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2012年10月21日日曜日

リスクの代償払うのは?ユニクロ上海の「尖閣は中国領」張り紙−【私の論評】中国の反日デモは、官製であることがいよいよはっきりしてきた!!ところで、その背景は?

リスクの代償払うのは?ユニクロ上海の「尖閣は中国領」張り紙

中国からスマートフォン越しに届いた声は悲痛な訴えだった。


 ユニクロを展開するファーストリテイリングで中国事業を統括する最高責任者の言葉だった。流暢(りゅうちょう)な日本語を話す中国人である。海外から優秀な人材を集めて事業展開する同社ならではの幹部のひとりだが、異常事態に気持ちが高ぶっている様子がひしひしと伝わってきた。中国の騒動について聞いたときの話だ。

 騒動とは、9月の反日デモの際、上海のユニクロ店舗に「尖閣は中国領土」という趣旨の張り紙が掲示された一件だ。写真とともにネットで伝わった結果、日本国内でユニクロへの苦情が殺到し、不買運動が懸念される事態となった。売らんがために中国に迎合した張り紙を出したのなら、批判は避けられない。だが、実際はそうではなかった。

 すでに報じた通り、真相は地元の警察官から強制的に張らされたというものだった。断れば、デモに襲われても守ってもらえない恐れがあったという。別の店では無断で同様のシールが張られた。気づいた店長がはがそうとすると、ショッピングモールの保安員が店長を取り囲んで阻止する強硬措置に出たそうだ。現地社員らの苦しい胸の内は察するにあまりある。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】中国の反日デモは、官製であることがいよいよはっきりしてきた!!ところで、その背景は?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、ユニクロの柳井社長は、まだ中国からの撤退などは視野にはいれていないようだ。柳井社長の中国へのこだわりは、以前このブログに掲載したことがあります。

ユニクロ商品、脱中国生産へ ヒートテック8割→5割に―【私の論評】カントリーリスクを織り込んで事業を展開すべきではないのか?

詳細は、上記のURLをご覧いただくものとして、柳井社長は、2010年10月にあった、中国のでの反日デモに関する部分をコピペしておきます。

ユニクロ柳井社長
ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は同日の会見で、中国・成都で16日に反日デモが起きた際、1店を一時閉店したことを明らかにした。日本政府の対応については「中国に進出した企業は自己責任でやって下さいというのはどうかと思う。ビジネスがやりやすいようにするのが国としての義務」と述べた。
冒頭の記事によれば、「尖閣は中国の領土」という張り紙を警察当局から、強制的にさせられたということになっています。このような自体が発生しても、「ビジネスがやりやすいようにするのが、国としての義務」であると思っているのでしょうか。さすが、それをはっきりと、記者会見などで述べたという報道はなされていませんが、まだ中国への拘りを捨てきれないところをみると、心の中ではそう思っているのかもしれません。

私は、この記事で、以下のように結論を述べました。

中国に関しては、このブログでも、このカントリーリスクに関して、手を変え品を変え再三にわたって掲載してきました。それに、わたしなどが掲載するまでもなく、昔からチャイナリスクについてはいわれてきました。
こんなことは、当然のことなので、先の柳井さんの発言は、首をかしげてしまいます。日本国政府による安全保障などは当然日本国内に限られます。当然、在外邦人が生命の危機などにあえば、政府として何とか努力するのは当たり前ですが、それでも間接的にしか行動することはできません。かといって、最初からリスクがあることがはっきりしているところに、自分で店を出しておきながら、「自己責任でやって下さいというのはどうかと思う」という発言はいただけません。これは、あくまで、自己責任で対処すべき筋合いのものです。それがいやだったら最初から店などだすべきではありません。それに、もともと商売にはリスクがつきものです。柳井さんどうしてしまったのでしょうか?
それに、これらか、世界のユニクロになることを宣言しているわけですから、たかだか中国で、多少のデモがあったくらいで、このような発言になるとは、先が思いやられます。資生堂など随分前から、中国に進出していますが、今までなんども危機にあっても、びくともしません。
理想論は、別として国の安全保障は、自国主権の及ぶ範囲内においてのみ保証されるものです。外国に行って商売をするならば、カントリーリスクは、最初から折り込みずみで行い、最終的には、自己責任にで対処するしかないことは自明の理です。それに、商売はリスクがあるから儲かるので、全くリスクのない商売を石橋をわたってやっていたら、そもそも商売など成り立ちません。

