リオ五輪閉会式出席のため出発する小池百合子東京都知事= 18日午前、東京都大田区・羽田空港国際線ターミナル |
東京都の小池百合子知事(64)が18日、公約に掲げた都政の透明化を目指すために9月上旬に設置する「都政改革本部」顧問として、新たに中央大法学部の工藤裕子(ひろこ)教授(48)ら5人を選任した。すでに就任した5人に加え、顧問は10人となった。リオデジャネイロ五輪視察へ出発する前に、羽田空港で報道陣に発表した。
工藤氏は、中央大教授の他に、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員を務める「財政のスペシャリスト」。顧問には他に、一橋大学国際・公共政策研究部の佐藤主光(もとひろ)教授、経営コンサルタントの町田裕治氏、グレートジャーニー合同会社の安川新一郎代表、イオン株式会社特別顧問の山梨広一(ひろかず)氏が就任する。小池氏は「国内的には改革、リオでは東京のPRに務めて参りたい」と述べた。
都政改革本部は、小池氏が本部長を務め、情報公開のあり方を検討するほか、2020年東京五輪・パラリンピック関連予算などを調査する。12日の定例会見で、上山信一慶応大教授(58)ら5人が顧問に就任すると発表した。
【私の論評】巨悪を暴くだけでなく、おおさか維新と結びつき国政改革起爆剤にも?
都政改革のための、組織づくりをした小池百合子氏、ブログ冒頭の写真でも示したように、羽田空港に現れた小池知事は、リゾート感のあるスーツ姿でした。頭から足下まで全身オフホワイトの色調で統一しており、夏を意識した涼しげな装いです。
パナマ帽風のハットをかぶり、ショールを首にかけて空港を颯爽と歩く姿は、海外に行く際に見る麻生太郎副総理兼財務相の印象とも重なります。麻生氏がボルサリーノハットを深々とかぶり、ダンディーな雰囲気を醸しながら空港を歩くのはおなじみの光景。2人の歩く様子をとらえた写真を見比べるとそっくりです。
以下に、麻生財務大臣の海外に行く際の写真を掲載します。
ロシア・サンクトペテルブルクでのG20に出席するため、 安倍晋三首相と共に羽田を出発する麻生太郎財務相=2013年4月4日 |
小池知事は、2020年の東京五輪に向け競技場なども訪れ、運営状況やセキュリティー対策を視察するという。閉会式の「勝負服」も注目だが、現地でのおしゃれも気になるところだ。
さて、当面の改革の対象ともいえる、都議会ですが、そのドンと言われている"内田茂"氏に関して、また文春砲が炸裂しました。
詳細は、8月17日(水)発売の週刊文春をご覧いただくもとして、以下に一部を引用します。
“都議会のドン”が役員の会社 豊洲新市場の工事も受注
内田氏(写真一番右)が都議選に出馬した際応援した麻生太郎総理(当時)と、石原慎太郎都知事(当時) |
“都議会のドン”といわれる内田茂都議(77)が役員を務める会社が、築地市場の移転先となる豊洲新市場の電気工事を受注していたことがわかった。8月17日(水)発売の週刊文春で詳しく報じる。
内田氏は、落選中だった2010年から地元・千代田区に本社を置く東光電気工事の監査役に就任。内田氏の所得等報告書、関連会社等報告書を総合すると毎年数百万円の役員報酬を受けているとみられる。
築地市場の移転を巡っては、自民党東京都連の幹事長だった内田氏が都議会対策を仕切り、2012年3月、移転に関する予算案が都議会特別委員会で可決され、大きく進展した。
予算成立を受け、都財務局は豊洲新市場関連工事の入札を実施。2013年12月、新市場の管理施設棟の電気工事を約37億9000万円で落札したのが、東光電気工事を中心とするJV(ジョイントベンチャー)だった。
東光電気工事は、複数の東京オリンピックの施設工事も受注しており、内田氏が復活当選する2013年までは700億円前後だった売上高は、2014年には約1000億円へと急成長している。
地方自治法第92条の2では、地方議員が自治体の事業を請け負う企業の役員を兼ねることが禁じられている。さらに、同法127条では、前項に違反した場合、議員を失職することが定められている。
「ただ、失職させるには、議会で出席議員の3分の2以上の同意が必要であると定められており事実上、空文化しています」(自民党都議)
内田氏、東光電気工事は以前、小誌の五輪施設受注に関する取材に対し、口利きを否定。今回、豊洲新市場の受注について確認を求めたが、回答はなかった。
東京都の小池百合子新知事は、築地市場の移転問題について、選挙戦の最中に「一歩立ち止まるべきだ」と述べていた。16日に築地市場、豊洲新市場を視察した上で、結論を出すとしており、決断が注目される。ただし、これに対してはすでに、内田氏のバッシングは行き過ぎではないかという論評も出現しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
内田茂都議に対するバッシングは度を過ぎているのではないか?この記事は、宇佐美典也氏がブロゴスに掲載しているものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分だけ掲載します。
まずすぐに思い浮かぶのは「東光電気工事の業績回復は内田茂氏の口利きの功績なのか?」という点だが、これは全く的外れだ。東光電気工事は再エネ業界ではそれなりに名が知れた存在で、2012年のいわゆる固定価格買取制度導入以降メガソーラーの開発工事を多数受注して売り上げを伸ばした。
つづいて「内田茂氏の監査役就任は地方自治法92条の2(議員の兼業禁止)違反なのか?」という点についてだが、こちらも限りなくシロに近い。同条項は短いので全文紹介すると以下の通りだ。
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第九十二条の二
普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。
