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2018年7月30日月曜日

元官僚の筆者も驚いた「霞ヶ関ブローカー」の暗躍と文科省の腐敗―【私の論評】雇用・外交を蔑ろにすれば、安倍政権は評価されなくなる(゚д゚)!


やっぱり解体的出直しが必要だ

髙橋 洋一

久々に現れた霞ヶ関ブローカー

また、文科省の局長クラスが逮捕された。息子の「裏口入学」で話題となった佐野太・前科学技術学術政策局長は収賄罪で逮捕され起訴されたが、今度逮捕されたのは、川端和明・前国際統括官。容疑は収賄である。

佐野氏の起訴とともに、佐野氏へ接待をしていたコンサルタント会社元役員の谷口浩司氏も起訴されていたが、同氏は川端氏への接待も行っていたと報道されている。

チャート・写真はブログ管理人挿入 以下同じ

佐野氏と川端氏は、旧科学技術庁に1年違いで入省した先輩後輩の関係であった。両氏を接待していた谷口氏は、いわゆる「霞ヶ関ブローカー」といわれる人で、両氏以外にも、経産省や総務省官僚らとの繋がりもあったと噂されている。

まだ残っていたのか…

2000年以降、国家公務員になった人からみれば、今回の文科省の2局長の接待事件は、まるで違う世界のような出来事であろう。筆者ですら、旧時代の悪いものを見せられた気がする。

筆者は、海外勤務が終わって帰国した後、小泉政権の中で、郵政民営化や政策金融改革を行いながら、公務員制度改革も準備を進めていた。小泉政権では政治リソースを郵政民営化に使ってしまったので、公務員改革ができなかったが、その後を継いだ第一安倍政権では、その一部である天下り規制を、国家公務員法の改正として行うことが出来た。国家公務員改革委基本法は、その後の自公政権や民主党政権でもできなかったが、第二次安倍政権になってようやく成就した。

こうした歴史を見てきた人からみれば、まだこんな古典的な接待が、そして霞ヶ関ブローカーが残っていたのか、と驚くしかない

この文科省2局長は、筆者と同世代であるので、当然「国家公務員倫理規定」は知っていたはずだ。もっとも文科省では、昨年初めに組織的天下り問題が発覚したから、そうした規定に鈍感なのかもしれない。文科省の報告書(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/04/19/1382987_04.pdf)によれば、前川喜平前文科事務次官らが中心となって天下りが行われたということになっている。天下りもまた、かなり古典的な手法である。文科省は、接待、天下りという、他省では絶滅した旧来の官僚の得意技が今でも横行しているのだろうか。

前川喜兵衛

ちなみに、前川氏の天下り斡旋も今回の二局長の接待も、それぞれ国家公務員法違反、国家公務員倫理規定違反である。収賄となれば、二局長は刑法違反にもなる。

それにしても、報道によれば、二局長は霞ヶ関ブローカーと家族ぐるみの付き合いを行っていたという。これは、さすがに驚いた。この家族は、そんな接待攻勢を何とも思わなかったのか。家族の弱いところを聞き出して、そこをじわじわと突いていくのは、霞ヶ関ブローカーの手口であるが、その手に易々と乗ってしまったのだろうか。

そういえば、佐野氏の息子は東京医科大学の試験直前に、セブ島に旅行していたというSNSが出回っている。このセブ島旅行にも、霞ヶ関ブローカーが関与しているという噂もある。佐野氏関係では、佐野氏、東京医大の前理事長臼井正彦氏、谷口氏が密談している音声も報道された(http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3430300.htm?1532866636353)。

佐野氏が収賄を否定しているので、贈賄側からの情報がリークされたのだろう。佐野氏が職務権限なしで争っても、文科省職員が「官房長がこわかった」と法廷証言すれば有罪になりうるだろう。

こうした「霞ヶ関ブローカー」は、政治家との繋がりもあり、谷口氏は野党議員2名との関係もあるとされている。はたして野党は「モリカケ」のようにこの問題を追及することができるのだろうか。

谷口氏との関係を指摘されている吉田統彦(左)衆議院議員 
立憲民主党  羽田雄一郎(右) 参議院議 国民民主党

筆者はこの関係者の構図を見て、かなり以前にあった話を思い出した。それは20年前の「大蔵省スキャンダル事件」のことだ。あのときも、今回のような「霞ヶ関ブローカー」が存在し、大蔵省幹部に食い込んで、次々と交友関係を拡大していた。

当時は、金融機関の大蔵省担当者、いわゆる「MOF担」が接待のキーパーソンであったが、それ以外にも外資系情報機器メーカーの得体の知れない人物などが、大蔵省内を闊歩して、幹部室に入り浸っていた。筆者も、ある幹部から急に幹部室に呼ばれ、その「霞ヶ関ブローカー」を紹介されたこともある。そうした人たちは、大蔵省の過剰接待が問題になった時、自分たちの持っている情報を捜査当局に提出して捜査に協力したので、誰も起訴されなかった。