世界中に進出しているユニクロ。なぜ、中国にばかり拘るのか?
私は、ユニクロに限らず、中国に進出している企業は、すぐにでも撤退できるように今から準備しておくべきです。中国には、撤退するにしても、複雑な手続きがあります。準備をしておかなければ、なかなか抜け出すことはできません。しかし、そうした配慮をしておくことは、経営者の責任だと思います。

それにしても、中国の反日デモは、そもそも、その根底は、熾烈な権力闘争があることは、このブログでも何回か掲載しました。ただし、特に直近の反日デモが完璧に官制デモであることは、私にとっては、あまりにも自明の理であったため、あまり強調はしてきませんでした。以下の動画をみていただくと、中国の反日デモは、完璧に官製デモであることが良く理解できます。



私のブログでは過去に、中国の官製デモの背景は、熾烈な権力闘争であることを掲載してきました。そうして熾烈な権力闘争の背後についても、解説もしてきたのですが、あまり十分ではなかったと思うので、以下にそれを解説します。

なぜ、熾烈な権力闘争をしなければならないかといえば、中国の社会が極めて不安定な状況にあるからです。中国では、反日デモを含めて、暴動などは日常茶飯事であり、驚くに値しません。中国の事情通にいわせると、中国では、建国以来小さな暴動まで含めると、毎年平均2万件あるわけです。

中国で執拗に繰り広げられた官製反日デモ
しかし、過去においては、この暴動も、武装警察や、場合によっては、人民解放軍を用いて何とか圧殺することに成功してきました。しかしながら、最近では、賃金水準が上昇し、労働者の権利意識も強くなり、困難になりつつあります。いくら鎮圧しても、人民の憤怒のマグマは、収まりません。いつどこで、大爆発してもおかしくない状況にあります。それに輪をかけるように、インターネットなどの情報通信の発達により、いくら統制しても、憤怒のマグマを沈静化することはできません。

さらに、これに輪をかけて、今までは、諸条件が整って躍進してきた、中国経済に陰りがでてきました。これは、すぐにも、陰りどころではなく、かなり落ち込むことが予想できるような兆候があちこちにでてきています。その予兆として最も顕著なのは、現在の中国は富の流出をなす術もなく見ている状態になっていることです。

中国は、資本の出入状況を発表していませんが、貿易関連や外貨準備数値などの経済統計資料を調べると、今後の資金流動状況を読み取る事ができます。以下に日本の富裕層向けサイトYUCASEE MEDIAに掲載されていた記事をコピペしておきます。
 米ウォール・ストリート・ジャーナルが分析したところによると、今年9月までの12カ月間、約2250億ドル(17兆7000億円)の資金が中国から流出していることが分かった。これは去年中国のGDPの3%前後にあたる。 
 北京大学金融学教授のMichael Pettis氏は、国内の富豪たちは資金を外に移した方が良いと選択するようになっており、世界経済は非常に低迷している中、これは良い傾向とは言えないとしている。 
 中国では制度上、個人では年間5万ドル(約400万円)以上資金を移出しては行けないという事になっている。ところが、実際は抜け道がいくらでも存在している。 
 知人の名義を使うなどして、海外に資金を移転させる例は数多く見られる。というよりは、もはや一般的でさえある。 
 キプロスでは不動産デベロッパーが中国人に積極的に販売し、かなりの好セールスをあげているのだという。
このような予兆は、キプロスに限らず世界のあちこちで見られます。たとえば、今フランスでは、経営不振に陥っている、ワイナリーの中国人富裕層による買収が盛んです。こんなことは、驚くことに、アフリカかや、太平洋の南の島々でも起こっていることです。

