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2015年5月2日土曜日

習主席に脅威 側近に“黒いカネ”爆弾 「反腐敗運動」トップ自ら汚職疑惑 ―【私の論評】通常の権力闘争か、クーデターから中国分裂まで発展するのか(゚д゚)!


習近平
「一族が巨額資産を保有」と米紙に暴露された中国・習近平国家主席。その権力基盤が揺るぎかねない重大懸念が浮上している。「反腐敗運動」を主導する腹心、王岐山・中国共産党中央政治局常務委員ら政権中枢幹部のスキャンダルが炸裂(さくれつ)しそうなのだ。背後で暗躍するのは「権力ハンター」「闇の帝王」などの異名を持つ謎多き政商と、失脚した大物幹部を兄に持つ実業家。中南海(党・政府所在地)に激震をもたらす爆弾情報とは-。

「スキャンダルが公になれば、『反腐敗運動』は頓挫しかねない。それだけに、われわれの同胞はみな事の成り行きに注目している」

中国共産党の高級幹部の子弟「太子党」関係者はこう声を潜める。

中国人社会の間で注目を集める「スキャンダル」とは、習政権を支える王岐山氏に関するものだ。

習氏が推し進める「反腐敗運動」で、腐敗官僚たちを次々と血祭りに上げている「党中央規律検査委員会」。その書記を務める王氏は、取り締まり側の現場責任者として辣腕(らつわん)をふるってきた。運動を、政敵潰しと国民の人気集めに利用してきた習氏にとって、政権の屋台骨を支えるキーマンともいえる。

王岐山
その王氏に関する不穏な情報が出回っている。

「郭文貴氏という中国人実業家が、亡命先の米国で受けた米国メディアでのインタビューが発端だ。このなかで郭氏が、王氏自身も過去に汚職に関与していた…とほのめかした。事実なら、『反腐敗運動』の取り締まり側のトップが腐敗していたことになり、運動そのもの、ひいては習政権の正当性が問われることになる」(先の太子党関係者)

郭文貴
習政権中枢の大物幹部のスキャンダルを握っているとされるこの郭氏。最近まで謎多き人物として正体が知られていなかった。

複数の中国メディアによると、年齢は48歳で、「謎の実業家」「権力ハンター」などの異名を持ち、155億元(約2976億円)の資産を持つとされる。

習政権にとっての脅威はこれだけではない。

習氏に失脚させられた令計画・人民政治協商会議副主席の弟、令完成氏の存在だ。

令完成
 「2人の動向にピリピリしているのは間違いない。習政権は『反腐敗運動』への国民の支持によって持っているようなもので、その正当性を覆すようなスキャンダルがこのタイミングで出るのはまずい。政権運営に響く、そうした事態だけは避けたいと思っているはずだ」(鳴霞氏)

赤い帝国に衝撃は走るか。

【私の論評】通常の権力闘争か、クーデターから中国分裂まで発展するのか(゚д゚)!

習近平の腐敗撲滅運動に関しては、以前もこのブログに何度か掲載しました。最近のものではクーデターがあり得ることを掲載しました。ブログ冒頭の記事からは、クーデター一歩手前まで言っている様子が見て取れます。

習近平に相対する勢力はまずは王岐山をスキャンダルで失脚させ、彼らから見れば習近平の暴走を止めようという腹です。これが成就すれば、習近平の腐敗撲滅運動は頓挫します。

これでも、頓挫しなければ、いよいよクーデターの実行をするということで、様々な画策や裏取引がなされているはずです。

しかし、ここで今一度私達は、中国という国の内情をもう一度見つめなおしておく必要があります。多くの人々が中国幻想に酔ったり、酔った人々の言論活動に幻惑されたりして、中国という国の本質を見失っています。

中国には、まともな先進国にみられるような、民主化、政治と経済の分離、法治国家化がなされていません。無論、先進国のそれらが、理想的なものかといえば、そんなことはなく全く満足のいくものではありません。しかしながら、すくなくとも形式上は存在します。中国の場合、形式どころか、はなから微塵もありません。