今回、谷口氏は起訴されているが、多くの情報を捜査当局に提供しただろうから、これからはその情報の一部がリークされ、霞ヶ関や政界(今のところ、経産省、総務省、野党)にもスキャンダルが波及する可能性がある。

また、今回谷口氏が接待という手法を採っていたというのも、驚かされる。かなり古典的な手法だからだ。20年前の大蔵省スキャンダル事件が起こったことで、国家公務員倫理法が1999年に作られ、2000年4月から施行された。同法に基づき国家公務員倫理規定(http://www.jinji.go.jp/rinri/new/kitei170401.htm)が制定され、利害関係者との接待は禁止され、利害関係者との飲食は届け出ることされている。

筆者は、その当時海外勤務であったが、この倫理規定をしっかりと頭にいれたことを思い出す。同時に省庁再編が行われたので、つくづく新しい時代になったと実感したものだ。

なにをすればいいのか

筆者は、予算と権限をもっている官僚が利益を受けるという意味では、天下りと賄賂は同じであると考える。組織的な天下りを行っていたのと、個人で賄賂をもらうのはまったく同じ構造である、ということだ。

組織的な天下りと接待・賄賂が可能であるのは、文科省が大学などの教育機関に対して、文科省が絶大な予算と権限を持っていることを示している。

これは、大学関係者であれば、誰でも知っている。国立大学なら運営交付金、私立大学なら私学助成金なしでは経営は覚束ない。学校運営のすべてについて、箸の上げ下ろしまで、微に入り細に入り、規制でがんじがらめである。文科省は教育関係者からみれば、紛れもなく「お上」であり、意見できる相手ではなく、従わざるを得ない。

本コラムでも、加計学園問題について、学部新設の許認可制度は別として、大学の認可申請すら、文科省が拒否するのは、行政不服審査でも行われたら文科省が負けるのは確実であると指摘した。他省庁では滅多に見れない強権行政である。

なお、特区で行ったのは、認可申請アシストにすぎず、文科省が学部新設の許認可を一切手放さなかったのは、権限に対する並々ならぬ執着のあらわれであろう。

文科省に関する話題は、筆者のような大学教員だと、正直に言えば指摘しにくい。国立大の場合、大学事務局には文科省からの出向者が多いし、教授の中にも天下りが多い。私立大学でも、そこまではないが、程度の差である。それと、大学に対して、文科省は絶対的な権力者である。大学を生かすも殺すも、文科官僚のさじ加減で決まっていると言っても過言でない。

そのため、「大学は文科省の一部局」になっているというのは、決して大げさな表現ではなく、実態そのものである。

2004年までは、国立大学は文科省に置かれている「施設等機関」であり、まさしく「文科省の一部局」だった。そのときには、文科官僚は普通の人事異動によって国立大事務局にいた。その後、国立大学は「独立行政法人」になったが、文科省との関係は従来と同じで、今では文科省から国立大学法人へ「出向」という形にかわっているだけだ。

今後の対応として「官僚の中抜きシステム」も必要ではないか。

日本の財政が危機であるという煽り文句と文科行政の悪弊が組み合わされると大変なことになる。なぜなら「財政が厳しいので、文科行政の資金は選択と集中を行う」という議論が起こり、ますます文科省の権限が強化されることになりかねないからだ。しかも、選択と集中を行うのが文科官僚なので、さらに酷いことになる。

やっぱり解体的出直しが必要だ
今回のような文科省の不祥事が起こると、教育無償化のような資金を要する新たな政策が非難される。

しかし、資金の配分は官僚を経由しなければならないとは限らない。例えば、バウチャー制度なら、事実上官僚抜きで、学生に直接バウチャー(クーポンのようなものだと思ってくれればいい)を配れる。文科省官僚にすべてを任せる今の仕組みがおかしいだけだ。官僚に不要な仲介をさせずに、国民が直接行政の対象になるような制度作りが求められている。

その具体例として、筆者が第一安倍政権にいたときの体験を話そう。私立大学を含めて大学は外部資金が必要なので、寄付金を税控除する仕組み(当時の菅総務大臣が発案した「ふるさと納税」と同様に、寄付先を地方自治体から大学に変えて、税控除するもの)を税制改正要求した。残念ながら、このときは文科省が望んでいないとされたため、日の目を見なかった。

その一方で文科省は、こうした外部資金を拒否しつつ、国立大学法人に対する運営交付金を毎年絞っていった。私学への助成金でも同じだった。と同時に、大学への助成金について、選択と集中という名のもとで、官製競争化を進めていった。

これらによって、文科省は大学への有利な立場をますます高めていった。当然であるが、少なくなった資金を大学は競うように得ようとするから、文科省と大学の関係において、文科省がますます強くなったわけだ。

