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2011年1月4日火曜日

【大前健一VS堀江貴文】大前氏 アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測―【私の論評】ある条件が満たされれば、満たされる可能性が高いので大前氏の予測はあたる確率が高い!?

大前氏 アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測


グーグルの携帯電話向けOS(基本ソフト)「アンドロイド(Android)」を搭載したタッチパネル方式のスマートフォン(高機能携帯電話)が続々と登場し、アップルの「iPhone」を追撃している。大前研一氏は、そんな状況を以下のように分析する。

大前研一氏
* * *
アップルのCEOのスティーブ・ジョブズは、今まさにパソコンのMac(マッキントッシュ)と同じ失敗を繰り返そうとしているように見える。“Macの失敗”とは、OSを他の企業には売らず、ハードとワンセットで自分で売ろうとしたことである。

その結果、マイクロソフトがIBMと組んでMS/DOS(のちのウィンドウズ)を発売すると、アメリカ、日本、台湾など世界中のパソコンメーカーが雪崩を打ってこれを採用したため、Macは洗練度で高い評価を得ながら、シェア争いで一敗地に塗れ、ジョブズは一時期アップルを追い出された。要するに、OSは搭載されるハードの数を拡大したところが勝つのである。

なぜ未だにジョブズがOSとハードをセット販売し、さらにコンテンツのダウンロードでも儲けるという偏狭な垂直統合モデルに固執するのか理解に苦しむが、おそらく彼は心の奥底ではアップルを“メーカー”と認識しているのだろう。

メーカーだから(実際に製造しているのは世界最大のEMS企業・鴻海精密工業だが)OSとハードをワンセットで設計・製造・販売するのが当たり前と考えているのだと思う。そして彼は商品について非常に強いこだわりがあるので、OSだけでなく細かいハードの見てくれや使い勝手の良さをとことん追求する。

その手法はMacでは失敗したが、iPodとiTunes Store(アップルが運営している音楽、動画、映画などの有料コンテンツ配信サービス)が大成功したことで、ハードで儲けてコンテンツでも儲けるという新しいモデルを構築した、と勘違いしたのではないか。

だからiPhoneではAT&Tやソフトバンクモバイルとだけ組み、そこにハードやコンテンツを乗っけて自分でコントロールしているのだろう。つまり、通信会社の運命さえも支配できる、と考えているに違いない。

だが、そういう強欲な“覇権主義”はスマートフォンでも命取りになる。いま中国では、iPhoneの海賊版がたくさん売られている。通常、iPhoneはSIMカード(電話番号を特定するための固有のID番号が記録されたICカード)がロックされているうえ、筐体を開けることさえできないため、ユーザーは自分でバッテリーも交換できない。…

かたや中国のiPhoneもどきはSIMフリー(どのキャリアのSIMカードでも入れ替えて使える)になっている。もちろんバッテリーは自分で交換でき、なかにはSIMカードを3連装できる機種もある。一番安い商品は15ドルくらいだ。しかし、この使われ方こそが「正解」なのである。

つまり、ジョブズがスマートフォンで勝者になりたいなら、iOSをアンドロイドと同じくオープンソース、あるいはそれに近い方式にして誰でも自由に使えるようにし、SIMカードもフリーにしてユーザーがキャリアを自由に選べるようにすべきなのである。

だが、ジョブズは絶対に自分の主張を曲げないので、今回もその頑固さが災いするかもしれない。言い換えれば、まだジョブズには「プラットフォーム」という概念がないと思われるので、そこが彼の死角であり、限界かもしれない。

※週刊ポスト2011年1月7日号

【私の論評】ある条件が満たされれば、満たされる可能性が高いので大前氏の予測はあたる確率が高い!?
さて、昨年年末にこの記事を読んで、ブログにとりあげようと思ったのですが、さしたる、他の情報源も特にはなかったので、とりあげるのをやめていました。

堀江貴文
しかし、上の記事に関して、あの堀江さんが、ご自身のブログにとりあげていたり、その他の新たな情報も入つてきたので、本日とりあげることにしました。

さて、堀江さんがご自身のブログに取り上げていた内容を以下に掲載しておきます。


dankogaiの大前研一氏のコラムへの反論が面白い。iPhone関連。

2010年のAppleから学ぶべき3つ不等式 - 404 Blog Not Found.