中国のという国は、一応国と名乗っていますが、私達日本人の概念や、まともな他の先進国の概念にはあてはまらない、集団組織です。

中国をまともな国とみなしてはいけない

まずは、多民族国家であり、これは何もチベットや、ウイグル、内モンゴル、満州などに多民族が多く存在するというにおよばず、中国全体が多民族の集合体です。そうして、現中国は、これらの地域を侵略して乗っ取って現在の版図を形成しています。

そのためもあってか、建国以来年平均で毎年平均2万件もの暴動がありましたてが、2010年あたりからは、おそらく毎年平均10万件以上の暴動が発生し、それ以来政府も公表しなくなりました。

そうして、経済的には2008年のリーマン・ショック時に事実上破綻しています。ただし、海外から資金の流入などで、今まで何とか自転車操業でやりくりしてきたものの、2014年に日本が金融緩和に転じたことから、その経済の破綻ぶりが、表に出るようになりました。

また、中国には中央にも、地方にも日本のような先進国にみられるような、選挙制度はありません。建国以来一度も選挙をしたことがありません。だから、言葉の厳密な意味で中国には政治家は存在しません。存在するのは、すべて官僚です。

そうして、この国の官僚は全員が完璧に腐敗しきっています。官僚でトップクラスにのぼるためには、他の官僚を手懐けるために、低位の官僚には直接金を、高位の官僚には利権を与えて、自分で荒稼ぎできるように取り計らいます。こういうやり方で、周りの官僚を手なづけて、自分の側につけることてができる人間が、高位に登ります。

ある官僚がとてつもなく能力があったにしても、直接金やモノをくれたり、さらに利権をくれてやったりしなければ、誰もその官僚につかないので、結局高位につくことはできません。日本の官僚の腐敗は、中国のそれと比較すとまるで天使の戯れ事のように清らかなものです。日本の官僚の腐敗など、中国人からみれば、何が問題であるのか理解が及ばないことでしよう。

これは、建国当時から変わりありません。誰一人例外もありません。習近平も、他の幹部もすべて、自ら巨大利権を獲得して、手下の官僚に金をばらまいたり、利権を分け与えたりしています。それができないものは、中国では幹部になれません。ましてや、どう頑張ってみたところで、絶対に主席になどなれません。

アメリカだって、本質的には大きな利権を手にしたものが、大統領になりやすいし、利権も金もない人間はどうあがいても、大統領にはなれないというのも事実ですが、そんなことなど霞んでしまうほど、中国の場合は、直接的な金やモノのやりとり、利権のやり取りが行われています。選挙制度がないので、このようなことにさらに拍車がかかってしまうのだと思います。

中国の政治風土がそういう土壌なのですから、習近平自身も腐敗しているし、習近平の配下のものも全員腐敗しています。腐敗で失脚させられたものや、させられたものの肉親や縁者など、当然そう思っています。

権力闘争なら、切った張った、殺し殺されという具合で、正々堂々とやれば良いものを腐敗撲滅などという美名のもとに、実行するものですから、犠牲になったほうは、恨み骨髄ということになります。

それと、中国は一般の日本人が考えているように、一枚岩ではありません。こういうと、日本だって一枚岩ではないといわれるかもしれませんが、中国と比較すれば、日本は強固な一枚岩です。

どういうことかといえば、日本では選挙制度というものがあるので、民主党政権のときには、民主党を与党とした政権が政治を担います。ここで、いくら自民党あたりが頑張ってみても、次の選挙で勝たなければ、どうにもならず、民主党政権下での政治が続いたわけです。

しかし、中国は選挙がないということで、そんなことにおかまいなくして、たとえば習近平が失脚すればそれで政権も実質的におしまいです。だから、中国の政治は当然一枚岩どころか、複数の派閥の権力抗争の結果にかなり左右されます。ブログ冒頭の記事にもみられるように、中国には上海閥とか、太子党などの派閥があります。