これではますます文科省に頭が上がらなくなる。そうした構図をなくすためにも、教育機関には文科省に頼らない外部資金が必要である。それとともに、前日のようなバウチャー制度も必要である。これらが導入されれば、文科省はかなりスリムになるだろう。その上で、官僚経由の補助金では、選択と集中をやめて機械的に割り振る、などを実現すればいい。そもそも官僚に「選択と集中」ができるはずなく、せいぜい官僚の裁量を増やすだけで、いい結果はみえないからだ。

教育制度は国の根幹なので、文科省は不要というわけではない。しかし、大学などの教育機関を文科省の一部局と思うような体質であってはならなず、解体的な出直しが必要だ。

最後に、学者として少し愚痴を言っておこう。筆者は、今年度科研費として「天下りの実証分析」をテーマにした研究を申請したが、あまりに「挑戦的」すぎたのか、やはりというか、落選だった。

申請内容は、研究者2名、研究期間3年、研究費490万円。仮に採択されても申請額×0.6が実際の交付額なので、2名、3年、300万円で、一人あたり50万円/年というもの。内容は筆者が役人時代に公務員改革制度の中で、ほとんど利用していないデータがあるので、それらを活用して、公共選択論アプローチで実証分析を行う、というものである。とはいえ、あきらめてはいない。来年度は、「天下リと接待の実証分析」をテーマにして、再提出するつもりである。

【私の論評】雇用・外交を蔑ろにすれば、安倍政権は評価されなくなる(゚д゚)!

ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事にもあるとおり、第一次安倍政権においては、バウチャー制度が検討されていました。しかし、これは上の記事もあるとおり、日の目をみずに安倍第一次政権は崩壊しました。

これは具体的にどのようなものだったのか以下に掲載します。

安倍第一次政権は「抜本的な教育改革」の実現を発足前から重視して生まれた内閣でした。

安倍首相が首相になる前に書いたあの『美しい国へ』(文春文庫)では、首相は1章を割いて「教育の再生」を論じていますし、政権発足後は教育担当の首相補佐官を任命(山谷えり子参院議員)、 10月には「教育再生会議」を発足させています。

その安倍政権が目指す「安倍教育改革」はどのようなものだったのでしょうか。

それは学校と学校のあいだの競争、教師と教師のあいだの競争。

この競争によって学校はよくなり、教師の向上心も上昇する……これが、安倍政権が考える教育改革の根幹です。そして、学校間競争を生むためにバウチャー制度や学校選択制などが、教師間競争を生むために免許更新制や成果報酬制度を導入しようとしていました。

このような大胆かつ壮大な教育制度改革の基礎となるのが、「新・教育基本法」というわけです。ご存知のように、この基本法にはバウチャー制度などは取り入れられませんでしたて。
安倍首相はアメリカの教育制度にも関心があり、特にアメリカの一部で行われている「教育バウチャー制度」を高く評価していました。

以下に安倍総理の著書『美しい国へ』からバウチャー制度に関する部分を引用します。
……期待されるのが教育バウチャー制度である。バウチャーとは、英語でクーポン券みたいなもののことをいう。アメリカでは、私立学校の学費を公費で補助する政策をスクール・バウチャーという。それによって、保護者はお金のあるなしにかかわらず、子どもを公立にも私立にも行かせることができる。
いったい、安倍総理はどうのような教育を目指していたのでしょうか。

ノーベル経済学賞を受賞した有名な経済学者フリードマンが教育バウチャ-制度の提唱者といわれています。

彼もまた、アメリカにおける教育の競争原理の導入を考えていました。そこで彼が提案したのが、親にバウチャーという券を配るというものでした。

子どもの通わせる学校を選んだ親は、配られたバウチャーをその学校に渡して通学します。学校は集めたバウチャーを当局に換金してもらい、学校の予算にする。これが、フリードマンの考えでした。

この制度は、公立・私立問わず、競争原理によって評判のいい学校だけが残り、教育の質が向上するものだということで評価が高まり、アメリカの一部の地方で実施されるに至りました。

お金がない家庭でも私立学校に通えること、そしてその動きに対抗し生徒の流出を防ごうと公立学校は努力をするため、結果的に教育の質が高まる、というところに安倍首相が評価する点があったようです。

当時の第一次安倍政権が考えていた、バウチャー制度の概要を以下に掲載します。

アメリカの場合は高校などを想定していますから、親にバウチャーを発行するというものですが、こちらの場合は大学を想定しているので、バウチャーは親ではなく大学生本人に発行します。

こうなると確かに、競争原理が働くことになります。大学側も少しでも多く学生を集めようということで、真剣になるてじょうし、官僚に不要な仲介をさせずに、国民が直接行政の対象になるような制度となったに違いありません。

さらに安倍政権・自民党独自の案として、「教員免許の更新制導入」というものがありました。これは、平成19年6月の改正教育職員免許法の成立により、平成21年4月1日から教員免許更新制が導入されました。

教員免許は、一度とったら死ぬまで更新されません。そのため、一度公立学校の教師になったら、よほどな不祥事を犯さない限りは教師を辞めさせられることはないのが現在の制度です。

