2019年5月15日水曜日

「Made in China」が米国市場から消える日―【私の論評】米国は中国が図体が大きいだけのアジアの凡庸な独裁国家になるまで制裁をやめない(゚д゚)!

「Made in China」が米国市場から消える日

立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)

対中制裁第4弾が発動される。トランプ米政権は5月13日、年間の輸入総額約3000億ドル分の中国製品に最大25%の追加関税を課す詳細案を公表した。米中の戦いは本格化する。

トランプが狙っている「戦勝」とは?

 トランプ大統領は5月1日のツイッターでこう語った――。

「Such an easy way to avoid Tariffs? Make or produce your goods and products in the good old USA. It’s very simple!(高い関税を避けたければ、非常に簡単な方法がある。アメリカに戻ってきて製品を生産することだ。とても簡単だろう)」

 人間(企業)は往々にして退路を断たれなければ、なかなか重い腰を上げようとしないのだ。トランプ氏は中国からのほぼすべての輸入品に対して関税を引き上げることにより、中国との「全面戦争」を宣告し、企業の退路を断った。

 多くの在中国外資系製造企業に残される道は、米国や台湾、日本など本国への引き揚げ、あるいはベトナムなどアジア第三国への移転にほかならない。要するに、中国からの転出である。この大移動は、移動する個別の企業の単純総和だけではない。最終的にサプライチェーンの移動であり、つまり「量」の積み上げにより、「質」の根本的変化を遂げることである。

 昨年12月9日付けの寄稿「休戦あり得ぬ米中貿易戦争、トランプが目指す最終的戦勝とは」にも書いた通り、いわゆる交渉は、休戦でも停戦でもなく、激戦の先送りに過ぎず、トランプ氏が目指しているのは、最終的な「戦勝」である。さらに、この「トランプを読み解く」シリーズで何度も繰り返しているように、トランプ氏の交渉は妥結を目的としていない。交渉は最終的な「戦勝」を得るための小道具にすぎない。

 では、トランプ氏が描いた「戦勝」とは、どんなものであろうか。氏の胸中を推し量ることは難しいが、本シリーズの初回寄稿「1ドルで働く大統領の欲求とは?」に、私はマズローの欲求5段階説を根拠に、トランプ氏は「歴史を創る」あるいは「歴史に名を残す」というような最高次欲求である第5段階の頂上に立とうとしているのではないかと仮説を立てた。

「歴史を創る」というキーワードから引き出される「戦勝像」とは、「新たな秩序を創り上げる」辺りにたどり着く。その内実は、米国はあらゆる勢力の台頭や挑戦を排除し、世界で唯一のスーパーパワーとしてその地位を維持し続けることではなかろうか。

 パワーの保有を裏付ける指標は、「ルールの制定権」にほかならない。国家最大のパワーは何と言っても法律の制定権であるのと同じように、世界のルールを決める王者は1人(1国)しかあり得ないのである。

米中妥結があり得ない理由

 この辺、中国は米国と非常によく似た考え方を持っている。「一山容不下二虎」(1つの山に2頭の虎を収容する空間はない)という中国のことわざがある。さらに、「一決雌雄(勝負を決する)」(『史記』項羽本紀、『三国演義』第31回)という形で最終的に勝敗、上下の位置を決める。

 歴史を見ても、中華中心の朝貢制度の下で、「皇帝」の唯一性は中国にとって譲れない一線だった。周辺属国に「王」がいても良いが、「皇」は許されない。皇帝は「天子」であり、天からミッションを託され、世界の中心に存する唯一の最高権力だったからだ。そこで、日本に「天」を戴く「皇」たる「天皇」が存在することは、中国にとってまったく面白くない話であった。

 天が広くても1つしかない。同じ天を戴く複数の「皇」が存してはならない。それこそ、漢語成語の「不共戴天」があるように、同じ天を共に戴くのは敵にほかならないという歴史の経緯を見れば、今日に至るまで日中関係に抜本的な改善が見られないことも理にかなっているといえる。

