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2016年3月24日木曜日

「五体不満足」の乙武洋匡氏が不倫を謝罪 「慕ってくださる方々を裏切る行為」と公式サイトに 妻も「私にも責任の一端」とコメント―【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研と同レベルか?

「五体不満足」の乙武洋匡氏が不倫を謝罪 「慕ってくださる方々を裏切る行為」と公式サイトに 妻も「私にも責任の一端」とコメント

乙武氏
ベストセラー「五体不満足」で知られ、自民党が夏の参院選での擁立を検討している作家でスポーツライターの乙武洋匡(ひろただ)氏(39)に不倫騒動が浮上した。「週刊新潮」が最新号で「『乙武クン』5人との不倫」などと題して報道。乙武氏は24日、この記事を受けて「慕ってくださっている方々を裏切る行為であり、決して許されるものではありません」などと公式サイトとツイッターで謝罪した。

乙武氏は2001年に結婚し、2男1女の父。週刊新潮は、20代後半の女性と年末年始にパリなどに海外旅行に出かけたことや、国内でも密会したことなどを伝えている。乙武氏は同誌の取材に不倫を認め、記事によると、この20代後半女性以外にも親密交際した女性が2人おり、「一晩限り」の女性たちもいたことを明かしている。

乙武氏は作家活動に加え、教員や教育委員を歴任。ごみ拾いボランティアも主催している。

【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研と同レベルか?

乙武氏といえば、夏の参院選に出馬するという噂がありました。朝日新聞には、以下のような記事が掲載されていたので、今回の不倫騒動がなければ、出馬の予定であったのは間違いないようです。

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自民、乙武洋匡氏擁立で最終調整 参院選「目玉候補」に

自民党は夏の参院選に、「五体不満足」などの著書で知られる作家の乙武洋匡(おとたけひろただ)氏(39)を擁立する方向で最終調整に入った。東京選挙区か比例区での立候補を検討。4月上旬にも正式発表する。

乙武氏は、障害とともに生きてきた経験をもとに執筆や講演活動を続けており、安倍政権の掲げる「1億総活躍社会」に合うとして、同党の「目玉候補」に浮上した。早稲田大学在学中に出版した「五体不満足」はベストセラーに。2007年から3年間、小学校教員を務めたほか、東京都教育委員なども務めていた。
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乙武氏は、不倫騒動後にテレビなどでインタビューを受けたときに「参院に出馬されるそうですが」と聴かれて、はっきりとは否定していませんでした。

今回の不倫騒動がなければ、「出馬します」とか「その予定です」と答えたのだと思います。

そんなところに降って沸いたように、不倫騒動が持ち上がってしまったため、大方の予想ではおそらく、参院出馬はこれでなくなったと見ているようです。

しかし、乙武氏の発言からは、今のところ出馬は完璧に断念したという発言はありません。おそらく、自民党のほうとしても、はっきりと断念するというのではなく、様子見というところなのだと思います。

そうして、私自身は、乙武氏は出馬を断念はしていないと思います。

さてブログ冒頭の記事には、本当はまだ続きがあって、「以下は乙武氏のコメント全文」と続き、乙武氏と、奥さんの謝罪文が掲載されています。

この記事でも、それを引用したいと思います。内容は、同じなのですが、ここでは敢えて、「謝罪文公式サイト」からそのまま引用します。画像をキャプチャーしたものを以下に掲載します。


これは、報道機関などにFAXで送信されたものと同じものです。これは、ある放送局には朝四時に送られてきたそうです。

私は、この乙武氏の反応は事の是非は別にして、リスク管理の観点からいって非常に優れたものだと思います。

この観点からいうと、乙武氏もしくは乙武氏に協力しているとみられる、リスク管理の軍師は、かなり良い管理を行っていると思います。

以下、乙武氏の倫理問題は全く別にして、リスク管理の観点のみから、今一度この出来事をみなおしてみましょう。

まずは、乙武氏が週刊新潮で不倫に関するインタビューを受けたときに、「5人の女性」と不倫したとはっきり述べています。これは、おそらく、マスコミなどか調べた場合、おそらくこの5人に関しては、調べることが可能であろうということで、隠し立てせずに最初に5人と語ったうえで謝罪したものと思います。