ここで中国の派閥について概説しておきます。以下の概説少し前のものなので、内容は多少異なっているとろもありますが、基本的には現在も同じです。

■中国八大派閥概説

(1)太子党
説明不要のボンボン派閥。国家主席の習近平を筆頭に、失脚した薄煕来、俞正声など中央政治局から軍(劉源)・国営企業(胡錦濤の息子胡海峰、ムービースタアの息子温雲松など)・金融系(江沢民の息子江綿恒)まで幅広く活躍中。


(2)団派:
これまた説明不要の大勢力・ユース組織たる「共産主義青年団」出身の政治家たち。胡錦濤を筆頭に李克強、李源潮、汪洋など。現在では団派が地方のトップのうち1/3を占めているという見方も。
胡錦濤

(3)江派(上海閥):
前国家主席江沢民の影響を強く受けている利権集団。現在は呉邦国、賈慶林、李長春、賀国強、周永康と中央常務委員でも大多数を占めているものの、18大では大幅に数を減らすことが確実視されている。大ボスがいつまで表舞台に立っていられるかが勝負の分かれ目。
江沢民

(4)地方実力者
地方勤めを歴任しながら出世してきた実力派。次期18大では薄煕来は失脚してしまいましたが、汪洋、俞正声などが常務委員昇格確実な情勢ですが、他にも
郭金龍・北京市長(四川→チベット→安徽→北京)
王岷・遼寧省党書記(江蘇→吉林→遼寧)
栗戦書・貴州省党書記(河北→陝西→黒龍江→貴州)
などがこれに該当。地方を廻っているうちに歳をとるのが問題点。郭金竜なんかあと2~3年早くチベットのトップに立っていれば……。てくらいな人物と聞いていたんですが。
(5)エリート:
トップの習近平(法学博士号)、そして李克強(経済学博士号)がともに博士号を取得しているように、領導たちの高学歴エリート化が顕著に進んでいる。他にも高い専門性をもって国営企業のトップクラスから地方の領導へと転身する人物(例:張春賢・張慶偉・郭声琨など)や海外の大学を卒業した海亀族(楊潔チ外交部長)などが該当。天下の名門・金日成総合大学を卒業された張徳江副総理を海亀派のエリートと判断するかは、みなさんのお好きにしてください。
(6)中央官僚:
党や国務院での各中央弁公室勤めが長く、そこを出世の足がかりとした人々。天安門事件の時に泣きながら趙紫陽総書記に傘をさしていたムービースタアなんかが典型ですな。一昔前の「テクノクラート」と同類の概念ですが、なかでも「秘書派」という秘書経歴のある人物が上司の覚えめでたく出世を駆け上るパターンが多く、国務院の各部門トップは秘書経験者が大半を占めているとのこと。
(7)清華・北大閥:
文字通り、中国の双璧・清華大学と北京大学出身者。胡錦濤・呉邦国・習近平が清華大学出身者で、李克強・薄煕来・李源潮が北京大学出身。ちなみに文系理系の別も面白く、常務委員は理系出身者が多数を占めるのに対し、中央政治局委員になるとほぼ半々、地方のトップになると文系の方が多くなるという逆転現象が発生しています。
(8)職業役人:
元々は三農(農民が貧しく、農村が立ち遅れ、農業が発展しない)問題の対応策の一つとして、95年ごろから大学生卒業生を農村の幹部として派遣してきた制度がきっかけ。企業や役所勤めを経験することなく幹部役人「村官」を経験することから職業役人と呼称されています。現在では約20万人の「村官」がいると言われており、未来の中央政治を担う人材を輩出するだろうと言われています。
現代中国は、主に上記で示した、8つの派閥の権力闘争の均衡の上に成り立っています。これらの派閥が互いにくっついてみたり、離れてみたり、妥協したり反目して、中国の政治の方向が決まります。この均衡を腐敗撲滅運動で破ったのが、習近平です。