 中国が考えている他国との友好関係は、基本的に上下の位置を明確にしたうえでの平和親善に過ぎない。対等の友好関係と勝手に思い込んで中国と付き合おうとする日本には理解できない本質なのかもしれない。友好関係の構築にはまず、中国に頭を下げて「臣服」する必要があったからだ。米国にも同じことが言える。ついに力が付いたと自認する中国は、米国との勝負に出て上下を位置づけようとしていた。米国に残される道は1つしかない――勝負を決する。


 中国は一旦他国との上下関係が確定すれば、経済的利益を多少は度外視してもよいというスタンスであり、これも歴史的に検証可能である。属国の地位を認めた時点で中国から若干の経済的利益を引き出すことはさほど難しくない。要するに、「量」と「質」の関係を明確に切り離し、「量」は相談可能だが、「質」は原則の問題で一歩も譲ることができないということだ。

 トランプ氏はこれをよく理解しているようだ。対中交渉の過程を見ても分かるように、中国は米国からの輸入をどんどん増やしてもよいという条件をアピールし続けてきた。ところが、トランプ氏は一点張りで中国に構造的改革を迫った。まさに「量」と「質」の議論で噛み合うはずがない。

時間は誰の味方か?

 貿易交渉の席では、一連の妥結を引き出した後、米国側が中国に約束の執行(実施)の担保を求めた。その要求には数多くの国内法の改正も含まれていたであろう。国内法の改正は主権問題であり、外圧に屈しての国内法改正はまさに負けを意味する。これは政治的に断じて受け入れられないことである。すると、米中交渉の実質的決裂はいずれ不可避になる。

 トランプ氏はもしや、これを知っていたのか? この辺は、拙稿「悪人よりも悪魔を目指すトランプ、毒は猛毒をもって制す」で述べたように、トランプ氏の中国との戦い方は、洗練された紳士ルールよりもむしろ無頼漢らしきものが目立つ。「以其人之道,還治其人之身」(朱熹『中庸集注』第13章)。「その人のやり方をもって、その人を倒す」という意味で、俗にいえば、「毒をもって毒を制す」という策略だった。

 面白いことに、「無毒不丈夫(情に引かれめめしい振る舞いをせず、毒をもって、容赦なく徹底的に相手を叩きつぶす者こそ真の男だ)」という中国のことわざがあり、こうした「仁義なき戦い」のできる猛毒男トランプ氏は逆に、中国人から尊敬されているのではないだろうか。

「サプライヤー、製造施設の中国外移転を加速―米中交渉結果待たずに」。5月8日付けのブルームバーグ記事が報じているように、企業はもう動き出した。トランプ氏が狙っていたところだ。ここにも中国の誤算があった。

 中国は対米交渉で従来の「引き延ばし」戦略を使った。トランプ氏が次期大統領選で落ちれば、局面を挽回できると考えていたのだろう。これに対してトランプ氏はあえて、「交渉は急がない」と微笑んで対応した。理由は簡単だ。企業はもうこれ以上待てない。交渉が引き延ばされている間に、製造業はどんどん中国から逃げ出している。次期大統領選まではもたない。

 時間は誰の味方か? これを考えれば分かる。中国は経常収支が赤字に転落し、数千万人あるいは億単位の失業者が路頭に迷う。一方、米経済は好調だ。

「ゼロ和ゲーム」の仕掛け

 ゼロ和ゲーム(「ゼロサムゲーム」とも言われる)とは、一方の利益が増せば、その分だけ他方の損失が増え、参加者の得点と失点の総和(サム)がゼロになるゲームを指す。これに対し、非ゼロ和ゲームでは両方(全員)が勝者となる場合や、両方(全員)が敗者となる場合を指している。

 中国は盛んに「米中の戦いは、両方が敗者となるから、止めよう」と呼び掛けている。つまり中国は両敗の非ゼロ和ゲームと主張している。しかし、トランプ氏はどう思っているのだろうか。この辺、彼は明言しない代わりに、新冷戦下の「take sides(どちらか一方の側につく)」、つまり米中のどちらかの陣営を選ばざるを得ないムードを漂わせている。