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この条文の解釈はこちらのリンクを参考にしていただきたいが、この場合内田氏をバッシングする立場の人たちは「内田氏は『主として普通地方公共団体に対し請負をする法人の監査役』だから法律違反だ」という主張をしているわけだが、その解釈はどう考えても無理がある。東光電気工事の売上は1000億円程度だが実績紹介を見る限りは、そのうち過半や主要な部分を東京都からの発注で占められるとは到底言いがたい。
なお私は内田茂氏の自民党都連のガバナンスに問題があるのだろうと思っているし、またそれを正すべきだとも思っている。ただそれは炎上商法やレッテル付けによるものではなく、正しい情報に基づいて適正な手続きを経て行われるべきだと思っている。なのでこの件に関しても情報公開請求なり、都議会での質問を通して丁寧に真相を調べていただければと思う。
多分何も出てこないんだろうけど。この記事は、週刊文春に掲載されてい「口利き問題」や、「一見違法と見られる監査役就任」などでは、内田茂氏を叩くことはできないことを主張しています。これは、おそらく事実なのでしょう。
そうして、この記事を書いた宇佐美氏は、自民党都連のガバナンスには問題があるだろうと思っているとしています。しかし、この件に関しても情報公開請求なり、都議会での質問をしてもおそらく何も出てこないだろうとしています。それは、そうですね。
ガバナンス(統治)等に問題があったとしても、今まで全くボロが出てこなかったわけですから、情報公開請求したり、都議会で質問する程度では何も出てこないでしょう。
しかし、このブロクでも指摘したような、舛添知事辞任の裏に潜む、都議会の巨悪や、猪瀬元東京都知事が激白した、都議会議員の自殺など、何やら巨悪が潜んでいそうです。
そうして、この巨悪をあぶり出すには、他にも十分やり方があります。そうして、この動きは、巨悪をあぶり出すどころか、もつと大きなものになる可能性を秘めています。
さて、内田氏の後ろには、森喜郎が控えています。森喜郎氏と小池百合子氏は犬猿の仲です。故に、内田茂と小池百合子が馴れ合う可能性は低いです。ポイントは来年の都議選になると思われます。来年の都議選に自身のシンパの有力候補者を千代田区で内田茂対抗馬として推薦することになるでしょう。
既に今回、小池氏は都議選補欠選挙に自身の元秘書を始め、シンパ議員を何人か推薦しています。これは、都議会で自身の影響力を拡大し、内田茂を筆頭とした自民党守旧派を一掃する作戦です。小池氏は新党結成も「選択肢」と述べています。
この発言を巡り、与野党で臆測が広がっています。自民党内では、来夏の都議会選挙をにらみ地域政党の設立に動くと警戒する見方が浮上しています。東京で勢力拡大を狙うおおさか維新の会は小池氏との連携に意欲をにじませています。憲法改正などで同党の協力に期待する首相官邸は神経をとがらせています。
「東京大改革という5文字をもとに、ぜひ、一緒に活動していただきたい」。10日夜、都庁舎にほど近いホテルで開いた会合で、小池氏は約70人の地方議員らを前にこう宣言。与野党に「新党準備」の観測が上がりました。
70人の地方議員らとの会合を開いた小池知事 |
小池氏周辺でささやかれる構想は、年内にも都議会新会派か地域政党をつくり、自民党への対立候補を擁立して都議会で主導権を握るというものです。
小池氏とおおさか維新が連携する可能性も取りざたされています。ブログ冒頭にもあるように、小池氏は、都政改革本部メンバーに大阪府・大阪市特別顧問の上山信一慶応大教授の起用を発表しています。上山氏は、地域政党「大阪維新の会」結党に深く関わり「大阪都構想」の理論的支柱の一人です。これに関して、小池氏はツイッターで「仕込み段階の第一歩」と書き込んでいます。
上山信一慶応大教授 |
おおさか維新は都知事選で候補擁立を見送っています。選挙後、馬場伸幸幹事長は「来年の都議選は改革勢力を大きくする方向で協力したい」と語りました。統治機構改革をめざす第三極の結集は、影響力の大きい橋下徹・前大阪市長、代表の松井一郎大阪府知事の悲願でもあります。党内には小池新党をきっかけに東京と大阪の改革勢力で連携し、党勢拡大につなげる期待もにじんでいます。
改憲などでの連携をにらみ橋下氏の政界復帰に期待する声がある官邸は複雑です。都知事選投票前日の7月30日、都内で安倍晋三首相らは橋下、松井両氏と会食。首相側が「小池さんは大阪の成功例を参考にしているんじゃないの」と探りを入れたのですが、橋下氏は「それは分かりませんね」とけむに巻いたといいます。
小池知事は、都知事就任をきっかけに、都議会の巨悪を暴き、改革するだけではなく、国政にも大きな影響を及ぼすことになるかもしれません。小池新党が、おおさか維新と結びついた場合、国政改革の大きな起爆剤となるかもしれません。
野党共闘などする、民主党などには、もう国政改革などの目は出ません。それにしても、小池氏、ここまで最初から視野にいれていたのだと思います。野党共闘の推薦した鳥越氏とは、かなりの違いです。野党連合は鳥越氏を推薦するあたりで、もう終わっています。小池新党には、期待できるかもしれません。あまりにもふがいない野党には、もうご退場願いたいです。
私自身は、自民党を支持しているのですが、それは積極的に支持しているわけではなく、他に支持すべき政党がないから、支持しているのです。小池新党ができたからといって、それを支持するかどうかはわかりませんが、それにしても、有権者に選択肢が広がるというのは良いことです。
いずれにせよ、現在はまだ、憶測の域を出ないわけですが、とはいいながら可能性は十分あります。今後しぱらくは小池知事の動向には目が離せないようです。
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