習近平の腐敗撲滅運動が、通常の権力闘争で終わるのか、それともさらにクーデターにまで発展し、挙句の果てに中国自体が分裂するのか、ここしばらくは、予断は許されない状況になっています。実際に、最悪の事態になれば、現中国が分裂するということもありえます。

このブログも今後注意深く中国の状況をみまもりながら、中国が分裂して弱小国になることを期待しながら、何か変化があれば、また掲載させていただきます。

それにしても、このおかしげな、まともな国とはいえない、集団組織ははやく分裂して、まともな国家を形成していただきたいものだと思います。それが、現中国の人民のためであるし、アジアの平和と安定には不可欠だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年7月1日日曜日

【日本の解き方】動き出す200兆円公共投資!増税談合で利権分け前か―【私の論評】デフレ脱却には、やはり、政府による財政出動と、日銀による金融緩和の両方が不可欠!!

【日本の解き方】動き出す200兆円公共投資!増税談合で利権分け前か:



公共投資の復権を考えている人が出始めてきた。自民党は「国土強靭化法案」を今国会に提出している。10年間で総額200兆円をインフラ整備などに集中投資するという。

公共投資をすれば名目GDP(国内総生産)が伸びるという人もいるが、名目GDP伸び率と名目公共投資伸び率のデータを見ると関係はない。理論的には公共投資の需要創出効果はあまりない。十分な金融緩和がないと円高を誘発し輸出減となるという、いわゆる「マンデル=フレミング効果」があるからだ。

そもそも総額200兆円が先に出てくるのがおかしい。本来、公共投資は個々のプロジェクトでみて、便益と費用の比率(B/C)は1を上回っていれば採択し、下回っていたら不採択である。先に総額を決めるというのは、こうした個々のプロジェクトごとの採択基準を無視することにつながる。

それは筆者の大蔵省時代の経験からもいえる。公共投資のB/Cの計算チェックを行った。個別プロジェクトでB/Cが1・00という例が多く、それらはすこし間違いを探すと1・00未満になってしまう。そのような事例が多くなったら、チェックをしなくてもよいと言われた。予算総額が決まっていて、そのままでは予算をつけられなくなるからであろう。

建設投資を見ると、確かに投資額が減っている
もっとも、その時の経験ではB/Cが3以上だと不採択(B/Cが1未満)にはならなかった。後日、海外出張して公共投資担当の人とも話したが、やはり同じようなことを言っており、ドイツやニュージーランドではB/Cの採択基準を3や4に設定しているということだった。

そこで、経済財政諮問会議で同様な提案をしたことがあるが、国交省などから強硬な反対があって、実現しなかった。当時の高速道路で採択基準を「3」にすると採択路線は6割も減少になるからだ。逆にいえば、日本の公共投資の採択基準はそれだけ甘いわけだ。

今回は社会保障に使うから大丈夫という理屈であったが、早くも利権たっぷりの公共投資に化けようとしている。デタラメな増税だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】デフレ脱却には、やはり、政府による財政出動と、日銀による金融緩和の両方が不可欠!!

上の記事を読まれて、皆さんはどう思われたでしょうか?私自身は、高橋洋一氏には従来から、注目しており、氏の意見はもっともであるといつも納得しています。

ただ、今回は、真正面から字面のみ読めば鵜呑みにできない点があります。ただし、裏読みをすれば、高橋氏は、無秩序なインフラ整備には賛同出来ない旨を表明しているのであり、さらに、日銀による金融緩和なしに、デフレからの脱却は困難であることに警鐘を鳴らしていると読み取るべきと思います。

高橋洋一氏
ましてや、自民党など、増税しておいて、無秩序なインフラ整備を多めに行えば、増税しても何も問題ないと考えているとすれば、とんでもない間違いであることを強調したいのだと思います。

確かに、こう考えているとすれば、とんでもないことだと思います。デフレの最中に、増税と、インフラ整備を同時行うのは、危険極まりない行為であると思います。理屈の上では、増税しても、インフラ整備を多めにやれば、国民の所得が増え何も問題ないかのようにも見えます。