これを1人、2人などと言ってしまえば、週刊誌やさらに他のマスコミが調べて、別の不倫が発覚などということになるよりも、はるかに傷口は少なくてすみます。

乙武氏に近い人の間では、乙武氏は奔放な人柄であることは周知の事実だったようです。そのため本当は、さらに多くの不倫相手がいたかもしれません。しかし、それは別にして、とにかく5人まではマスコミ等が丹念に調べれば、調査可能と判断して、5人という具体的な数をあげたものと思います。

その後に、朝の四時前後という非常に早い段階で、謝罪文を発信しています。これだと、テレビやラジオだと、当日中にこの事実を報道してもらえる可能性が非常に高いと判断したのだと思います。

新聞でも、紙ベースの新聞には間に合わないかもしれませんが、ウェブ版なら確実に間に合いますし、紙ベースでも夕刊になら確実に間に合います。

そうして、謝罪文に関しても、内容は簡潔で、要領を得たものであり、それも乙武氏のものだけではなく、奥さんの仁美さんのものまで出しています。

そうして、その内容も謝罪文としては、非の打ち所のないものであり、特にすでに夫婦間で不倫に関しては、コンセンサスがとれており、その上でこれからも、夫婦としてともに歩んでいくことが掲載されています。

そうして、この謝罪文は、「謝罪文公式サイト」にも同じものが、かなり早い時期に掲載されています。このサイトへのリンク先を以下に掲載しておきます。
http://ototake.com/
そうして、この掲載されているサイトがすごいのです。すごいとは、一体どういうことかというと、これに関しては「ふくゆきブログ」という個人ブログの内容をご覧いただくとわかると思います。そこから、以下にその内容をそのままコピペさせていただきます。
今回、不倫で有名になった乙武さんの謝罪文はAWSのS3で構築してる。技術的にもプロの犯行だ。S3とは、ざっくり言うとAmazonさんが運営してるほぼ絶対落ちない静的サーバのことです。http://ototake.com をDNSで全部S3に降ってる。要するに謝罪文しか表示しないけど絶対落ちないサーバをAmazonさんから短期的に借りる。今後、芸能人の謝罪文はAWSのS3というソリューションが増える。GMOさんは芸能人に強いのに営業しないのかな。CAと組んで謝罪文サーバとか売ればいいのに。これは、芸能人のサイトを運用している人には重要な事例だ。教科書にのるかもしれない。むしろ、今後の謝罪ページのセオリーになるかもしれない。昔に比べて、DNSの浸透は爆速になったので、こういうのが可能なんだろな。
今まで、ototake.comを無視して、短期的にS3にDNSを降ることで、以下のメリットが有る。
・いくらアクセスが来ても落ちない。さすがAmazon。・別のサーバなので昔のototake.comの記事が速攻で見られなくなる。(googleキャッシュ、webarchiveとかweb魚拓以外)・謝罪モードが終わった時の復旧が楽。正直、メディア対策として、メリットは大きい。今後、参考にすべきだ。
乙武氏もしくは、そのリスク管理の軍師がAmzonが運営しているこのようなサイトに謝罪文を掲載することを意思決定したということです。

twitterなどのSNSで謝罪などすれば、炎上の恐れもあります。実際、乙武氏のツイッターのタイムラインをみてみましたが、炎上ぎみです。そうして、乙武氏は沈黙しています。ブロックなどはしてはいなようで、タイムラインに批判が結構並んだ状態になっています。

これもリスク管理的にみると、正しい措置です。ここで、乙武さんがいちいち批判に対して、応えていれば、ますます傷口を広げるだけになると思います。また、下手にブロックなどすれば、ブロックされたということが、ツイッターなどのSNSに掲載され、傷口を広げることになります。

