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2012年9月28日金曜日

【動画あり】天使のような歌声で『君が代』を歌う女子高生 / 視聴者「神々しい歌唱力。涙が出る。」−【私の論評】ニッポン人が忘れたアメリカのゲーミフィケーション活用サイトにみる「大義」


【動画あり】天使のような歌声で『君が代』を歌う女子高生 / 視聴者「神々しい歌唱力。涙が出る。」

『君が代』といえば、学校の入学式、卒業式などの行事やワールドカップやプロ野球の開幕戦などで歌われる、言わずと知れた日本の国歌だ。

有名なスポーツの試合でプロの歌手が君が代を歌い話題になることはよくあるが、2010年に開催された第82回選抜高校野球大会で野々村彩乃さん(当時広島音楽高校3年)が歌った君が代の独唱があまりに美しすぎると、現在でも話題になっている。

野々村さんの歌声を聴いた視聴者は「世界一の国歌である。是非もない。聞くだけで涙が出る。」や「神々しい歌唱力。涙が出る。」などのコメントを残し、大絶賛の嵐。

現在野々村さんは声楽家として活躍しており、東日本大震災チャリティーコンサートを開催するなど幅広い活躍をしているようだ。しかしこんなにも美しい歌声で国歌を聴くと、本当に心へ響くものだと実感した。

参照元:Youtube kyuu38
この記事の続きこちらから?

【私の論評】ニッポン人が忘れかけたアメリカのゲーミフィケーション活用サイトにみる「大義」


この動画素晴らしいです。ニッポン人(日本の伝統文化を継承していない日本人という意味)は、別として、日本人なら誰もが感動するものだと思います。今回は、ニッポン人が忘れた、「大義」に関して掲載します。そうして、最近脚光を浴びているアメリカのゲーミィフィケーションの要素を取り入れた、サイトであるStackOverflowというサイトにおける「大義」についても掲載します。

「君が代」は、国民国歌であり、国という一つの日本人のまとまりに対する 気持ちや忠誠心を表現している歌です。これに対してなぜ、上の記事のように感動している人が多数存在するのか、私たちは、今一度考えてみる必要があります。私は、このブログにいく度か、「大義」に関して掲載したことがあります。大義というと、今のニッポン人は、ほとんど忘れていて、何か軍国主義の断片か、それとも、単なる懐古趣味の産物であるかのように思っているようです。しかし、そんなことはありません。

「大義」は、どのような社会にも、コミュニティーにでもあるものです。会社や、学校、役所など、どこにでもあるものです。国家が一つにまとまっているのなら、その国家にも、「大義」は存在します。この「大義」がなければ、どのコミュニティーも、組織もいずれ瓦解します。どのような組織も社会にしても、そもそも「大義」があるから成り立っているのです。

三島由紀夫氏
では、大義とは何でしょうか?これを思い起こすには、やはり、三島由紀夫氏が生前に語っていた言葉を思い起こすべきと思います。その言葉とは以下のようなものです。

「人間は、自分のためにだけ、生きていけるほど強くはない。自分以外のために生きるということが大義であります」

大義の本当の意味は、「自分以外のために生きる」ということです。そうして、三島氏はわざわざ付け加えませんでしたが、「人間は、自分のためだけに死ねるほど強くはな。自分以外のために死ぬということが大義でもあります」ということもその裏返して定義の中に含めていると思います。

三島由紀夫氏
無論後者のほうは、普段は、なかなかあり得ないことですが、平和な日本でも、緊急災害時には、起こり得ることです。こんなときに、多くの人が、自分のためだけに生きている人であれば、大変なことになることは十分予想できます。この大義を多くのニッポン人が忘れています。試みにサイトで「大義」を検索してみたところ、どの内容も上の三島由紀夫氏が語っていたような内容を掲載していませんでした。