福岡市のインフラ整備
しかし、経済というのはバランスが重要ですから、まず、最初は、増税などしないようにして、金融引締めで、暴走している日銀を日銀法改正などで、金融引締め一辺倒ではない金融政策に変更するという担保を確保したうえで、大規模な財政出動をして、税収を増やし、そうこうしているうちに、デフレから脱却したどころか、景気が加熱して、ハイパーインフレになりそうな状況になってきた場合、増税や緊縮財政、金融引締めを実施するというのが、順当な行き方です。

私自身も、従来は、政府の財政出動ばかり期待していたところがありますが、やはり、日銀が金融引き締めばかりやっている最中に、財政出動をしても、短期的には効果があるかもしれませんが、長期的にはデフレ克服までには至らないと思います。

さて、これに関しては、いろいろいと情報が錯綜しており、真実が把握しにくい状況になっています。真実に一歩でも近づくために、以下では、政府の税収に限って、情報を整理していきたいと想います。


さて、上の記事を論評する前に、税収に関してここ30年程度をふりかえっておきます。消費税をはじめて日本で導入して、3%の増税にしたときには、1989年のことで、日本国経済は、インフレ基調であったため、増税した翌年には、税収は増えました。ところが、その翌年から減りはじめ、その次の年は、3%にした年を下回りました。

その後、インフレは収束し、税収は減り続けました、次に、消費税を3%から5%に引き上げた1997年には、若干税収があがりました。ただし、このときはまだ、日本は統計上は、デフレに突入していませんでした。ただし、翌年の1988年に日本経済は、完璧にデフレ基調に移行しました。その後、税収が増えるどころか、1997年の税収を上回ったことはありません。

このデフレの原因は、主に政府による増税を含む緊縮財政と、日銀による金融引き締めによります。特に、1988年から、日銀法が、改悪され、日銀の暴走大勢が露となり、これ以降、完璧に金融引き締め政策を継続するようになりました。とにかく、インフレで冴えなければ良いという具合で、多少のデフレは辞さないという考えで金融政策を定め、実行しているようです。

金融引締め一辺倒で円高を誘導し、中国・アメリカに利する
ことばかり追求する日銀、いずれの国の中央銀行なのか?
しかし、経済学的に、ゆるやかなインフレ(2%から6%くらいまで)は悪性インフレとはいえず、さほど害はないですが、デフレの場合は、ゆるやかなデフレなど存在せず、デフレであること自体が、経済の重篤な病といえます。そもそも、ハイパーインフレは存在しますが、ハイパーデフレなるものは、存在しません。

モノの価値が、一夜で低くなり、モノを買うためにお札を山のよう支払うようなことはあっても、その逆に一夜にして、モノの価格が安くなり、昨日払った金額の1/10で、本日は、同じ商品を購入できるなどということは歴史が始まって以来一度もありません。たとえ、0.5%のデフレであっても、経済の病であることにはかわりありません。大変なことです。そうして、最大でも、年率2%程度のデフレしか、人類は経験したことがありません。



そのため、インフレは誰でもすぐに認識できますが、デフレは意外と多くの人が認識できないため、人の病気きでいえば、自覚症状のない癌のようであり、人によっては、デフレを経済の癌と呼ぶ人もいるくらいです。現在の日本のように、デフレが、14年間も続く異常な状況にいると、デフレが慢性化して、異常な状況を認識しない、ゆでガエル状況の人がでてきます。野田総理や、安住財務大臣などは、今がデフレであり異常な状態であるとは、本当は認識していないのかもしれません。

当時ライブドアの社長だった、堀江貴文氏も今や牢の中
2001年小泉政権になり、この政権は、2006年まで継続した。2003年から、2006年にかけて、税収が増えていますが、これに関しては、小泉政権による、国債の日銀引受は禁じ手でも何でも無く高橋洋一氏主導で、毎年やっていたため、この対策により小泉政権下では1ドル120〜130円台の円安をキープしていました。結果として、日銀に、金融緩和政策を実施させたことになります。この時期に、いわゆる堀江貴文によるライブドア事件、村上ファンド事件が発生したことは記憶に新しいです。


