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2017年9月20日水曜日

トランプ氏、国連演説で北朝鮮糾弾「ロケットマンが自殺行為」拉致にも言及「日本人の13歳少女を拉致した」―【私の論評】トランプ氏の演説は、北朝鮮の非道ぶりを再認識させた(゚д゚)!

トランプ氏、国連演説で北朝鮮糾弾 「ロケットマンが自殺行為」 拉致にも言及「日本人の13歳少女を拉致した」

国連で演説するトランプ大統領 動画はブログ管理人挿入 以下写真等同じ

 トランプ米大統領は19日、国連総会で初の一般討論演説を行い、外交分野に関する政権の理念と戦略について表明した。トランプ氏は持論である「米国第一」を掲げる一方、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を「世界全体の脅威だ」と指摘し、国連が一体となって北朝鮮に核放棄を迫っていくべきだと訴えた。

 トランプ氏は北朝鮮やイランを「ならずもの体制だ」と指摘。北朝鮮の金正恩体制について「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」と述べ、北朝鮮の核・弾道ミサイルは金体制の崩壊につながると警告。「米国はあらゆる手段を講じて自国と同盟国を防衛する」と言明するとともに、もし軍事攻撃に踏み切る事態となれば「北朝鮮は完全に破壊される」と強調した。

 また、加盟各国に対し国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の確実な履行などを通じた締め付け強化を要請するとともに、先の安保理決議で賛成に回った中国とロシアに対して謝意を表明した。
北朝鮮に拉致された横田めぐみさん
一方、日本の横田めぐみさん(52)=拉致当時(13)=を念頭に、「日本人の13歳の少女が拉致された。彼女はスパイの養成に利用された」と述べるとともに、「北朝鮮はすさまじい人権侵害を行っている」と非難した。

 また、中国による軍事進出が続く南シナ海問題で、「法を尊重すべきだ」と述べ、中国による現状変更の試みを強く牽制した。

 中東で影響力拡大を図るイランについては、地域情勢を不安定化させる「残忍な政権だ」と非難。2015年のイラン核合意について「恥ずべきものだった」と述べ、合意見直しの可能性について示唆した。

 トランプ氏はまた、国連は「独立国家間の協力」という理念の下に設立されたと指摘し、加盟国が他国の「主権尊重」を前提に相互連携を進めてこそ、世界の「平和と繁栄」につながると主張。同氏が「米国第一」を掲げるように、「他の国々も自国を第一に置くべきだ」と語った。

【私の論評】トランプ氏の演説は、北朝鮮の非道ぶりを再認識させた(゚д゚)!

トランプ大統領の国連での演説
トランプ米大統領による初の国連総会での一般討論演説は、「米国第一」を含む、国連加盟各国の主権を尊重する自国優先主義こそが世界の「平和と繁栄」の実現に向けた国連の活性化につながると表明した。背景には、米国が外交・安全保障分野での重要課題と位置づける北朝鮮の核・ミサイル開発問題やシリア情勢、テロとの戦い、ベネズエラ情勢などについて、いずれも国連を通じた国際連携なしには事態の打開が難しいとの判断があります。

トランプ氏が北朝鮮による横田めぐみさんらの拉致問題に言及し、北朝鮮の核・ミサイル開発を国際社会全体の問題と位置づけたのも、各国がそれぞれの安全保障上の利害を共有してこそ事態解決の道が開かれるとみている表れです。

日本としても、トランプ氏が国連総会の場で日本の拉致問題に言及したことは、北朝鮮の核問題に隠れて拉致問題が国際社会の中で存在感が低下していく懸念を薄めた点でも大きな意義がありました。

トランプ大統領によるこの発言は、当然のことながら、普段から安倍首相がトランプ大統領とコミュニケーションをとっていたことが影響していると思います。

「安倍首相はトランプ大統領の忠誠心ある相棒(sidekick)だ」――この8月、こんな見出しの記事が米国の大手紙、ウォール・ストリート・ジャーナルに大きく掲載されました。

 また9月には、ニューヨーク・タイムズが「トランプ大統領は日本の安倍首相こそを友人だとみなしている」という見出しの長文の記事を掲載しました。

都内で、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて行われたトランプ米大統領と
安倍首相の電話会談のニュースを伝える街頭ディスプレー(2017年8月29日)
安倍首相とトランプ大統領の親しい関係は国際的に知られていますが、米国では、その親密な仲にさらに関心が高まり、国際関係や日米関係の専門家たちまでもが正面から論評するようになりました。