いくか調べてみたのです、調べた中には、本来の意味での大義は掲載されていませんでした。以下は、Goo国語辞書の内容です。
1 人として守るべき道義。国家・君主への忠義、親への孝行など。「―に殉じる」
2 重要な意義。大切な事柄。「自由平等の―を説く」
このうち、1のほうの定義は、三島氏の定義に近いですが、全く同じではありません。これは、ごく狭い範囲の定義にすぎません。それともっと、驚いたことには、私が調べたいくつかのいわゆる「和英」のサイト辞書を調べでは、「自分のために生きるのではなく他のために生きる」という三島氏の定義は、掲載されていません。ちなみに下は、weblioというサイトの「大義」の英語訳です。
〈正義〉 justice; 【形式ばった表現】 righteousness
〈目的〉 a (great) cause
平和の大義のために
【形式ばった表現】 in [for] the noble cause of peace.
明らかに、正義、目的とは、三島由紀夫氏の言う「大義」は異なります。正義、目的とは、大義よりももっと、下の概念です。このこと一つとっても、日本では、「大義」の元々の意味か忘れされていると思います。ちなみに、三島氏の本来の定義を英語で記せば以下のようになると思います。

"Taigi" means that person is not strong so as to live in for only oneself, but strong enough for othrs, and person is not storong so as to die in for only oneself, but strong enought for others.

このこと一つとっても、日本では、この大義という言葉の本来の本来の意味は、ほとんど忘れ去られているのだと思います。しかし、自分のためにだけ生きるニッポン人は、どんなに努力しても、頭が良くても、人気があっても、強くは生きられないのです。そうして、上の記事で、「君が代」を歌う少女に多くの人たちが、感動してしまうのは、こうした本来の意味での「大義」のために生きるということを無意識に思い起こさせるからではないかと思います。だから、きっと、日本では、まだまだこの「大義」という考えは、死滅したというわけではなく、多くの人の顕在意識ならびに、潜在意識中に残っているのだと思います。特に、潜在意識の中には強く残っているのだと思います。

乃木希典
この「大義」というと、日本では本来忘れてはいけない、人物がいるのですが、今のニッポン人は、ほとんど忘れています。それは、誰かといえば、乃木希典です。正論という思想誌に以下のようなタイトルの記事が掲載されていました。そうして、その要約が、izaといサイトに掲載されていました。そのURLを以下に掲載します。

【正論】いまの危機は「忠誠心」の喪失に 文芸批評家、都留文科大学教授 新保祐司

詳細は、『正論』をご覧いただくものとして、iZAから結論部分のみを以下にコピペしておきます。
 ≪人間として高貴な価値の実現≫
明治の批評家、北村透谷は、「想像と空想」というエッセーの中で、「吾人もし徒らに現実を軽んじて、只管(ひたすら)空理空論に耽(ふけ)ることあらば、人間として何の価値あるを知らざるべし」として、「空想に耳を傾くるは、今日を忘れ又た明日をも忘れんとするにて、人間として戦ふべき戦場を逃出でんとする卑怯(ひきょう)武士に過ぎず」といった。乃木も内村も「人間として戦ふべき戦場」で「理想」のために「痛烈」に戦った人であり、「空想」に逃げる「卑怯武士」ではなかった。  
しかし、今後の日本人が人間としての高貴な価値を実現していくためには、忠誠心を回復しなくてはならず、その対象を「空想」のうちにではなく、「純粋な痛烈な理想」のうちに見いださなくてはならない。この忠誠心の「一番純粋な痛烈な」典型が、乃木大将という人物に具現されている。没後百年の今日、現代の日本人は乃木大将の精神を小林秀雄的にいえば「上手に思い出」さなくてはならない。(しんぽ ゆうじ)
上の記事、『ニッポン人が人間として、高貴な価値を実現していくためには、忠誠心を回復しなくてはならず、その対象を「空想」のうちにではなく、「純粋な痛烈な理想」のうちに見出さなくてはならない』としています。まさにその通りです。そうして、この「忠誠心」昔でいえば「忠義」は、「大義」と同義と見て良いと思います。ただし、「大義」といった場合、「忠誠心」「忠義」よりももっと広くて、上位の位置付けになると思います。

乃木希典
やはり、戦後のニッポン人は、「大義」を見失っていたと言わざるを得ません。それに、大義は、個人が強く生きられるかどうかという次元だけではなく、もっと重要な側面があります。それは、先に述べたように大義なき、コミュニティー、組織、社会、国家はいずれ破綻するということです。