 米ジャーナリストのトーマス・フリードマン氏は東西冷戦について、「It was also a zero-sum game, in which every gain for the Soviet Union and its allies was a loss for the West and NATO, and vice versa.(あれはゼロ和ゲームだ。ソ連とその同盟国のあらゆる『得』は、西側諸国やNATOにとっての『損』になる。逆もまた然り)」と指摘した。この法則は米中の「新冷戦」に適用するかどうか、これからの見所だ。

 イデオロギー対立に基づく対決の姿勢も度々示唆された。

 トランプ大統領が2018年9月25日、第73回国連総会演説で、ベネズエラのマドゥロ社会主義政権を例に引き、「少し前までベネズエラは世界で最も豊かな国の1つでした。今日、社会主義は石油資源に恵まれた国を破産させ、国民を赤貧に至らせました。事実上社会主義や共産主義が試みられたところではどこでも、苦悩、腐敗、そして衰退を生んできました。社会主義の権力への渇望は、拡張、侵略、そして抑圧へとつながります。世界の全ての国は、社会主義とそれが全ての人にもたらす悲惨さに抵抗すべきです」と社会主義や共産主義を痛烈に非難した。

 さらに、2018年11月7日、ホワイトハウスは「共産主義犠牲者の国民的記念日」(ロシア・ボルシェビキ革命101周年記念)に際してトランプ大統領の声明を発表した。「今日、私たちは共産主義によって生命と自由、そして幸福を追求する祝福を奪われた方々のことを偲び、共産主義の下でこれだけ多くの人たちが蒙った耐え難い損害を悼みますとともに、あらゆる人のために自由と機会を求め続けることを改めて誓います」

「Made in China」が米国市場から消える日

 米陣営側で注目すべきは、共産主義に背を向けたベトナムと、中華圏の民主主義老舗である台湾、そしてこれからの出方が注目される日本である。

 先の米朝ハノイ会談で、なぜベトナムが会談地に選ばれたかといえば、トランプ氏が意図的に社会主義の行方を示唆しようとしたのではないだろうか。社会主義や共産主義に対する明確な変節宣言がなくとも、米陣営側に立った時点で、現にベトナムは中国からの産業移転の受け入れ先として莫大な利益を手に入れようとしている。

 さらに台湾。中国からの産業移転先として、労働集約型のベトナムと並んで、台湾は高度な電子部品の生産などハイテク産業の受け皿になる。明確な役割分担があって都合が良い。米国が米台FTA、日本はTPPとそれぞれ台湾を後押しすれば、アジア地域のサプライチェーンの脱中国的な再編が加速化する……

 というのが、トランプ氏の描いている将来像ではないだろうか。

「トランプを読み解く」と題して10回連載してきたが、一旦ここで筆を擱きたい。トランプという人物は総じて言えば、決して日本人が好むようなタイプではない。政治というものは将来のある時点に立てば、歴史になる。歴史的視点から人物像を評価する場合は、結果を折り込んだ包括的なパースペクティブが可能になり、また評価される歴史的時点にかかわる種々の利害関係から脱することも可能になる。そうした意味で、もう少し客観的かつ公正な評価もできるようになろう。

 とは言っても、数十年数百年経っても、悪人は相変わらず悪人であり続けることもある。善人として歴史から消えるのと、悪人として歴史に残るのと、選べるとすれば、どっちを選ぶか、トランプ氏に聞いてみたい。答えは恐らく後者だろう。

 米中の戦いはどうなるか分からないが、もし、「Made in China」(の大部分)が米国市場から消えるのなら、トランプ氏は間違いなく「名君」として歴史に名を残すことになろう。

【私の論評】米国は中国が図体が大きいだけのアジアの凡庸な独裁国家になるまで制裁をやめない(゚д゚)!