しかし、それでは教師には緊張感をもたせることができず、自らの質の向上を図ることができない……こうしたことから、安倍首相や自民党は教員免許を更新制にし、「ダメ教師にはやめていただく」(『美しい国へ』から)ことにしよう、というわけです。

これができてからは、従来は能力の極端に低い教員であっても、どうすることもできなかったのですが、今では、現場から異動させることができるようになりました。

安倍晋三氏は、この内閣を「美しい国づくり内閣」と命名し、小泉純一郎の構造改革を加速させ、補強していく方針を表明しました。しかし、この内閣は結局崩壊しました。

崩壊の原因としては、やはり経済政策にみるべきものがなく、「教育」「構造改革」だけでは、多くの国民に納得が得られることはなかったためと考えられます。私自身は、「教育」などに興味はあったものの、第一次安倍政権に関してはあまり関心がありませんでした。

ただし、第一次安倍内閣は短期間であったにもかかわらず、かなりのことをやり遂げたということは評価に値します。

以下に第一次安倍政権で成立した主な法案を掲載します。
2006年(平成18年)12月15日成立 - 教育基本法改正
2006年(平成18年)12月15日成立 - 防衛庁設置法等改正(防衛庁・省昇格法)
2007年(平成19年)4月19日成立 ‐ 海洋基本法
2007年(平成19年)5月14日成立 - 日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)
2007年(平成19年)5月15日成立 - イラク復興支援特別措置法改正
2007年(平成19年)5月25日成立 - 児童虐待防止法改正
2007年(平成19年)5月25日成立 - パートタイム労働法改正
2007年(平成19年)6月27日成立 - 学校教育法・教育職員免許法及び教育公務員法・地方教育行政の組織及び運営に関する法律改正(教育改革関連三法)
2007年(平成19年)6月30日成立 - 日本年金機構法、国民年金法改正(社会保険庁改革関連法)
2007年(平成19年)6月30日成立 - 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律(年金時効撤廃特例法)
2007年(平成19年)6月30日成立 - 国家公務員法改正(公務員制度改革関連法)
第二次安倍内閣に関しては、最初に金融緩和、積極財政などを打出したため、私は、特に経済政策を支持するようになり、結果として安倍政権を支持し今日に至っています。

結局のところ、まずは国民生活基本である経済を良くしなければ、国民の支持は得られないということです。

現状の安倍政権は、アベノミクスで経済を良くしつつ、憲法改正などにも取り組んでいます。

そうして、第一次安倍内閣のときには、成立した法案などみていると確かにかなり仕事をしていたのは間違いありません。にもかかわらず、当時は現在のようには支持率はあまり高くはありませんでした。特に若者からの支持は今日ほどはありませんでした。

現状の若い世代の内閣支持率の高さに応えるためにも、現在の安倍政権は安易な財政再建路線はとるべきではありません。それは、財務官僚をはじめとする官僚を喜ばすだけです。国民が喜ぶことはありません。現在の安倍政権の真価は雇用の回復と外交にありました。特に若者からの絶大な支持は、雇用の劇的な回復でした。今後よりそれを強化すべきです。次は雇用の質を改善していくべきです。

バウチャー制度などの教育改革や公務員の汚職撲滅も、雇用が良いのは当たり前という水準で、今度はさらに雇用の質(さらなる失業率の低下、実質賃金上昇、働き方改革など)を改善したうえで実行すれば、実行しやすいし、さらに評価も高まることになります。

雇用を蔑ろにして、教育改革や、公務員の汚職撲滅等に積極的に取り組んだとしても、第一次安倍内閣のときのようにあまり評価されることはないでしょう。

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2015年5月2日土曜日

習主席に脅威 側近に“黒いカネ”爆弾 「反腐敗運動」トップ自ら汚職疑惑 ―【私の論評】通常の権力闘争か、クーデターから中国分裂まで発展するのか(゚д゚)!


習近平
「一族が巨額資産を保有」と米紙に暴露された中国・習近平国家主席。その権力基盤が揺るぎかねない重大懸念が浮上している。「反腐敗運動」を主導する腹心、王岐山・中国共産党中央政治局常務委員ら政権中枢幹部のスキャンダルが炸裂(さくれつ)しそうなのだ。背後で暗躍するのは「権力ハンター」「闇の帝王」などの異名を持つ謎多き政商と、失脚した大物幹部を兄に持つ実業家。中南海(党・政府所在地)に激震をもたらす爆弾情報とは-。

「スキャンダルが公になれば、『反腐敗運動』は頓挫しかねない。それだけに、われわれの同胞はみな事の成り行きに注目している」

中国共産党の高級幹部の子弟「太子党」関係者はこう声を潜める。

中国人社会の間で注目を集める「スキャンダル」とは、習政権を支える王岐山氏に関するものだ。

習氏が推し進める「反腐敗運動」で、腐敗官僚たちを次々と血祭りに上げている「党中央規律検査委員会」。その書記を務める王氏は、取り締まり側の現場責任者として辣腕(らつわん)をふるってきた。運動を、政敵潰しと国民の人気集めに利用してきた習氏にとって、政権の屋台骨を支えるキーマンともいえる。

