「即位礼正殿の儀」で、即位を宣明される天皇陛下=22日午後、宮殿・松の間 |
「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿の儀」が22日、国事行為として皇居・宮殿で執り行われ、天皇陛下は「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と宣明された。
儀式は午後1時過ぎ、約2千人の参列者が見守る中、宮殿「松の間」で始まった。鉦(しょう)の合図で参列者が起立すると、陛下の側近である侍従らにより玉座「高御座(たかみくら)」と隣の「御帳台(みちょうだい)」の帳が開かれた。陛下は古式装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に身を包まれ、皇后さまは十二単(ひとえ)のお姿。参列者が鼓(こ)を合図に敬礼した後、陛下が即位を宣明された。
陛下はこの中で、上皇さまの在位中のご活動にも触れながら「国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と述べられた。
儀式では、三種の神器のうち剣と璽(じ)=勾玉(まがたま)、国の印章「国璽(こくじ)」、天皇の印「御璽(ぎょじ)」が、高御座の「案(あん)」と呼ばれる台に安置された。宮殿内には賓客が両陛下のお姿を見られるようモニター30台が設置された。
【私の論評】なぜ諸外国は天皇家をおろそかにできないのか?すごすぎる天皇家の歴史(゚д゚)!
まずは、以下に「即位礼正殿の儀」のノーカット版の動画を掲載させていただきます。
さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。
上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御(み)心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。
国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。
さて、本日は天皇家がいかに長い歴史を持っているか、そうして、その長い歴史にふさわしく、「即位礼正殿の儀」に参加させる代表に各国がどのような人たちを派遣しているのかを掲載します。
歴史学者の中には、神武天皇が存在したのか否かについて、疑義を抱く人もいるようです。ただし、私自身としては、我が国の天皇は、いつかも定かではないそれくらい古くから存在していたということ自体に畏敬の念を抱かずにはおられません。
神話の世界で語られる神武天皇 |
実はこの点にも議論があって、第10代の崇神(すじん)天皇、第15代の応神(おうじん)天皇、第26代の継体(けいたい)天皇と考える人たちに分かれているとされています。
いずれにせよ第26代の継体天皇が存在したという考えは、考古学的にも確実視されています。ただ、これらの天皇が存在しなかったとか、神武天皇が存在しなかったなどのことも、歴史的に証明されているわけではありません。ただ、文献などで実在が確かめられていないということです。
継体天皇が在位していた時期は6世紀の前半になるとされています。そうなると21世紀前半の現在において天皇家はそのときより15世紀、1,500年間も男系継承されてきたと言えるのです。
継体天皇から見て1,500年という数字であっても、日本の皇室の歴史の長さは世界の王室の中でも世界一なのです。
現憲法の第一条では、
<天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく>(宮内庁のホームページより引用)
とあります。その前の大日本帝国憲法の第一章第三条にも、
<天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス>(大日本帝国憲法より引用)
などと書かれていました。それぞれの憲法は成立の背景も狙いも全く異なりますが、いずれの憲法においても、憲法の一番最初に天皇のことが語らているのです。このことをもってしても、日本国、日本国民と天皇とは不可分といっても良いのです。
「即位礼正殿の儀」に合わせて来日した各国の要人と安倍総理大臣との会談がスタートしました。21日だけでも20ヵ国以上の要人との会談が予定され、25日までに中国の王岐山国家副主席ら50ヵ国の要人との会談に臨みます。
今回の、祝賀外交では、オランダやベルギー、スペイン等、王制、立憲君主制、つまり王様のいる国は高いレベルの人を送ってきています。
イギリスもチャールズ皇太子、サウジアラビアもムハンマド皇太子です。一方、日本と非常に関係の良い米国は、あまり大物とはいえないチャオ運輸長官を派遣しています。とはいいながら、閣僚であることには変わらず、米国側の配慮が感じられます。
チャオ米運輸長官 |
中国は国家副主席の王岐山氏を、ロシアは、ウマハノフ氏という連邦院の上院の副議長を派遣しました。この人はタタールスタンというトルコ系人の共和国があって、そこの副首相をやっていました。その副首相ですが、日本で言うと副知事くらいです。日本のイメージだと、副知事くらいの人が参議院議員になったようなものです。
平成の即位のときには旧ソ連のルキャノフ氏という連邦院の上院の副議長が来ています。後にこの人がゴルバチョフを追い落とすクーデターを実行し失敗しました。ルキヤノフはゴルバチョフとは大学時代からの親友なので、この人が来てくれると日ソ関係を進め、北方領土交渉を進めるにもいい環境整備になるのではないかと当時は考えられていました。
それと比べると、少し格下の人が送られて来ているということを見ると、いまの日露関係を反映しているということが言えるかもしれません。今回の祝賀外交での日露間はなかなか話が進まないかもしれません。ただし、誰も人が来ないということではないですから、ロシア側の一定の配慮が感じられます。
今回は、24日に韓国のイ・ナギョン首相と安倍総理が会談する予定です。安倍首相との会談で何が出てくるかというところが注目です。会談をした結果、日韓関係がなお厳しいことになる可能性も考えられないことではありません。
「饗宴の儀」は4日間にわたって、22、25、29、31日と行われますが、平成のときには4日間で計7回行われましたが今回は1日1回ということで、招待客も平成のころよりは絞って行われるようです。そういう方向性を現在の皇室は示したいようですし、それを内閣が承認しているということなのでしょう。
いずれにしても、各国とも世界最長の歴史を誇る日本の皇室の「即位礼正殿の儀」に対して、日本と当該国の間が現状がどのような関係にあろうとも、失礼のない程度にある程度以上の格の人物を派遣しているということです。
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