冒頭の記事にある、サプライチェーンとは、日本語で「供給連鎖」と訳され、原材料・部品等の調達から、生産、流通を経て消費者に至るまでの一連のビジネスプロセスのことです。

サプライ・チェーン・マネジメント(英: supply chain management、SCM)、供給連鎖管理とは、物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメント手法です。

なお、この場合の「複数の企業間」とは旧来の親会社・子会社のような企業グループ内での関係に留まらず、対等な企業間で構築される物流システムもサプライ・チェーン・マネジメントと呼ばれます。しかし、実際には企業間の取引は対等であると限らず、現実と理論との乖離があり、その隙間(gap)分析が重要になります。


米議会の米中経済安全保障調査委員会(USCC)は年次報告書を公表し、米国は中国からのリスク増大に直面しているとして、テクノロジー企業のサプライチェーンに対する脅威や中国のインド太平洋地域における軍備拡大、対北朝鮮制裁を弱める中国の取り組みなどを列挙した。

USCCは昨年11月14日公表の報告書で、重要な技術開発への中国政府の支援や「米国と中国のサプライチェーンの密接な統合、米国に対する経済的軍事的な競争相手としての中国の役割が、米国にとって経済や安全保障、サプライチェーン、データプライバシーの面で非常に大きなリスクをもたらす」と分析しました。

2000年に議会が設置したUSCCは、中国の経済的・軍事的台頭に関して通常、批判的な評価を行い、貿易制裁などの対抗措置を勧告しています。

中国が米国の追加関税引き上げに対して、600億ドル相当の米国製品の関税を5~10%から最大25%に引き上げる報復措置を取ることを発表しました。これは、米国が2000億ドル分の中国製品に対する追加関税を10%から25%に引き上げたことを受けての報復関税で、6月1日に発動するといいます。



米国が強硬姿勢に出たことで、中国も対抗せざるを得ないという事情はよくわかります。しかし、600億ドル分の内訳を見ると、中国の厳しい現状が浮き彫りになっています。

報復措置の対象となるのは5140品目。液化天然ガスや大豆、落花生油、石油化学製品、冷凍野菜、化粧品など2493品目に対する追加関税は25%に、そのほかの1078品目は20%となる一方で、原油や大型航空機などは追加関税の対象外だといいます。

関税が上がる製品のほぼすべてが生活必需品であり、代替手段が取りづらいものです。そのため、関税引き上げは中国の消費者物価を直撃することになる可能性が高く、メンツを重視した中国は自分で自分の首を絞めることになりかねないです。また、この動きを見て、企業の投資計画などが変更される可能性も高く、冒頭の記事にもあるように、サプライチェーンの切り替えが進むことになります。

また、米国による対中輸出の規制も強化され始めている。米商務省は、中国企業6社、パキスタン企業1社、アラブ首長国連邦(UAE)が本拠の企業5社による、米国からのハイテク製品などの輸出を禁止したことを5月13日に発表した。同省によると、中国企業のうち4社は、米国の輸出規制に違反するかたちでイランの大量破壊兵器と軍事プログラムに転用可能な米国のコモディティを調達しようとした疑いがあり、ほか2社は制限されている技術の輸出に関与し、中国人民解放軍の関係団体に供与した疑いがあるといいます。

さらに、近いうちに米国輸出管理改革法(ECRA)も発動すると見られています。これは昨夏に米国防権限法に盛り込まれて成立した新法であり、米国の安全保障にとって必要な新興技術や基盤技術を輸出規制の対象とすることなどを定めたものです。

これまでも兵器転用可能な技術に関しては規制が設けられていたのですが、それに「バイオテクノロジー」「人工知能および機械学習技術」「測位技術」など14分野が新たに加えられました。これは、習近平国家主席が掲げる「中国製造2025」に指定されている分野とほぼ同じであり、中国に対する強烈な牽制です。

また、この分野や品目は今後も対象が拡大すると思われ、米国は先端技術に関しても、国家の安全保障にかかわるものとして「中国に渡さない」という意思を明確にしています。

かつて、主に旧ソ連をターゲットにした対共産圏輸出統制委員会(COCOM)という規制がありましたが、ECRAは中国を狙い撃ちにした現代版COCOMといえます。これは日本にとっても他人事ではなく、そのため今後は中国向け全般の投資と輸出計画の変更を余儀なくされるケースが増えるでしょう。


加えて、米通商代表部(USTR)は対中関税の「第4弾」として、3805品目3000億ドル分の中国製品に対し、最大25%の上乗せを検討することを発表しました。従来は対象外だったスマートフォンなども含まれ、中国からの輸入品のほぼすべてに制裁関税が発動されることになります。

