1999年のアメリカ映画、日本ではヒットしなかった。アメリカでの元タイトルは、"Y2K" |
福島第一原子力発電所1号機がメルトダウンしたとされるニュースが日本中に流れ、大きな怒りの声があがっている。……と言いたいところだが、日本人の多くは「大丈夫」「やっぱり○○でした」の繰り返しで危機的状況に慣れてしまったのか、メルトダウンしたというニュースが流れても声高々に怒りの声をあげている人は少ない。
メルトダウンの事実が、地震が発生した3月11日から1〜2週間内に報じられていたら、多くの日本人が関西以西に逃げたり、海外へ逃げていただろう。しかし地震から2カ月が経ち、あらゆる危機的状況が繰り返されてきたため、日本人の平和ボケ、いや、危機的状況に対して感覚がマヒしてしまったという声も出ている。
とはいえ、いまさらメルトダウンを伝えた東京電力に対して怒りが限界に達している人はいるようで、インターネット掲示板には東京電力に対する怒りや苦言が書き込まれている。
・インターネット上の国民の声
「緊急特番もなし。日本は平和すなぁ」
「関東がジワジワ終わっていくだけだよ。なんの変化もないよ」
「取りあえず大危機なんて迫ってないっつうの」
「メルトダウンするとどうヤバいの? 慣らされすぎて分からなくなった」
「メルトダウンの評価は国外が敏感に反応するでしょう。外貨稼せげなくなるかもね」
「毎時数トンの水を注ぎながら、実際に溜まってるのは半分以下。残りの半分以上はどこに流れ込んでるの?」
「もう東京が高濃度汚染されてもマスコミは「平気平気!」つってそうだな」
「核燃料が制御棒のコントロール化にないってだけで、何が起きても不思議ではない」
「大分前から燃料棒は損傷してるって言ってたし今更感はある」
「現場に人が入れなくなるような事態になったら国内で逃げても意味ねえよ」
「津波で全て失ってもめげずに再起を図ろうとしてる、漁師さんと養殖業の人かわいそす」
「東電はあと何年くらい垂れ流すの? 放射能」
「9月まで駐車場料金払っちゃった逃げられない」
「いままで危険厨だったが、諦め厨になったわ。もう無理だろ。そんな簡単に東京から出ていけないし」
「どうせ凄い量の放射性物質撒き散らしてんだろうな、岡田や枝野のチキンぶり見りゃ想像つくわ」
「というか、これは本当にまずいだろ」
この状況を分析して「メルトダウンは意味が広いからな。東電はチャイナシンドロームの状態になって初めてメルトダウンという言葉を使うつもりだ。今は燃料が熔けて圧力容器の底に溜まってると推測してる段階だから彼らの中ではメルトダウンではないんだよ」と持論を解説している人がいた。
なかには、「最近は誰かが、直ちに健康に及ぼす数値ではないって真顔で言ってるとこ見るたびに吹き出しそうになるようになっちまったよ。東電だか保安院のヅラだか枝野だかはどんな心境でのたまってるんだろうな」と苦言を書き込んでいる国民もいた。
ほかにも「ほんと普通に暴れてもいいぐらいの騒ぎのはずなのにテレビの扱いもカス。本当にこの国のメディアは全部腐ってやがるな。ひとつぐらいまともに機能するところは残ってないのか」と、日本人の「臭いものにはフタ」根性にあきれている人もいた。
冷静な自分に対して恐怖を感じている人もいて、「ものすごい危機が迫っているかもしれないのに、ピンとこない、どこか他人事のように感じてる今の感覚が恐ろしいわ。5年後10年後にベットで生死の境をさまよってるかもしれんのに 」とコメントしていた。
逃げる逃げないは自己責任としても、メルトダウンしてもまったくマスコミが騒がないのはどういうことなのだろうか? その点を疑問に思っている国民は多い。世界を巻き込む大事故が発生した可能性があるこの状況、やはり日本人の「臭いものにはフタ」「平和ボケ」「ことなかれ主義」「隠蔽体質」が原因なのだろうか?
【私の論評】感覚麻痺ではなく、現実的で冷静でマスコミに煽られなくなった日本人?!!