さて、この大義といったとき、私は、昔は日本のほうがはるかに、「大義」を重んじる国であったのに、今では、アメリカのほうが、大義を重んずるようになってきたのではないかと危惧してしまいます。それも、最新の分野での、ITの最新の分野でそのようなことがみられるのです。

どういうことかというと、私がこのブログにも以前述べたように、私は、Corseraというアメリカの一流大学の講義が受けられるサイトで、現在「ゲーミフィケーション」の講義を受けていますが、その中で、アメリカでももっとも成功していて、手本となるあるサイト事例を知りましたが、そのサイトがまさに、「大義」を重んじており、「大義」にもとづき、多くの人たちが協力しあうようにデザインされているのです。

その、サイトの名称は、"StackOverflow"というものです。このサイトの主な内容と、これに関する創設者の公動画など、非常にコンパクトにまとまっていたので、以下に百式というブログからコピペしておきます。

『Stack Overflow』から学ぶ最近のコミュニティ構築術

 so_top
最近個人的に注目しているのがStack Overflow。エンジニアのためのQ&Aサイトですが、短期間(半年)ですでに80万投稿、月間1600万PVを達成しています。なぜこのコミュニティがうまくいっているのか、ReadWriteWebで紹介されていました。
なんとも興味深いのでかいつまんでご紹介。最近のコミュニティサイトに必要な要素がうまいことちりばめられているのではないか、と思います。かいつまんでいうとコミュニティをうまくまわしていくには次の9つの要素が必要とのことです。
9_so_strategies_may_09
↑ この9つね。
    1. 投票機能
    ユーザーに投票させる機能ですね。Stack Overflowでは質問者がベストアンサーを選べるようになっていて、2位以降は投票数でランキングされます。これはYahoo!知恵袋とかもそうかな。
    1. タグ
    この質問に関連する他の質問も読んでみたい!というときありますよね。そうしたときにタグは必須ですな。
    1. 編集機能
    個人的にはこれが一番すごいと思うのですが、Stack Overflowではユーザーが質問も回答も編集することができます。そうすることで質の高いQ&Aが出来上がる、という仕組みです。「人の回答勝手に編集するな!」となりそうですが、編集履歴が全部見れるようにしているのでうまくいっているようですね。
    1. バッジ
    これも秀逸。ユーザーにさまざまな種類のバッジを与えています。これがあることでユーザーのモチベーションもアップ、同時にユーザー同士の評価もできますね。 so_badge
    ↑ たとえばこんな感じ。うまいっすね。
    1. カルマ
    ユーザーがこのコミュニティで活動すればするほどカルマポイントがたまる、という仕組みですね。投票したり投稿したりするとたまります。なお、Spolskyさんいわく「小額の報酬は絶対うまくいかない」とのこと。 so_users ↑ ユーザーランキングも重要ですよね。
    1. プレサーチ
    これは質問を投稿するときに関連する質問を検索してくれる機能ですね。はてなの人力検索なんかでも実装されています。これによって重複する質問をおさえられますね。
    1. SEO
    Stack Overflowの質問にはすべてパーマリンクがついており、質問の内容がそのままURLになっています。検索エンジンにとってわかりやすいのだとか。まぁ、そうかもですな。日本語だとここらへん難しいですよね(Amazonみたいになっちゃいますな)。
    1. パフォーマンス
    Stack Overflowは8 Core Xenon、マイクロソフトのSQLサーバーを使い、2台で全部さばいているそうです。昨今はオープンソースで無料で、という風潮ですが、お金をかけて最小台数で構成、という戦略らしいです。
    1. 最初が大事
    こうしたコミュニティは最初が大事。閑古鳥がないているようでは誰も寄り付きません。そこですでに有名なCoding HorrorのJeffさんを誘ったとのこと。Spolksyさんのブログとあわせて初日から一定数のユーザーを確保したようです。なーるほど。
    個人的には「編集機能」「バッジ機能」が秀逸だと思っているのですがいかがでしょうかね・・・。またここでは語られていないですが、「匿名でもある程度できる」というのも重要かと。ちなみにログインにはOpenIDを使っていますね。最初の敷居が下げてあるのもなかなかですな。