日米首脳の 多様な意見を総合すると、米国でのこの「日米相棒関係」への評価は、いまのところ前向きです。そうして、その評価は正しいと思います。それは、今日トランプ大統領の国連のスピーチにおいて「横田めぐみさん」について言及したことにも現れていると思います。

トランプ氏が北朝鮮の「完全破壊」に言及した際、議場からはどよめきが起きました。北朝鮮の国連大使も演説途中で抗議の退席。こうした場面もトランプ氏の強い姿勢を際立たせました。

トランプ氏は大統領に就任する前の昨年12月、国連は「集まって話して楽しむクラブに過ぎない」などと批判していました。トランプ氏による今回の演説は、国連を軽視するかのような従来の立場と孤立主義を連想させる「米国第一」の主張を、国連の理念である「主権」「安全」「繁栄」と絶妙に融合させ、「トランプ時代の国連」という新たな概念を打ち出したといえます。

トランプ氏は、日本人拉致問題をはじめ、米国青年の悲惨な死、北朝鮮国内での餓死、投獄、拷問や、正恩氏の異母兄である金正男氏殺害事件にも触れ、あらゆる点から北朝鮮を非難しました。

トランプ大統領の演説は、北朝鮮の非道ぶりを再認識させたと思います。北朝鮮は長い間非道ぶりを繰り返してきましたが、それが常態化しているため、多くの人々の感覚が麻痺していたと思います。


これは、日本の多数の国民が、北朝鮮の非道には屈しないという意図の現れだと思います。これは、多くの日本人が本能的に国家の危機を嗅ぎ分けたからです。さらに、事実を知れば賛成の数値も上昇することになります。

今回の、トランプ氏の演説は、この点でも非常に有意義なものであったといえます。そうして、これは北朝鮮には宥和政策は絶対に用いないという、トランプ氏の決意の表れでもあります。

宥和政策では、人類は過去に大失敗をしています。

ヒトラー(左)とチェンパレン(右)
宥和政策(Appeasement Policy)は、外交上の譲歩によって戦争を極力避けて平和を維持しようという面では評価されてもよいことですが、イギリスの宥和政策はナチス=ドイツの領土拡張要求を、小国の犠牲において認め、それと妥協することによって自国の安全を図ったもの、という否定的な評価が一般的です。

特に1938年のミュンヘン会談で、当事者であるチェコスロヴァキアの不参加の下でズデーテン割譲を認めたことは、ヒトラーの野心を見抜けなかったこととあわせて当時のイギリス首相チェンバレンの失策と言わざるを得ないです。

しかし、そう言えるのは「後知恵」であり、当時はチェンバレンは戦争の危機からヨーロッパを救ったヒーローとみられており、ミュンヘン会談から帰国したチェンバレンは平和を実現したとしてロンドンで大歓迎を受けたことを忘れてはならないです。それでは、彼はなぜ、「宥和」を前面に押し出したのでしょうか。

1935年に成立したボールドウィン(保守党党首)内閣から、イギリスはヨーロッパにおけるナチス=ドイツの反ヴェルサイユ体制の動きや、アジアにおける日本の中国侵略などに対して、積極的に非難せず、むしろそれを黙認するという姿勢をとりました。当時イギリスにとって脅威はソ連=コミンテルンと考えられていたので、ドイツや日本はソ連を抑えるためには利用できると判断していました。

このような外交政策としての宥和政策が、明確になるのは、ヒトラーのナチスドイツがヴェルサイユ条約に違約して再軍備に踏み切ったことに対し、ストレーザ戦線で抗議しながら、一方で単独でドイツと交渉して英独海軍協定を締結し、ドイツの一定の軍備拡張を認めることによって、それ以上の要求は抑えられると判断したことに始まります。

第一次世界大戦後のイギリスで、ヴェルサイユ条約がドイツに対して過酷すぎると考え、ドイツの戦後復興を助けて軍備も対等なものなら認めてもよいと考える知識人がかなりいました。

この事例からも、宥和策は、ヒトラーのような邪悪な存在には、無効であることが良くわかります。

トランプ氏の主張のように、もし軍事攻撃に踏み切る事態となれば「北朝鮮の体制は完全に破壊する」くらいの信念を持たなければならないということです。

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