村上ファンドの村上氏、いまはこの人も牢の中
小泉政権は、2006年までしか存続しなかったため、これ傾向は、2008年でピタリと終焉しています。2007年には、税収があがっていますが、これは、小泉政権が終焉して、高橋洋一氏が第一線を退いても、結果としてマネタリーベース(市中で出回っているお金)が、多めであったため、このような結果になったものと推察します。



2008年(平成20年)9月24日から2009年(平成21年)9月16日まで続いた麻生政権による2008年における、予算策定により、2009年中は大規模な財政出動が行われ、景気の拡大がみられました。ちなみに、この30年間で、緊縮財政を行わなかったのは、麻生政権と、小渕政権のみです。おぶち政権のときは、株価が回復して、2万円台だったことをご記憶の人も多いと思います。その後、民主党政権に政権交代し、「コンクリートから人」をスローガンとして、緊縮財政に戻ったため、昨年の3月に発生した、震災による復興需要も、帳消しされ、現在でも、デフレ基調にあります。

平成の幕開けを伝えた、在りし日の小渕氏

また、日銀は、1%のインフレ目処を発表したため、市場も好感し、一時株価が上昇するなどの現象もみられたが、結局追加緩和策などとりやめとなり、あいかわらず、金融引き締め的な金融政策から、脱し切れていません。

未だ記憶にあたらしいニュージーランド地震
私自身は、上の記事で、高橋氏が、日本の公共投資のB/Cが、ドイツやニュージーランドではB/Cの採択基準を3や4に設定しているといいますが、日本とドイツや、ニュージーランドとは、根本的に異なるところがあります。それは、日本は、これらの国に比較して、自然災害が極めて多いということです。最近、ニュージーランドでは地震がありましたが、その後発生した、日本の、地震や津波の被害とは比較しようもなく規模が小さいです。また、日本では、地震は、他国に比較すれば、頻繁に発生します。


毎年繰り返される台風による被害
それに、日本には、これらの国にはない、台風による風水害その他の災害が毎年のように発生しています。さらに湿度も高く、インフラが痛みやすい条件が揃っています。だから、日本のB/Cがこれらの国より、多少甘くなるのは、当然のことと思います。それに、このブログの冒頭で示したグラフのように、建設投資など、数十年前の水準にまで下がっています。そのため、最近では、老朽化したインフラが目立っていることも事実です。そのため、経済効果が薄いにしても、やるべき公共工事は実施しなければなりません。それに、同じ公共工事でも、経済効果が高いものは、優先的に実施するべきと思います。

しかし、高橋氏は、自民党による国土強靱化は、10年間で総額200兆円をインフラ整備などに集中投資ということだけで、どのような投資をするのか、そのビジョンがはっきりしていないことを批判しているのだと思います。


そうして、忘れてはならないのは、日本のデフレ脱却は、まずは、日銀によるデフレ促進策をやめさせること、その上で、今後の日本のあるべき姿に向けた、強力な財政出動を行うべきことです。日銀の金融政策が変わらない限り、円高は是正されず、となれば、産業の空洞化は避けられません。だからこそ、この両輪が揃わない限り、あり得ないということです。


経済も、人体のように均整のとれたプロポーションであらねば?
それに、増税しつつ、インフラ整備に多大な資金投下するということは、癌患者に対して、癌の進行を止めるどころか、進行させるような外科手術を施し、それと同時に抗癌剤を投与するような、ハチャメチャなやり方です。こんなやり方をすれば、癌患者がどうなるのか、わかったものではありません。とんでもないことです。高橋氏は、だからこそ、上の記事のような言い回しになったのであり、順番など間違えていなければ、上のような言い方はしなかったと思います。経済は、人体が均整がとれてなければ、問題があるのと同じように、時間軸も含めた種々様々なバランスのもとに成り立っていることを忘れてはいけないということです。


みなさんは、どう思われますか?





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