王岐山
その王氏に関する不穏な情報が出回っている。

「郭文貴氏という中国人実業家が、亡命先の米国で受けた米国メディアでのインタビューが発端だ。このなかで郭氏が、王氏自身も過去に汚職に関与していた…とほのめかした。事実なら、『反腐敗運動』の取り締まり側のトップが腐敗していたことになり、運動そのもの、ひいては習政権の正当性が問われることになる」(先の太子党関係者)

郭文貴
習政権中枢の大物幹部のスキャンダルを握っているとされるこの郭氏。最近まで謎多き人物として正体が知られていなかった。

複数の中国メディアによると、年齢は48歳で、「謎の実業家」「権力ハンター」などの異名を持ち、155億元(約2976億円)の資産を持つとされる。

習政権にとっての脅威はこれだけではない。

習氏に失脚させられた令計画・人民政治協商会議副主席の弟、令完成氏の存在だ。

令完成
 「2人の動向にピリピリしているのは間違いない。習政権は『反腐敗運動』への国民の支持によって持っているようなもので、その正当性を覆すようなスキャンダルがこのタイミングで出るのはまずい。政権運営に響く、そうした事態だけは避けたいと思っているはずだ」(鳴霞氏)

赤い帝国に衝撃は走るか。

【私の論評】通常の権力闘争か、クーデターから中国分裂まで発展するのか(゚д゚)!

習近平の腐敗撲滅運動に関しては、以前もこのブログに何度か掲載しました。最近のものではクーデターがあり得ることを掲載しました。ブログ冒頭の記事からは、クーデター一歩手前まで言っている様子が見て取れます。

習近平に相対する勢力はまずは王岐山をスキャンダルで失脚させ、彼らから見れば習近平の暴走を止めようという腹です。これが成就すれば、習近平の腐敗撲滅運動は頓挫します。

これでも、頓挫しなければ、いよいよクーデターの実行をするということで、様々な画策や裏取引がなされているはずです。

しかし、ここで今一度私達は、中国という国の内情をもう一度見つめなおしておく必要があります。多くの人々が中国幻想に酔ったり、酔った人々の言論活動に幻惑されたりして、中国という国の本質を見失っています。

中国には、まともな先進国にみられるような、民主化、政治と経済の分離、法治国家化がなされていません。無論、先進国のそれらが、理想的なものかといえば、そんなことはなく全く満足のいくものではありません。しかしながら、すくなくとも形式上は存在します。中国の場合、形式どころか、はなから微塵もありません。

中国のという国は、一応国と名乗っていますが、私達日本人の概念や、まともな他の先進国の概念にはあてはまらない、集団組織です。

中国をまともな国とみなしてはいけない

まずは、多民族国家であり、これは何もチベットや、ウイグル、内モンゴル、満州などに多民族が多く存在するというにおよばず、中国全体が多民族の集合体です。そうして、現中国は、これらの地域を侵略して乗っ取って現在の版図を形成しています。

そのためもあってか、建国以来年平均で毎年平均2万件もの暴動がありましたてが、2010年あたりからは、おそらく毎年平均10万件以上の暴動が発生し、それ以来政府も公表しなくなりました。

そうして、経済的には2008年のリーマン・ショック時に事実上破綻しています。ただし、海外から資金の流入などで、今まで何とか自転車操業でやりくりしてきたものの、2014年に日本が金融緩和に転じたことから、その経済の破綻ぶりが、表に出るようになりました。

また、中国には中央にも、地方にも日本のような先進国にみられるような、選挙制度はありません。建国以来一度も選挙をしたことがありません。だから、言葉の厳密な意味で中国には政治家は存在しません。存在するのは、すべて官僚です。

そうして、この国の官僚は全員が完璧に腐敗しきっています。官僚でトップクラスにのぼるためには、他の官僚を手懐けるために、低位の官僚には直接金を、高位の官僚には利権を与えて、自分で荒稼ぎできるように取り計らいます。こういうやり方で、周りの官僚を手なづけて、自分の側につけることてができる人間が、高位に登ります。

ある官僚がとてつもなく能力があったにしても、直接金やモノをくれたり、さらに利権をくれてやったりしなければ、誰もその官僚につかないので、結局高位につくことはできません。日本の官僚の腐敗は、中国のそれと比較すとまるで天使の戯れ事のように清らかなものです。日本の官僚の腐敗など、中国人からみれば、何が問題であるのか理解が及ばないことでしよう。

これは、建国当時から変わりありません。誰一人例外もありません。習近平も、他の幹部もすべて、自ら巨大利権を獲得して、手下の官僚に金をばらまいたり、利権を分け与えたりしています。それができないものは、中国では幹部になれません。ましてや、どう頑張ってみたところで、絶対に主席になどなれません。

