2019年5月1日水曜日

新天皇がご即位 令和幕開け―【私の論評】即位に関する儀式は本日だけではなく、約1年にわたってさまざまな儀式・行事が行われる(゚д゚)!


「退位礼正殿の儀」に向かわれる新天皇、皇后両陛下=30日午後,皇居・半蔵門

皇太子さまは1日、第126代天皇に即位された。30年余り続いた「平成」が終わり、「令和」に同日改元された。平成時代の天皇陛下は4月30日で譲位し、上皇となられた。天皇の譲位は江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上初めて。天皇陛下は59歳で、戦後生まれの初の天皇となられた。陛下は5月1日、皇居・宮殿で皇位継承に伴う国事行為「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」と「即位後朝見(ちょうけん)の儀」に臨まれる。

 皇太子妃雅子さまと皇后さまは、それぞれ皇后、上皇后となられた。秋篠宮さまは皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)として、皇太子の役割を担われる。長男の悠仁さまが継承順位2位となられた。85歳の上皇さまは、これまで担ってきたほぼすべての公務を陛下に引き継がれた。

 上皇さまは4月30日午後5時、皇居・宮殿「松の間」で「退位礼正殿の儀」(退位の礼)に臨まれた。退位の礼では、歴代天皇に伝わる三種の神器のうち、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)の複製品と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、公務で使われる天皇の印「御璽(ぎょじ)」、国の印章「国璽(こくじ)」を、側近が「案(あん)」と呼ばれる台の上に安置。安倍晋三首相は自然災害などで困難に直面した際、常に国民に寄り添われてきた上皇さまに「明日への勇気と希望を与えてくださいました」と述べた。上皇さまは国民に「心から感謝します」と改めて謝意を示された。

退位の礼には上皇后さまが陪席されたほか、天皇、皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻をはじめ、女性を含む成年皇族方がご参列。安倍首相と閣僚のほか、衆参両院の正副議長、都道府県知事の代表と配偶者ら約290人も出席した。

 剣と勾玉などは5月1日午前0時をもって陛下に引き継がれた。陛下は1日午前に宮殿で行われる「剣璽等承継の儀」に臨み、続く「即位後朝見の儀」で、三権の長らと面会して天皇として最初のお言葉を述べ、即位を告げられる。

 今回の譲位は、平成29年6月に成立した、上皇さま一代限りで認める皇室典範特例法に基づいて行われた。

【私の論評】即位に関する儀式は本日だけではなく、約1年にわたってさまざまな儀式・行事が行われる(゚д゚)!
改元や、平成天皇のご譲位、令和天皇のご即位など、王室のある英国などは別にして、諸外国ではないことなので、海外で日本の即位がどのように受け止められているのかは興味深いです。実際どのように報道されていたのか、以下に掲載します。

英国 BBC

イギリスBBC放送のワールドニュースの見出しは、
Japan's new Emperor Naruhito succeeds father Akihito
”日本の新なるひと天皇が父あきひとを継いだ

日本では、天皇陛下とか皇太子さまと等と報道されていますし、名前は漢字で書かれているので、なんというお名前なのか多くの国民があまり馴染みがないですが、英語圏では、名前が報道されます。日本に興味のある海外の人のほうが日本人よりも名前を知っているかもしれないです。

天皇については、
The emperor in Japan holds no political power but serves as a national symbol.
” 日本の天皇は、政治的権力を持たず、国の象徴としての役割を果たす"と紹介しています。

その後、「儀式はいつ行われるのか」とか、「新天皇について我々が知っていること」とか「天皇家の家系図」などが紹介され、「日本の君主制はなぜ重要なのか」という内容にも踏み込んでいます。

米国 ニューヨークタイムズ
Emperor Akihito Abdicates, and a New Era Arrives in Japan
あきひと天皇が退位、そして新しい時代が始まる

5/1日本時間朝の時点でニューヨークタイムズに載っている記事は、昨日の退位式の模様のものです。

式典の写真と、まだ愛子さまが赤ちゃんの頃の新天皇家族の写真が掲載されています。記事では、主に新旧天皇の個人的な考え方について言及しています。

日本では、新聞は、天皇を個人として扱わず、個人として扱うのは週刊誌であるように思考えられているようです。このあたりが、日本と米国の違いのようです。

フランス ルモンド

今朝のルモンドのサイトには日本に関する記事が国際ページの中に2つありました。

ひとつは、
Au Japon, il n’y a pas de débat sur les fonctions de l’empereur
”日本では、天皇について議論はない

もうひとつは
Quel bilan pour Akihito, l’empereur du Japon qui a abdiqué après trente ans de règne ?
”30年の治世を経て退位した天皇あきひとはどうなるのか"というものでした。

どちらも読者の質問に答えるという形で記事を展開しています。中では第2次世界大戦のことや天皇の行動や意見が日本社会に与える影響、宗教としての神道についても書かれています。

フランスでの日本の天皇は象徴とはいいながら、政治に結びついていると受け止めらているようです。英語でもフランス語でも天皇と皇帝は同じ単語。確かに、皇帝等と言われたら、日本語でも権力者であると受け止められるかもしれません。

中国 中国新聞網
日本德仁天皇5月1日即位,开启“令和”时代
”日本の徳仁天皇は5月1日に即位し、「令和」時代を迎えた"中国の新聞は令和が入っています。元号が見出しに入ったのは中国だけです。今ではもう中国で元号は使われていないのですが、漢字で表記されることもあり、なんとなく多くの人に馴染みがあるようです。記事の中には平成も昭和も出てきます。そうして、令和の意味についても述べられています。

