衆院予算委員会で自民党の町村信孝筆頭理事(手前)の発言に答弁を求めて立つ前原誠司国交相=25日午後、国会・衆院第一委員室(写真左)
25日の衆院予算委員会で前原誠司国土交通相が、自民党の町村信孝元官房長官の質問に“逆ギレ”する一幕があった。
地方の疲弊ぶりを訴える町村氏に対し、前原氏は「さっきから話を聞いていたが財政赤字を膨れ上がらせて、バラマキの公共事業をやってきたのはどの政党、政権か!ダム、空港、港の維持管理だけでも大変だ。これ、どうするんですか」と逆質問で応酬。
鹿野道彦委員長は「時間なので」と制止に入ったが、怒りの収まらない前原氏は「自分たちのツケを放っといて、今の政権に文句を言うのはやめてほしい」と主張。町村氏が「何かあれば前政権のせいだという論理は拙劣だ」と議論を打ち切ると、前原氏は「一言だけ、委員長!」となおも食い下がっていた。
民主党のマクロ経済音痴を端的に示した格好の事例か?
「財政赤字を膨れ上がらせて、バラマキの公共事業をやってきたのはどの政党、政権か!」と主張する前原さんの、語気などから、やはり、民主党は日本が財政赤字にあるとか、公共工事のやりすぎだと思い込んでいることがはっきりしたと思います。
これは、マスコミのいう幻想に完全に惑わされていることを端的に示していると思います。日本は財政赤字などではありません。日本を財政赤字というなら、アメリカはもう50年前から大赤字です。日本は、過去18,年間世界最大の対外債権(外国への貸付)が世界一であったことは、このブログにも何回も掲載してきました。
現在の日本の経済のこといえば、デフレギャップ(日本全体の生産量とGDPの間に大きなギャップがある状況)とが生じているため,短期的にはこのギャップを埋める必要があります。それを実施する、一番早い方法は、どんどん公共工事を行うことです。無論、全く無駄なものに関しては、お金をばらまく必要はないと思いすすが、少しでも、役にたつものなら、ここしばらくは、何でもやるべきです。
いわゆる赤字国債をあと数十兆円ほど、擦ったとしても財政はびくともしません。いつも赤字国債を擦れとはいいませんが、今は100年一度の金融危機です。今大量にすらないでいつ擦るというのですか?赤字国債で、大量の公共工事を集中的に行うと、どういうことになるかといえば、まずは市場に大量のお金が流れ込むことにより、雇用が創出されたり、消費者の消費活動が活発になります。そうなると、経済活動が活発化して景気が良くなります。そうして、日本国政府の税収が増えます。そうして、政府の赤字幅は減ります。そうして、経済を良くしておいてから、いろいろな新しいことをやって将来に備えるというのがベストです。景気低迷下では、何か新しいことをやろうにも、やりにくいことは言うまでもありません。
しかし、政府の黒字を過大にしてはいけません、多少赤字くらいが良いのです。なぜなら、日本に世界一の対外債権もあるし、政府自体もアメリカなどの諸外国と比較すると、かなり多くの金融資産を持っているからです。それに、政府が大黒字ということは、とりもなおさず、他の経済主体である家計や、民間企業が赤字であるということだからです。これが、マクロ経済の見方です。家計や、企業会計とは根本的に違います。
ここ10年間、なぜか日本では、公共工事というと、すべて悪者でもあるかのような見方をされています。そうして、公共工事に膨大な無駄遣いが行われているかのような間違った認識が流布されています。それは、全くの間違いです。実は、日本の公共工事は、10,年前から増えているどころか、実際には減っています。その、工事量は、先進国中では最低のレベルにあります。
この実体が、与党内では、ほとんど理解されていないようです。民主党では、前原さんがこの程度ですから。政府が大黒字であるということは、全く良いことではありません。これは、バランスシート不況などとして、リチャード・クー氏が10年以上も前に、提唱していました。小泉さんのときも、財政の緊縮をして経済が落ち込み、地方などかなり疲弊しました。麻生政権になって、少し良くなったと思ったら、民主党政権でもとにもどるどころか、もっと悪くなったようなきがします。バランス・シート不況に関して、これを提唱し始めた頃、その内容を政府関係者に話したところ、すぐに理解したのは、麻生氏、中曽根氏、亀井静香氏の三人だけだったといいます。このことは、このブロクでも何回も掲載してきました。しかし、これだと、普段からBSなど見慣れていない人たちだとピンと来ないこともあるかもしれません。だから、話を極端にして、ものすごくわかりやすくします。
日本国政府を大黒字にすることは良いことですか?では、良いことだとして、政府を大黒字にする方法を考えて見ましょう!!政府を大黒字にする方法は、いくらでもあります。まずは、消費税を現行の100倍にすることです。それから、他の税金もどんどん値上げして100倍にしたり、新規の税金を100以上も新設して、企業と国民の両方からどんどんお金をふんだくれば良いのです。国営企業をいっぱい作って、国営企業に有利なような法律をいっぱいつくって、民間企業のマーケットを侵食してどんどん儲ければ、良いのです。そうして、公共工事は一切やらない、インフラ整備は一切やらない。福祉政策などもってのほか。医療水準も最低限に落とします。軍事も外交も一切しない。年金は、現行の1/10しか支払わない。国の施設を使うときは、何でも公共料金を現行の10倍以上とりまくれば良いのです。そうすれば、あっという間に政府の黒字はとてつもない額になると思います。簡単な理屈ですね。ところで、こんな国に住みたいと思いますか?
さて、皆さん上の例は、少し極端ですが、政府を大黒字にするということは、こういうことです。何か、貧乏な国の独裁者のようではありませんか?本質的には、民主党やマスコミの言っていることは、これと変わりありません。皆さん、これでも大黒字の政府を良いと思いますか?
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