dankogai(ブログ管理者注:上のURLのブログの筆者のこと)の見立ては正しい。というか大前研一氏はメディアとかITの未来予測とか現状分析は不得意のようだ。彼は私がニッポン放送の買収、すなわちフジテレビグループの買収挑戦への批判として、ネットはY!のように各テレビ局からコンテンツを供給してもらう必要があるため、単一の放送局を保有することの愚を説いていた。が、私が注目していたのはテレビ局のコンテンツではない。コンテンツを作っているのは実は放送局ではなく、制作会社でありテレビ局が既存のコンテンツの著作権は押さえているだけで、そんなものに大して価値はない。実際にニコニコ動画などのネット系動画サイトは少しずつではあるが、良質なコンテンツを供給できている。制作会社との連携が上手く行っているからだ。 
私が重要だと思っていたのはテレビ局の圧倒的なリーチ力であり、それを利用して広告モデルでしか収益と立てられていないテレビ局の収益構造をニコ動やNHKのような個人からの会費収入モデルに構造転換することだった。
ま、どっちにしてもappleの強烈な収益力はgoogleに無い物だ。googleはほとんど広告モデルでしか実は収益を得られていない。 
さて、Gayoの失敗、Youtubeの成功が明確化した現在、上の堀江氏の論評は、あまり説得力がないと思います。それに、dankokai氏の論評に関しても、論評の大きな部分が、株価の比較によるものが大きいです。確かに、アップル株価は最近はうなぎのぼりであり、Googleはそうでもありません。

しかし、株価というものは、決してその会社の真の価値を示しているかといえば、そうであるとは限らず、単なる、投資家、投機家の期待感の表れに過ぎないことが多いです。その期待感が必ずしも現実と一致していないことは、私たちは、つい最近の金融危機、リーマンショックで学んだばかりのはずです。サブプライム・ローン、GMのローンの正体を、私たちはいやというほど、見せつけられたはずです。

それに、Gayoの失敗は、収益モデルがはっきりしていなかったことであることは、このブログに掲載しました。無論、堀江さんが、Gayoのようなビジネスモデルを構築しようとしていたのではないことはわかります。しかし、上では、ニコニコ動画の例をあげていますが、YouTubeの成功には触れていません。それに、ニコニコ動画だって、プラットフォームを構築しています。未だに、無料で利用するユーザーも多いです。


私は、このブログで、AppleTVを購入したことをこのブログで掲載したことがあります。実は、AppleTVは第一世代では大失敗しています。しかし、アップルには、この分野に対して相当の思い入れがあるもと見えて、第二世代の新しいAppleTVをだしたわけです。ここで詳細は述べませんが、テレビの世界もこれからは、AppleTVやGoogleTVのようなものが前提となっていくに違いありません。


既存のTVは、従来のTVが、確かに広告を提供するビジネスモデルではありながら、インターネットに比較すれば、プラットフォームを構築できていなかったことに問題があったのだと思います。堀江氏は、既存TVの圧倒的なリーチ力を強調していますが、現在では、テレビの視聴率は年々減少はつつあります。若い世代では、日々テレビをほんど見ないという人も増えてきました。このリーチ力もいつまで続くのかわかったものではありません。このリーチ力は、インターネットがない時代に、いち早く、動画を提供できたのが、TVであったため、それ以外になかっので、獲得できたというだけであって、それ以上でも、それ以下でもありません。私は、堀江氏がテレビ業界に参入できていたとしたら、大きな話題となって、Gayoの宇野氏のように脚光を浴びることはできたかもしれませんが、おそらく失敗したと思います。

YouTubeを含む、Googleの収益の柱は、確かに、堀江氏の言うように、今でもそのほとんどが、広告モデルによるものです。確かに、Googleはいろいろいなことに手をだしていますが、今でも、この事実には変わりがありません。

しかし、私がこのブログで盛んに強調してきたことは、結局eコマースの本質は今でも、広告であり、これを欠いてしまえば、なかなか成り立たないということです。アップルも、この事実に気がついており、だからこそ、iAdをはじめることを、このブログにも掲載しています。