そしてこの縁起のいい日に、多くの婚姻届けが出され、結婚式が行われる予定になっていることを紹介しています。これはほかの国の新聞にはない視点です。

また、新宿アルタのモニターに前天皇陛下が映し出されている街の様子の写真が採用されています。

安倍首相の発言も紹介されていて、日本が直面する社会問題についても触れています。

この記事がほかの国の記事と比べて日本の報道と一番近い内容が書かれていたと思います。日本に暮らした経験があり、日本語もよくわか記者が書いているのでしょう。中国は近くの国であるということがわかります。

ちなみに、中国は韓国などとは違い、天皇を直接批判することはないようです。それどころか、中国の高官などが天皇陛下に謁見すると、その高官の中国での権威が高まるようです。

これについては、他の国でも似たようなところがあります。なぜなら、天皇は英語ではEmpero(皇帝)ですが、現在でEmperorが存在する国は日本しかないわけですから、日本で首相と面談するよりも、天皇陛下に謁見するほうが、はるかに権威が高いものとみなされるのは当然といえば当然です。

特に現中国は過去の古代の中国とは完璧に断絶されていて、歴史が70年くらいの国ですから、格式とか権威にはこだわりがあるようです。


各国読者の天皇に対する興味は国によって違うようです。そのため、国によって報道の仕方に違いがでてくるのでしょう。英国の報道がいちばんニュースらしいものでした。基本的な知識をきっちり押さえたうえで、書いているいるという印象を受けました。また、どの国の新聞も天皇の名前を載せています。日本ではこのようなことは、ほとんどありません。

米国人は天皇陛下個人に興味があるようです。フランスでは政治に興味があり、中国では国民の暮らしに興味があるという印象を受けました。

このあと即位関連の儀式の模様も世界で報道されるでしょう。これは日本人でも一生に何度立ち会えるものではないため、その珍しさに興味があることでしょう。

昨日、前天皇陛下は最後の儀式である「退位礼正殿の儀」にのぞまれ天皇を退位され、本日、令和の時代を迎えました。午前には「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」「即位後朝見の儀」が行われ、新天皇が即位されたことを初めて国民にお示しになられました。

誤解されがちのようですが、この2つの儀式では仰々しいことは行われず、極めてシンプルな内容で、それぞれ数分から10分ほどで終了しました。

『剣璽等承継の儀』は、宮殿のなかで一番格式の高い正殿『松の間』で行われます。よくテレビのニュース番組などで、ピカピカに光った板張りの大きな部屋でモーニング姿の新首相が天皇陛下から信任を受ける儀式の模様が流れますが、そこで使われている部屋といえば、わかりやすいかもしれません。

儀式では新天皇が侍従長より三種の神器と、天皇と日本国家の印鑑である国璽(こくじ)と御璽(ぎょじ)を受け取り、承継されました。三種の神器という言葉はよく使われますが、正式には天皇の継承権を保持される方だけが保有を許される“神物”という意味で、この儀式では三種のうちで八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と草薙の剣(くさなぎのつるぎ)のみが継承されました。ちなみに草薙の剣の実物は熱田神社に置かれているため、『形代』、いわゆる複製品が使用されました。

「剣璽等承継の儀」に臨まれる新天皇陛下=皇居・宮殿「松の間」2019年5月1日午前10時32分

「即位後朝見の儀」は、新天皇が三権の長、つまり首相、衆参両院の議長、最高裁判所長官にお会いになられ、即位後としては初めてのおことばを述べられました。そのほかにも、皇族方、閣僚や地方自治体の長なども参列しますが、前日に天皇を退位された上皇と上皇后は出席されませんでした。

「即位後朝見の儀」でお言葉を述べられる新天皇陛下=1日午前、皇居・宮殿「松の間」

新天皇即位に関する儀式は本日だけではなく、約1年にわたってさまざまな儀式・行事が行われます。たとえば、3日後の5月4日には一般参賀、10月22日には祝賀御列の儀、いわゆるパレードが行われ、さらに10~11月にかけて複数日にわたり、国内外から多くの代表者を集めた祝宴や晩餐会が行われます。

平成天皇即位のときの祝賀御列の儀

注目の儀式はやはりパレードでしょう。新天皇はモーニング、そして新皇后の雅子さまは華やかなロングドレスとティアラをお召しになられて、参道に集まった人々に笑顔で手をお振りになられ、日本全体が大きな祝福ムードに包まれるでしょう。

このほかには、大嘗祭も注目されます。新天皇が国民の安寧と五穀豊穣を祈念される祭礼で、皇位継承に伴い一世に一度しか行われない重要な儀式です。儀式のなかで行われる事柄や決まり事が非常に多く、平成の大嘗祭は午後6時半から始まり約9時間もかかりました。

平成の大嘗祭

今回も11月14日の夕方ごろから翌日未明にかけて行われる予定です。ちなみにこの大嘗祭は、実は具体的にどのようなことが行われているのかは秘密となっており、内容がほとんど知られていないことでも有名で、儀式が執り行われる大嘗宮は27億円かけてつくられますが、終わるとすぐに撤去されてしまいます。

代替わりという“国家的行事”だけに、私たち国民にとっても一生のうちで何度も立ち会うことのできない貴重な体験となりそうです。

このような儀式が1000年を超えて継承されてきたということに、畏敬の念を覚えます。

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