2019年5月25日土曜日

【日本の解き方】日本の「対韓国制裁シナリオ」 仲裁委応じなければ提訴へ! カネでの締め付けが有効に―【私の論評】日本は、文政権時に断交していればポスト文政権と有利に交渉がすすめられる(゚д゚)!


文在寅氏

韓国のいわゆる徴用工判決を受けて、日本政府は日韓請求権協定に基づく仲裁付託を通告したが、これはどういう意図があるのか。今後、日韓首脳会談など歩み寄りの可能性はあるのだろうか。

 河野太郎外相は、パリで開かれた経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会に合わせて、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と会談した。「徴用工」問題については、仲裁委の開催を要請したが、韓国側は同意しなかった。

 日本は今年1月から、日韓請求権協定に基づき、2国間協議を申し入れていたが、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相が、三権分立を理由として「政府としてやれることに限界がある」などの発言をしていた。

23日、韓国の康京和外相(右)と会談に臨む河野外相(パリ)

 これは三権分立を履き違えたものだ。国際協定を履行するためには、必要に応じて立法措置を講ずればよく、その不作為は国際協定を守る意思がないといわれても仕方ない。日本大使館前のいわゆる慰安婦像も、ウイーン条約違反で、しかも公道の不法占拠なので、行政上の措置を取るべきなのに不作為を決め込んでいるのと同じ構造だ。

 いくら韓国政府に誠意がなくても、国際関係では適正な手順、手続きが重要であり、日本は事を急ぐことはできない。そこで、国家間の約束である日韓請求権協定上、次の段階である仲裁委の開催要求に進んだ。

 1月から4カ月経過したこのタイミングは、6月末の20カ国・地域(G20)首脳会議を控えている。日韓首脳会談は「見送り」と日本側から明確な意思表明がなされているが、これは韓国が会いたければ仲裁委を開けとの、日本からの強烈なメッセージでもある。

 しかし、これまでの韓国のスタンスから見て、このまま応じない可能性も高い。

 それに韓国が応じなければ、国際社会の前で赤っ恥をかくに違いない。日本はG20議長国であり、国際社会へのアピールの機会も多い。

 そして、韓国が応じない場合、次の段階として国際司法裁判所(ICJ)への提訴が検討されるのだろう。その後には、日本企業の資産の現金化が進んだ場合、韓国への対抗措置として制裁へ移行するのではないか。

 日韓請求権協定や国際司法の手順を尽くした後であれば、制裁の大義名分は十分に立つ。

 対抗措置はいろいろなメニューが考えられる。(1)ヒト(2)モノ(3)カネ(4)その他に対する規制に大別されるが、(1)はビザの発給停止、(2)は関税引き上げ、フッ化水素などの輸出禁止、(3)は送金停止、貿易保険の適用からの除外、日本国内の韓国企業の資産差し押さえ、韓国への直接投資規制、韓国機器への与信リスク引き上げ、(4)は駐韓大使帰国、断交などの具体的な方策が考えられる。

 このうち、日本人や日本企業への「誤爆」が少ないのは(3)のカネだ。特に、韓国のカントリーリスクを高め、韓国企業の外資取り入れコストを高くする方策が最もコストパフォーマンスがよいのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日本は、文政権時に断交していればポスト文政権と有利に交渉がすすめられる(゚д゚)!

これまで日本は、「韓国をいたずらに刺激しては、北朝鮮、中国、ロシアと日本の関係も悪化してしまう」等と懸念し、日韓関係の構築に努めてきました。地図を見れば、朝鮮半島は大陸が日本に突きつける“匕首であることが簡単に理解できます。

我が国は常に「朝鮮半島にユーラシア大陸との緩衝地帯を作る」ことを最優先にしてきました。これは、戦争の歴史が最も雄弁に物語っています。これが、白村江の戦い(663年)、日清戦争(1894~95年)、日露戦争(1904~05年)が起きた理由なのです。

「対馬海峡を日本の防衛戦にしてはいけない」という理屈で日韓関係を憂慮するむきもありますが、これに何の問題があるというのでしょうか。確かに現在、中国の軍事力増強は脅威かもしれません。しかし今の日本は、韓国に仲介を依頼しなくとも、北朝鮮、中国、ロシアと外交を結ぶことは可能です。

逆にこの特ア3国が韓国を先兵として日本への侵略を企てるというシナリオは、日米安保が機能している以上、机上の空論に過ぎません。日本が韓国と国交を断絶すれば、多くのメリットが得られますが、デメリットはありません。