中国の富裕層に買い取られたフランスのワイナリー
そうして、こうした富裕層として、いわゆる、中国官僚で裸官と呼ばれる人たちの行動も見逃せません。裸官とは、中国の官僚で、自分の配偶者や、親子、親族などを海外に住まわせている人のことをいいます。この裸官は、中国内で、せっせと儲けて、それを親族の住む海外に送金しています。いずれ、外国で暮らすことを夢みています。中には、政府の金を不正に略奪して、海外逃亡を企てるものも多数存在します。

これは、中国共産党の中央委員を見ても良くわかることです。この秋の党大会でメンバーは入れ替わることになるでしょうが、中央委員は現在、204人を数えます。国と地方の党・政府機関、国有企業、軍の幹部たちです。いわゆる中国のエリート中のエリートです。彼らは選出されたという形を取っていますが、実際には、党大会の代表が選んだのではありません。政治局常務委員、政治局員が選抜したのものです。もともと、中国には選挙制度なるものは存在せず、厳密な意味では、政治家など存在しません。存在するのは、官僚だけです。中国共産党大会は、単なる、お披露目の晴れ舞台です。

16回党大会で選出されたは、中央委員
香港で刊行されている月刊誌、「動向」の5月号が明らかにした政府関係機関の調査によれば、この204人の中央委員のうち実に92%、187人の直系親族、総計629人が米国、カナダ、オーストラリア、欧州に居住し、中にはその国の国籍を取得している者もいるのだといいます。ニューヨークや米東海岸の諸州、そしてロンドンで高級住宅を扱う不動産業者の最大の顧客はここ数年、圧倒的に中国人であり、現金一括払いの最上得意となっています。党の最高幹部たちが自国民の目を一時でも眩(くら)ましたいのは、こうした事実からです。だからこそ、尖閣上陸は必要不可欠となったのです。とにかく、日本を悪者にしたたて、自分達への関心をそらそうとしたということです。

そうして、中国の特権貴階級ともいえる人々がどうして海外に資産を移し、親族を米英両国に移住させるのかは、もう先述べたように、人民の憤怒のマグマが煮えたぎり、近いうちに大爆発することになるかです。そうなれば、中国自体が分裂するかもしれません。そんなことはなくても、第二の文革のようなことが起こるのは、必至です。そうなれば、今の中国の特権貴族階級も権力の座から降りるよりしかたなくなります。そんなことから逃げるためにも、懸命に資産を海外に移しているのです。

裸官を揶揄する中国の漫画
官僚といえば、国会を背負って立つ存在です。その官僚が、この有様ですから、ただ腐敗しているというだけではなく、背後に何か重大なことがあると考えるのが当たり前です。中国の官僚たちは、立場上中国に関するありとあらゆる情報を得ることができ、それをつかって大儲けしています。しかし、その彼らが、上記のようなことをするにはわけがあります。もう、彼らは、現体制の中国には、将来がないことを理解しているということです。

柳井社長のように、この事実を理解していない人も多いようですが、どのような形になるかは定かではないものの、もう現体制の中国には、将来はなく、それがすぐなのか、あるいは、10年後になるかは別として、必ず近いうちに新しい体制になるとみるべきです。そうして、新しい体制には、すんなりとは移行しません。まずは、国民の憤怒のメガマグマが中国各地で大爆発し、この機会に乗じ、中国の各派閥が権力を獲得しようとして、内乱もしく、本格的な戦争にまで発展する可能性は、十分にあります。そうして、中国は分裂します。私は、そう思います。そうして、過去のブログにもこの内容を掲載し続けてきました。こう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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