スタックオーバーフローのゲーミフィケーションの手法を、コミュニティー全体がどうのように受けとめるかが非常に重要であることを示しています。コミュニティーの誰かが投稿すると、他のメンバーがその投稿を評価します。すべてのメンバーは、他のメンバーの評価を受けることができます。

このサイトでは、バッジなどのゲーミフィケーションの要素をとりいれて、コミュニティーに貢献する人には、高い評価が与えられ、それが、コミュニティー全体に周知されるようになっています。コミュニティーは、大きくなってくると、新たなメンバーとの目的のずれによって、分離する傾向があります。これに対処するために、様々なゲームの力学を用いているのです。それによって、高い評価を得た人は、他の人の投稿を編集、タグ付、改変したり消去できるようになっています。

私の表現力が足りないため、なかなか伝わらない部分があると思いますが、このサイトではとにかく、自分だけが、何かを学べるとか、ためになるというだけではなく、ゲーミフィケーションを含む様々な機能が駆使されており、とにかく、他のメンバーのために活動する人が高く評価される仕組み導入し、実際、コミュニティー全体に奉仕するように、様々な手法を用いているということです。

コミュニティー全体に奉仕するということ、これまさしく、「大義」です。こうした、自分のためだけというのではなく、他のメンバーのために活動するように仕向ける様々な工夫が、このサイトを支えているのです。そうして、このサイトは大成功しています。この根底には、やはり、人は、大義のために活動することにより、さらに動機付けされることを示しています。

このサイトでは、いわゆる「大義」を重んじるように様々な仕掛けがなされていて、このコミュニティーの価値観ともなっています。こういった、最新のサイトにも、「大義」を実現するために、最新の手法であるゲーミフィケーションの要素を取り入れているのです。そうして、まさに、このコミュニティーに大義の考え方を根付かせるのに成功しています。

さて、ゲーミフィケーションは、日本では、昨年あたりからその重要性について、いわれるようになりました。アメリカのでは、この手法がずいぶん進んでいて、しかも、サイトのコミュニティーの、大義を根付かせるというところまで、進んでいるわけです。


さて、大義を忘れたニッポン人このようなことができるのでしょうか?アメリカもともとは、個人主義的な考え方かが幅を効かせてきた国です。しかし、過去には、こうした大義を忘れた、たとえば、極端な市場原理主義や、夫婦別姓など極端なミーイズムともいわれる、大義を忘れた行動により、すっかり社会が荒廃してしまいました。

しかし、その反省の上にたって、様々な試みがされるようになってきました。それが、たとえば、大義を重んじるようようにデザインされた、ストックオーバーフローのようなサイトの興隆などにみられるわけです。そうして、消費の面では、いわゆるスペンド・シフトという動きが顕著になってきています。これに関しては、本題ではないので、このサイトの過去の記事を参照してください。

サイトも、それにアクセスする人々とのコミュニティーです。このサイトを活用する人が、それぞれ、個人の利益のためだけ、「自分のためにだけ生きる」ようにサイト使っているようでは、そのサイトは、大義を失いいずれ破綻するのです。そうして、アメリカでも、日本でも、活動を停止したり、他のサイトに飲み込まれたサイトはあまたあります。

サイトひとつとっても、「大義」が重要であり、かけがいのないものなのです。サイトで大義を実現した、アメリカ、もっと大きなことでも、「大義」に目覚めていくかもしれません。その動きは確かにあります。


かつて、大義を当たり前のように思っていた日本人、しかし、この当たり前は、戦後の誤った個人主義的教育によって、失われつつあります。しかし、今でも大義を心にとめているからこそ、このブログの冒頭の神々しい少女の「君が代」に感動する人も多いということです。アメリカでは、ITの最新の分野で、「大義」が重んじられており、それが、人々を惹きつけてやまないのです。

「大義」を忘れかけているニッポン人は、これから新しい強い産業、強い日本を再興するためにも三島氏がいう、本来の意味ででの「大儀」の考え方や、必乃木希典大将が具現していた「忠誠心」が要不可欠であることを再認識すべきです。この「大儀」「忠誠心」を現代風に再構築して、ありとあらゆる分野に活用していくべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?



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