アメリカだって、本質的には大きな利権を手にしたものが、大統領になりやすいし、利権も金もない人間はどうあがいても、大統領にはなれないというのも事実ですが、そんなことなど霞んでしまうほど、中国の場合は、直接的な金やモノのやりとり、利権のやり取りが行われています。選挙制度がないので、このようなことにさらに拍車がかかってしまうのだと思います。

中国の政治風土がそういう土壌なのですから、習近平自身も腐敗しているし、習近平の配下のものも全員腐敗しています。腐敗で失脚させられたものや、させられたものの肉親や縁者など、当然そう思っています。

権力闘争なら、切った張った、殺し殺されという具合で、正々堂々とやれば良いものを腐敗撲滅などという美名のもとに、実行するものですから、犠牲になったほうは、恨み骨髄ということになります。

それと、中国は一般の日本人が考えているように、一枚岩ではありません。こういうと、日本だって一枚岩ではないといわれるかもしれませんが、中国と比較すれば、日本は強固な一枚岩です。

どういうことかといえば、日本では選挙制度というものがあるので、民主党政権のときには、民主党を与党とした政権が政治を担います。ここで、いくら自民党あたりが頑張ってみても、次の選挙で勝たなければ、どうにもならず、民主党政権下での政治が続いたわけです。

しかし、中国は選挙がないということで、そんなことにおかまいなくして、たとえば習近平が失脚すればそれで政権も実質的におしまいです。だから、中国の政治は当然一枚岩どころか、複数の派閥の権力抗争の結果にかなり左右されます。ブログ冒頭の記事にもみられるように、中国には上海閥とか、太子党などの派閥があります。

ここで中国の派閥について概説しておきます。以下の概説少し前のものなので、内容は多少異なっているとろもありますが、基本的には現在も同じです。

■中国八大派閥概説

(1)太子党
説明不要のボンボン派閥。国家主席の習近平を筆頭に、失脚した薄煕来、俞正声など中央政治局から軍(劉源)・国営企業(胡錦濤の息子胡海峰、ムービースタアの息子温雲松など)・金融系(江沢民の息子江綿恒)まで幅広く活躍中。


(2)団派:
これまた説明不要の大勢力・ユース組織たる「共産主義青年団」出身の政治家たち。胡錦濤を筆頭に李克強、李源潮、汪洋など。現在では団派が地方のトップのうち1/3を占めているという見方も。
胡錦濤

(3)江派(上海閥):
前国家主席江沢民の影響を強く受けている利権集団。現在は呉邦国、賈慶林、李長春、賀国強、周永康と中央常務委員でも大多数を占めているものの、18大では大幅に数を減らすことが確実視されている。大ボスがいつまで表舞台に立っていられるかが勝負の分かれ目。
江沢民

(4)地方実力者
地方勤めを歴任しながら出世してきた実力派。次期18大では薄煕来は失脚してしまいましたが、汪洋、俞正声などが常務委員昇格確実な情勢ですが、他にも
郭金龍・北京市長(四川→チベット→安徽→北京)
王岷・遼寧省党書記(江蘇→吉林→遼寧)
栗戦書・貴州省党書記(河北→陝西→黒龍江→貴州)
などがこれに該当。地方を廻っているうちに歳をとるのが問題点。郭金竜なんかあと2~3年早くチベットのトップに立っていれば……。てくらいな人物と聞いていたんですが。
(5)エリート:
トップの習近平(法学博士号)、そして李克強(経済学博士号)がともに博士号を取得しているように、領導たちの高学歴エリート化が顕著に進んでいる。他にも高い専門性をもって国営企業のトップクラスから地方の領導へと転身する人物(例:張春賢・張慶偉・郭声琨など)や海外の大学を卒業した海亀族(楊潔チ外交部長)などが該当。天下の名門・金日成総合大学を卒業された張徳江副総理を海亀派のエリートと判断するかは、みなさんのお好きにしてください。
(6)中央官僚:
党や国務院での各中央弁公室勤めが長く、そこを出世の足がかりとした人々。天安門事件の時に泣きながら趙紫陽総書記に傘をさしていたムービースタアなんかが典型ですな。一昔前の「テクノクラート」と同類の概念ですが、なかでも「秘書派」という秘書経歴のある人物が上司の覚えめでたく出世を駆け上るパターンが多く、国務院の各部門トップは秘書経験者が大半を占めているとのこと。
(7)清華・北大閥:
文字通り、中国の双璧・清華大学と北京大学出身者。胡錦濤・呉邦国・習近平が清華大学出身者で、李克強・薄煕来・李源潮が北京大学出身。ちなみに文系理系の別も面白く、常務委員は理系出身者が多数を占めるのに対し、中央政治局委員になるとほぼ半々、地方のトップになると文系の方が多くなるという逆転現象が発生しています。
(8)職業役人:
元々は三農(農民が貧しく、農村が立ち遅れ、農業が発展しない)問題の対応策の一つとして、95年ごろから大学生卒業生を農村の幹部として派遣してきた制度がきっかけ。企業や役所勤めを経験することなく幹部役人「村官」を経験することから職業役人と呼称されています。現在では約20万人の「村官」がいると言われており、未来の中央政治を担う人材を輩出するだろうと言われています。
現代中国は、主に上記で示した、8つの派閥の権力闘争の均衡の上に成り立っています。これらの派閥が互いにくっついてみたり、離れてみたり、妥協したり反目して、中国の政治の方向が決まります。この均衡を腐敗撲滅運動で破ったのが、習近平です。

