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2018年5月6日日曜日

米国インサイド情報紙が「安倍3選は確実」と分析した理由―【私の論評】東京新聞ですら安倍氏3選確実と予想する自民総裁選の行方(゚д゚)!

米国インサイド情報紙が「安倍3選は確実」と分析した理由

中東歴訪中の安倍総理

米財務省最高幹部が示した「あるコピー」

安倍晋三首相は5月3日午後、中東歴訪(アラブ首長国連邦=UAE、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区の4ヵ国・地域)を終えて、帰国した。

いよいよ大型連休明けの7日から政局が本格化する。そうした中、筆者は連休中に会食した財務省の最高幹部から米国のニューズレター「OBSERVATORY VIEW」(4月26日号)のコピーを頂いた。

同紙を発行するOBSERVATORY GROUP社は金融・財政政策、米議会の動きなど、マクロ経済に与える政治経済動向をモニターし、債券、為替、株式市場に参加する機関投資家を対象に、市場価格に影響を与える可能性がある政策決定や政治情勢に関する分析・情報を事前に提供する。

ニューヨークの本社、首都ワシントン、スペインのビスケー湾に臨むビルバオ、インドの首都ニューデリー、中国の首都北京、そして東京にもオフィスを置く。

同紙は月3~4回、場合によっては週2回発行される。4月26日号はA4版13頁、その内容は「欧州中央銀行(ECB)の会合ポストビュー」と「日本政治―更なる疑惑の影響は?」であった。

興味深く読んだのは、「日本政治」のなかにあった以下の件である。

<安倍総理を引き摺り下ろすことを望む勢力が大声で騒ぎたてているにも拘わらず、最新の世論調査によると、安倍内閣の支持率は30%台前中半でそれなりのフロアを形成しているようだ。この水準だと、9月の総裁選でチャレンジャーが安倍総理に勝利するシナリオを描くのは難しい。我々の使う支持率は11の主要メディアの毎月の世論調査結果の平均値である。NHK、大手新聞5社(朝日、産経、日経、毎日、読売)、大手通信社2社(共同、時事)、民放3社(日本テレビ、TBS、テレビ朝日)の11社だ>

「世論はメディアと逆に動いている」と指摘

上記は、新聞記事でいう「リード」である。

そのリードに続いて、分析のポイントが3点記述され、補足のファクトが3点記されている。ポイント(1)は、こうだ。

<安倍内閣の支持率は4月、(財務省文書改竄問題発覚後の)3月中旬対比でみると、僅かだが上昇している。3月全体で見た支持率平均は39.2%だが、文書改竄問題後に実施された世論調査を平均すると、34.6%に下落している。これまで我々は改竄問題への有権者の反応を把握するため、34.6%の数字を使ってきたが、4月になると、支持率は35.3%に僅かに回復している>

その上でポイント(3)は次のように続いているのだ。

<より興味深いのは、福田財務次官のセクハラ疑惑発覚後、麻生大臣の辞任を要求する声が激しさを増していないことだ。実際、メディアの連日の報道にも拘わらず、そうした意見は(誤差の範囲だが)弱まっている>

事実、「日本経済新聞」の最新世論調査(4月27~29日実施)を見てみると、麻生太郎財務相は「辞任すべきだ」は49%で「辞任する必要ない」の43%を上回ったが、「辞任すべきだ」は前月比7%低下している。

それだけではない。野党6党が麻生財務相の辞任など求めて国会審議を拒否していることについて「適切ではない」は64%で「適切だ」の25%を大幅に上回った。上述の「大声で騒ぎ立てている」のは野党6党と一部メディアだと、同紙は分析しているのだ。

4月末の外遊中も満面の笑みを見せた麻生財務大臣

4月末の外遊中も満面の笑みを見せた麻生財務大臣(Photo by GettyImages)4月末の外遊中も満面の笑みを見せた麻生財務大臣(Photo by GettyImages)