大前氏が盛んに強調しているプラットフォームも、結局は、いくら集客しても、広告がなければ、収益にむすびつけることはできません。ただし、大前氏は、これは当然のこととして、敢えて強調してはいないだけです。大前さんの考えでは、広告とは単なる手法に過ぎず、プラットフォームを構築する事自体が本筋だと考えているのだと思います。それに、集客した人々をビジネスに惹きつける手法が、広告ばかりであるとは言えない面もありますが、それにしても、広告を全くしないということであれば、成功はおぼつかないとは思います。

これに関して、堀江氏は、「googleはほとんど広告モデルでしか実は収益を得られていない」としてかなり軽視しています。しかし、私が以前のこのブログに掲載したように、多くのIT企業が、eコマースの本質は、広告であるという事実を見誤り、敗退していっています。Gayoの宇野氏もまさにそうだったのだと思います。この事実から、私は、すべての、eコマースは、広告を軽視すれば、失敗すると思います。

広告ということになれば、確かに、メーカーと異なり、確かに収益力はどうしても低くなると思います。それは、メーカーなどと比較すれば、当然、小売業などの収益力が低くなるのと同じ事と思います。しかし、収益力が高いからといって、メーカーのほうが、小売業よりも成長性が高いなどということは、誰もいいません。なぜなら、それは、成長性の問題ではなく、業種特性によるものだからです。

大前さんは、上の記事で、「かたや中国のiPhoneもどきはSIMフリー(どのキャリアのSIMカードでも入れ替えて使える)になっている。もちろんバッテリーは自分で交換でき、なかにはSIMカードを3連装できる機種もある。一番安い商品は15ドルくらいだ。しかし、この使われ方こそが「正解」なのである」と書いておられます。


私も、今は見えにくいだけであって、この大前氏の見解は、いずれ5年以内には必ずはっきりと誰にも認識できるようになると考えています。


たとえば、最近衝撃的なニュースが入って来ています。それを以下にコピペします。
iPadの成功を追ってタブレット端末が次々に登場する中、「35ドル」という破格の低価格タブレットが名乗りを上げた。インド人的資源開発省は7月22日、タッチ画面を持った安価なコンピューター端末を発表した。高価なパソコンを買うことができない学生や子供たちの利用を想定したもので、2011年から教育機関などで導入を開始する計画だ。このニュースは“世界最安のコンピューター”として世界中に伝えられたが、あまりの安さに実現をいぶかる声も出ている。
詳細は、以下のURLをみていただくとして、これが現実になったとしたらどうでしょうか。
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/20100802_385076.html

現在は円高ですが、この円高だって、いつまで続くかなどわからないので、目見当をつけるため、かなり高めの1ドル=100円で換算してみても、3500円です。中国の、スマートフォンは、一番安くて1500円ということです。


アップルも、これからは、無論製品をどんどん安くするでしょうが、iOSを搭載した、アップルのハードを売るということであれば、ここまで、安くはできないでしょう。

それに、最近、Google Chorm OSを搭載した、ノートパソコンの試用モデルが、応募者に無料で配布され試験に入っています。この試用機、実際販売されるときには、日本円で1万7千円は超えないだろうと言われています。