この現象は、感覚麻痺ではなく、日本人の多数が、現実的で冷静でマスコミに煽られなくなったと観るべぎではないかと思います。
まずは、本当に差し迫った危機のときは、それこそ、東日本大震災のニュースのように、毎日、日々、それだけがニュースになって、コマーシャルさえほとんど流されず、誰がみても、はっきりすることが、多くの日本人に認識されたということがあります。
原発のことでも、本当の危険中の危険であり、かなり多くの人が早急に避難しなければならないような大事件であれば、東日本大震災のような報道体制がとられて当たり前だという感覚が、日本人の中に確立されたためではないかと思います。
実際、チエルノブイリ級のさしせまった危険になれば、本当にそうなることでしょう。しかし、最悪でも、チェルノブイリ級にならないことははっきりしています。チェルノブイリの場合は、原子炉が大爆発して、炉心も爆発して、放射性物質が空気中に大放散され、その直後に近くにいた人が被爆で、30人ほどすぐに死亡したという規模のものです。
これは、過去を考えただけでも、すぐに理解できます。良く考えてみてください、過去において、人類は、アメリカも、ソ連も、中国も何回も、核実験を行ない、空気中に放射能をまき散らしてきたではありませんか。最近などは、臨界実験といって、実際に爆発はさせませんが、中国など、1990年代に入っても、繰り返し核実験を行っていました。
これらの核実験などのことを考えれば、日本の原発事故などゴミみたいなものです。以下に、中国の核実験に関する過去の産経新聞の記事を掲載しておきます。
中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計
2009年4月30日19時6分配信 産経新聞
中国が東トルキスタンで実施した核実験による被害で同地区のウイグル人ら19万人が急死したほか、急性の放射線障害など甚大な影響を受けた被害者は129万人に達するとの調査結果が札幌医科大学の高田純教授(核防護学)によってまとめられた。被害はシルクロード周辺を訪れた日本人観光客27万人にも及んでいる恐れがある。
5月1日発売の月刊「正論」6月号掲載の「中国共産党が放置するシルクロード核ハザードの恐怖」と題する論文で明らかにした。高田教授は2002年8月以降、中国の核実験に伴う影響を調査した。高田教授によると、中国の核実験は1996年までに爆発回数で46回。爆発威力や放射線量、気象データや人口密度などをもとに被害を推定した。
爆発では楼蘭遺跡の近くで実施された3回のメガトン級の核爆発で高エネルギーのガンマ線やベータ線、アルファ線などを放射する「核の砂」が大量に発生した。
上空に舞い、風下に流れた「核の砂」は東京都の136倍に相当する広範囲に降り、その影響で周辺に居住するウイグル人らの急性死亡は19万人にのぼる。
甚大な健康被害を伴う急性症は129万人のうち、死産や奇形などの胎児への影響が3万5000人以上、白血病が3700人以上、甲状腺がんは1万3000人以上に達するという。
中国の核実験は、核防護策がずさんで、被災したウイグル人に対する十分な医療的なケアも施されておらず、129万人のうち多くが死亡したとみられる。広島に投下された原爆被害の4倍を超える規模という。高田教授は「他の地域でこれまで起きた核災害の研究結果と現実の被害はほぼ合致している。
今回もほぼ実態を反映していると考えており、人道的にもこれほどひどい例はない。中国政府の情報の隠蔽(いんぺい)も加え国家犯罪にほかならない」と批判している。
また、1964年から1996年までの間に、シルクロードを訪問した日本人27万人の中には核爆発地点のごく近くや「核の砂」の汚染地域に足を踏み入れた恐れがあり、こうした日本人への影響調査が必要と指摘している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090430-00000594-san-int
1964年から、1996年までの間といえば、NHKが「シルクロード」という特集番組を、報道しています。NHKは、中国核実験の事実を知りながら、このような番組を放映し、多くの人が、この番組をみて、桜蘭を訪れました。一方、原発実験のことは、ほとんど報道しませんでした。この時期の、桜蘭を訪れた場合、今の福島原発の500mの圏内に入るよりも、余程危険だったことでしょう。
それに、現状の東京の放射能汚染は、香港よりも低い状況にあります。これは、やはり、中国の過去の核実験によるものと考えられます。北京も似たようなものであり、内陸の都市では、さらに、和放射能レベルがあがります。これは、中国政府が隠蔽していても、衛星などから計測することが可能で、しかも、放射能の種類から過去の水爆実験によるものであることが確かめられ、先進国の中では、常識といっても良いことです。