習近平の腐敗撲滅運動が、通常の権力闘争で終わるのか、それともさらにクーデターにまで発展し、挙句の果てに中国自体が分裂するのか、ここしばらくは、予断は許されない状況になっています。実際に、最悪の事態になれば、現中国が分裂するということもありえます。

このブログも今後注意深く中国の状況をみまもりながら、中国が分裂して弱小国になることを期待しながら、何か変化があれば、また掲載させていただきます。

それにしても、このおかしげな、まともな国とはいえない、集団組織ははやく分裂して、まともな国家を形成していただきたいものだと思います。それが、現中国の人民のためであるし、アジアの平和と安定には不可欠だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年6月22日日曜日

「朝鮮民族は怠惰」 韓国首相候補の発言は正論! 韓国メディアの批判は的外れ―【私の論評】中韓と日本の過去の歴史を比較すれば、自分たちの本質はどうだったかを理解できるはず!それを実行できた日本がアジアで最初の先進国になったという事実を顧みよ(゚д゚)!

「朝鮮民族は怠惰」 韓国首相候補の発言は正論! 韓国メディアの批判は的外れ

文昌克(ムン・チャングク)氏

「朝鮮民族の象徴は、怠惰です」-。韓国の朴槿恵大統領が首相候補に指名した文昌克(ムン・チャングク)氏の発言や考え方が「民族を卑下している」(韓国メディア)などと激しい批判にさらされている。しかし、首相候補に指名した当の朴槿恵大統領の父親、朴正煕元大統領はかつて、それ以上に厳しい表現で朝鮮民族史を語っていた。文氏の発言が「卑下」なら、朴正煕元大統領は完全に「反民族主義者」となってしまうはずだ。今後、世論の批判は朴大統領の父の「反日」に向かうのか。「親日」の父を持った「反日」の朴大統領の悩みは深い。(ソウル 加藤達也)

まず首相候補、文氏の発言を振り返ってみる。文氏はこう演説した。
 朝鮮民族の象徴は、先ほど申し上げたが怠惰だ。怠惰で自立心がなく、他人の世話になること、それが私たちの民族のDNAとして残っていたのだ。 
 (李氏朝鮮時代には)小さな郡に吏房(地方公務員)が800人もいた。吏房が(住民を)無条件にムチで打っていた。 
 コメも1、2斗もあればすべて奪われた。朝鮮の人たちは働こうとしないのだ。なぜならば、仕事をすればみんな奪われるからだ。どれほど努力しても自分に残る者は何もないから怠けるようになったのだ。『神はなぜこの国を日本の植民地にしたのですか』とわれわれは神に抗議するかもしれない。それは冒頭に申し上げたように、神の意思がある。『おまえたちは李朝500年間、無駄な歳月を送った民族だ。君たちには試練が必要だ』。

英国の女性旅行家、イザベラ・バードは「朝鮮紀行」(講談社学術文庫版)で1890年代半ばの朝鮮半島の様子をこう書いている。

朝鮮紀行〜英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)

 (朝鮮人の)官吏階級は(日本による)改革で「搾取」や不正利得がもはやできなくなると見ており、ごまんといる役所の居候や取り巻きとともに、全員が私利私欲という最強の動機で結ばれ、改革には積極的にせよ消極的にせよ反対していた。政治腐敗はソウルが本拠地であるものの、どの地方でもスケールこそそれよりは小さいとはいえ、首都と同質の不正がはびこっており、勤勉実直な階層を虐げて私腹を肥やす悪徳官吏が跋扈していた。
 このように堕落しきった朝鮮の官僚制度の浄化に日本は着手したのであるが、これは困難きわまりなかった。名誉と高潔の伝統は、(朝鮮半島に)あったとしてももう何世紀も前に忘れられている。公正な官吏の規範は存在しない。日本が改革に着手したとき、朝鮮には階層が二つしかなかった。盗む側と盗まれる側である。そして盗む側には官界をなす膨大な数の人間が含まれる。「搾取」と着服は上層部から下級官吏にいたるまで全体を通じての習わしであり、どの職位も売買の対象となっていた。

イザベラ・バード

父の朴正煕元大統領自身が、文氏そっくりの、いやそれ以上の「反民族」的な言葉を残しているからだ。

朴正煕選集 (1970年)