仮に左派の文在寅(66)と金正恩(35)が手を結んだなら、史上最強の“反日国家”が誕生してしまうと心配するむきもありますが、これも杞憂に過ぎません。

朝鮮半島が南北に分裂しているメリットも無視できないことを忘れてはいけません。そもそも韓国は、中国に従属しようとしてますが、明らかに北は中国の干渉を嫌っています。

北朝鮮の核は、日米にとって脅威ではありますが、中国にとっても脅威です。現実は、北の核、北朝鮮の存在そのものが、中国の朝鮮半島への浸透を防いでいます。

そうして、米国、中国、露はいずれも、現状維持を望んでいます。北朝鮮も本当はそうです。この状況を変えようとしているのは、韓国だけです。これについては以前このブログにも掲載したことなので、詳細はその記事をご覧になってください。以下にその記事のリンクを掲載します。
北朝鮮『4・15ミサイル発射』に現実味!? 「絶対に許さない」米は警告も…強行なら“戦争”リスク―【私の論評】北がミサイル発射実験を開始すれば、米・中・露に圧力をかけられ制裁がますます厳しくなるだけ(゚д゚)!
金正恩氏は東倉里から“人工衛星”を発射しなかった。短距離弾道弾にお茶を濁したか・・・・

半島が統一してしまい、半島全体が中国側についてしまえば、中国にとっては最高ですが、米国にとっては最悪です。統一して、半島全体が米国側についてしまえば、中露にとっては最悪です。この最悪の事態よりは、現状のうが両陣営にとってずっと良いことなのです。

そうして何よりも、朝鮮戦争の再来は、米中露ともに避けたいと考えています。現在の露はすでにGDPが韓国より若干小さいくらいの規模にまで落ち込んでいます。とても、朝鮮戦争に干渉するだけの力はありません。中国も現状では経済が落ち込んでいますし、さらに米国から経済冷戦を挑まれたうえで、さらに朝鮮戦争を実行する余力はありません。

米国とて、かつてのように余力がある状態ではないし、現状では対中国経済冷戦を挑んでいる最中ですから、できれば朝鮮戦争の再来は避けたいです。米国にとっての本命は北朝鮮ではなく、中国です。米国が冷戦に勝てば、朝鮮半島問題も自動的に解消されるでしょう。

米中露は、当面は朝鮮半島は現状維持を望んでいるです。北朝鮮も、いかにも統一を望んでいるような素振りを見せることはありますが、もし統一すれば、国内に金王朝に対して何の敬意もなく、恩義もない韓国人が多数北朝鮮に入ってきたり国内で大きな影響力を持つことになるわけですから、これはどう考えても望ましいことではありません。

それでも、時折統一を望んでいるようにみせかけるのは、単に文在寅を喜ばせ、少しでも北朝鮮制裁が緩まれば良いからです。そのような金正恩の籠絡に、文在寅が有頂天になって舞い上がっているだけです。

日本企業の資産が実際に差し押さえられたら、日本としても、もうこれ以上韓国とは付き合えないです。

政治家、学者、弁護士など一部の頓珍漢な人達が韓国に理解を示したり、甘い顔を見せたりしていますが、さすがに今回は多くの国民の理解は得られないでしょう。

この事態を避けるにはどうしたら良いのでしょうか。韓国政府が今後徴用工裁判と同様の裁判を開かせないようにするのは無理でしょうし、賠償金を負担することもないでしょう。

だとすれば、日韓関係はいったん完璧に破綻しないとどうしようもないところにきたといえると思います。結局のところ、国交断絶です。そこまでやらないと事の深刻さ韓国は気付かないです。その先にしか日韓の未来はないです。

ブログ冒頭の高橋洋一氏記事のように、まずはカネによる制裁をすれば、一時は制裁が奏功する可能背もありますが、韓国政府の過去の出方をみれば、到底信用などできません。またすぐに元通りなるでしょう。最終的には国交を断絶するしかないです。



最近は、分政権の支持率は、落ちており、文政権は、どう考えてみても長期政権にはならず、近い将来に文政権は崩壊する可能性もあるものと思います。韓国の大統領は1期5年なので、朴槿恵大統領のように弾劾罷免されない限り、2022年5月9日までは大統領として任期が設定されています。文大統領の任期は最大限そこまで終わるでしょう。

いずれにせよ、文政権が終了したときに、すでに日本が韓国と断交していれば、ポスト文政権は、日本との関係を回復しようとするでしょう。日本としては、それでもしばらくは様子をみて、本気て相手が回復するつもりがあれば、国交断絶を解除すれば良いのです。おそらく、いままで一番交渉がしやすくなるでしょう。

もし、文政権が崩壊したときに、日韓が国交断絶していなければ、新たな政権も、文政権の反日を引き継ぐだけになり何も変わりません。その時になって、国交断絶するよりは、文政権時代に断絶しておくことのほうが、日本にとって有利なのは言うまでもありません。

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