そうして、私は、このようなことをする、Googleの狙いは何かについて、このブログに掲載したことがあります。それを以下にコピペします。
なぜそんなことをするかといえば、もうすでに先進国などの豊な国では、かなり多くの人々が日々インターネットを使用するようになっています。もう、これらの国では、さらに、Googleのクラウドを訪れるユーザーを増やすことは困難です。 
しかし、世界に目を転ずれば、まだまだ、Googleのクラウドを訪れていない人々はたくさんいます。それは、いわゆる貧困層と呼ばれる人々です。 
世界には、1日2ドル未満で生活する貧困層が40億人います。先進国では経済が成熟化していますが、経済ピラミッドの底辺に位置するこの貧困層(Bottom of the Pyramid=BOP)こそ、今後急速に成長する魅力的な市場になることでしょう。現在、企業は彼らを、慈善や援助の相手としてはなく、ビジネスの対象として重視すべきです。
貧困層を「顧客」や「消費者」に変えるには、先進国向けの製品・サービスに少し手を加えるといった対応では不十分。技術、製品・サービス、ビジネスモデルそのもののイノベーションが欠かせなのです。 
BOP市場の基本となるのは、「パッケージ単位が小さく、1単位当たりの利潤も低い。市場規模は大きいが、少ない運転資本でも利益を出せる」ビジネス。例えば、米P&Gは低収入で現金不足のBOPに消費力を作り出すため、「使い切りパック」のシャンプーを販売しました。ブラジルの家電チェーンは無理のない利子とカウンセリングで、BOPにも高品質な家電が買えるようにしました。その他、にもいろいろあります。 
まさに、Googleは世界に多数存在するBPOの人々を自分たちのクラウドに呼び寄せるために、新たなマシンを提供しようとしているのだと思います。そうして、このような人達にも広告を見てもらい、このBPOビジネスを活発化させることを視野に入れているのだと思います。 
いままで、全くインターネットの恩恵にあずかることのなかった人たちにも、その機会を提供して、自分たちのクラウドを訪れるユーザーを幾何級数的に増やすことが目的なのです。
さて、Googleは着実のこの戦略を実施すると思います。確かに、堀江さんがいうように、このようなビジネスは収益は低いです。しかし、収益性の低い事業がすべからく、成長性や将来性がないといえるのでしょうか?先進国では、確かに少子高齢化ですが、全体では世界の人口は増え続けています。こうしたことから、Googleはさらに爆発的に多数の人々を集客できるでしょうし、さらに、安定したビジネスになることは間違いありません。


さて、今はまだまだ、そのような次元には達していませんから、上記の堀江氏や、dankogai氏の言っていることは一見もっともらしく、聞こえますが、Googleが実際にAndroidや、Google Chrome OSを多くの企業に開放して、インドや、台湾、中国などで、徹底的に廉価なマシンをつくり、どんどん提供し、5000万台以上も行きわたった場合にはどうなるでしょうか?それに、最近では、Adroid内蔵のタブレットPCもどんどんでてきています。Chromeと、Androidの棲み分けなどどうなるかは、わかりませんが、両方ともオープンで、どのマシンにも無料で搭載することができます。


それに、日本ではまだですが、Googleでは、Google Chrome(Googleのブラウザ)で、独自にGoogle Web Storeでアプリを提供しています。Google Chromeの新しいタブをたちあげると、少しまえまでは、良くアクセスするページと、最近閉じたタブなどが表示されるだけだったのが、最近では、Web Storeのアイコンや、ストアで購入した、アプリのアイコンが表示されるようになっています。まだまだ、実数は少なく英語版のみですが、様々なものが提供されています。私も、もうすでに、すべて無料のものばかりですが、9個のアプリを購入しました。どのアプリも無料とは思えないような、高機能なものです。


これらは、無論、無料で提供するだけでは、収益源にも何にもなりません。多くの人々がGoogleのクラウドを訪れる機会を増やすことを目的としていることは明らかです。これを全世界レベルで、いままでは、対象外であった、BOPも巻き込んで展開したとしたらどうなるのでしょうか?


やはり、大筋では大前氏の言っていることの方が、妥当性が高いと思うのは、私だけでしょうか?


ただし、私自身も、iPhoneを使っていますし、AppleTVも所有しています。おそらく、大前氏のいいたいことは、現在でも、全世界で使われているOSのうち、アップルが占めているのは5%未満です。iPhoneなども、将来そのような存在になるといいたいのであって、iPhoneがなくなってしまうとか、アップルがなくなるとか、衰退するなどと言っているのではないと思います。あくまで、シェアのことを言っているのだと思います。


だから、別にアップルが勝とうが負けまいが、将来にわたっても、先進国や、新興国の熱烈なアップルフリークに使われ続けていくことまで否定しているわけではないと思いますし、無論、私もそうです。


iT関連であろうと、他のビジネスであろうと、BOPの存在は大きいです、これから、これらをどのうよに自らのビジネスの顧客とてして取り込んでいいくかが大きな課題になります。そうして、BOPにノウハウ・情報など提供しつつ、BOPが豊になり、自分たちの事業も成功し、成長するという認識の企業はこれからも飛躍的に成長を続けていくと思います。


スマートフォンも、タブレットPCも、それにプラットフォームについても、まだまだ過渡期にあると思います。これに関しては、これからも追跡を続けていきます。そうして、何か変化があれば、再度このブログに掲載していきます。


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