朝鮮民族史について朴元大統領は「国家・民族・私」で、
 わが5000年の歴史は、一言で言って退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史」と痛罵。さらに「姑息(こそく)」、「怠惰」、「安逸」、「日和見主義」…辞書が作れそうなほど大量の悪口を使って表現している。
また、「選集」に収められた文章でも「わが民族史を考察してみると情けないというほかない」と断言しているのだ。

朴正煕

かつてバードが批判した李氏朝鮮時代の支配階層・両班(ヤンバン)については「両班の安易な、無事主義な生活態度により、後世の子孫にまで悪影響を及ぼした民族的犯罪史である」。

「韓国民族の進むべき道」でも、「怠惰と不労働所得観念」や「悪性利己主義」などのキーワードを随所に使って、朝鮮民族の“弱点”を語っていた。

文氏を批判し首相候補から引きずり下ろそうとする韓国の政界やメディアはまず、過去の韓国の実態を知り、正しく受け入れたほうが良くはないか? 

【私の論評】中韓と日本の過去の歴史を比較すれば、自分たちの本質はどうだったかを理解できるはず!それを実行できた日本がアジアで最初の先進国になったという事実を顧みよ(゚д゚)!

日本と、中朝の歴史の違いは明らかです。特に倒幕前後時代の歴史を振り返ってみると、日本は、自分たちの過去の歴史を真摯に反省して、日本の良さを自覚する反面、西欧列強からの立ち遅れを素直に認め、何とかしなければ日本は、西欧列強の植民地になってしまうという危機感を抱くことができました。

明治維新の立役者となった幕末の志士 クリックすると拡大します。


日本の場合は、武士階級下が幕藩体制を築いていましたが、藩が安全保障や経済の主体となっていたという状況であり、この状況を打ち破り、日本として結束し、近代国家を建設しなければ、とうてい西欧列強に伍することもなく、おそらく列強の植民地になっていたことでしょう。

しかし、日本は倒幕をしそれまでの幕藩体制を崩壊させ、明治維新により、近代国家である大日本帝国を樹立したのでした。これによって、他国から侵略されることもなく、日本の独立を維持できたばかりか、大東亜戦争により、結果としてアジア諸国から白人勢力を駆逐することに成功しました。

その恩恵に預かっているのが、現在の中華人民共和国であり、大韓民国であり、朝鮮民主主義人民共和国です。

坂本龍馬

もし、日本が大東亜戦争をすることもなく、明治維新も成し得なかったら、当時の中国や朝鮮のように急速な近代化に成功しかったら、今頃中華人民共和国はもとより、大韓民国も、朝鮮民主主義人民共和国もなかったかもしれません。

アジアの大半の国々は、アメリカのハワイ州のように、他国の一部に併合されていたかもしれません。

中国および朝鮮など大半がロシア領になっていたかもしれません。

このような中朝と、日本の根本的な違いは、武士階級が勃興し武士が為政者になっていたことと、中韓では官僚が為政者になっていた事だと思います。中国の官僚制度も腐敗しきっており、韓国もその例にもれず、支配階層・両班(ヤンバン)が近代化の妨げになっていました。

日々遊び暮らし、結局何もしなかった朝鮮の支配階層・両班(ヤンバン)

官僚制度による社会の腐敗を民族の怠惰と呼ぶなら、確かにそうかもしれません。

現在の中国は、結局共産主義革命といいながら、現在でも選挙制度はなく、したがって厳密な意味では、政治家が存在せず、結局は官僚が、中央政府、地方政府ともに掌握し運営しています。結局は官僚体制のままです。習近平は、政治家ではありません。官僚です。中国には誰一人として、政治家はいません。

そうした中国に今の韓国は歩み寄っています。このままでは両国ともまともな社会を築くことはできません。

現代中国・韓国にとって今本当に必要なのは、社会改革です。中国は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めて、まともな社会を築き、中間層を増やし、これらが活発な経済・社会活動を行うことによってのみ、これからも経済発展をさせることができます。

韓国も似たようなものです。この国も、社会構造を変革して、中間層を増やさなければ、社会・経済とも停滞したままで終わります。

明治維新の立役者を多数教え導いた 吉田松陰先生

日本は、大多数の白痴政治家どもが目覚めてまともになれば、デフレから脱却してまともになることができます。社会構造の大変革は必要ではありません。ただし、社会問題は無論ありますから、これは、適宜直していく必要はあります。しかし、デフレを放置しておけば、これもままならなくなります。何をやっても、モグラ叩きに終始するだけです。

日本は、社会構造はもともと安定していたので、20年近くも放置してきたデフレを解消すれば、これからも十分に経済も発展し、社会も発展していきます。

しかし、中韓は違います。このまま社会を放置していたら、日本の江戸時代とあまり変わりがありません。経済だけ発展させようにも、限界があります。中韓は、この壁を超えなければ、社会的にも経済的に発展できなくなります。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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