だからといって、私は、東電のミスや、さらに、政府の無能を非難しないというわけではありません。しかし、深刻度合いからいって、中国や、過去のアメリカ、ソ連の核実験とあのチエルノブイリの事故とは比較の対象になりません。
それに、日本は世界で唯一の被爆国であり、長崎、広島に原爆が投下されました。あの際に、とてつもない量の放射能が空気中に放散されたはすです。その当時は、広島、長崎は、放射能汚染のため、今後70年間ぺんぺん草さえ生えないだろうといわれていました。しかし、現実はどうだったでしょう。であれば、原発で大騒ぎするというほどのことではないことが理解できます。
ただし、私は、原爆による放射能が危険ではないというつもりもないですし、だから今の状況で原発が安全などというつもりは毛頭ありません。ただし、原発事故で、ヒステリックになる必要はないといいたいだけのことです。
それに、日本は世界で唯一の被爆国であり、長崎、広島に原爆が投下されました。あの際に、とてつもない量の放射能が空気中に放散されたはすです。その当時は、広島、長崎は、放射能汚染のため、今後70年間ぺんぺん草さえ生えないだろうといわれていました。しかし、現実はどうだったでしょう。であれば、原発で大騒ぎするというほどのことではないことが理解できます。
ただし、私は、原爆による放射能が危険ではないというつもりもないですし、だから今の状況で原発が安全などというつもりは毛頭ありません。ただし、原発事故で、ヒステリックになる必要はないといいたいだけのことです。
それに、もうひとつは、マスコミの報道姿勢です。たとえば、このブログにも最近も、数回にわけて掲載してきた、日本国の「国の借金」とか、「財政破綻」に関する報道です。最近では、国の借金が増えて、何でも、国民一人当たりの借金は700万円を超えるとかなどと報道されています。
しかし、これなど完全に虚偽です。それに関しては、ここ数日間、このブログにその根拠を掲載してきたので、ここでは、詳細を説明はしません。下の、【関連記事】のところに、そのURLを貼りつけておきますので、詳細についてお知りになりたい方は、そちらをご覧になってください。
実は、こうした財政破綻の危機の煽りは、今に始まったことではありません。約20年前から、繰り返し、繰り返し、行われてきました。しかし、財政破綻が起こったでしょうか。皆さんご存じのように、起こっていません。ちなみに、20年前といえば、バブルが崩壊した直後ではありますが、日本の対外金融純資産(日本が外国に貸しているお金-日本が外国から借りているお金)の金額が、世界一になった時期です。それから、20年間、日本の対外資産は、世界一です。これが、赤字になったときに始めて、日本国が借金をしていることになります。
だから、この20年間、日本は、借金どころか、世界で一番資産が豊な国ということになります。だから、財政破綻しないのは、当たり前のことです。財政破綻して、国がとんでもないことになるというのなら、これは、大変なことです。大変なことであれば、それこそ、今回の大震災のような報道がされてしかるべきですし、それをしなくても、たとえば、円を元などに、かえて、中国に移り住むなどのことがおこり、それが頻繁に報道されるようになるはずです。しかし、そんなことはないです。報道をまともに受け取れば、そうなるはずなのに、そうはなりませんね。
こんなことは、ほんの一例にすぎません。こんなこと、おそらく、多くの人が、何回かは、経験されていると思います。そうして、振り回されて、苦い思いをしている人も多いと思います。地球温暖化騒ぎに、振り回されて、全く、地球環境とは関係ないことに散財された方も多いのではないかと思います。エアコンをつけることを躊躇して、かなり生活に支障がでたかたもいらっしゃるのではないかと思います。だからこそ、ちょっとやそっとことでは、振り回されないようになっているのだと思います。
だからこそ、原発に関しても、多くの人が、冷静に見ているのだと思います。それに、心配のあまり、何をするにしても、現実との兼ね合いで、冷静にするようになっているのだと思います。放射能の危険性と、東京などから撤退することを両天秤にかけた場合、例えば、飲み水などは、ペットボトル飲料にするなどしてなるべく危険性を避けながららも、東京にいるほうが自分にとっては、合理的だと判断しているのだと思います。
それに、自らが、騒ぎまくったとしても、だからといって、事態が急速に収まるわではないし、本当に危険になったら、避難するなどしようと冷静に見ているのだと思います。
それに、自らが、騒ぎまくったとしても、だからといって、事態が急速に収まるわではないし、本当に危険になったら、避難するなどしようと冷静に見ているのだと思います。
この傾向は、大震災の前からあったと思いますが、それが、震災によってますます強化されたのだと思います。だから、マスコミももうそろそろ、報道姿勢を改ためないと、他のメディアにとって変わられることを自戒しなけばならないときにきていると思います。
【関連記事】