品目や税率は6月の公聴会を経て調整される可能性がありますが、いずれにせよ、ここ数日の進展で米中貿易戦争の落としどころはさらに難しくなったといえます。

ちなみに、「中国は最後の手段として保有する米国債を売ればいい」などという主張も見かけるが、それはあり得ません。まず、中国の外貨準備には日本とは異なり、国有銀行保有分も含まれています。

中国の国有銀行の対外債務は1.6兆ドル(3カ月以内の短期1.1兆ドル)で、米国債は1.1兆ドルとなっています。つまり、ドルだけで見れば債務超過の状態であり、米国債を売れば国有銀行が破綻することになります。

また、米国はその気になれば米国債の売買そのものを無効化することもできます。米国は国際緊急経済権限法(IEEPA)や米国自由法により、米国の安全保障に重要な影響を与えると判断される経済活動を制限することができ、その対象となる資産を凍結することなどもできるためです。

さらに、現在の米国債は債券の現物がなく、米財務省に登録されている電子データにすぎないため、中国が不穏な動きを見せれば、米国側はボタンひとつで無効化することも可能です。

これらの事情に鑑みても、やはり中国のほうが分が悪いのははっきりしていますが、対立の妥協点はなかなか見つけることはできないでしょう。

以前から、このブログにも掲載しているように、米国をはじめとする先進国は中国が先進国並みに、民主化、政治と経済の分離、法治国家をして、まともな取引ができる状態にしたいと考え、過去には中国が経済発展をすれば、そうなるだろうと考えてきましたが、それはことごとく裏切られました。

中国が体制を変えない限り、いくら米国が厳しい措置をとったにしても、何も変わりません。しかし、中国にとって体制を変えるということは、中国共産党が統治の正当性を失うということを意味します。そうなれば、共産党一党独裁体制は崩れます。であれば、中国共産党は体制は変えないでしょう。

であれば、米国はこの対立を、中国が経済的に弱体化し、他国に影響力を及ぼせなくなるまで続けるしかありません。私としては、どの程度まで弱体化させるかといえば、今日のロシアと同程度か、それ以下ではないかとみています。

現在のロシアのGDPは、東京都よりも若干小さな規模です。無論ロシアは、旧ソ連の核や軍事技術の継承者であり、軍事的には侮れない存在ですが、それにしても経済に関しては、取るに足らない存在に成り果てました。

これを考えると、いくらロシアが頑張って他国に覇権を及ぼそうにも、経済的な裏付けがないため、せいぜいクリミア・セバストポリの併合くらのことしかできません。ロシアが超大国に返り咲くことはもはや不可能です。

米国は、中国の経済をロシア並みもしくは、それ以下になるまで、対立を続けると思います。もしそうなれば、ロシアの人口は1億4千万人で、中国の人口は13億人ですから、一人あたりのGDPはロシアの1/10くらい、日本の1/100くらいになることになります。

こうなると、中国は図体が大きいだけで、他国には何の影響も及ぼせないアジアの凡庸な独裁国家となるわけです。そうなると、中国は自国を守るだけで精一杯になります。ロシア、中国国境間紛争がまた再燃することでしょう。その時には、北方領土の変換交渉ははじめて、日本に有利になります。中国共産党が統治し続ける限り、中国に残された道はこれしかありません。

【関連記事】

誤算?無策?習政権、トランプ氏“逆鱗”読み切れず… 中国「報復」示唆も米側は切り札投入―【私の論評】「大幅な譲歩」か「強行路線」か?いずれに転んでも、習近平は過酷な状況に直面せざるを得ない(゚д゚)!

0 件のコメント:

日本保守党・百田代表「政府の怠慢」「制裁が足りない」初出席の拉致集会で政府批判 「日朝国交正常化推進議連」の解散も要求―【私の論評】日本とイスラエルの拉致被害者扱いの違いと国民国家の責任

日本保守党・百田代表「政府の怠慢」「制裁が足りない」初出席の拉致集会で政府批判 「日朝国交正常化推進議連」の解散も要求 まとめ 百田尚樹代表は、国民大集会で日本政府の北朝鮮による拉致問題への対応を「怠慢」と批判し、経済制裁の強化を求めた。 他の政党や超党派の「日朝国交正常化推進議...