ビジネスユーザーに人気の「ThinkPad」シリーズで有名なレノボ・ジャパンが国内のネットブック市場に参入した。今年1月から急速に利用者が拡 大。台湾、米国、国内の多くのメーカーがこの1年、しのぎを削ってきた。後発のレノボはユーザーニーズの高い5時間を超えるバッテリー駆動と160GBの HDDを搭載して、先行他社に対抗する。

レノボ・ジャパンのネットブック「IdeaPad S10e」。ピンク、ホワイト、ブルーの3色を用意。価格は5万4800円(画像クリックで拡大)

 「IdeaPad S10e」は、Atom N270(1.60GHz)、メモリーは1GBを搭載。スペックはネットブックの売れ筋モデルである日本エイサーの「Aspire one」に合わせた。液晶は一回り大きい10.1型ワイドだが、縦方向の解像度が24ドット少ない1024×576ドット。16:9の画面比率だ。ホワイ ト、ピンク、ブルーの3色のカラーバリエーションを用意する。価格は5万4800円。ホワイトを今週末の12月6日に発売する。ピンクとブルーは早ければ 1月にも発売する。

 本体のサイズは250(W)×196(D)×22~36(H)mm、重さは1.38kg。6セルのリチウムイオンバッテリーが付属し、 5.3時間駆動する。Aspire oneよりも大きくて0.27kg重いが、バッテリー駆動時間の長さを重視したためだ。軽量な3セルバッテリーはオプションで提供する。OSは Windows XP Home Edition SP3を採用する。

■後発のメリットを生かし、ニーズに合ったものを投入

マーケティング&広報本部長、執行役員の原田洋次氏(画像クリックで拡大)

 同社は今夏、海外で「IdeaPad S10」を投入したが日本での発売は見送られてきた。この時期の投入理由について同社のマーケティング&広報本部長、執行役員の原田洋次氏は「目の肥えた 日本のユーザーに対し、納得できる製品が準備できた。サポート体制も整った」と説明。市場調査を重ね、ユーザーの声や販売店の意見を取り入れて IdeaPad S10eの商品化に繋げた。「ミニノートの記憶媒体にはSSDとHDDの2種類あるが、現在、選ばれているのはHDD。モバイルするユーザーからはバッテ リーで長時間動作するものが欲しいという意見が多かった」という。

 デルや日本ヒューレット・パッカードの値下げ攻勢に対しては「他社が動いたら、より安く提供できるように努力する」と値下げ競争にも対抗する姿勢を示した。

 後発のメリットを最大限に生かして大きな弱点がないのがIdeaPad S10eの特徴だ。IEEE802.11b/g対応の無線LAN、Bluetooth、ExpressCardスロット、SDメモリーカード/メモリース ティックスロット、2基のUSBなどインターフェースは充実している。キーピッチは17.5mmを確保し、タッチパッドはマルチタッチに対応。ライバル機 種と比べて、足りない機能がない。

左側面。外部ディスプレイ出力、メモリーカードスロット、USB2.0などを配置する(画像クリックで拡大)

右側面。ExpressCardスロット、USB2.0、100BASE-TX/10BASE-T、マイク入力、ヘッドホン出力を備える(画像クリックで拡大)

ネットブックでは珍しくExpressCardスロットを備える(画像クリックで拡大)

17.5mmピッチのキーボードを搭載。キータッチはThinkPadとは別物だ。タッチパッドは複数の指で操作できるマルチタッチに対応する(画像クリックで拡大