日から消費税増税が実施されたからだ。これまでの経済運営は「金融緩和あり、増税なし」だったので合格点であるが、4月以降は金融緩和というアクセルと増税というブレーキを同時に踏んだ状態になる。しかも、増税は「景気が本格的に良くなる前」なのでまずい。
金融政策や財政政策の効果を分析した「マンデル=フレミング理論」からも、十分な金融緩和が実施されていれば、財政政策は効果があるという結果が導き出される。つまり、財政政策の一種である増税による消費減少は、波及効果をもって実体経済の有効需要を減少させるわけだ。
景気を良くするためには、金融緩和では効果が出るまでラグ(ずれ)があるので、手遅れだ。即効性の強い財政政策、しかも制約の少ない減税・給付金政策を主力とする必要がある。そのために、一刻も早い補正予算の編成が望まれる。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
上の記事は、要約記事です。この記事の詳細をご覧になりたい方はこちらから(゚д゚)!
【私の論評】今の状況を理解できず、声高に景気対策として効率の悪い公共工事の増加を叫ぶ輩は馬鹿かスパイ!今はあたり前のど真ん中で減税・給付金政策が一番(゚д゚)!
上の高橋洋一氏の記事、まったくその通りで、現状では所得税減税、給付金政策などをするのが景気を悪くさせないための最も良い方策であるということです。
こんなあたり前のど真ん中のことが、市場関係者にも多くの政治家にも理解されていません。本当に不思議なことです。こんな常識的なこともわからないから、平気で増税などできるのだと思います。
まずは、「マンデル=フレミング理論」に関しては、小さな国で変動相場制の国においては経済対策としての財政政策ほとんど効き目がないことがわかっています。ただし、日本は世界的にみても、大国(アメリカ、中国、インドなどは人口超大国であり世界においては例外的な国々)であるので、財政政策は効き目があります。
しかも、高橋洋一氏が上で語っているように、十分な金融緩和が実施されているという条件下では、効果があります。しかし、増税は緊縮財政の一種であり、これをしてしまえば、実体経済の有効需要を減少させ、景気を停滞させてしまうということです。
この状況では、金融緩和だけでは、緩和の効果が出るまでには、数年のラグがあるため、景気は必ず落ち込むということです。だから、何らかの積極財政を打つ必要があります。
そうして、現状を考えた場合、公共工事の提供制約があるため、景気対策としての大規模な公共工事は景気対策としては効率が悪すぎます。
これについては、以前のこのブログでも掲載したことがありますので、以下にその記事のURLを掲載します。
【日本の解き方】高く評価できる黒田日銀の1年目 懸念は増税による成長率下振れ―【私の論評】財政政策にも限りが、追加財政政策をしたとしても、公共工事の供給制約がある(゚д゚)!詳細はこの記事をご覧いただくものとして、供給制約に関する部分のみ以下にコピペさせていただきます。
以下のグラフは公的固定資本形成(公共事業費)と建設業許可業者数の推移です。
公的固定資本形成の増減に対して、建設業者数が遅れて追従しているのが分かります。
大体5年くらいの遅れでしょうか。国土強靭化により公共事業を拡大しても供給能力が元に戻るには5年くらいの時間がかかってしまうという事です。
これでは、財政支出を増やして、公共工事をどんどんやろうにもできないということです。供給を増やしたとしても、それができるようになるには、5年くらいのタイムラグがあるということです。それにしても、過去20年にもわたって、公共工事を削り続けてきた結果がこれです。こんなことからも、糞馬鹿低能民主党が政権後退のスローガンとした「コンクリートから人へ」は大間違いだったことがわかります。公共工事の提供制約の原因は、箱物行政などといわれ、公共工事そのものが悪とされ、本来必要不可欠な工事まで過去20年にもわたって、削減されてきたためです。
麻生財務大臣は、 麻生財務相は3月の時点で、閣議後に記者会見し、「予算執行に具体的な目標をつくることで早期実施を強力に進め、来年度前半に景気が下ぶれするリスクに万全を期す」と語っていました。
麻生財務大臣 |
しかし、現状のような公共工事の提供制約がある状況で、所得税減税や給付金などの政策を打つなら効果があるでしょうが、公共工事などを強力に推進しようにもできないわけで、いまのところ、景気が落ち込むのは必至という状況だと思います。
公共工事は魅力的に見えるが、現時点では経済に与える影響は少ない |
今必要なのは、消費税増税を緩和するための、所得税減税や貧困層に対する給付金の増加などの政策です。これを速やかに実施すれば、景気の落ち込みを防ぐことができるでしょうが、そうでなければ効果はありません。
現在、景気対策の一環として公共工事を増やせなどという連中は、現実を踏まえていない馬鹿か、スパイであるかのいずれかです。
現状では、公共工事は国土の保全などのために暫時増やしていくという考えが重要 |
予算の早期執行のための公共工事の増加など、絵に描いた餅にすぎません。結局そんなことをしようにも出来ない状況です。だとすれば、ここから利権など発生しようにも工事が結果として、受注されなければ、発生しないわけで、寄生虫ネットワークの人々も儲けることはできません。
やはり、金儲け主義で、利権ばかり狙う人々にとっても、まずは、デフレを解消することが最優先だと思います。こんな人達も、所得税減税や給付金にともなう利権を目指すべきです。
現在公共工事を増やせなどという連中は利権亡者かスパイのいずれか |
現状で公共工事の利権獲得を目指すのは、愚かとしか言いようがないですし、それを目指すのは馬鹿だということです。ただし、誤解を避けるために言って起きますが、私は公共工事をするな等とは一言も言っていません。実施すべきです。特に国土強靭化もすべきです。
しかし、公共工事を景気回復の柱とするなと言っているだけです。というより、現状では、公共工事そのものが、直近では景気回復の柱にはできないということを言っているだけです。今すぐではなくても、状況が変われば、国土強靭化などの公共工事を景気回復の柱にできるときもやってくるかもしれません。私は、これまで否定しているわけではありません。
無知で、公共工事利権を目指すならまだ見込みがありますが、こんなことをすべてわかっていて、それでも無理やり外国人労働者を導入してまで、どんどん実施せよというような連中は中韓のスパイかもしれません。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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