アメリカは「3選濃厚」と見ている

重要なことは、このニューズレターが米国の視座から日本政治を分析していることである。ニューズレターと言えば、米国にはかつて「Smick & Medley International Report」があった。有名な1985年の「プラザ合意」をお膳立てした共和党のジャック・ケンプ下院議員首席補佐官のデビッド・スミック、民主党のビル・ブラッドレー上院議員経済首席顧問のリチャード・メドレー両氏が設立したものだ。

両氏は歴代の米政権の金融・通貨政策立案者に非常に近いインサイダーであり、その分析や予測の正確さもさることながら、同紙の真骨頂は、なんといっても情報の「深さ」であった。当時、同紙と契約していたのは世界で約50社(金融関連企業や各国金融当局)、年間購読料が18万ドル(約2500万円)からしても、その価値が理解できるはずだ。

これと同様に世界的に高い評価を得ている冒頭のニューズレターが、「結論」として<麻生攻撃を経由した安倍批判はヒステリックなレベルに達し、過去の例で言えば政権が近未来に瓦解してもおかしくない状況になるかと思いきや、一般有権者、特に若い世代の有権者がそうした風に乗る気はない>と断じているのだ。

今後の政局は荒れ模様になることは間違いないが、どうやら9月の安倍首相自民党総裁3選の可能性は高いと言っていいだろう。

【私の論評】東京新聞ですら安倍氏3選確実と予想する自民総裁選の行方(゚д゚)!

現在の世界情勢をみると、安倍総理が総裁選で負けて、一議員になれば、安倍総理が日本として着任以来、続けてきた全方位外交により、世界中の首脳と築いた強力な信頼関係という大きな資産を投げ出すことになります。

これは、日本にとっては、現状では大きな損失です。特に、北朝鮮情勢が急変している現状ではそうです。まともな国会議員ならこのくらいの認識はあると思います。国民の多くもこれを認識していると思います。

にもかかわらず、安倍おろしに走るような議員にはまともな国会議員や、多くの国民も賛同はしないでしょう。世界情勢が急変していて自国もその影響多大に被りそうな時、政権交代や首相や大統領の交代を望むような政治家や国民が多数を占めるような国はほとんどないでしょう。それが、常識というものです。

ブログ冒頭の記事では、米国インサイド情報紙が「安倍3選は確実」と分析していますが、自民党の衆議院議員、和田政宗氏はも以下のような分析をしています。

安倍総裁三選は確定的 あとは気を引き締めてやるだけ
和田政宗氏

メディアは、安倍総裁三選「黄信号」とか「正念場」とか書くがしっかり取材しているのだろうか。 
一部メディアは三選が確実なので、それを阻止しようとバイアスをかけた報道をしているのだろうか。 
国会議員票405票のうち、細田派94人、麻生派59人、二階派44人を足すと197人。 
これに加え、派閥無所属で安倍総裁を支持し、菅官房長官をはじめとする方々にご指導いただいているグループが30人。 
この人数を足すと全員で227人となり過半数を20人以上超える。 
党員票405票についても、全国では安倍総裁支持の声が圧倒的に強い。 
豊かで平和で誇りある我が国を守り抜くためにも安倍総理・総裁の力が必要。 
外交による平和構築、アベノミクスによる経済成長。 
国民が安心し、生活が豊かになるよう我々は政策を打ち邁進していく。
気を引き締めてやっていく。 
『自民党総裁選 高村正彦副総裁、安倍晋三首相3選支持』(産経新聞) 
https://www.sankei.com/politics/news/180504/plt1805040011-n1.html
私は、和田氏の見方は正しいと思います。

各種スキャンダルで、日本国内で最悪の政治的危機を迎えている安倍総理ですが、安倍内閣の支持率はまだ「政権を譲り渡すべき水準」までは落ちていません。

通常、内閣支持率が30%を下回れば「危険な状況」とみなされます。実際、2000年代以降に執権した首相のうち、大部分が支持率30%を下回ったことで、最終的に政権を譲ることになりました。2007年第1次安倍内閣は支持率25.3%で、2008年福田内閣は23.5%で、2009年麻生内閣は14.2%で、2012年民主党の野田内閣は23.0%で頓挫しました。