しかし、このままだと、乙武は何も応えないということで、傷口を広げることになるところですが、そこは「謝罪専用サイト」設置して、そこに謝罪文を掲載するということで、そこには、一般の人がコメントできない形式で謝罪文だけが掲載してあるということで、これも傷口が広がらないような措置がなされています。

この一連の流れをみると、おそらく乙武さんには、やはりリスク管理のプロがついているのだと思います。

それにしても、そもそも、不倫をしなければ、このようなリスク管理も必要なかったのであり、脇が甘いと言われてしまえばそれまでではあります。しかし、人間は誰しも失敗することはあるので、乙武さんの今回の不倫騒動を単なる不倫の問題の側面だけみていては、何も得ることはありませんが、これをリスク管理の観点からみると、非常に良い事例になると思います。

さて、今のところその観点からいえば、初期対応では管理がうまくいって、同じ不倫騒動でもあの議員退職した、宮崎議員の対応などと比較すれば、プロ級の対応で終わって傷口をあまり広げない措置がなされています。これは、あのSTAP細胞騒動で揺れた、理研のリスク管理よりも数段上です。

2014年4月の会見時の小保方さん
そうして、このような対応をしていることから、乙武さんはまだ、参議院議員に出馬することを諦めていないのだと思います。さらに、参議院議員になれなくても、今回のことで傷ついたイメージできるだけ回復したいと考えているはずです。

そうして、乙武さんの背後にリスク管理のブロがついているとすれば、そのブロは自民党からの公認を得るために、次の手を打つことと思います。

それがどのような手なのか、リスク管理の観点から興味がつきないところです。もし、乙武さんが参院に出馬できたり、あるいは参議院議員になれたとしてら、このプロはただものではないということになると思います。

それから今回は、掲載しませんでしたが、乙武氏は自身のパーソナルブランドを長期間にわたり積み上げ着実につくりあげてきたのですが、それが今回のことでかなり毀損されてしまいました。これをどのように修復していくのかも興味のつきないところです。


私たちは、どのような人からも学ぶことはできます。多くの人が倫理問題のみで思考停止しているようですが、リスク管理や、パーソナルブランドに関して、乙武氏から学べることは多くあります。

この、ブログでも、倫理問題に関しては触れたとしても何の益にもならないので、これからも触れることはありませんが、今後こうした観点から、乙武さんの行動や言動に何か変化が見られた場合、また掲載させていただきます。

【追記】

本日3月25日(金)に追記を加えることにしました。タイトルも少し変えました。

最初のタイトルは『【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研より数段上(゚д゚)!』というものでしたが、本日になって『【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研と同レベルか?』にタイトルを変えました。

なぜそのようにしたかといえば、リスク管理の観点からみると、本日に至るまで、記者会見をして謝罪をしないからです。やはり、今回のような件については、自ら記者会見を開催し、謝罪をすべきだったでしょう。

さらに、今回の場合奥さんも謝罪していることから、奥さんも会見場に来て、質問等に応えるべきであったと思います。

しかし、今に至るまで、謝罪会見はないし、その予定も公表されていないことから、リスク管理の観点からすると、これは及第点はあげられるような内容ではありません。

考えるに、乙武さん自身は、選挙がどうのこうのというより、やはり家庭、特にお子さんを省みて、これ以上子供のために晒し者にはなりたくないという思いがあったのかもしれません。

だから、リスク管理をうまくやること、パーソナルブランドの毀損を補うことをやめて、子供のことを第一に考えたのだと思います。

乙武氏がそのように決断したというのであれば、それはそれで良いと思います。何しろ、乙武家は家族であって、企業でもないし、役所でもないのですから・・・・・。

本日は、以下のような記事が産経新聞に掲載されていました。
5人不倫の乙武氏、参院選出馬断念か 夫婦での謝罪コメントに政治への強い未練が…
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、乙武氏の不倫は、あまりにも代償の大きいものだったようです。

乙武氏は、まだ政治家になることを諦めていないというのなら、謝罪会見を実施したでしょうが、それはしませんでした。

これは、これ以上家族、特に子どもを守ろうという意図の現れではないかと思います。少なくとも、私はそう信じたいです。
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