現在の安倍首相の場合、26.7%(日本テレビ4月13~15日)、29.0%(テレビ朝日4月21~22日)など、20%後半を二度記録したこともありましたが、他の多くの調査では30%以上を記録しています。


調査機関によりやや違いは見られますが、安倍内閣の支持率は概ね30%を維持しています。一体どのような人々が安倍内閣を支えているのかを分析してみまし。岩盤のように堅固な30%の固定支持層の正体は誰かということです。

東京新聞によると、安倍首相の強力な後援者は若年層です。4月14~15日に実施された共同通信の調査では、安倍内閣の支持率は37%でした。ところが60代以上の支持率は31.3%、40~50代は33.2%だった反面、18~39歳の支持率は49.3%に達しました。アベノミクスの金融緩和によって、雇用が増て実際に恩恵にあずかった若年層がそれだけ多いということです。

東京新聞は、最近実施された企業関連の世論調査を根拠に「若者層とともに企業が安倍内閣を支えている」と分析しました。524社を対象に4月4~17日に実施された「ロイター企業調査」によると、回答した220社のうち「貴社の事業活動にとって安倍首相の自民党総裁3選は望ましいことですか」との質問に「はい」と回答した会社が73%にのぼりました。「政策が大きく変わらないことが経済の安定をもたらす」という理由を挙げる会社が多かったのです。

安倍首相が今年1月の施政方針演説をはじめ、機会があるごとに「日本経済が28年ぶりに7四分期連続のプラス成長を実現した」「正規社員の有効求人倍率(求職者数に対する求人数の比率)が1を越えた」と強調していることも固定支持層の指示をつなぎとめたとみられます。

しかし、同紙は「求人倍率は2012年12月第二次安倍内閣発足以前からすでに改善され始めており、(株式市場の)日経平均指数上昇も公的資金の投入による効果が大きく、実際の景気とは別物」と強調しました。

これに関連して、同紙は「若年層や経済界だけなく、本当に安倍首相を支えるグループは何が起きても野党を支持せず、ただ慣習的に自民党とそのリーダーを支持する層」という駒沢大学の山崎望教授の分析も合わせて伝えました。

反安倍派の東京新聞としては、安倍総理が次の総裁選で落ちることを願っているのでしょうが、どう考えてみても、それはあり得ないということで悔しさを滲ませているのでしょう。

実際には、「慣習的に自民党とそのリーダーを支持している」のではありません。実際に経済は上向き、雇用は現在も引きつづき改善されています。これは、消費税増税は明らかに失敗でしたが、一方では金融緩和は継続してきたからに他なりません。

そうして、この政策の最大の受益者は、すでに就職した若者と、就活中と、その準備をする学生である若者たちです。就職は若者の人生を左右する一大事であり、雇用状況を良くした安倍総理を若者が指示することは当然といえば当然です。

外交、雇用ならびに経済でも、安倍政権は、過去20年間では最も良いパフォーマンスを出しています。安全保障でも高度な議論をしています。

もし、次の総裁選で安倍総理が落選するようなことにでもなれば、外交では安倍総理ほど良い成果を挙げられかどうかは疑問です。

雇用・経済に関しては、ポスト安倍の首相候補者はいずれも、マクロ経済音痴であり、特に金融政策に関してはまともな見識がありません。そのため、ポスト安倍政権は満足な雇用・経済対策を打ち出せず、雇用は悪化、日本は再びデフレ・スパイラルのどん底に沈み、円高によって再び国内の産業が空洞化することになります。

そういうことになれば、ポスト安倍の自民党政権の支持率は、誰が首相になってもまた支持率が30%未満ということになり、短期政権が続くことになります。それどころか、短期政権が何回か続き、過去のように下野することも考えられます。

このような事実もさりながら、「反安倍派」の急先鋒である、東京新聞が「安倍3選」を予測しているわけです。選挙というものは、実際に蓋をあけてみないとわからないといわれていますから、今後どのような不確定要素が出てこないとも限りませんが、今のところ安倍3選は余程のことがない限り確実でしょう。

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